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未来への恩送りに、段差のない街づくりを。誰もが安心して移動できるフラットな社会の実現に挑む「認定NPO法人ウィーログ」(ICC FUKUOKA 2026)

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ICC FUKUOKA 2026 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇いただき2位に入賞した、認定NPO法人ウィーログ 織田 友理子さんのプレゼンテーション動画【未来への恩送りに、段差のない街づくりを!誰もが安心して移動できるフラットな社会の実現に挑む「認定NPO法人ウィーログ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。

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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ

織田 友理子
認定NPO法人ウィーログ
代表理事
公式HP | 公式X① | 公式X②

認定NPO法人ウィーログ代表理事、NPO法人PADM(遠位型ミオパチー患者会)代表。電動車いすを利用する重度障害当事者。2002年に超希少疾病の進行性筋疾患「遠位型(GNE)ミオパチー」、2013年に神経疾患「多発性硬化症」と診断。GNEミオパチーでは患者会として治療薬の世界初開発の実現にも尽力。2017年、ユーザー投稿型バリアフリーマップ「WheeLog!」をリリース。国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰、ドバイ万博グローバルイノベーター、「ジャパンSDGsアワード」SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞など国内外で多数受賞。2025年7月、ニューヨーク国連本部で開催されたハイレベル政治フォーラム(HLPF)でスピーチ。国土交通省建築設計標準フォローアップ会議委員、東京都福祉のまちづくり協議会委員、日本福祉のまちづくり学会理事等を務め、難病患者・車いす当事者の立場から福祉先進国・日本の実現を目指す。


織田 友理子さん 皆さん、お気に入りの飲食店はどこですか?

皆さん、それぞれ頭に浮かんだと思います。

では、そのお店に段差はありますか?

皆さんにとって、お店の段差は単なる景色だと思います。

でも私にとっては、社会から「あなたは、ここまで」と線が引かれ、「拒絶」に感じてしまう。

私は「段差のない、フラットな社会」

この実現を強く願い、今ここにいます。

公認会計士を目指し全力投球、22歳で難病の診断

幼少期は運動が苦手でしたが、負けず嫌いで勉強や部活に打ち込み、中学は管弦楽で日本一、高校ではお箏で日本2位、大学では公認会計士を目指し、専門学校とのダブルスクールに、全力投球でした。

しかし、22歳で難病「GNEミオパチー」と診断されます。

遠位型ミオパチー(指定難病30)(難病情報センター)

全身の筋肉が徐々に衰え、やがて寝たきりになる病気です。

24歳で突然、主治医から「結婚や出産を考えるなら早いほうが」と言われ、診察室を出た私は泣き崩れてしまいました。

(お付き合いしていた)彼に、「別れよう、あなたの人生まで無駄にしてしまう」と伝えると、すぐに

(壇上で付き添う織田 洋一さんから、)「そっか。じゃあ、今だね」

と、プロポーズされたのです。

車いす生活になり直面した「無数の段差」

こんな私と彼が結婚していいのかと葛藤はありましたが、親族の了承を得て25歳で結婚、その後26歳で出産。

直後から始まった車いすの生活で直面したのは、社会との間に存在する無数の「段差」でした。

車いすではバスには乗れません。

お店には入れません。

数多く拒絶され、「社会の邪魔者なのかな」と感じ、1年半もの間、家に引きこもってしまいました。

ウィーログ 16

10言語に対応、無料で利用できるバリアフリーアプリ

そんな私に光を与えてくれたのは、息子が3歳の時に出会ったバリアフリービーチの情報でした。

▶︎バリアフリービーチの様子
https://youtu.be/Yk-RwIPdHms?si=dcNOll1GyE7iBh51&t=146

家族で初めて海を楽しめたこの経験から、「バリアフリー情報があれば車いすユーザーの世界が変わる」と着想を得て、2017年5月に、「みんなでつくるバリアフリーマップ WheeLog!」をリリース。

コンセプトは、「あなたの『行けた』が誰かの『行きたい』に」。

情報を共有することで、健常者も障害者も、誰かを助けることができます。

アプリは、10言語に対応、22万枚以上のバリアフリー写真が投稿され、特許出願中の3Dシミュレーション機能も搭載。

全国各地で、イベントも開催されています。

アプリは誰もが無料で利用できるよう、毎年夏に行うクラウドファンディング(READYFOR)などへのご支援により、成り立っています。

ニューヨーク国連本部でスピーチ

ウィーログの活動は、第7回ジャパンSDGsアワードで内閣総理大臣賞を受賞。

「ジャパンSDGsアワード」で日本一!岸田内閣総理大臣から表彰状を授与いただきました(動画あり)(ウィーログ)

2025年7月、外務省の派遣でニューヨークの国連本部に行き、日本のSDGsの取り組みを代表し、スピーチを行いました。

▼国連での登壇の様子

「(英語スピーチ訳)

この歩みの中で私が学んだのは、障害があっても、人や社会に貢献できるということです。

(言葉に少し詰まって)着たい服を選び、行きたい場所へ行くーーその自由があっていいのです。

適切な支援があれば、重度の障害があっても豊かに生きることができます。

今日という日が、『何もあきらめなくていい』と信じるきっかけになることを願っています。

誰もがどこへでも行ける世界を、一緒につくっていきましょう」

途中、その壇上、その場にはいないはずの重度障害者の方々がまるで目の前にいるように見え、私は言葉に詰まりました。

その瞬間、抱える困難や切実な願いを、世界に伝えていこうと深く決意したのです。

車いすユーザーは「入れるお店」しか選べない

私は、「段差のないフラットな社会」を実現したい。

ですが、情報だけでは物理的な段差は消えません。段差があることで、車いすユーザーは「食べたいお店」ではなく「入れるお店」しか選べないのです。

現在、国土交通省の委員として、新しい店舗の段差に関する制度改革について協議を進めていますが、段差があることの弊害は、世の中にまだ理解されていません。

長年の要望と署名活動が実り届いた新薬

でも私は、「人が作った制度は、人の手で変えられる」と信じています。

なぜなら私が代表を務める患者会(遠位型ミオパチー患者会)では、16年という歳月をかけて人々の想いを集結させ、国の制度を変えることができたからです。

GNEミオパチーの(国内の)患者数は約400人と少なく、「患者数が少ない薬は贅沢品」と言われたこともありましたが、厚生労働省に対し、204万筆もの署名を提出し、超希少疾病の新薬開発制度が確立。

それにより、2024年3月、ついに世界初の治療薬(アセノベル)が承認されたのです。

▶︎縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(指定難病)に対する世界初のウルトラオーファンドラッグ、アセノベル®徐放錠500㎎の製造販売承認を取得(東北大学大学院 医学系研究科・医学部)

▶︎GNEミオパチー治療薬の承認に対する記者会見と報道のご報告(遠位型ミオパチー患者会)

段差をなくすことは誰にとっても安心な街づくり

現在、私は新薬の服用により体調が良くなっています。

すでに手足はほとんど動かず、夜間は呼吸器を使用しており、日常生活の全てにおいてサポートが必要ですが、周囲の支えと先人たちの努力の結晶により、私は飛行機や新幹線などで移動し、活動できているのです。

残りの人生、私は「恩返しと恩送り」をしていきたいです。

段差をなくすことは単に車いすユーザーのためだけではなく、ベビーカー、高齢者、旅行者、台車そしてロボットまでもが安心して移動できる街づくりとなり、未来に向けたインフラへの投資にほかならないと思っています。

笑顔でいられる、段差のないフラットな社会を

皆さん、お願いがあります。

「段差のないフラットな社会」を実現するために、今ここから署名活動をスタートします。

皆さんの声が集まれば、車いすでも行きたいお店に行ける社会に近づけるはず。

そうすれば、誰もが今よりも、きっともっと「生きていて良かった」と人生を肯定できるようになると信じています。

私は頑張ることは、幸せなことだと思っています。

いつか私の命が尽きる頃には、「車いすで入れないお店、見かけなくなったね」と、みんなが笑っていられますようにと願っています。

登壇させていただき、ありがとうございました。

▶︎署名サイト:「新しいお店なのに入れない」を、私たちの代で終わりに(change.org) 

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

YouTube
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(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成

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