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日本の創薬の課題を解決して、国産バイオ原料の産業化を目指す「Central Link」(ICC FUKUOKA 2024)

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ICC FUKUOKA 2024 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき4位に入賞した、Central Link 側原 正太さんのプレゼンテーション動画【日本の創薬の課題を解決して、国産バイオ原料の産業化を目指す「Central Link」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜 9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは エッグフォワード です。

【速報】あらゆる製品の化学物質をデータ化し、企業を膨大・複雑な原料管理から解放する「ケミカン」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2024)


【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門 
Sponsored by エッグフォワード

側原 正太
Central Link株式会社
代表取締役
HP

2014年 香川大学農学部卒業し、その後、バイオ原料商社へ入社 血液の販売を行っているニッチな市場を学び、より日本のヘルスケア業界の発展のために、 守りのニッチ市場ではなく、攻めのニッチ市場へと変革することを目的に、2020年に Central Link株式会社を設立  2023年 国内で初めての研究用血液購入サイト「検体ナビ」を開設する。 Central Link株式会社の3期累計売り上げは5.5億円を達成し、現在に至る。血液の可能性を誰よりも追及することをモットーとしている。


側原 正太さん 創薬の原料調達の「モノタロウ」(※事業者向け通販サイト) を目指す、Central Linkです。

皆さん、こちらをご存知でしょうか?

こちらは、新型コロナウイルスワクチン、またはワクチンです。

では、こちらはいかがでしょうか?

こちらは検査キット、または体外診断薬です。

ワクチンや体外診断薬に使用されている高単価バイオ原料

「体外診断薬」という言葉を、初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。

これらワクチンや体外診断薬には、様々な高単価のバイオ原料が使用されています。

例を挙げると、ウシ胎児血清です。

これは、ウシのお腹にいる赤ちゃんから採られた血液で、500mlあたり40,000円で販売することが可能です。

生体試料(※) はヒト血液由来で、1mlで40,000円と非常に高単価です。

▶編集注:生体試料とは、人体より採取された血液、組織などのこと。

その他、マウス、ウサギなどの動物由来の抗体も同じく、高単価で販売されています。

こういったニッチなバイオ原料が、ワクチン開発の際の細胞培養に使われたり、診断薬や検査キットでは陽性ラインを出す抗体として含まれたりしています。

パンデミックでバイオ原料調達の課題に直面

また、病気の患者の血液は、検体として、研究開発に使用されています。

私は香川県の大学を卒業し、バイオ原料の専門商社に入社しました。

ごく平凡な社会人生活を歩んでいましたが、8年目に大きな転換点を迎えました。

それが、新型コロナウイルスのパンデミックです。

パンデミックにより私は、バイオ原料調達の現実に直面しました。

今それを変えなくてはいけないと思い、解決するために当社を設立したのです。

コロナワクチン開発で大きく後れをとった日本

日本の現実というのは、創薬開発のスピードが非常に鈍いということです。

新型コロナウイルスのワクチン開発でいえば、アメリカは8カ月で終了していたのに対し、日本では3年11カ月かかりました。

また、一般的に創薬の販売までにかかる平均日数も、イギリスとアメリカは500日であるのに対し、日本は3倍の1,500日です。

開発が遅い理由①バイオ原料を輸入に依存

他国に比べ、開発の大きな遅れという課題には、背景が2つあると私は思っています。

1つ目は、創薬に必要なバイオ原料の多くを輸入に頼っている点です。

先ほどご説明した通り、バイオ原料の大元であるウシやマウス、ウサギの大量生産には広大な土地が必要となります。

また、日本の法律により、国内では製造できない製品も多くあります。

そのため、バイオ原料の製造メーカーはアメリカやヨーロッパの企業が中心になっています。

実際、パンデミック時は、各国、自国への供給を優先してしまい、余り物のみ日本に供給されました。

日本では原料の調達不足で、製品が製造できない状況も多く発生しました。

バイオ原料を輸入する商社機能も、外国に比べ、非常に弱い市場になっています。

開発が遅い理由②高い取引コスト、長い情報取得時間と商品納期

また、業界は多重構造になっています。

一般的に、輸入した商品は商社や代理店を介して研究者に販売されています。

そのため、高い取引コストと、長い情報取得時間と商品納期がかかっている状況です。

生体試料を直接注文できるオンラインサービスを開始

当社はまず、高い取引コストを解決するために、メーカーへの直接販売を開始しました。

情報発信、反応スピードにフォーカスしています。

それを可能にしたのが、当社が開発した、バイオ原料調達サービス「検体ナビ」です。

簡単3ステップで調達が可能です。

商品情報を入れていただくと在庫の閲覧が可能、欲しい商品があれば買い物かごに入れて問い合わせをするだけです。

今までの複雑なやり取りから、シンプルな方法に変わりました。

中間業者をなくし的確な情報提供と短納期を実現

検体ナビの成果は、中間業者を排除して的確な情報提供を行えることです。

研究者は即日情報チェック、問い合わせが可能で、また、1カ月という従来の納期から、最大2週間に短縮することを可能にしました。

着実に結果を獲得しており、創業2期目で、売上約4億円、営業利益約1億円を達成しました。

血液法改正によって国産のバイオ原料が製造可能に

このビジネスだけでも着実に伸びていきますが、我々には、さらに高い山を登るための道筋が見えました。

それは、血液法の改正によるものです。

血液事業と血液法(厚生労働省)

血液法(安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律)の改正により、これまで赤十字が独占していた血液製剤の製造を防衛省が行えるようになりました。

防衛省、有事に備え全血液型対応の血液製剤を製造へ(日テレNEWS)

さらに、これまで製造できなかった国産のバイオ原料が製造可能になったのです。

そこで当社は、国産バイオ原料を新しい産業にすることを目指します。

自社工場でバイオ原料の製造をして検体ナビでユーザーに販売を行うことで、従来の1カ月の納期に対し、2~3日で供給可能にします。

圧倒的に速いスピードで納品することで、他社との差別化を図り、さらに売上を伸ばします。

大手製薬企業の購買システムと連携し成長へ

売上を伸ばすとはいえ、製薬企業の研究開発費は、上位10社で全体の90%を占めているので、大手に入り込む手段も必要です。

大手製薬企業は、自社の購買システムを持っています。

当社はモノタロウと同様、検体ナビを購買システムと連携させ、自社の工場在庫からダイレクトに各研究所に納品し、マストハブなプロダクト、企業として成長していきます。

検体ナビと国産バイオ原料で3兆円の市場にチャレンジ

市場規模と拡大の可能性についてです。

当社はこれまで製薬企業の一部である、2,000億円の市場にしかコンタクトできませんでしたが、検体ナビと国産バイオ原料を武器に、全体の3兆円の市場にチャレンジします。

そして国産バイオ原料をフックに、50兆円ある海外市場へ輸出することも考えています。

国産バイオ原料で新しい産業を!

コロナ禍前はただの平凡な営業パーソンだった私ですが、この業界での仕事は、私には天職だと考えています。

バイオ原料業界をさらに発展させていきたいですし、当社にはそれができると確信しています。

当社にご協力いただける方がいれば、一緒に業界を盛り上げていきたいです。

一緒に新しい産業を創りましょう。

価値ある「ち」を届ける、Central Link でした。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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