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ICCサミット KYOTO 2019の3度目の下見に伴い、7月22日の夜、京都で初のICCラウンドテーブルを開催しました。エトヴォスの田岡 敬さんをモデレーターに迎えたディスカッション、そしてコーヒーカッピング体験と座禅体験の2つの早朝アクティビティ会場について、視察の模様をお伝えします。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月3〜5日 京都開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
京都でもICCラウンドテーブル初開催
ICCサミット KTOTO 2019に向けて、私たちICCパートナーズは、7月下旬に京都3回目の下見を実施しました。今回の主たる目的は、さらなる現場確認に加えて、新オフィスをベースに、東京ではイベントや勉強会の機会が増えている一方、ICCサミットを開催している京都や福岡での議論の場や学ぶ機会の非対称性を少しでも解消しようというものでした。
そこで京都のICCラウンドテーブルを告知したところ、多くの参加表明をいただきました。関西在住の運営スタッフや、会場であるウェスティン都ホテル京都のスタッフの方々にもお声がけしました。
会場はICCサミットのパーティでもおなじみ、FORTUNE GARDEN KYOTO
集まってくださったのは、電通各務さんのご紹介で、今回ICCに初参加する阪急デザインシステムズの橋本さん、以前運営スタッフ経験のある京都信用金庫の会長、増田 寿幸さん、LEXUS NEW TAKUMI PROJECT の記者会見のため京都にいて、顔を出してくださったLexus Internationalの沖野さん。
カタパルトに登壇する浅井農園の浅井 雄一郎さんやデータグリッド岡田 侑貴さん、SAKE Springを全国各地で開催するのぞみの藤田 功博さん、スポンサー参加のポノス(にゃんこ大戦争)の関さん・桜木さんなど、ICCならではのバラエティに富んだ方々。ラウンドテーブルのモデレーターを務めるのは、エトヴォスの田岡 敬さんです。
自己紹介のときの内容が野心的だったということで、モデレーター/聞き手の田岡 敬さんに加えて、浅井農園の浅井さんが呼ばれて前に座りました。
農業で1,000億円超えを狙うには?
約14年前、当時ベンチャーキャピタリストだったICC小林が社外取締役を務めていた、環境ベンチャーのレノバで働いていた浅井さんは、小林とはそれ以来の再会だといいます。浅井さんは11年前に家業の農家を継ぐためにUターンして、当時の売上4,000万円から、現在グループを含めて25億円まで成長させています。
農業を言い訳にせず、いい会社を目指したいという浅井農園グループでは、現在正社員約60人、季節により変動のあるパートさん約500人が働いています。売上100億円までは見えているといいますが、農業で1,000億円を超えるようなブレイクスルーを目指して、ICCサミットでインプットを得たいといいます。
浅井さんのお話を聞きながら、ディスカッションや質疑応答をしていくということでICCラウンドテーブルがスタートしました。
まずは田岡さんが浅井さんの農業の取り組みや、研究開発の座組み、現在抱えている課題、将来などを詳しく聞いていきます。時折挟む絶妙な質問で、浅井農園がどのような挑戦をしているのかが次第に明らかになっていきました。
この場に集まった方々で、農業に直接的に関連のある方はいませんでしたが、世の中のトレンド(世界的に甘いトマトが好まれるトレンドがあり、なかでも日本はそれが顕著だとのこと)をにらみながらのモノづくり、労働集約的な一次産業からの改革、販路の拡大など、課題感を共有できる方は多かったのではないでしょうか。
浅井農園の新たなチャレンジとして語られたのが、フィリップスのLED補光ライトを使ったハウス。現在は太陽光に頼っていて季節で差があるため、それが収穫量や雇用確保にも影響しているそうですが、それをコントロールすることで、年間を通した収穫と、雇用の安定を図ろうとしています。
ただ、このLEDライトが非常に高価だそうで、中間代理店のマージンなどに加えて、国から補助金が出ることが知られている日本の農家が購入すると、ヨーロッパの農家の価格の4倍の価格になってしまうのだとか。
すぐには投資回収の見込みが立たないほど導入ハードルは高く、成果が出るまでの企業の体力も問われます。リスクを追いつつ、成長を求める浅井さんの言葉に、皆聞き入っています。
「オープン・フラット・フェア」でイノベーションに挑む
浅井農園の「常に現場を科学する」研究開発型の試みは注目され、三重県の本社には、世界各地から集まってきた人たちが働いているそうです。ちなみにその人材評価、管理などにはHRBrain、freeeを使っているとのこと。
イノベーションを生むチームを作るにはどうすればいいのかが、目下浅井さんの悩みどころだそうで、皆でどういうマインドセットを持てば起きやすくなるのかと常に考えているそうです。
この課題に対する、田岡さんの回答は、「オープン(部署の壁をなくす)・フラット(階層をなくす)・フェア(全体最適の意思決定)」。田岡さん自身、会社を移ったときにいつも試みているそうで、そうでないと新しいことはできないそうです。
田岡さんいわく、今はバリューチェーンが長くなっており、モノを作って販売して物流もやるような、製造小売業でないと今後生き残れないとのこと。「オープン・フラット・フェア」を意識した課題解決で、1,000億円企業へのブレイクスルーをと、エールを送りました。
参加者たちの感想は
レクサス沖野さん「うちの若いのを連れてきて、浅井さんの奮闘を聞かせたいと思いました。応援させていただきたいです」
橋本さん「浅井さんは4,000万円から25億円、そして1,000億円という大きな志があって、研究も熱心にされている。自分も頑張らないといけないと思いました。自分も大きな百貨店で試行錯誤をしているのですが、今日のお話を聞いて努力が足りないと思いました」
藤田さん「私のビジネスの例でいうと、酒屋さんが減っているという現状があり、輸送コストを考えると、お客さんとメーカーが直接つながったほうが、お互いメリットがある。今後は卸がなくなってサプライチェーンが圧縮されていくというのが私の読みです。
どこにプレイヤーとして入ったら面白いのか。お酒は野菜とは違うのだろうなと思いました。生鮮はネットスーパーもあるけれどまだリアルが強いし、レッドオーシャンでも入っていくのが、多分野菜には重要なのだろうなと思いました。異業種でも非常に面白かったです」
ボノス関さん「僕らはゲームを作っていますが、浅井さんのお話をうかがって、業界に関わらず、もっと考えていろいろなチャレンジができると刺激を受けました」
増田さん「偶然ですが今日、宇治で日本茶を作られている方が、EU市場でオーガニック認定を受けるまでの苦労話を聞いていたところでした。浅井さんは、いともかんたんにクリアしているように話されたので、苦労話をもっと知りたいなと思いました(笑)」
岡田さん「分野は違うのですが、同じ研究開発というところで、勉強になりました。技術開発をするときは、お金はかかるけれどうまくいくかどうかは、やってみないとわかりません。そのリスクをいかにヘッジするか。浅井さんは合弁でやられているとのことでしたが、個人的にもっとお聞きしたいと思いました」
参加者が感想を発表すると、田岡さんが今日のディスカッションについてまとめます。
田岡さん「浅井農園は、すごく戦略オプションが多いと思いました。
種子で世界に出るのもよし、サラダみたいなブランドで売るもよし、LEDがキーならば、バイイングパワーを持っているところと組むもよし、土地があるところで作ってもいい。戦略オプションががたくさんあると思います。
戦略を作って、それぞれの良い点・悪い点を把握するというのが大事です。要素に分解して比較しようとするとわからなくなってしまうので、この戦略オプションで、ここと組むとどういうシナリオになるのかというのをそれぞれ書ききって、シナリオ感で比較するといいのではないかと思います」
浅井さん「農業は、ひとつ成功事例ができれば、がらっと業界が変わる過渡期のような気がしています。農業者は弱くあるべきだというような、柳田国男さん的な業界の思想はあるのですが、僕らが成功事例として出て、次の世代に目指してもらえるような会社になりたいと思っています」
懇親会に浅井農園のミニトマトが登場
ディスカッションが終わると、参加者、スタッフも交えた懇親会になりました。浅井さんが手塩にかけて育てている3種類のミニトマトも登場!
手前から、皮がパリッとして甘い「スカーレット」、皮が柔らかくてサクランボみたいな「プチぷよ」、浅井さんが見つけた時に、あまりのおいしさに叫んだという「チェリートマト」。
話を聞いたばかりのトマトの登場に、美味しい料理やお酒を忘れ、みんなが食べ比べに熱中した瞬間がありました。どれも個性があってとても美味しい! これはスーパーからのラブコールが出るのもわかります。
会場のあちこちでは、交流が進んでいます。
電話面接を突破して運営スタッフ経験のある京都信用金庫の増田さんと、「にゃんこ大戦争」ポノスのお二人
東京以外のイベントは小規模のため、参加者の方々とスタッフの距離が近いのが特徴です
以前にデータグリッドの岡田さんに、関西と関東では、スタートアップの情報格差が非常に大きいというお話をうかがったことがありました。微力ですが、ICCはこういったラウンドテーブルや学びの機会を設けることで、少しでも格差を減らすお手伝いをしていければと考えています。
現場の確認大事!下見は続く……
今回の下見では、前回確認ができなかった場所もいくつか回りました。
会場となるウェスティン都ホテル京都の導線確認
前回のレポートでもお伝えしたとおり、ウェスティン都ホテル京都は大改修工事中。正面玄関が9月でも工事中のため、ホテルに入るのも、正面玄関より向かって右側の入口になります。
そのため、入口からサミット会場、サミット会場からスポンサー控室への導線も変わります。動線の動画を録ってきたので、会場運営にあたるスタッフチームには共有する予定です。
スタッフのプレ飲み会会場
THE SODOHでは、9月2日に参加者の方々が出席するオープニング・パーティが開催されます。裏ではスタッフのパーティがあるため、担当スタッフしか来ることができない会場ですが、今回は1日の夜、スタッフのプレ飲み会でTHE SODOHの「アトリエ」を使います。
もし日曜日に京都入りするようであれば、ぜひお越しください。ICCサミット登壇者・参加者の気分が味わえます。お料理もおいしいですよ!
2つの早朝プログラム会場
早朝プログラムその① カッピング体験を提供するブルーボトルコーヒー
ICCサミットの会場であるウェスティンからは徒歩10分強ですが、早朝のため、参加される方は宿泊地から直接向かう方が多いと思います。タクシーならば南禅寺を目指していただければ、参道の手前右側にあります。
早朝プログラムその② 座禅体験を提供する春光院
春光院は、妙心寺の敷地内にあります。タクシーの運転手さんには、妙心寺の南門(上写真)と伝えるとスムーズです。基本的にはまっすぐ進んで5分ほどですが、少し左折したり右折するので、南門から春光院への行き方は、下の地図をご覧ください。
南門から歩いてくると、左側に春光院の入り口が見えます。
入り口はこちらです。当日は、ICCのパネルを持ったスタッフがお待ちしています。
私たちを迎えてくださる川上(全龍)隆史 副住職さん(写真奥)。天候が許すかぎり、座禅はこのスペースで行う予定です。
座禅体験については、以前のレポートをご参考までにご覧ください。
【活動レポート】ICC サミット KYOTO 2018 京都下見レポート Part.2 見て、食べて、学んできました!<体験編>
https://industry-co-creation.com/report/34494
不確定要素が少しずつ減って、さまざまな準備が整ってきています。ICCサミット KYOTO 2019まであとわずか。限りある時間を割いてICCサミットに来てくださる方々に、価値ある機会をご提供できるよう努めていきますので、ご期待ください。再び台風が来ないことを祈りつつ、現場から浅郷がお送りしました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子
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