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ICC FUKUOKA 2022 REALTECH CATAPULTに登壇いただき見事優勝した、日本環境設計 高尾 正樹さんのプレゼンテーション動画【「日本環境設計」は燃やさないリサイクルで、ペットボトルが永遠に循環する世界を作る】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022ゴールド・スポンサーの KOBASHI HOLDINGS にサポートいただきました。
▶【速報】燃やさないリサイクルでペットボトルの完全循環を実現「BRING Technology™」(日本環境設計)がREALTECH CATAPULT優勝!(ICC FUKUOKA 2022)
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【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 7A
REALTECH CATAPULT
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS
高尾 正樹
日本環境設計株式会社
代表取締役 執行役員社長
1980年生まれ。大阪教育大学附属高校天王寺校舎卒業、2000年東京工業大学工学部(化学工学)に入学。同大学卒業後、東京大学大学院にて技術経営を専攻。同大学院中途退学後、2007年1月に当社を設立、専務取締役に就任。綿を糖化してバイオエタノールにリサイクルする技術開発をはじめ当社繊維リサイクル事業の技術開発を担う。2014年にポリエステルリサイクルの技術開発に着手して以降、翌年2015年にはポリエステル技術を導入した北九州響灘工場の建設にも従事。2016年に現職に就任以降はパートナーとの資本提携のほかペットリファインテクノロジーの企業買収を主導する。2013年より早稲田大学非常勤講師を兼務。
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髙尾 正樹さん 日本環境設計の髙尾と申します。
私たちは2007年、あらゆるものを循環させるために、この日本環境設計を設立いたしました。
当時はまだ「循環型社会」「サステナビリティ」と現在ほど言われていませんでしたが、私たちはあらゆるものを循環させる社会を作りたいという想い一つで、会社を設立いたしました。
サステナブルとは言えない現在のペットボトルリサイクル
今日、皆さんにご紹介したいのは、ペットボトルです。
皆さん、毎日毎日ペットボトルのお茶、お水を飲んでいらっしゃるかと思います。
このペットボトルが使われた後にどうなっているか、皆さん、ご存知でしょうか?
実は、日本は世界に比して、非常にペットボトルがリサイクルされている国です。
リサイクル率は89%です。
EUは40%、アメリカは18%でしかありません。
▶日米欧のリサイクル状況比較|統計データ|PETボトルリサイクル推進協議会 (petbottle-rec.gr.jp)
世界で最もリサイクルが進んでいる国ではあるのですが、このリサイクルペットボトルのリサイクルは、「大きな問題」を抱えています。
それは何か?
「サステナブルじゃない」ことです。
何回かリサイクルされた後、燃やされてしまっています。
▶【この人に聞く!】ペットボトルの完全リサイクルを! 世界をリードする日本環境設計の高尾正樹さん(3)(KK KYODO NEWS SITE)
▶「ペットボトル=悪」なのか、飲料メーカー各社が循環型リサイクルを本格化(食品産業新聞社)
私たちは、燃やされてしまうペットボトルをなくしたい。
今現在のリサイクル技術ではない、燃やさないリサイクル技術の開発に取り組んでまいりました。
分子レベルに分解して不純物を取り除く
既存の今あるリサイクル技術は、何度も循環することができません。
私たちは全く違った新しいアプローチによるリサイクル技術の開発を行いました。
それは、分子レベルに分解してしまって不純物を徹底的に取り除く、このようなリサイクル技術です。
簡単に言いますと、ペットボトルを構成している化学分子、ポリエチレンテレフタレート(PET)を構成するテレフタル酸とエチレングリコールを分子レベルで分解して、「蒸留」「晶析」というプロセスを経て、中に含まれる不純物のすべてを取り除きます。
この技術を実現する、この技術が実現できる社会というのは「完全循環」です。
つまりペットボトルがペットボトルとして何度も何度も循環し続けることができる技術を、私たちは開発しました。
ペットボトルの「完全循環」への道のり
ここで1つの問題があります。
私たちが1本のペットボトルをリサイクルしても、この世の中はサステナブルになりません。
私たちがやらないといけないことは技術を開発することだけでなく、それを社会の中に生かしていかなければなりません。
そのために必要なことは、スケールアップです。
1本のペットボトルをリサイクルするのではなく、10本、100本、1億本、10億本、このペットボトルを何度も循環できるようにする社会に組み込まれていかなければいけません。
そのために私たちがやったことは、工場の建設です。
北九州にパイロットプラントを建設しました。
この技術を実証するためです。
このパイロットプラントで、私たちは技術を実証しました。
でも、まだ足りない。
このパイロットプラントでもやれるペットボトルのリサイクルは、まだまだごく一部です。
そして次に、大型のコマーシャル工場を完成させ、2021年5月に稼働を開始しました。
▶日本環境設計はアサヒ飲料と融資契約を締結し、子会社であるPRTにおいて2021年夏にケミカルリサイクルによるリサイクルPET樹脂の製造を開始します(日本環境設計)
この工場では、社員70名が24時間稼働し、ペットボトルの「完全循環」を実現させています。
そして、今もうすでに皆さんがご存じのいろいろな商品の中に、「完全循環」されたペットボトルが使われ始めています。
日本国内で流通しているすべてのペットボトルのうちの約3.7%は、「完全循環」のペットボトルです。
ケミカルリサイクルで、ごみの山を資源の山に
さて、私たちは次を目指さなければなりません。
皆さん、この写真はどのように見えますでしょうか?
パッケージやペットボトルのごみの山です。
でも私には、この山は宝の山にしか見えません。
このごみの山は、私たちにとっては原料になります。
しかも、これは日本国内だけではありません。
世界に、このごみがあふれています。
私たちはこのリサイクル技術を持って、世界に展開していきたいと思っています。
そして、世界に広がっているこのごみの山を、資源の山に変えたいと考えています。
今回ICCパートナーズさんのご協力で、ペットボトルの完全リサイクルのための回収ボックスを会場に置いていただいております。
このハチマークが目印です。
ぜひ皆さん、私たちと一緒に「完全循環」、何度も何度もペットボトルがペットボトルとして回り続ける社会の構築にご協力ください。
以上です。ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美
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