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「IoTやAIによって人間社会はどう変わるのか?」【K16-1A】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その4)は、「現代の魔法使い」を呼ばれる筑波大学 落合陽一さんに、自己紹介とデジタルネイチャー研究の概要についてお話し頂きました。参考の画像や動画などを御覧いただきつつ、お読みください。(超高度な内容です!)
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【登壇者情報】
2016年9月7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 1A
「IoTやAIによって人間社会はどう変わるのか?」
(スピーカー)
落合 陽一
筑波大学助教 ・ メディアアーティスト
河瀬 航大
株式会社フォトシンス
代表取締役社長
矢野 和男
株式会社 日立製作所
理事 研究開発グループ技師長 兼 人工知能ラボラトリ長
(モデレーター & スピーカー)
中村 洋基
PARTY
Creative Director / Founder
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最初の記事
【新】IoTとビックデータの活用で3分間の歯磨きが劇的に変わる(PARTY中村)【K16-1A #1】
1つ前の記事
IoTによって本来人間がするべきではない煩わしい仕事を代替する(フォトシンス河瀬)【K16-1A #3】
本編
中村 では、次は落合くん よろしくお願いします。
現代の魔法使い 「落合 陽一」は何者か?
落合 よろしくお願いします。
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落合陽一
メディアアーティスト,筑波大学助教 デジタルネイチャー研究室主宰,VRC理事.
1987年東京生まれ。筑波大学でメディア芸術を学び,東京大学で学際情報学の博士号を取得(学際情報学府初の早期修了者)。2015年より筑波大学助教に着任。映像を超えたマルチメディアの可能性に興味を持ち、デジタルネイチャーと呼ぶビジョンに向けて研究に従事。映像と物質の垣根を再構築する表現を計算機物理場(計算機ホログラム)によって実現している。デジタルネイチャーというコンピュータと人の新たなる関係性を実証するため、実世界志向コンピュータグラフィクスやヒューマンコンピューテーション、アナログとデジタルテクノロジーを混在させたメディアアート表現などを用いて表現活動を行っている。情報処理推進機構よりスーパークリエータ/天才プログラマー認定に認定。World Technology Award 2015、世界的なメディアアート賞であるアルスエレクトロニカ賞受賞など、国内外で受賞歴多数。
著書に 「魔法の世紀」 PLANETS /「これからの世界をつくる仲間たちへ」(小学館)
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僕はすごく早口なので、皆さん集中して聞いて頂ければと思います。
(編集注:本当に早口で難しいです! 記事には情報を補足しております)
結論は、ソフトウェアということですが、その結論になぜ行き着いたかを話しますね。
肩書きがたくさんあると胡散臭い人に見えてしまうのですが、大学の先生です。博士を出ています。
あとは、ベンチャー企業2社を経営していて、最近は理事職が増えてきているので、おじさんの仲間入りをしていますが、28歳です。
最近頂いた大きな賞は、ワールドテクノロジーアワードという賞です。歴代もらっている方はノーベル賞学者などですが、2015年になぜか私も頂きまして、緊張しながらTIME社に行った記憶があります。
僕が今メインに力を入れている活動は、大学の研究室で、25人くらい学生がいます。僕の専門は、数理的に音と光を操ることです。
簡単に言うと、ホログラムという1970年代に流行した技術があるのですが、光や音といった波形の物理量をどうやって3次元データとして扱うかということをホログラム計算で解いています。
それによって何が出来るかというと、例えば、モノを空中に浮かんだ状態で形成したり、プラズマの形を変えて、触れるVRを作ったりすることが出来ます。
例えば、3Dプリンターで出てくるモノや映像的に存在しているモノの間に、違うオルタナティブを作るはずで、イメージでも物質でもないモノをどうやって創るのか、ということを空中メディアとして研究していました。
それをスピンオフさせた会社を経営しています。今月中にも製品がリリースされる予定です。
超指向性音響スピーカーなのですが、耳元だけに音を鳴らしたり、空間の1点だけから音が鳴るようにさせたり出来るモノです。
既存の技術との違いは、ビームを1点に収束させることが出来るので、全くこれまでとは異なる音響の鳴らし方が可能です。
普段やっていることは、リサーチしてプロトタイピングしてマーケットに出すことを速いサイクルで繰り返すことをやっています。
15歳の子供が5年前の修士論文レベルのことを実現できる
落合 最近、IoT関連で1番びっくりした出来事があります。
「未来をつくる「イノヴェイション・サマースクール」(WIRED × イノラボ × TechShop共催)を開催したのですが、ハードウェアをやって、ソフトウェアをやって、機械学習をやって、UXをやるという3日間で、計36時間ほどしか時間がありませんでした。
それでも、ワークショップの参加者である平均年齢15歳くらいの子たちが、ジェスチャー認識をして、デジタルファブリケーションで作ったモノに、行動認識をさせるところまで全員到達しました。
これはすごいことで、5年前までは、加速度センサーを使って機械学習させることは、修士論文のレベルでした。
つまり、今まで24歳で卒業してきた人たちが、今は15歳に負けてしまうんですね。
これはどうしてかと言いますと、インターネットの力によって、あらゆるソースコードがコピー出来るようになり、Microsoft Azureは小学生が扱える程度に簡単なインターフェースで出来ているからです。
つまり、今まで学んだ人は学び直さないとどうしようもないです。これは本当に正しいと思います。
「リアルとバーチャル」ではなく「実質と物質」
僕が何をやっているかというと、昔から「リアルとバーチャル」という分け方はナンセンスだと思っているので、この言葉を「実質と物質」という言葉に置き換えて考えています。
ポケモンをイメージして頂くと分かりやすいのですが、データとして存在しているモノと物理的に存在しているモノの間を、どうやって取り成していくかに対して、プリンターを使ってモノを作ったり、コミュニケーションを作ったりすることに取り組んでいます。
つまり、人と機械、物質と実質の間にある関係性を、物理学的にどう考えて、機械学習的にどう実装するのかということです。
簡単に言うと、3Dモデルは画面の中にあると体積しかないのですが、物理世界に出てくると、密度、誘電率、磁化率と、体積と物質的なパラメーターが大量にあります。
これをいちいち機械学習に取り込むのか、モデルに計算させて有限要素法(数値解析手法)で解くのかということを研究しています。
つまり、物理現象をソフトウェアで理解して最大公約数的に解いて、それをハードウェアとして作るために、そのメソッドやデータを表現するべく、物理現象を模索しています。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子
続きは 人間はコンピューターによって制御される(落合陽一) をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その5)では、現代の魔法使い」を呼ばれる筑波大学 落合陽一さんにデジタルネイチャー研究の具体的な各プロジェクトについてお話し頂きました。是非ご期待ください。感想はぜひNewsPicksでコメントを頂けると大変うれしいです。
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