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「DigitalArchi」は、3Dプリンタ型枠で建築のプロセスを革新し、人手不足の課題を解決する(ICC FUKUOKA 2024)

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ICC FUKUOKA 2024 リアルテック・カタパルトに登壇いただき、見事優勝に輝いた、DigitalArchi 松岡 康友さんのプレゼンテーション動画【「DigitalArchi」は、3Dプリンタ型枠で建築のプロセスを革新し、人手不足の課題を解決する】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜 9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターは 慶應イノベーション・イニシアティブ です。

【速報】廃プラ活用の3Dプリント型枠で、持続可能な建設業界をつくる「DigitalArchi」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2024)


【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブ

松岡 康友
DigitalArchi
CEO
HP

神奈川県鎌倉市に生まれ育ち、市内の栄光学園中高等学校を卒業、東京芸術大学建築科を卒業後、東京大学大学院学際情報学府にて情報技術を学び、修了。2006年株式会社竹中工務店に入社し、技術研究所にてIoTを専門に研究開発に従事。2014年に慶應義塾大学との共同研究で大型3Dプリンタ「ArchiFab」を開発。社命留学で米国UCバークレーEECSにて2年間データサイエンスとAIを学び同時にシリコンバレーでのスタートアップカルチャーに触れ、帰国後にオープンイノベーションの部署を立ち上げる。建設Techのスタートアップとの連携支援をする過程で、自らの開発技術を社会実装するべきだと感じ、新規事業化を模索し始める。慶応義塾大学の特任准教授として新たに開発した大型3Dプリンタ「ArchiFab Mai」の技術を活用し、プラスチック資源循環で社会課題解決に寄与すべく、株式会社DigitalArchiを創業。


松岡 康友さん DigitalArchi(デジタルアーキ)の松岡です。よろしくお願いします。

私たちは、デジタル技術で建築プロセスを革新し、資源循環を実現する、慶應大学発のスタートアップ です。

廃プラと3Dプリンタでコンクリート型枠を自動製造

我々が挑む社会課題は、建設現場の人手不足問題です。

いま建設現場に行くと、おじいちゃん、外国人しかいません!もう本当にピンチです。

2024年問題で残業規制も始まり、でも建設の需要は堅調ということで、今後ますますこの問題は深刻化していきます。

建設業の2024年問題とは?働き方改革関連法と問題解決への取り組みを解説(freee)

そこで私たちが着目したのは、「コンクリート型枠」です。

「型枠」をデジタル技術で革新します。

材料には廃棄プラスチックを用い、3Dプリンタで型枠を自動的に製造するのです。

生成AI設計の奇抜なデザインにも対応可能

建設産業も、DXを頑張ってきました。

しかし、施工領域は全く進んでいないのです。

設計領域だけデジタル化が進んで、最近では生成AIなどを使って、新しい建築のデザインではありますが、従来の施工方式ではもう作れないというような設計が始まっています。

これらを我々であれば実現できるのです。

デザインの自由度の高い新しい工法によって、建築の歴史に新たな1ページを刻みたいと考えています。

従来の型枠と比較して現場作業時間が8割減

我々は創業してまだ半年ですが、すでに2件のPoC(概念実証)を行い、実際の建物を作らせていただきました。

先週には製品検査に合格し、実際の建物への取り付けとマネタイズも実現しています。

その中で作業計測を行い、従来の木で作る型枠と比較して、現場での作業時間が8割減であることがわかりました。

これには協力してくれた型枠大工さんも非常に驚き、期待の声を寄せてくれています。

我々の顧客には、設計者および施工者がいて、2つの観点があります。

設計者に対しては新たなデザインの可能性を広げるという価値、また施工者に対してはコストダウンという価値を提供していきます。

高単価な異形型枠市場から参入

型枠の市場は日本でおよそ7,500億円、世界では6兆円もあるのですが、これを我々は全て置き換えることを目指しています。

その中でも「異形型枠」の市場は、ちょっと変わっている型枠や曲面の型枠といった高単価な型枠の市場です。

ここでは、我々はすでに価格優位性がありますので、この市場から参入しようと考えています。

ゆくゆくはここで価格破壊を行い、ゲームチェンジをしていこうという戦略です。

将来は「外さない」機能性のあるモジュール型枠に

さらに新しい市場を創造するために、我々は「型枠2.0」と呼んでいる新しいプロダクトの開発を進めています。

普通、型枠は外すのですが、残して建築の一部にすることによって、内装部材あるいは断熱材、配線配管の部材も兼ねたモジュールの型枠になります。

これを建設現場でレゴのように組み立ててコンクリートを流し込むと、ほぼ建築が完成するという超短工期を実現するイノベーティングなプロダクトです。

低品質の廃プラ、使用済みの型枠を再び材料に

3Dプリントには、いろいろな材料があります。

モルタル、金属などありますが、自動化、少人化を図るならプラスチックが最適です。

我々は当初からこれを見込んで、ノウハウを蓄積してきました。

3Dプリンタは、材料に幅広いプラスチックが使えるのが特徴です。

廃棄プラスチックの中でも、今活用が進んでいない複数種類のプラスチックが混ざってしまっているもの、あるいは不純物の混入などがあってちょっと汚れがあるものでも、型枠あるいは3Dプリンタであれば活用できます。

また、我々が使い終わった型枠も、再び粉砕して材料として活用できます。

材料を非常に効率的に利用できる仕組みになっています。

型枠供給と材料回収でマネタイズ

ビジネスモデルはシンプルです。

我々はコンクリート型枠を製造販売する事業を行っています。

取り付けは施工会社さんにお願いし、型枠を販売し収益を得ます。

また、プラスチックの材料の回収時にもマネタイズを行うため、川上と川下の両方からのインカムが得られるのも、このビジネスモデルの面白いところです。

建築のプロと3Dプリンタのプロで共同創業

私は17年間、建設業で働いてきました。

共同創業の田中 浩也は、3Dプリンタの第一人者として知られる先生です。

慶應義塾大学 SFC 田中浩也研究室(慶應義塾大学)

この2人がタッグを組んで、この事業を始めたところです。

すでに多くのメンバーが賛同し、メンバーに加わってくれています。

中でも希少な人材である3Dプリンタエンジニアが4人参画してくれていますので、この実行体制は非常に強いものがあると確信しています。

さらに、大学発ベンチャーらしく非常に強い特許を持っているのも特徴です。

3Dプリンタで型枠を作る、この特許を持っています。

非常に広く強い特許です。

我々しか、この事業を推進することはできません。

建築の「つくる」をつくる

最後に、我々のミッションは、建築の「つくる」をつくる、です。

この50年間ほとんど変化のなかった建設産業にデジタル化の大きな波を持ち込み、このICCサミットの場でパートナーを見つけ、この事業を推進していきたいと考えています。

ぜひ皆様のご支援をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/正能 由佳/小林 弘美/戸田 秀成

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