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ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト(前半)に登壇いただいた、Mellow 森口拓也さんのプレゼンテーション【「Mellow」は空きスペース×モビリティで街中を“個性あふれるサービス”で満たしていく!】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 ゴールド・スポンサーの電通様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 11B
スタートアップ・ダイジェスト – 注目スタートアップを一挙紹介!(前半)
Supported by 電通
(プレゼンター)
森口 拓也
株式会社Mellow
代表取締役
公式HP|STARTUP DB|LinkedIn
1992年生まれ、埼玉県出身。2013年、早稲田大学在学中にALTR THINK(株)を創業。孫泰蔵氏が主宰するMOVIDA JAPANに採択され、出資を受ける。その後数度のピボットを経てチャットアプリの開発に集中。様々なデータ分析⼿法を駆使して100万⼈以上が使うチャットアプリを複数開発。2014年に同社を上場企業へ売却した後、企業のデータ分析基盤構築など多くのプロジェクトに携わる。その後、売却先企業の取締役であった柏谷、フードトラックのベテラン石澤と共に株式会社Mellowを創業。2018年11月より現職。個人の幸せと事業の成功を両立する組織づくりを推進している。
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森口 拓也氏 株式会社Mellowの森口と申します。よろしくお願いします。
今日はフードトラック・プラットフォーム「TLUNCH(トランチ)」の説明をさせていただきます。
まず、簡単に概要を説明します。
私たちは、オフィス街に多く存在する「空きスペース」と「フードトラック」をマッチングし、何もなかった場所に賑わいとおいしいご飯を提供するサービスをしています。
現在、約520店舗のフードトラックと提携しています。
また、関東中心に120ヶ所で展開しています。
今後は、福岡と大阪にも展開していく予定です。
紹介動画をご覧ください。
フードトラックが3台、出店しています。
これは平日昼の様子ですが、これだけたくさんの人たちが集まっています。
シェフが目の前で料理を作り、直接手渡しするサービスを提供しています。
コンビニ+αの時間で、おいしい料理を楽しめる
なぜこれだけの人が、フードトラックに集まっているのでしょうか?
理由は簡単です。
私たちは、時間は無いけど、おいしいものを食べたいのです。
平日のお昼ご飯をイメージしてください。
「時間は無いけど、おいしいものを食べたい」というニーズは、コンビニやレストランでは、なかなか解決できない課題です。
そんななか、コンビニ+αの時間で、おいしい料理を出来たてで楽しめるのが、フードトラックです。
「コンビニで済ますのは、ちょっと味気ない。かといってレストランに行く時間もない」
フードトラックは、そうしたニーズに答えることで、人々を惹きつけています。
さらに、早い・安い・美味い以外の体験価値、例えば目の前でシェフが調理してくれて、出来たてを受け取るという体験は、平日のお昼にはなかなか味わえないことです。
そうした体験価値も、人々を惹きつける要素です。
熱量をもった、独立志望のシェフの出店をサポート
ではなぜ、そんな魅力がフードトラックに生まれているのでしょうか?
その理由は3つあります。
1つ目は、オーナーシェフであること、です。
フードトラックの多くは、チェーン店ではなく、オーナーが個人で営業していらっしゃいます。
彼らが、自分の作りたい料理をこだわって作り、手渡ししてくれる人間味のあるサービスです。
2つ目は、コスト構造が可能にするメニューの幅です。
通常店舗と異なり、1日平均50食売れれば利益が出ます。
売れ線のご飯もの以外のメニューも、チャレンジすることができます。
3つ目は、初期費用の圧倒的な安さです。
通常、飲食店を新たにつくろうと思うと、1,000万円くらいの費用がかかります。
フードトラックならその5分の1、200万円で開業することができます。
中古車で頑張れば、もっと初期費用を下げられます。
「空きスペース」と「フードトラック」をマッチング
「フードトラック、最高じゃないか」、そう思い、このビジネスを始めようと思いました。
しかし、皆さまのうち半分くらいは、フードトラックでご飯を食べたことがないのではと思います。
では、なぜ広まっていないのでしょうか?
それは、営業できる場所がないからです。
路上にフードトラックを停め、そこで営業をすると道路交通法違法となってしまいます。
そこで、マッチング・プラットフォームとしての「TLUNCH」が活躍します。
TLUNCHは、ビルオーナーとフードトラック事業者をつなぐプラットフォームです。
ビルオーナーからスペースを提供していただき、私たちがそれを出店機会としてフードトラック事業者の方にお渡しします。
その対価として、フードトラック事業者の方からマージンをいただいています。
出店料は売上げの15%で、そのうち5%を、スペースの持ち主の方にお渡しします。
つまり売上げの10%が、TLUNCHの売上げとなります。
アナログなフードトラック業界に、ITの力で革命を
それだけではありません。
場所をマッチングさせるだけのプラットフォームであれば、誰にでもできます。
実は、フードトラックのオペレーションは意外と大変です。
食品衛生法や消防法、道路交通法等、様々な法律を守らなければいけませんし、営業するための許可証の問題もあります。
私たちは、これらのすべてを支援・解決するチームをもっています。
さらに、それをITで加速させていくテックチームをもっています。
どちらのリソースももっているからこそ、できるソリューションだと思っています。
フードトラックでは、まだITがまったく活用されていません。
アナログから脱却することで、フードトラック業界に革命を起こせると考えています。
データ活用で、シェフと利用者双方の利便性を追求
私たちは、TLUNCHに蓄積するデータをどのように活用すれば、より素晴らしい世界がつくれるかを常に考えています。
例えば私たちは、売上分析データを活用し、日替わりでフードトラックを配車しています。
毎日同じ場所に、同じトラックが来るわけではないのです。
月曜日から金曜日まで、よりどりみどりで、毎日飽きずにランチが楽しめる仕組みをつくっています。
さらに、アプリでも集客をしています。
現在、TLUNCH全体の利用者数のうち、およそ半分の方がアプリを使っています。
利用開始1ヶ月後の継続率も、50%を超えています。
そして、現在使用しているアプリに決済プラットフォームを載せて、よりお客様のニーズを理解しようとしています。
決済プラットフォームを活用したクーポン配信などを通じて、さらに集客を強めていきます。
1店舗あたりの売上げ・スペース数はともに右肩上がり
このグラフは、最初に立ち上げた大きなスペース「TLUNCH銀座」での売上げです。
地道に3年間頑張ってきた結果、1回も売上げを落とすことなく、常時伸び続けています。
その結果、スペースの数も増え、実績も徐々に積み上がってきました。
例えば、全世界に広まっているWeWorkでは、TLUNCHが世界で初めて、フードトラックによるランチ提供を行いました。
▶︎参照:「Mellow、WeWork乃木坂にてフードトラックによるランチ提供を開始」(PR TIMES)
また、新豊洲市場と連携して、食により深く根ざした活動も行っています。
▶︎参照:Mellow、豊洲市場隣地にフードトラックを展開。豊洲市場就業者の「食の場」をフードトラックで支援(PR TIMES)
フードトラックから、モビリティサービスのプラットフォームへ
次に、これから何をしようとしているかをお話します。
現在は昼食しかやっていませんが、朝食、夕食、カフェの可能性もあると思っています。
さらに、食以外にもサービスカテゴリーを広げてまいります。
例えばマッサージ店は、個人で開業したら3年で98%が潰れるといわれています。
それは、店舗のコスト構造が原因です。
お店が開業するコストが1,000万円から200万円に下がるだけで、世界が変わってきます。
このコスト構造を変え、Mellowの持つ場所やアプリのリソースを用いることで、モビリティサービス・プラットフォームとして進化していけると考えています。
フードトラックを、こうした業界にとってさらに無くてはならない存在にしていくために、やりたいことはまだまだあります。
開業するための準備段階での難しさは、食材の仕入れやトラックをつくることなど、たくさんあります。
そもそも開業の資金が1,000万円から200万円になっとしても、20代前半の人たちが「200万円用意しろ」と言われても、なかなか用意できません。
これらの資金面やハード面の支援を合わせて行うことで、市場にとって本当になくてはならない存在になろうとしています。
個性あふれるサービスで、街をもっと豊かに
最後に、私の思いを伝えさせてください。
ITの世界では、個人の挑戦ハードルはぐっと下がりました。
ここ20年くらいで、クラウドが発展しています。
私が1社目に企業したITの会社も、実質0円で立ち上げられました。
若者が、自分の時間だけを投資すれば挑戦できる――その挑戦のハードルを、店舗の世界でも下げたいと考えています。
そのハードルを下げることにより、個性あふれるサービスが生まれます。
チェーン店か高級店か、そんな世界ではないのです。
個人がこだわり抜いて創った個性あふれるサービスで、街をもっと豊かにしていきたい、もっと文化的な日本にしていきたい。
これからも頑張り続けていきますので、どうぞご協力をよろしくお願いします。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/花本 夏貴/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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