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ICC KYOTO 2025のセッション「復活企画 最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?」、全4回の①は、楽天大学の設立者、仲山考材の仲山 進也さんが、「野球」と「サッカー」の違いを整理。「指示命令型」組織から「自律自走型」組織への転換を提案します。組織を自律自走させるカギ「お題設計アプローチ」とは?モデレーターは、ナレッジワーク麻野 耕司さんです。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜 3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
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【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 5B
復活企画 最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?
Supported by EVeM
(スピーカー)
永田 暁彦
UntroD Capital Japan
代表取締役
仲山 進也
仲山考材
代表取締役
松井 しのぶ
ユーザベース
上席執行役員 CHRO
松尾 真継
青曜社(せいようしゃ)
代表取締役
(モデレーター)
麻野 耕司
ナレッジワーク
CEO・CPO
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▶『復活企画 最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?』の配信済み記事一覧
リーダーシップとチームマネジメントを語る復活企画
麻野 耕司さん(以下、麻野) 今回、「最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?」ということですが、(ICC代表の小林)雅さんから「復活企画です、お願いします」という連絡が来たのです。

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麻野 耕司
ナレッジワーク
CEO・CPO
2003年 慶應義塾大学法学部卒業。同年、株式会社リンクアンドモチベーション入社。 2016年 国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」立ち上げ。国内HR Techの牽引役として注目を集める。 2018年 同社取締役に着任。2020年4月、「できる喜びが巡る日々を届ける」をミッションに、株式会社ナレッジワークを創業。 2022年4月 「みんなが売れる営業になる」セールスイネーブルメントクラウド「ナレッジワーク」をリリース。 著書:『NEW SALES 』 (ダイヤモンド社)、『THE TEAM 』 (幻冬舎)、『すべての組織は変えられる』(PHP研究所)
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そんなセッションあったかな?と思って、YouTubeで検索したら出てきて、そこに僕も登壇していて。
(一同笑)
こういうセッションあったな、と思って。
6、7年前のセッション(2018年2月開催)で、モデレーターが琴坂(将広)先生で、スピーカーは僕、岡島 悦子さん、中竹 竜二さん、石川 善樹さんでした。
復活企画ということなので、それを参考にしようと観たのですが、石川 善樹さんが90%くらい喋っていたので、参考になりませんでした。
(会場笑)
僕がモデレーターを務めるセッションは新規事業、採用、資金調達など、実用的なHOWのセッションが多いので、どうしようかなと思いましたが、今回はせっかくなので、深いセッションにしようと思います。
具体的なノウハウも話していただいてももちろんいいのですが、リーダーとは、チームとは、マネジメントとは何かという、思想についてみんなで深く話すセッションにしようかなと思っています。
では、軽く自己紹介をしていただきましょう。
永田さんからお願いします。
ユーグレナCEOを2年前に退任、UntroD Capital永田さん
永田 暁彦さん(以下、永田) UntroD Capitalの永田です、よろしくお願いします。

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永田 暁彦
UntroD Capital Japan
代表取締役
株式会社ユーグレナの未上場期より、取締役として事業戦略・財務・バイオ燃料領域を主に管轄。2021年より同社のCEOに就任し、全事業執行を務める。2024年退任。2015年、社会課題解決に資するディープテック投資を推進するベンチャーキャピタルファンドである「リアルテックファンド」を設立。2024年、同ファンドを運営するUntroD Capital Japan株式会社の代表取締役社長に就任した。
日本初のNPOを母体とするソーシャルインパクトIPOを果たした株式会社雨風太陽の創業および経営や、株式会社ヘラルボニーの経営顧問を務めるなど、資本主義におけるソーシャルインパクトの実現に注力している。
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2007年から16年間、上場後も含めて、ユーグレナという会社を経営していました。
2年前にユーグレナCEOを退任し、2015年からユーグレナと同時に経営していたディープテックベンチャーに投資するリアルテックファンドを拡大し、今はそれを専業にしています。
麻野さんには、前職のユーグレナで、チームビルディングのためのコンサルティングをしていただいていました。
経営者として去ると決めてから、自身のリーダーシップを振り返ることがたくさんありましたので、その話ができればいいなと思っています。
麻野 めちゃくちゃ聞きたい!
永田 (笑)ユーグレナの元仲間がたくさん会場にいるので、頑張ります(笑)。
麻野 楽しみにしています、よろしくお願いします。続いて仲山さん、お願いします。
出店者の学び合いの場「楽天大学」を立ち上げた仲山さん
仲山 進也さん(以下、仲山) 仲山です。

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仲山 進也
仲山考材
代表取締役
創業期(社員20 名)の楽天に入社。楽天市場出店者の学び合いの場「楽天大学」を設立、人にフォーカスした商売・組織育成のフレームワークを伝えつつ、出店者コミュニティの醸成を手がける。 楽天で唯一のフェロー風正社員(兼業自由・勤怠自由)となり、仲山考材を設立、考える材料(考材)をファシリテーションつきで提供している。 「ヴィッセル神戸」でネットショップ開設。「横浜F・マリノス」とプロ契約、コーチ向け・ジュニアユース向け育成プログラムを実施。 数万社の中小・ベンチャー企業を見続け支援しながら、消耗戦に陥らない経営、共創マーケティング、指示命令のない自律自走型の組織文化・チームづくり、人が育ちやすい環境のつくり方、仕事を遊ぶような働き方を探究している。 「子どもが憧れる、夢中で仕事する大人」を増やすことがミッション。「仕事を遊ぼう」がモットー。
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楽天に1999年に入社しまして、翌月に行われた全社合宿の集合写真がこれです。

34歳の三木谷(浩史)さんがいて、その隣に座っているのがセイチュウ(小林 正忠)さん。見た目が今とは違いますが。
写真の後列右端にいるのが26歳の僕です。
このくらいの時から楽天にいて、2000年に楽天大学を立ち上げました。
ヤッホーブルーイングの井手(直行)さんも講座に参加されていましたが、楽天大学は、楽天市場に出店する店長さんたちと、どうすればいい会社を作れるか、売れるかということを学び合う場です。
それを続けるうちに実践コミュニティみたいなものができて、楽天市場の店長たちは仲が良いと言われるようになりました。
今日はよろしくお願いします。
麻野 よろしくお願いします。続いて松井さん、お願いします。
ユーザベースの人事を統括する松井さん
松井 しのぶさん(以下、松井) ユーザベースの松井と申します。

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松井 しのぶ
ユーザベース
上席執行役員 CHRO
公認会計士。国内大手監査法人を経て、PwC税理士法人で国際税務のコンサルティングマネージャーに従事。2014年ユーザベースに参画し、人事・総務・法務などをはじめとするコーポレート全般を広く担当。また、IPOやM&Aなどユーザベースにおける各種コーポレートプロジェクトをリード。
2018年より、執行役員として、コーポレートを統括。2021年から2023年2月まで取締役を務めた。2023年よりCHROとして人事を統括。
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ユーザベースには2014年に入社し、リンクアンドモチベーション時代の麻野さんにコンサルをお願いもしていました。
社員数が70人くらいの時に入って、今は1,200人ほどになりました。
ここに至るまで、HRに限らず、コーポレート系を担当させていただいていました。
それ以外にも副業として、2社の社外取締役をしています。
幸い、社外取締役として指名・報酬委員会の委員長を務めさせていただいており、定期的にビジネスディスカッションと呼ばれる場で、色々なタイプのリーダーにお会いしますし、自社内にも当然色々なタイプのリーダーがいます。
最近リーダーシップは難しいなとひしひしと感じています。
答えがまだないので、今日皆さんの話を聞けるのを楽しみにしてきました。
よろしくお願いします。
麻野 よろしくお願いします。
松尾さん、お願いします。
21年間率いたスープストックトーキョーを卒業、青曜社 松尾さん
松尾 真継さん(以下、松尾) 青曜社、と言ってもどんな会社か分からないと思いますが、松尾と申します。

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松尾 真継
青曜社(せいようしゃ)
代表取締役
・理念経営推進やブランディングコンサルを担う「青曜社(せいようしゃ)」代表
・日経BP社主催の「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023大賞」受賞者
・元スープストックトーキョー代表取締役社長
99年早稲田法卒。総合商社、ファーストリテイリング経て、2004年に当時三菱商事社内ベンチャーだった株式会社スマイルズに入社。商品部長・事業統括を経て、2008年MBO成立時に同社副社長に就任。2016年からは同社から事業分社させた株式会社スープストックトーキョーの社長も兼務。20年以上に亘ってブランドを牽引し、2025年に卒業。以来、自ら設立した株式会社青曜社(せいようしゃ)にて、外食・食物販・物流・農業・科学技術・バイオ・教育など多ジャンルの大小さまざまな企業にて社外取やアドバイザーとして、ブランディングや経営支援を行っている。
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2004年、27歳の時にスープストックトーキョーというブランドの創業者である遠山(正道)さんに出会い、「僕がやったほうがうまくいくと思います」なんて生意気を言ったところ、「面白い、じゃあ任せた」ということで、それから21年間スープストックトーキョーを経営してきました。
分社化して、社長も務めました。
永田さんではないですが、僕も最近スープストックトーキョーを卒業しまして、永田さんともお仕事されていた工藤(萌)さんに社長をお願いしました。
今は、色々な会社を青臭く輝かせたいと考えて青曜社を立ち上げ、ICCメンバーのこともお手伝いさせていただいています。
コンサルというか、伴走者ですね。
よろしくお願いします。
麻野 よろしくお願いします。
ナレッジワーク麻野さんから3つの質問
麻野 皆さんには事前に、3つの質問をしますとお伝えしました。

まず、「最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメント」について、一言で答えるとしたら何と表現するか、という質問です。
2つ目として、その理由と内容、背景を教えてください。

そして3つ目として、できれば、その回答を象徴する具体的な人物やアクションも併せてお話しいただければと思っています。

つなげて話してもらったほうが分かりやすいと思うので、この3つについて1人10分ほどで話していただき、ディスカッションをし、最後15分くらいで会場からの質問にお答えしようと思っています。
では、準備万端な雰囲気のある仲山さんからお願いします。
何でもサッカーに例えて考えるという仲山さん
仲山 いえ、全然準備万端ではなくて…、僕は、話の流れに合わせてスライドを出すという芸風なので、最初だとあまり強みが生きないタイプなのですが。
(会場笑)
麻野 (笑)
仲山 3つの質問に直接答えていないかもしれませんが、僕は何でもサッカーに例えて考えるのが趣味です。
サッカー好きですが、試合は特に観ない、サッカーという概念が好きなサッカー好きです。
自己紹介の続きになりますが、サッカー好きとチーム作りの要素と掛け合わせ、『GIANT KILLING』というサッカー漫画とコラボさせてもらいました。

▶︎編集注:Amazonより
スライド左(単著)『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀』
右(菊原 志郎さんとの共著)『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方』
菊原 志郎さんを知っている方はいますか?(挙手を促す)
あまりいませんね。
ヴェルディ川崎の前身の読売サッカークラブで、16歳で日本代表になった天才なのですが、彼と一緒に本を出させてもらいました。
あと、『アオアシ』という漫画をご存知の方はいらっしゃいますか?(挙手を促す)

▶︎編集注:Amazonより
スライド左『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方: カオスな環境に強い「頭のよさ」とは』
右『アオアシに学ぶ「答えを教えない」教え方: 自律的に学ぶ個と組織を育む「お題設計アプローチ」とは』
あ、急に増えた。
この前、最終40巻が発売されたばかりです。
Jリーグのユースチームが舞台の漫画です。これとコラボし、「自分で考えて動くとは、具体的に何をどうすることなのか」を考えたのがスライドの左の本で、そういう自律的な人やチームがどうすれば増えるのかという育成がテーマなのがスライドの右の本です。
右の本の表紙は、福田監督という、答えを教えないタイプの教え上手なキャラクターで、そういう人はあまり何もしていないように見えるが、実際に何をしているか、何をやらないようにしているのかについて、自分なりに考えて書いた本です。
楽天のビジネスは野球よりもサッカーに近い
仲山 質問に答える前に、サッカーと野球について話したいと思います。
僕の知り合いに、サッカーチームと野球チームの両方を持っている人がいます。
三木谷さんというのですが。
2004年にヴィッセル神戸、2005年に楽天イーグルスの運営を開始し、それから少し経った頃、朝会という全社ミーティングの場で、「サッカーと野球のチーム両方をやってみて、自分たちのビジネスは野球よりもサッカーに近いと思っている」という話をしていたのがとても印象に残っています。
どういう意味なのか、自分なりに言語化をしたのがこれです。

野球は、ポジションが大体固定です。
サッカーは、ポジションは一応決まっているけれど、ディフェンダーが点を取っても良いし、他の選手の動きによって連携、フォローを求められることがあるので、ポジションは流動的です。
攻守の入れ替えは、野球は表裏のあるターン制で、サッカーは90分間1度も攻められずに終わることも下手すればあります。
野球は基本的に分業型で、攻撃も一人ずつ打つので連動はしませんが、サッカーは連動が求められます。
そうすると、チームワークの意味合いが変わってくると思います。
分業型のチームワークは、他人の邪魔をしないこと、仲良くすることが大事です。
もう少し言えば、自分が良いと思うやり方でやって、他人に迷惑をかけてはいけないというものです。
連携は、必要な時に、必要な作業や情報を受け渡すことです。
サッカーの場合、味方の邪魔をしない、仲が良いだけでは何も起こらず、意見をきちんとすり合わせながら、うまくやれる方法を見つけていかなければいけません。
ですので、意見のすり合わせがチームワークの本質で、連携と連動が求められます。

仕事の仕方として、野球は監督が指示を出しますが、サッカーは流動的で変化が速いし、監督がピッチサイドから11人に指示を出そうと思っても出しきれないので、選手たちが自分で考えて動けるようにならないと話になりません。
野球は監督が、起こっていることを全て把握しやすいゲームですが、サッカーはピッチ上でないと分からない情報が山ほどあります。
評価については、野球は個人成績で、エラーも個人につきますが、サッカーは点が入ったとしても、シュートを決めた人に得点がついても、その前のアシストで8割方勝負が決まっていたということもありますし、その5ステップ前のボールを奪ったプレーが良かったということもあります。
つまり、1点が入った時の評価の対象が分かりにくいということです。
あと、ボールを取られることをエラーだとすると、サッカーは90分間、エラーが起こりまくります。
そのエラーをどうフォローし合うかがプレーの本質みたいなところがあるので、毎日起こる色々な問題に対し、「どうする?」と言いながらクリアしていく状態がひたすら続く、カオスなスタートアップはサッカーっぽいと思います。
野球OSからサッカーOSへ切り替えていこう
仲山 昭和の人は、ビジネスを野球に例えることが多かった気がしますが、これからは、野球に例えるOSを一旦アンインストールし、サッカーOSに切り替えていくのが大事なのではないか。
特に、ここに集まっているような人たちは、サッカーOSで考えるのが大事だと思います。
ただ、サッカーをすればサッカーOSになるというわけではありません。
これは、野球をする人とサッカーをする人を、それぞれのOSで4つに分けてみた図です。

野球OSで野球をする人は、監督のサイン通りにバントをします。
サッカーOSでサッカーをする人は、自分たちで考えて動きます。
自律自走型の組織に共感、共鳴できる人の中に昔野球をしていた人が何人もいましたが、彼らがほぼ全員口を揃えて言っていたのは、監督のサインを無視して怒られたことがあるということです。
図で言えば左下ですが、つまり、自分で考えて動くタイプの人が野球をすると、サインを無視して怒られるという経験を必ずどこかでするということです。
そういう人が10人くらいいます。
図の右上が問題だと思います。
今サッカーの指導者になっている人は、40、50代ですが、その年代だと、ナイター中継が放映されているお茶の間で晩ご飯を食べるという環境で育っているはずなので、無意識のうちに野球OSが入っている人が多い気がします。
その結果、サッカーの指導者なのに、ピッチサイドで大きな声で「右に出せ」など指示をしたり、ミスした人にダメ出しをしたりという指導方法をします。
それがサッカーらしいプレーを阻害していると、サッカー指導者界で問題になっています。
こういう視点があると、今日のセッションの補助になるかなと思ったのですが、どうでしょうか?
「お題設計」アプローチと「伝統的」アプローチ

麻野 ありがとうございます。
メンバーが自律自走で動いてくれる組織はリーダーにとって理想的だと思いますが、そうなるのは結構難しい感覚を持っています。
そうなるためのポイントは何かありますか?
仲山 制約条件やルールを明確にすることです。サッカーは17条しかルールがなくて、一番ルールが少ないスポーツだと言われています。
▶Laws of the Game(日本サッカー協会)
例えば、反則になるのは、殴ったり蹴ったり、唾を吐きかけたりという、刑法で罰せられるようなことです。
唯一、理不尽な「手を使ってはいけない」という謎ルールがあり、それによってエラーがたくさん起こるのでゲームが面白くなるというスポーツです。
「このタスク(ボールを相手ゴールに入れる)を90分で行ってください、制約条件とルールはこれです」というお題設計をし、そのルールの範囲内で自由にプレーする。
僕はそれを、「お題設計アプローチ」と呼んでいます。
これに対して、手取り足取りでやり方を教え込むのを、「伝統的アプローチ」と呼びます。
サッカーでボールの蹴り方を教えるとき、伝統的アプローチだと、ボールの横10cmに踏み込んで、足のどこで、ボールのどこを叩いて、フォロースルーはこうで…、という教え方をします。

お題設計アプローチは、15m先のゴールに入れるのがお題で、途中に障害物を置いたり、その上や右を通る軌道を指定したりするだけです。
学習する側は試行錯誤をしながら、ゴールできるようになるまで頑張るというアプローチです。
伝統的アプローチの場合、言われた通りにボールを蹴れるようになったとしても、体格や筋肉、関節の柔らかさは人によって違うので、教えられた蹴り方がその人にとって最適だとは限らないのです。
そうなると、意識しているときはできても、元の自分の癖が出がち、教わったことを忘れがちになりますが、お題設計アプローチの場合は試行錯誤をして成功確率の高い、つまり自分に最適な方法を見つけたということであり、この違いが一番大きいです。
自律自走する組織へのポイントは「良いお題を作って渡す」

仲山 麻野さんの1つ目の質問への回答としては、一言で言うなら、「良いお題を作って渡す、以上」ですね。
チームの場合は、思ったことを言い合える、心理的安全性が担保されている関係性が大事です。
心理的安全性と良いお題があれば、あとは切磋琢磨して勝手に行動し、成長していくのではと思います。
三木谷さんが出すお題は重い、大きいものが多いですが、常にお題を出す人だという感覚を持っています。
麻野 ありがとうございます。
伝統的アプローチは具体的なアクションを指示するのに対し、お題設計アプローチは、ゴールやルールを示して自分で考えさせるということですね。
伝統的アプローチをする会社は業績が結構伸びているイメージを、僕は持っています。
むしろ楽天も、日報を提出して毎日フィードバックをもらっていそうなイメージを持っていて、それが強みになっている気もしています。
理想論としてはお題設計アプローチが良いと思いますが、楽天でも、具体的なアクションを非常に細かい形で指示していて、だから伸びているのではという気がしているのですが、実際はどうなのでしょうか?
仲山 お題の解き方は自由ですが、うまくいかない時間が続き、その時間が許容範囲を超えると、三木谷さんに「こういうことはやっているか?」と聞かれます。
「こういうこと」とは、たぶん一例なのですが、言われた人が伝統的アプローチのOSだと「やっていないので、やります」と、指示が出たという受け取り方になります。
それは楽天らしくないと思います。
逆に、「まだ結果は出ていないけれど、こういう仮説で試行錯誤中で、もう少し時間をもらっていいですか?」と言うと、許容可能な範囲であれば、三木谷さんは待ってくれる気がします。
麻野 ありがとうございます。
1つ目の質問への仲山さんの回答は、「お題を与える」ということですね。
他の方にも聞いていきましょう。
永田さんなら、どう答えますか?
(続)
▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成


