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ICC FUKUOKA 2025 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇いただき5位に入賞した、ジーバー 永野 健太さんのプレゼンテーション動画【社会性と経済性が両立する「おしごと」の仕組みで、日本中に元気なシニアを増やす「ジーバー」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
▶【速報】司法で社会の不合理を変える!“公共訴訟”に取り組む専門家集団「LEDGE」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2025)
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ
永野 健太
ジーバー
代表取締役社長
公式HP
1989年北海道恵庭市生まれ。立命館大学では硬式野球部に所属。卒業後、2012年に積水ハウス株式会社に入社し戸建住宅の営業を経験。全国の同期社員で第1位の営業成績をあげるものの、野球への未練が捨てきれず、2014年に退職し1年間の野球浪人を経て独立リーグの門を叩く。しかし、トライアウトを通過することができずに野球を引退。その後、2015年に不動産会社を宮城県にて設立。順調に業績を伸ばしていたが、2020年のコロナ禍を機に『もっと地域に必要とされる会社になろう』と決意し、第二創業。2022年からは、シニア世代が生きがいを持って活躍する場を地域につくるため「ジーバーFOOD」事業を立ち上げる。現在は、高齢化が進む日本社会において、人が何歳になってもその人らしく輝き続けることができる「おしごと」を創出するため、全国1700の地域にパートナー企業を募集し、ジーバーFOODをはじめとしたシニアのおしごとを全国各地に広げていくことを目標に活動中。
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このままずっと一人ぼっちかも
永野 健太さん こちらは、とある75歳の女性からのメッセージです。

「主人が亡くなってから、とても孤独で。
気づいたら二ヶ月間、ひとことも喋っていませんでした。
でも、どうしたらいいのか分からなくて、このままずっと一人ぼっち
なのかなと思っていた時に、ジーバーさんのチラシを見て、これなら
私にもできるかもしれないと思い、参加しました。」
ご自身の大切な家族が、このような寂しい思いをしていたら、皆さんは、どのように感じるでしょうか。

シニア世代が活躍できる「ジーバーFOOD」を立ち上げ
私たちは、シニア世代が活躍できる「おしごと」を創出することによって、「悩みに溢れる高齢社会」を、「明るい希望に溢れる未来」へ変えていくチャレンジをしています。


その第一歩として、3年前に始まった「ジーバーFOOD」は、シニアの方々が、家庭料理で培った知恵と経験を活かして、美味しい料理を地域にお届けする事業です。


ジーちゃん、バーちゃんの特製豚汁が大人気
現在は、宮城県内に3拠点を構え、累計138名のシニアの方々が仲間となっています。

その中で、特に大人気の豚汁は、昨日の「フード & ドリンク アワード」で優勝させていただくことができました。


▶【速報】シニアが躍動!「ジーバー」がフード & ドリンク アワード優勝 (ICC FUKUOKA 2025)
(会場拍手)
ありがとうございます。
審査員の皆様、ぜひ、温かいうちに、お召し上がりください。
▶編集注:プレゼン中に、審査員席に、ジーバー特製の豚汁が配布されました。
シニアの力が活かされない社会

このように元気なシニアの方々ですが、実は、その大半は、「ジーバーFOOD」に出会うまでは、職に就いていませんでした。

このようなシニアの方々は、全国に約2,700万人いると言われていますが、なぜ、シニアの方々の力が活かされない社会となっているのでしょうか。


シニアメンバーから聞いた、働くことへの本音
「この歳になってまで、セカセカ働きたくないっちゃ~」「若い人と比べられると、自信がなくなるよね……」――これらは、シニアメンバーの方々が、実際に言っていた言葉です。


組合をアップデートした「おしごと組合」を設立
私は、既存の法制度に基づく一般的な仕組みは、シニアの方々が働くことにはフィットしていないと気づきました。

そのため、「組合」という組織モデルを活用し、現代版にアップデートすることにしたのです。

まず、地域の中にいらっしゃる、元気なシニアの方々や、社会と繋がりたいと思っているシニアの方々が集まる場を作ります。

そうして集まったシニアの方々で、「おしごと組合」を設立し、主体的な活動をしていきます。

メンバーで協力して得た利益を平等に分配
その活動は、「ボランティア活動」ではなく、「経済活動」です。

ただし、シニアの方々の報酬は、時間給ではなく、皆で協力した売上から経費を差し引いた利益を、参加したメンバーで、平等に分配していきます。

そのため、無理に急かされたり、人と比べられたりすることなく、自分たちのペースで、楽しく活動を続けていくことができます。



健康、やりがい、仲間は金銭以上に大きな価値
このような仕組みによって、宮城県内のシニアメンバーは、金銭的な報酬はもちろん、それ以上に、さらに大きな価値を手にしています。


おしごと組合を後方支援する地元企業に利益を還元
しかし一方で、シニアの方々は、苦手なことも、多くあります。

その点は、私たちが、地元企業と連携して、後方支援していく体制を作り、支援内容に応じて、売上の一部が、地元企業に還元される仕組みを作りました。

私たちは、このようなシニアの方々との出会いから、組合の設立と運営、さらには、地元企業のサポート内容や、それらに基づくフィー(報酬)の設計までを、一気通貫して、仕組み化しました。

奉仕か労働かの二択ではなく、ちょうど中間の「おしごと」を、シニア向けに仕組み化することによって、社会性と経済性の両立を実現したのです。

全国の市区町村でパートナー企業を募集
私たちは、2030年までに、この新しい仕組みを、全国1,718の市区町村へと広げていくため、1,718社の地元企業とパートナー契約を結び、シニアが活躍できる環境を、全国に作っていきます。

▶「ガイアの夜明け」で大反響のジーバーFOODが、全国1718市町村でパートナー企業の募集をスタート!(PR TIMES)
まだ、リリース前にもかかわらず、18の地域から、パートナー企業になりたいと、お申し出を頂いております(2025年2月20日時点)。

新潟県佐渡市では、すでに、15名の素敵なシニアの方々が集まっています。

残り1,700市区町村です。

ぜひ、皆さんの力を貸してください。
数多くの失敗を乗り越え作り上げたモデル
パートナー企業には、これまでに私たちが138名のシニアの方々と向き合い続け、悪戦苦闘してきた、2万6,000時間の蓄積のすべてを伝えていきます。

これまでに、数多くの失敗も、経験してきました。

インパクトを出すことに必死になり、このような広告に多額の資金を投じてしまったり、


不明確なルールやオペレーションによって、シニア同士の喧嘩が発生し、多くの方々が辞めてしまったりしました。

しかし、だからこそ、得られた気づきがあります。
そうして、整えることのできた仕組みを、全国へと水平展開していきます。

ジーバーとの組み合わせは無限
そして、事業領域も、拡大します。
「ジーバーFOOD(食)」から、「ジーバーFARM(畑)」「「ジーバーCRAFT(ものづくり)」など、これらの組み合わせは、無限の可能性を秘めていますので、ぜひ、当会場にいらっしゃる皆さんと、ともに作っていきたいと思っております。




シニアが元気になると若い世代も元気に
そうして、日本中に、元気なシニアが、加速度的に増えていくと同時に、実は、若い世代の方々にも、元気を与えていくことができます。

私が最もうれしかったエピソードを、ご紹介させてください。

こちらのよね子さんは、2年前に、「ジーバーFOOD」のメンバーとなりました。
加入の1年前、ご主人を亡くされています。
「当時の母は、私なんて長生きしても意味がないと、口癖のように言っていた」と、娘の弘子さんは話してくださいました。

しかし、現在は、「ジーバーFOOD」に参加して元気になっていくお母様の姿を、ご家族の皆さんが、ご覧になって、安心していらっしゃるそうです。

頑張る姿が孫にも影響
それだけではありません。
お孫さんである、24歳の七菜実さんは、仕事が大変で苦しんでいたとき、「ばぁばも仕事頑張ってるから、私も頑張るね!!」と言って、踏ん張ったそうです。

おばあちゃんの頑張る姿が、お孫さんを元気づけたのです。

私は、「永野君は、なぜそのような面倒な事業をしているのか」と、ひんぱんに聞かれますが、シニアの方々はもちろん若い世代にも、このような奇跡を多く起こすことができるからなのです。
シニアが元気になれば社会構造は変わる
さらに、シニアが元気になると、社会構造も大きく変わっていきます。
こちらは、本年2025年度の国家予算です。

子どもたちに投資されるお金は、シニアのわずか4分の1しかありません。
「ジーバーFOOD」に通い始めてから元気になったというシニアの方々は、すでに大勢いらっしゃいます。

もし、全国約2,700万人のシニアの方々が、同じように健康になり、医療費を半分にまで減らすことができれば、約12兆円もの予算を、子どもたちに回すこともできるのです。

シニアの方々の活躍は、このように大きなソーシャルインパクトを生み出します。

高齢化の課題に真正面から向き合う覚悟
私自身にも、3歳になる息子がいます。
一人の親として、起業家として、こういった高齢化の課題に、人生を懸けて真正面から向き合っていく覚悟を決めました。


日本には、新しいシステムが必要です。

その仕組みは、出来上がりました。
そして、本日、皆さんは、その目撃者となりました。

5年後、さらに素晴らしい景色を、ともに見に行く準備はできていますか?

残り1,700市区町村です。

ぜひ、皆さんの力を貸してください。



世界が羨む高齢社会をみんなで作ろう
人類史上、誰も経験したことのない、世界最大の高齢社会だからこそ、世界が羨む高齢社会を、ともに作りませんか。

私も含めた、当会場にいらっしゃる全員の使命だと、私は思っております。

ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成