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気候変動に打ち勝つ「次世代品種」で、日本品質のフルーツ生産を海外でも可能にする「CULTA」(ICC FUKUOKA 2026)

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ICC FUKUOKA 2026 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき、見事優勝に輝いた、CULTA 野秋 収平さんのプレゼンテーション動画【気候変動に打ち勝つ「次世代品種」で、日本品質のフルーツ生産を海外でも可能にする「CULTA」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。

気候変動に打ち勝つ「次世代品種」で、グローバルで日本品質のフルーツ生産を可能にする「CULTA」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2026)


【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Sponsored by EVeM

野秋 収平
CULTA
代表取締役CEO
公式HP | 公式X① | 公式X②

東京大学大学院農学生命科学研究科卒。農業分野への画像解析技術の応用で、修士(農学)を取得。大学院在学中にCULTAを創業。『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023 (世界を変える30歳未満30人) 』選出。1993年生まれ。静岡県沼津市出身


野秋 収平さん 新品種で「気候変動に負けない農業」を創る、株式会社CULTA(カルタ)の野秋です。

突然ですが、最近、こんなニュースが増えていませんか?

収穫前のリンゴに亀裂が入ってしまったブドウの色味がおかしい、イチゴの実が焼けてしまっている。

これらは一切売り物になりません。全て気候変動が原因です。全国の産地で、農家から悲鳴があがっています。

「気候変動で、農業がピンチ」なのです。

ベストな気候変動対策は「品種」の開発

これは日本国内だけでなく、世界的な課題。

この農業のピンチを、いかにして救うか?

我々CULTAは、気候変動に打ち勝つ新品種開発でこのピンチに挑みます。

なぜ「品種」がベストな解決策なのか?

それは品種が農業にとって最も費用対効果が高い気候変動対策だからです。

例えば、温暖化した暑い環境下でブドウを生産する場合、冷房ハウスを建設したら数億円の設備投資が必要ですが、暑さに強い耐暑性品種があれば1本2,000円の苗木を買うだけ。つまり、コストパフォーマンスが非常に良い良い品種ならば、農家は一気に導入します。

つまり、品種こそが農業のセンターピンなのです。

伝統的手法「交配育種」を5倍速で実現

ただ、品種開発にはある「難題」があります、それは開発期間が長すぎることです。

品種の開発には、10年以上かかるのが当たり前の世界です。

我々の強みは、高速品種開発技術です。

通常10年、長いもので30年かかる新品種を5倍速で開発する技術を持っています。

特徴は、ゲノム編集と遺伝子組み換えなしで品種開発を高速化できることです。

親と親を掛け合わせてできた子たちから優れた品種を選び出す「交配育種(※) 」という伝統的な手法を、高速化しています。

▶編集注:交配育種とは、異なる遺伝的背景を持つ親を人工的に掛け合わせて、多数の子を得て、その中から目的に適う性質を選び抜く手法。例えば、「病気に強く、甘くない品種」と「病気に弱いが甘い品種」を掛け合わせ、「甘くて、病気に強い」という狙った性質を持つ子を選抜する(CULTA Technologyを参照)。

なぜ高速品種開発ができるのか

高速化できる理由は、主に2つあります。

1つ目の理由は、AIです。

自社独自の数千個体の遺伝資源から得た遺伝情報、そして耐暑性や糖度に関する特性、これらのデータから構築した独自のAIモデルです。

CULTA式では、この独自AIモデルで狙った特性を持つ「親の掛け合わせ」候補を徹底的に絞り込みます。

そして、その絞った候補を品種開発専用の植物工場内で高速で掛け合わせ続けることで、狙い通りの新品種を高速開発します。

これらは現在、特許出願中です。

異分野のエキスパートが結集したチーム

実はこのプロセスは、これまで実用化が進んでいませんでした。

なぜか?

理由は簡単です。

領域の異なる先端技術の融合が必要で、あまりにも難しいからです。

CULTAには東京大学で研究していた私をはじめ各領域のエキスパートが結集しています。

その結果、通常10年かかるイチゴの新品種開発にわずか2年で成功しました。

開発に着手して3年半で既に4品種を開発し、市場投入に成功しています。

この業界では異例のスピードです。

春先の暑さに負けない品種で収量と売上がアップ

気候変動への適応はどうか?

かつて、12月から6月までイチゴを出荷できていた日本。

最近は温暖化で4月以降の品質低下が深刻なため出荷できず、2カ月分の売上が減少しています。

CULTA品種なら春先の暑さに負けず6月まで出荷可能、既存の品種に比べて収量は1.4倍にアップ。気候変動への適応が可能です。

委託生産、全量買取保証の垂直統合型モデル

CULTAは、農家の経営に重要な収量だけではなく、単価にもコミットします。

どうコミットするか?

我々のビジネスモデルに、秘密があります。

CULTAは、独自品種を農家に売って稼ぐビジネスモデルの会社ではありません。

CULTAは、まず独自品種をパートナー農家に提供し、委託生産で出来上がった農作物を固定単価で全量買取。自社ブランドの農作物販売で稼ぐ「垂直統合型のビジネスモデル」を採用しています。

農家は品種を変えるだけで気候変動対策が可能

農家にとっては品種を変えるだけで、今ある生産設備はそのまま使えます。

つまり、新規設備投資ゼロ、固定単価、全量買取保証で、農家は超低リスクで気候変動対策ができるのです。

結果、既に国内で100軒がCULTA品種の試験栽培に着手し、一部のJAでも導入実証が進んでいます。

JA西三河、CULTAイチゴ新品種「CULTA-T3L」の委託生産実証を実施(PR TIMES) 

我々は、現在量産初年度ですが、来年には生産量を5倍、再来年には20倍に拡大させます。

理由は、農家と組むだけで一気に生産量を伸ばせる委託生産モデルだから。大きな資本投下は不要で、品種を投下するだけで一気に供給量のスケールが可能なのです。

東南アジアで人気爆発、商品力で順調に成長中

CULTAのこの垂直統合モデルは、実はフルーツ農業ビジネスでは「王道」です。

キウイフルーツのゼスプリ、オレンジのサンキスト、バナナのドール。皆さんも一度は見たことのある、これらフルーツ業界のグローバルリーディングカンパニーのブランドと同じモデルをCULTAは採用しています。

とはいえ、全量買取のビジネスモデルはリスクが高いと思いませんか?

本当に売れるのか?

現在、美味しさが評価され、しっかりと売れています。

主力商品のSAKURA DROPSの特徴は、圧倒的な「甘さ」、長時間の輸送でも実が傷まない「今までにない硬さ」。その硬さ故に、イチゴ狩りだけで楽しめる真っ赤な完熟のイチゴを、世界中に美味しい状態でお届けが可能であることです。

それではぜひ、お手元のイチゴをご試食ください。

▶プレゼン中に、審査員席にSAKURA DROPSが配布されました。

「甘さ」、そして「今までにない硬さ」を味わっていただけると思います。

このイチゴは東南アジアで人気爆発。シンガポールでは売り場に出せば即日完売、新ブランドとしては、異例の規模で多数のスーパーで展開できています。

CULTA、独自品種でプレミアムイチゴ・ブランド「SAKURA DROPS」を立ち上げ。シンガポール・マレーシアの高級スーパーで日本産イチゴを販売(PR TIMES) 

この商品力があるからこそ、固定単価×全量買取のモデルが実現できるのです。

マレーシアで日本品質の再現に成功

このように、日本生産、東南アジア販売で成長中のCULTAですが、本丸は海外生産です。

このモデルを既に、グローバル展開させています。

CULTA品種を、日本と全く異なる熱帯気候のマレーシアで実証栽培しています。

もともと現地で流通していたマレーシア産のイチゴは、チョコレートをつけないと食べられないほど美味しくないという現地評価でした。

そこでCULTA品種を持ち込んだところ、生育旺盛で美味しい日本と遜色ない品質での生産に成功しました。

今年から量産販売を開始します。

マレーシアで日本品質を実現することができれば、東南アジア都市部へ低コストな陸路輸送が可能になり、結果、粗利は50%を超えます。

日本品質かつNONゲノム編集で世界の要件をクリア

そしてマレーシアだけではなく、今、世界中から求められるCULTA品種には、特に世界各地の巨大農家「メガファーマー」からの協業依頼が相次いでいます。

東京ドーム109個分の面積でイチゴを栽培するスペインのメガファーマーにも、CULTA品種の提供が既に決定しています。

海外のメガファーマーが求めているのは、日本と異なる環境、栽培方法でも日本品質の美味しい果実を実現できる品種です。

さらに「ゲノム編集不使用の品種」には強いニーズがあります。世界には、ゲノム編集品種がそもそも規制で栽培できない、消費者に嫌われていて売れない地域がたくさんあります。

ゲノム編集不使用、伝統的な「交配育種」を高速化して開発されたCULTA品種なら、世界中どの産地・売り場へ進出しても、問題ありません。これこそ、CULTA品種が今、世界中から求められている理由です。

120兆円のフルーツ・嗜好作物市場に挑戦

ここまでで思いましたよね、「農業ベンチャーで、またイチゴか」と。

私たちは、イチゴ屋になりたいのではありません。

ブドウ、バナナ、コーヒー、目指すのは、あらゆるフルーツ、嗜好作物を手がけるグローバルカンパニーです。

既にイチゴ以外に、ブドウ、リンゴといった果樹類の新品種開発も高速で進行中です。

我々が狙うフルーツ・嗜好作物は、グローバルで120兆円の巨大市場です。

日本品質×高速品種開発で農業界のピンチをチャンスに変える

この巨大市場でCULTAには明らかな「勝ち筋」があります。

農業界に訪れた大きなピンチこそ、千載一遇のチャンスだからです。

まず、フルーツ、嗜好作物は気候変動に脆弱ですので、適応できる新品種が世界中で今、強く求められています。

次に、これらの新品種開発には非常に時間がかかります。

品種開発の世界では、イチゴの10年でも短く、シャインマスカットは30年もの開発期間がかっています。

だからこそ、CULTAの高速品種開発には、圧倒的な優位性があります。

さらに、CULTAは日本の品種が圧倒的に強く、世界的に評価されているフルーツから参入。日本発だからできる戦い方で勝ちにいきます。

新品種で、「気候変動に負けない農業」を創る

気候変動はグローバル農業に訪れた、明確なパラダイムシフトです。

農家が品種の切り替えを迫られる次の10年に、次世代を代表する品種を作れるプレイヤーが勝者になります。

CULTAはテクノロジーと日本品質を強みにこの巨大市場に挑み、次世代のリーディングカンパニーに必ずなります。

新品種で、「気候変動に負けない農業」を創る、CULTAでした。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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