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ICC FUKUOKA 2026 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇した、カマン 善積 真吾さんのプレゼンテーション動画【日本をサーキュラー先進国へ!リユース容器が循環する仕組みを日常に広げる「カマン」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ
善積 真吾
カマン
代表取締役
公式HP | 公式X① | 公式X②
慶應義塾大学理工学研究科(修士)卒業。スペインIE Business SchoolにてMBA取得。新卒から16年間、ソニー株式会社にて新規事業開発や新規事業創出プログラムの立ち上げに参画。その後、地域循環型社会の構築への課題意識から、2020年末に株式会社カマンを創設。使い捨て容器削減を目的とした地域共通リユース容器シェアリングサービス「Megloo」を立ち上げ、現在までに全国20都市での実装、およびスポーツイベントやフェス等への利用拡大を推進。慶應義塾大学SFC研究所 上席所員、HATSU鎌倉/鎌倉サーキュラーアワード/CIRCULAR STARTUP TOKYOメンター、環境省資源循環促進支援事業伴走マイスター。
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善積 真吾さん 「すてる」から「めぐる」社会インフラへ。
リユース容器循環プラットフォーム「Megloo(メグルー)」を運営するカマンの善積です。

広がる草原、空を映す湖で実感した環境破壊
突然ですが、20年前、私は旅行が大好きで、学生時代から70カ国ぐらい訪れていました。

ある時、モンゴルに行きました。

大草原が広がっていて、地平線まで馬に乗って走っていく体験をしました。
それは最高だったのですが、実は足元を見てみるとタバコの吸い殻やケースが落ちていたり、そこが砂漠化していて、「去年まで、ここは草原だったのにな」というようなことを言われたりしました。

また、ミクロネシアの無人島を訪れたら、とても美しかったのに、温暖化によってサンゴの白化が進んでいたり、海ごみが流れ着いていたりということも経験しました。

ボリビアのウユニ塩湖に行った時には、周辺に使い捨てプラスチックの湖のようなものがありました。

都会に住んでいると何も感じなかったのですが、秘境の地へ行くと必ず環境破壊が進んでいることを強く実感しました。

息子が「本当に作りたかったもの」を気づかせてくれた
こんな課題をいつか解決したいと思う一方、「なかなか仕事にはできないな」と思っていました。

そうした中、普通にメーカーのソニーに就職しました。
それからは数々の尖った商品をゼロから立ち上げる経験をさせていただき、ものづくりにどんどんのめり込んでいきました。
どちらかというと、大量生産、大量消費側になり、環境意識は徐々に薄れていきました。
そうした中、息子が生まれて3歳ぐらいになった時、一緒に散歩していると、息子が道端に落ちているごみを拾うようになりました。

保育園でそう習っていると聞いて「素晴らしいな」と思ったと同時に、「そうだ、僕は子どもたちに残したい未来を作っていきたいんだ」と、ハッと思い出しました。

そして今なら、この環境問題も仕事にしていけるのではないか、そう思いました。

国内年間400万トンに達する容器包装プラスチックごみ
今までは「顧客視点」と「利益視点」が中心でしたが、それに「地球視点」を加えて持続可能な社会をしっかり作っていきたいと思うようになり、5年前の40歳の時、起業しました。

最初に直面したのは、テイクアウトのごみでした。

当時、コロナ禍で、私もよくテイクアウトをしていました。
ごみ箱に食べ終わった後の弁当容器が積まれていく姿を見て、「これをなんとかできないかな」と思うようになりました。
日本では年間およそ800万トンのプラスチックごみが捨てられていますが、その半分が容器包装プラスチックごみです。

容器包装プラスチックごみの1/4がカップや弁当の容器で、こういった問題が地球温暖化や海洋汚染に間接的につながっています。

繰り返し利用できるリユース容器を開発
使い捨てるのではなく、めぐる仕組みを作る。

古くて新しいリユースというものを、テクノロジーで再発明できないかと思い、4年前(2022年)からMegloo(メグルー)というサービスを鎌倉で開始しました。

カフェやレストランでテイクアウトする時にQRコードを読んで容器を借りて、食べ終えたら対応店舗であれば、どこにでも返せる仕組みを作りました。
また、就労継続支援B型事業所の方が回収に行き、容器を飲食店に再配布し、また使ってもらうというゼロウェイストな仕組みを作りました。
▶就労継続支援事業所とは?A型とB型の違い!対象者や給料など就労継続支援施設/作業所をわかりやすく比較! (就労支援ガイド)
500回以上繰り返し利用でき、洗いやすく持ち運びやすい容器を新たに開発し、QRを読み込むことで返却率は99%を超え、ローカルで回収、洗浄、再配布するオペレーションを構築し、低コストかつ低環境負荷を実現しました。

最近、紙の容器に置き換える動きも多いですが、使い捨てだと100個使えば3kgのごみが出てしまいます。

リユースの容器を使えば、ごみは出ません。
またリユースの容器は、輸送や洗浄を含めても、紙の容器に比べてCO2を9割削減できます。

個人の意識に頼らない仕組みを作る
「リユースって、興味はあるけど大変そう」という印象が強いですが、一つ一つの課題をクリアしていきました。

多数のメディアに取り上げていただき、全国20都市に広げることができ、利用者数も売上も堅調に伸びていきました。

しかし実際のところ、Meglooの容器を1年間に20,000回使ってもらって「500kg減らせた!」と思っても、それは日本の食品包装プラスチックごみの「0.0000005%」ほどで、本当に微々たるものです。

プラスチックごみを“何割”という単位で減らしていくには、意識の高い人が選択して使う仕組みではだめだと気づきました。


街全体のテイクアウトで広く浅く個人の意思に任せて導入するのではなく、イベントやフェスなど大量に人が集まり大量に消費される場所にイベント全体で導入し、個人の意識に頼らず自然と使われる仕組みを作ることが必要です。
湘南ベルマーレがMeglooを採用
例えば、こちらはJリーグのとあるチームのバックヤードですが、毎試合平均2万人が来場し、1トンのごみが出ています。

これは、Meglooで1年間に減らした容器の数を、たった1日で消費してしまっている量です。
Jリーグでは、2026年から「Sport Positive Leagues」が始まり、サッカーの順位だけでなく、環境対策への評価もランキング化されます。

12項目のカテゴリーの中に、「使い捨てプラスチックごみ削減・廃止」と「ごみ削減管理」という2項目があり、Meglooを採用することで大きな得点を稼げます。
1年半前から、湘南ベルマーレで導入いただいています。

リユースはオペレーションが非常に複雑になりますが、数万人規模のイベントで全ての容器にRFIDシールをつけ、容器の動きを可視化し、リユースをDX化しました。
▶RFIDとは?| RFIDソリューション (村田製作所)

こちらが、湘南ベルマーレで実際にMeglooをご利用いただいた時の様子です。
13,000人が集まり、35店舗のキッチンカーやスタジアム内グルメが出ている中、全店舗にリユース容器を導入しました。
10,000個の容器を用意し、実際にごみを100kg削減し、CO2を500kg以上削減することができました。
返却率も最初は91%でしたが、2回目には95%と、どんどん上がっていきました。
利用者からも「使い捨てよりも美味しく感じられた」「容器がオシャレだった」という声を頂きました。

中でも一番嬉しかったのは、利用後に環境意識の変化を感じたと答えた人が7割を超えたことです。

これは“手に取って分かる施策”で、消費者の行動変容にもつながる点が、導入したチームにも非常に喜ばれました。
毎試合100万円が「ごみ」になっている現実
先ほど私は、「1トンのごみが出ている」と言いましたが、実はこれは、100万円分の使い捨て容器代を試合のたびに捨てていることになります。

「一瞬でごみとなる100万円」より、「ごみとならない100万円」のほうがいいですよね。
その結果、湘南ベルマーレ、FC東京など、Jリーグの数々のチーム、バスケットボール、ラグビー、マラソンなど、年間100件以上で導入いただくようになりました。

麻布台ヒルズのような商業施設や大学キャンパスにも広がっています。
今年はリユースしやすい高密度でクローズドな空間から始めていますが、オフィスや学校、コンビニやスーパーなど、もっと日常にもリユース容器をしっかりと広げていきます。

日本をサーキュラー先進国へ
世界ではリユースがどんどん義務化され、70,000人のスタジアムでも、リユースカップが義務化されています。


世界の潮流は日本にも必ずやってくるし、日本でももっと広げられると思っています。
ぜひ、リユースを世界に。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/正能 由佳/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成


