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ICC FUKUOKA 2021 REALTECH CATAPULTに登壇いただき、見事3位に入賞した、CyberneX 馬場 基文さんのプレゼンテーション動画【脳情報を取得するイヤーデバイスで、人間の内面を読み取り、以心伝心のコミュニケーションを創る「CyberneX」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ゴールド・スポンサーのKOBASHI HOLDINGS様にサポート頂きました。
▶【速報】眼科医の眼をスマホに装着「Smart Eye Camera」のOUI inc.がリアルテック・カタパルト優勝!(ICCサミット FUKUOKA 2021)
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【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICC FUKUOKA 2021
Session 4A
REALTECH CATAPULT
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Supported by KOBASHI HOLDINGS
馬場 基文
株式会社CyberneX
代表取締役CEO/CTO
1997年 富士ゼロックス株式会社入社、総合研究所にて将来価値に繋がる技術を数多く発明。2004年から同社の中核商品技術開発を牽引し、発明技術を商品に多数実装。2017年以降は、商品開発本部、研究技術開発本部の部長職としてIoT/AI領域で社外との戦略的パートナーシップを構築し、同社の新たな価値創出を牽引してきた。特許出願は国内外290件以上に及び、発明技術の商品実装による所属元企業と社会還元への貢献額は推定4600億円以上にのぼる。この実績が評価され、全国発明表彰発明賞、文部科学大臣表彰科学技術賞、関東地方発明表彰日本弁理士会会長奨励賞等の受賞歴多数あり。2016年より同社の既存事業外での新収益獲得を目指し、外部共創による0->1価値の創出活動を開始。脳波イヤホン、コミュニケーションロボット、AI対話など、新たなコミュニケーションの未来を生み出すための技術探索と価値検証を実施してきた。2020年5月、この取り組みの事業化を継続させるためにスピンアウト、所属元企業から知的財産権(技術資産と特許資産90件)の譲渡を受けて法人を2社設立。現在に至る。
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馬場 基文さん 皆さんこんにちは、株式会社CyberneX(サイバネックス)の馬場です。
脳情報の活用は世界的関心事
皆さんは、自分の思っていることが伝えられずに困った経験はありませんか?
私たちは、「以心伝心の技術で世界を変える」スタートアップです。
それを実現する鍵は脳情報にあり、世界中で脳情報の活用に関する研究が進んでいます。
これは、イノベーションに関わる皆さんの関心事の一つではないでしょうか。
Ear Brain Interfaceの試作機を開発
今、私が耳につけているのは、「Ear Brain Interface」というものです。
これはイヤホン型で、様々な日常シーンにおいて脳情報が読み取れます。
では、脳情報との活用とは一体何でしょうか。
脳情報の活用には、脳情報から感覚、好み、運動などを読み取って自分に介入する「ニューロフィードバック」と、機械、他者や自分に書き込むことで実現する「BMI(Brain Machine Interface)」「BCI(Brain Computer Interface)」というものがあります。
私たちはこのうち、読み取りの部分に取り組んでいます。
「以心伝心のコミュニケーション」の可能性
では、以心伝心のコミュニケーションとはどのようなものでしょうか?
例えば、もしグーグルよりも自分のことを知っているAI秘書が仕事を助けてくれたら、日常の仕事は安心で楽なものになるはずです。
もし、会えなくなった大切な人と毎日デートできるなら、日々心はどれほど豊かになるでしょうか。
また、もし100倍の愛情を一瞬で伝えることができたら、恋人や家族と日常的に築かれる絆はどう変わるでしょうか。
このように、私たちは人の日常に、新たな可能性の選択肢を増やしていきたい。
皆さんと一緒に想像していけば、可能性は無限に広がります。
私は、以心伝心のコミュニケーションを、人の新しいコミュニケーションの形として位置づけ、脳情報の活用を日常に開放していきます。
これが実現できれば、人類を一歩前進させることができるはずです。
脳情報取得のためのデバイス
では、達成にあたって何が重要でしょうか。
私は、従来とは異なる手段を開拓する必要性を感じていました。
例えば頭部への埋め込み型で、大きな投資がされたとても有名な事例がありますが、果たしてみんなが使えるものかというと疑問が残ります。
また、キャップ型の事例もありますが、身に着けて外に出るには恥ずかしい外見です。
そこで私たちは、Ear Brain Interfaceの試作機を開発したのです。
これなら、皆さんも日常的に使えると感じませんか?
簡易的なものもありますが、みんながどこでも使えるのは私たちのものだけです。
耳由来の脳情報取得の利点
耳は、脳という情報源に近く、イヤホンは社会に受け入れられていますし、音声によりスマホやPCとは違うコミュニケーションができるため、コミュニケーションにおいては価値の高い場所です。
医療用脳波計との同時装着実験
実力としては、医療用脳波計との同時装着実験で相関値0.7を実現、信号品質はJIS規格をクリアしています。
耳由来の脳情報の3例
ここで、いくつか事例をお見せします。
こちらは、好きなこと、興味のあることを書いている際の事例です。
上のグラフはリアルタイムの電位変化で、この変化を周波数帯ごとに分解し、強度を1秒ごとにプロットしたのが下のグラフです。
グラフの水色の部分は、好きなことを書いている時は強度が弱くなっていますが、嫌いなことを書いている時は強くなっています。
このような違いを捉えることができました。
これは、車の助手席に乗っている時、バイクが追い越してきた際の驚きを捉えた事例です。
これは家でリラックスしている際、あごをかいた時の事例です。
あごがムズムズして痒みを感じた時に脳情報には変化が現れ、あごをかくことで波形が元に戻ったという瞬間的なストレスを捉えた例です。
耳由来の脳情報が「人間の内面」を表現
ご覧頂いたように、耳由来の脳情報が人間の内面を表現していることが分かってきました。
脳情報は人間の行動の裏付けとなる
これらはいわば、人の行動の裏付けとなるデータです。
現在見えているのは、「行動の結果データ」のみで、世界のプラットフォーマーはこのデータで成長しています。
私たちは、まだ誰も表層化できていない「行動の裏付けとなる脳情報」こそが、欠かせないデータだと確信しています。
氷山の下には、まだ皆さんも私たちも知らないチャンスが膨大に眠っているということです。
このデータを集めるため、私たちは日常の脳情報を活用するテクノロジープラットフォームを作り、様々な領域におけるパートナーと協業し、以心伝心のコミュニケーションを作り上げます。
お客様の心を読み取って、新しい事業を一緒に作ってみませんか。
私たちの事業は、実験サポート事業から始まりましたが、次にプラットフォーム事業を展開し、今後、データ活用事業へと拡張します。
最終的には、「以心伝心コミュニケーション産業」を創出します。
富士ゼロックスからスピンアウトし起業
最後に、私についてお話しします。
私は、富士ゼロックスで一貫してコミュニケーションの研究をしてきました。
その中で試行錯誤し、Ear Brain領域に到達し、試作機の開発と将来を見据えた特許群の構築をしました。
これを広く社会に役立てるためには、富士ゼロックスにとどまらず外に持ち出して私が実行しなければならないという思いを胸に、特許90件の権利譲渡を受けスピンアウトし、2020年5月に起業しました。
今、私たちは死の谷にいますが、私は諦めません。
必ず最後までやり抜きます。
そのためにはまだまだ研究開発が必要で、それには皆さんの力が必要です。
CyberneXのムーンショット(多くの人々を魅了するような斬新かつ挑戦的な目標)を一緒に実現しましょう。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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