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ICCサミット FUKUOKA 2019 カタパルト・グランプリにご登壇いただいた、かもめや 小野正人さんのプレゼンテーション【「かもめや」は、陸・海・空のハイブリッド無人物流プラットフォームで離島の物流課題を解決する!】の文字起こし記事をぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティング様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 6B
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ) – 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
(プレゼンター)
小野 正人
株式会社かもめや
代表取締役
公式HP|STARTUP DB|LinkedInページ
1977年生まれ、香川県出身。インターネットプロバイダや移動体通信事業者において、国内インターネット黎明期よりインフラエンジニアとして日本の情報通信網の普及に貢献。ライフワークである離島めぐりを続けるうち、僻地における交通・物流事情の悪さを目の当たりにし、2014年にドローンによる離島間物資輸送プロジェクトを着想する。2015年1月、香川県高松市において、日本初のドローンによる8キロ離れた離島に向けた海上物資輸送実証実験の成功を皮切りに、商用化に向け、物資輸送・危機管理・遠隔医療分野との横断的取り組みを進め、サービスの早期実現を目指している。2017年 総務省異能vationプログラムにおいて、物流部門ジェネレーションアワード受賞。
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▶「ICC FUKUOKA 2019 カタパルト・グランプリ」の配信済み記事一覧
小野 正人氏 株式会社かもめやの小野正人です。
私たちは、24時間、365日、完全自動・無人で動く離島向け無人物流インフラをつくる仕事をしています。
離島の物流課題を、陸海空の無人ドローンで解決する
「ドローン」という言葉が広く世の中に知られるようになる前、2014年にこのプロジェクトは始まりました。
その1年後、2015年に日本で初めての、ドローンを使った離島への物流実験に成功しました。
それから5年間、成功や失敗を繰り返し、さまざまな経験を積んできました。
私たちは、ドローン物流のパイオニアです。
いま、急速に進む少子高齢化のなか、過疎地人口は1,200万人、買い物弱者は820万人を突破しました。
私はこれまで200以上の島をめぐり、 10年以上島と関わるなかで、さまざまな問題を目の当たりにしてきました。
特に高齢者で日用品の買い出しや医薬品の受け取りに困っている方が多く、島と本土を結ぶ定期船は減少傾向にあります。
なかには1日1便しかない島、そもそも定期船がない島もあり、新聞や郵便も満足に受け取ることができていません。
そのような場所で事業を展開する物流事業者は、人手不足と高い維持コストに悲鳴をあげています。
私たちはそのような問題を、ドローンによる無人物流で解決します。
私たちが目指す物流モデルは、物流大手AmazonやDHLなどが展開する、無人航空機だけを使う「大陸モデル」とは異なります。
状況に応じて空を飛ぶドローンだけではなく、陸海空のドローンを組み合わせた、ハイブリット型の「島国モデル」の物流を目指しています。
これは日本のような狭い国土にも対応できる仕組みで、将来的に過密な都市型に展開が可能なものです。
本土と離島間は空や海を使い、離島の港から配達先までのラストワンマイルを地上走行でつなぐことで、end to endの物流を実現します。
物流に使う輸送用の機体は、国内外のパートナーとともに共同開発をしています。
自社開発のドローン統合管理システム「KAZAMIDORI」
一方で、無人物流で機体よりももっと重要になってくるのが、無数に動くドローンを安全かつ効率的に運行管理する仕組みです。
この仕組みはすべて自社で開発しており、コア技術は国内はもとより国外にも特許出願済みです。
それでは統合管理システムについて詳しくご紹介します。
このシステムでは無人物流に必要なさまざまな仕組みを提供しますが、特に注目していただきたいのが、“DaaS(drone as a service)”であるという点です。
これについては、後ほど詳しく説明します。
以下の動画は、実際に動作している画面です。
エリア全体の運行状況を俯瞰でき、各港に置かれた気象観測装置の情報や陸海空の機体情報を、1つの管理コンソール上で行き来することができます。
機体から送られてくる映像も、重ね合わせることができます。
物流事業者向け“DaaS (drone as a service)”の幕開け
私たちはこの仕組みを通じて、物流事業者にドローン物流という新たな価値を提供します。
特にコストのかかる機体や通信インフラに関しては、同じエリアで事業を展開する事業者間でシェアリングすることで、大幅なコストダウンが可能になります。
まさに、物流向けDaaS(drone as a service)の幕開けです。
コアシステムはすでにAmazonウェブサービス上で稼働しており、日本はもとより世界中どこの国でも利用が可能です。
また、動態・物流・気象情報など、機能ごとに必要なものがご提供できるようAPI接続メニューも準備しております。
私たちはこれらの仕組みを使って離島の物流に革命を起こします。
社会実験と量産化を進め、2020年の商用化を目指す
次のスライドは、弊社で試算した現時点での片道輸送コストです。
さまざまな要素が量産体制に入っていないため、割高な輸送コストになっているのが現状です。
しかし5年後には量産や消耗品のコストダウンにより、ここまで改善することが見込まれています。
私たちはスタートアップの少ないリソースを有効活用するため、高い専門性をもつ少数精鋭のチームで取り組んでいます。
つい先日、長崎県五島市の離島間無人物流事業を受託することが決定しました。
社会実験を通じて、いよいよ商用化への第一歩を踏み出します。
このプロジェクトを皮切りに、日本に400以上ある有人島で実績を積んでまいります。
そして同様の地形条件をもつ世界の国々へと展開していきます。
私たちは2020年の商用化を目指し、今年度はこれまで以上にさまざまな取り組みを実施していきます。
早期の社会実装に向けて、機体、通信、EC、クラウド、物流などの分野を得意とするビジネス実証パートナーの皆様を募集しています。
ぜひご協力をお願いいたします。
「瀬戸内の空から、離島の生活に革命を。」
それではここで発表です。
すでにご覧になっていただいた方もいらっしゃるかもしれませんが、2016年から開発を続けてきた物流専用のドローンがこのたび完成し、となりの会場の入り口に展示させていただいております。
▶︎編集注:当日の展示スペースの様子はこちらのレポート記事よりご覧いただけます。
実はこのICC FUKUOKA 2019の会場での展示が、世界初の展示となっています。
皆さんが普段よく目にするドローンとはずいぶん形が違うものになりますが、世界的に採用事例の増えているe-VTOL型(電動垂直離着陸機)の機体になります。
最高速度は時速140 km、一度の充電で最大150 kmの距離を飛ぶことができます。
従来の機体では飛んでいった先でバッテリー交換が必要になるなど、実運用面で課題を抱えていましたが、それらの問題がすべて解消されています。
本日はモックアップではなく、実際に飛行が可能な機体を持ってきました。
ぜひお近くでご覧ください。
ブースでは、機体とともに運行管理のデモを行っております。
興味のある方はぜひお立ち寄りいただき、いろいろとお話しをさせてください。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/上原 伊織/花本 夏貴/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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