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ICC FUKUOKA 2025 カタパルト・グランプリに登壇いただき、見事優勝に輝いた、HAKKI AFRICA 小林 嶺司さんのプレゼンテーション動画【中古車マイクロファイナンス事業で、アフリカから誠実な努力が報われる世界をつくる「HAKKI AFRICA」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
▶【速報】アフリカから誠実な努力が報われる世界を!信用スコアで車両購入を支援する「HAKKI AFRICA」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC FUKUOKA 2025)
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)-
強者が勢揃い -Sponsored by AGSコンサルティング
小林 嶺司
HAKKI AFRICA
代表取締役
公式HP | 公式X
株式会社HAKKI AFRICA 代表取締役社長・CEO。1989年茅ヶ崎生まれ、シリアルアントレプレナー。法政大学在学中の2012年にインテリアEC事業で起業し黒字化のち売却、シェアハウス事業で起業し初月から黒字化、3年で湘南・鎌倉地域でNo.1の実績を残す。2017年に事業を業界大手にExitし、その資金を元手に再度起業すべく単身アフリカへ。2019年株式会社HAKKI AFRICAを創業、自己資金で金融事業を開始する。2020年にグラミン銀行総裁らが主催するピッチイベントで優勝。2021年に金融庁/NIKKEI主催のピッチイベントでアワードを受賞。Start up gogo!優勝・Fintech Japan2021優勝・内閣総理大臣SDGsアワード外務大臣賞受賞・UN(国連)Co-labアワード受賞。
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小林 嶺司さん HAKKI AFRICAの小林です。
当社は、信用スコアリングを独自で開発した、中古車マイクロファイナンス事業を、アフリカのケニアで行うスタートアップです。

私の原体験は、学生の頃のアフリカ縦断時にあります。選択肢に恵まれた日本人と可能性から断絶されているケニア人の差を痛感し、自分自身の不甲斐なさに悔しさを感じてアフリカでの起業を決意しました。

ローン審査が壁、収入があるのに車が持てない現実
アフリカの社会課題について、ご説明します。

未だに多くの方々が、信用不足で無担保ローンの審査に通らないということが、アフリカ各地で起きています。

新興国全体だと、この状況になっている人は18億人程度です。
その中でも我々は、タクシードライバーに着目しました。
彼らも例に漏れず車が買えないので、仕方なくレンタカーでビジネスを行っています。

レンタカー料金は1日あたり1,500円程度、年間50万円程度にもなり、車が買えるレベルですが、一生、車を持つことはできません。
モバイルマネーM-PESAの利用明細から独自に信用評価
そこで我々は彼らに車を持っていただこうと、全く新しい信用スコアリングを使ったファイナンシングを行っています。

GDPの40%が流通していると言われる、ケニアの巨大モバイルマネーサービス「M-PESA」の過去の利用明細を解析することで、利用者の信用評価ができることに気づいたのです。

▶アフリカのイノベーションの原点:「M-PESAを知ろう」椿 進(AAIC Holdings)
ロジックは至ってシンプルです。
多重債務などは減点要素としている一方、タクシー売上の安定性を評価し、加点要素としています。

審査結果は即時、他社と比べ20~30%低い金利を実現
1つの事例を見てみましょう。
Steaveさんが欲しい車は、マツダのデミオ2015です。
このように、携帯電話からM-PESAのステートメントをダウンロードし、当社のホームページにアップロードしていただきます。
即時審査が始まります。
機械化を徹底して属人化を防ぐことで、審査通過が可能かどうか分かるシステムになっています。
他社比較で、大体20〜30%低い金利で提供できています。

世界でも金利の低い日本から資金を調達できていること、機械化、自動化が行えていることにより、固定費を他社の4分の1に圧縮できているのが、低い金利の理由です。
ドライバーのエコノミクスです。

月39,000円のレンタカー代金が当社への返済に変わっても、月39,000円の返済でキャッシュフローが回るようになっており、3年半後に自分の車になるというシステムです。
原資は低金利の日本から調達
ケニア人65名、日本人4名のチームです。

トラクションは、事業開始から4年で、ローンの貸出は累計29.6億円を突破、ここから3年半で150億円に持っていく予定です。


皆様が気になるであろう貸出原資は、世界でも最低金利の日本からの調達にフォーカスしています。

平均金利は7.1%、これは競合他社と比較して優位性のある金利です。
ノンバンク、商業銀行からの調達は完了しており、今後5年間で約100億円の追加調達の合意も済んでいます。
越境・盗難防止に「IoTと仮想フェンス」で対処
最終的な不良債権率は1%以下をキープできています。

なぜか?
IoTと仮想フェンスのシステムを組み合わせているからです。

IoTの端末を車に取り付けており、ナイロビ中に敷いた仮想フェンスを越えようとするとアラートが鳴るシステムになっています。
さらに、国境沿いにも二重に仮想フェンスを敷いており、無理やり越えようとすると、遠隔でエンジンをストップさせることができます。
4年間ビジネスを行っていますが、盗難された車は未だに1台もありません。
多くのアワードを受賞
株主は、プライム上場の金融機関を中心に、17社です。

2022年を皮切りに、首相官邸、東京都、金融庁、国連など、色々なところからアワードを頂いております。

▶日経×金融庁主催のFintechピッチでアワードを受賞しました(HAKKI AFRICA)
▶ジャパンSDGsアワードにて外務大臣賞を受賞しました。(HAKKI AFRICA)
▶東京金融賞で小池都知事から表彰を受けました(HAKKI AFRICA)
インド、南アフリカへと拡大展開
市場規模は約2.5兆円ですが、アフリカの人口爆発により、この市場は年間5%ずつ大きくなり続けています。

2025年、ようやく世界展開のフェーズに入りました。

ケニアで始まったこのビジネスは、インド、南アフリカの法人と契約が完了し、2025年夏には売上が立ち始める予定です。
環境に関わらず、誠実な努力が報われる世界へ
2025年現在、新興国の18億人近くが、世界の金融サービスにアクセスができない状況です。

我々は、生まれた環境のハンディキャップがあっても成功できるという事例を、アフリカにつくり出します。
現地に根ざしたビジネスの徹底的な支援を通じ、誠実な人が得をできる持続可能な仕組みをつくることこそが、アフリカに真の自立をもたらすと考えています。
可能性を摘む文化から、可能性をふやす社会へ。
歴史をつくる当事者に我々はなります。
誠実な努力が報われる世界へ。
HAKKI AFRICAの小林でした。

(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成