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法の安心を手のひらに。日本版ODRで、少額未払い金問題をオンラインで解決に導く「AtoJ」(ICC FUKUOKA 2026)

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ICC FUKUOKA 2026 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき2位に入賞した、AtoJ 冨田 信雄さんのプレゼンテーション動画【法の安心を手のひらに。日本版ODRで、少額未払い金問題をオンラインで解決に導く「AtoJ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。

気候変動に打ち勝つ「次世代品種」で、グローバルで日本品質のフルーツ生産を可能にする「CULTA」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2026)


【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Sponsored by EVeM

冨田 信雄
AtoJ
代表取締役
公式HP

弁護士として2万件を超える少額債権対応の現場に従事。そこで直面したのは、少額ゆえに費用対効果が合わず、法的解決が放棄される「法の空白地帯」。同時に、大量処理が求められる現場では一方的な督促が常態化して担当者は疲弊。債務者側の事情にも一切目が向けられず、債権者と債務者の間に深いコミュニケーションのズレが生じている実態であった。
この構造的な課題を解決するため、2020年に株式会社AtoJを共同創業。「法の安心を世界中の手のひらに」を掲げ、少額大量債権特化の対話型ODR「OneNegotiation(ワンネゴ)」を開発。テクノロジーとデザインにより、低コストで双方の「対話」を回復させ、解決件数1万件を突破する中で、平均50%を超える解決率を実現。法とテクノロジーの融合で、新たな社会インフラの構築に挑んでいる。


冨田 信雄さん 「日本に、ODRを。」

株式会社AtoJの冨田 信雄です。

「ODR」という新しい紛争解決の場

私を含む現役弁護士5名で創業したAtoJが扱うのは、ODR(Online Dispute Resolution)、「テクノロジーによる紛争解決」です。

ODR(オンライン紛争解決)って何?! ODRのメリットとデメリットとは?!(ワンネゴ)

なぜODRなのか?

それは司法が抱える深い課題、「2割司法」を解決するためです。

現在、弁護士や裁判にアクセスできているのは、たったの2割です。

残る8割は、費用対効果が合わないという理由で泣き寝入りです。

法の手が届かない空白地帯が眠っているのです。

この空白地帯をテクノロジーで埋める、それがODRです。

国内で発生する年間1兆円以上の未払い

ODRを使えば、これまで取り残されてきた、養育費や航空チケットのトラブルなど、さまざまな課題が解決可能です。

例えば、AtoJが解決している少額大量債権の課題を見てみましょう。

少額で大量の未払いの発生金額は、国内で年間1兆円を超えます。

1社あたりの発生件数を見てみると、フィットネスでは月に100人、不動産では月に150人、病院では月に200人、自治体では月に700人。

こんな未払いが毎月毎月、発生し続けているのです。

これを解決していくのが、ODRです。

欧米でも先行する兆しが見えています。

eBay、日本で言うヤフオクでは年間6,000万件ものトラブルが、裁判所ではなくODRで解決されています。

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「違うものが届いた」「代金が支払われていない」、こうしたトラブルがスマホ一つで解決されているのです。

僕たちAtoJは、このODRという領域における、日本版ODRのトップランナーです。

3年4カ月かかった認証取得

でも、日本でODRを行うには、高いハードルがありました。

それは、法務大臣の認証と弁護士の関与です。

2019年、弁護士5名で創業した私たちAtoJは、法務省への相談を開始しました。

すると、内閣府がODR活性化のための検討会(ODR 活性化検討会)を設置し、私たちもヒアリング第一号として招かれました。

ODR 活性化に向けた取りまとめ(法務省)

これはすぐに認証が取れるぞ、そう確信していました。

しかし、現実は甘くありませんでした。

3年4カ月、現役弁護士5名で創業したAtoJですら、認証取得に3年4カ月を要したのです。

2022年7月、ようやく認証を取得しました。

3年4カ月、売上はゼロ、ひたすらプロダクトと向き合う苦難の日々でした。

法務省と日弁連によるODR実証事業がスタート

しかし、認証取得の翌年、潮目が変わります。

法務省が国をあげてODRの実証事業を行うことになったのです。

そして私たちAtoJはその法務省実証事業に採択され、日弁連(日本弁護士連合会)とともに全国で実証を行いました。

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法務省と日弁連が行う国家プロジェクトです。

ODR実証事業「ONE」について(日本弁護士連合会)

もちろん、メディアも注目しました。

オンラインで、裁判によらず紛争解決ができる、この革新性でODRは60を超えるメディアに取り上げられました。

申立てから支払いまでオンライン完結する「ワンネゴ」

そして、実証の期間を経て2024年9月、ついに我々のプロダクトを世に放ちました。

それが対話型ODR、OneNegotiation(ワンネゴ)です。

日本だからこその、対話を重んじた対話型ODRです。

世界で初めて、少額で大量の未払いを抱える事業者に尖らせたto Bプロダクトになっています。

仕組みは極めてシンプル、少額で大量の未払いを抱える企業がワンネゴに申し立てるだけ。

相手にはメール、郵送、SMSで通知が届き、スマホで対話、そして決済まで全てオンラインで完結します。

ハードルの高い交渉も“厳選された選択肢”を選ぶだけ

ビジネスモデルもシンプルです。

解決にコミットした成果報酬モデルで、解決できた時に支払われた額から成功報酬を頂きます。

ワンネゴの申し立ては、極めて簡単です。

名前、金額、連絡先の3つだけでできます。

名前、金額、連絡先の3つを入力して保存をクリック。

入力した内容に誤りがないかを確認します。

そして、「申し立てる」をクリック、これで終わりです。

ご利用の流れ(ワンネゴ)

CSVで、1,000件でも一括登録が可能です。

そして、ワンネゴ最大の発明は、対話を促す債務者側の画面です。

選択肢を選ぶだけ、この対話のデザインこそが解決の鍵です。

「身に覚えがない」「分割なら払える」など、言いにくい本音もボタン一つなら伝えられます。

これが、対話のハードルを極限まで下げるのです。

この紛争解決の革新性で、特許も取得済みで、国際特許も申請中です。

諦めていた案件の50%以上が解決

結果は劇的なものです、自社では諦めていた案件の50%以上が解決しています。

リリースから1.5年で取扱件数は3万件を突破、取扱金額は7億円を超えました。

狙いは40兆円規模のブルーオーシャン

狙う市場は広大です。

2割司法の中の法務市場は1.1兆円、日本の裁判所が取り扱うのは10兆円です。

私たちが狙うのは取り残されてきた残りの8割、40兆円のブルーオーシャンです。

日本だけで、この規模です。

AIを搭載した対話型のODRで、僕たちはアジアを中心とするグローバルマーケットも見据えています。

普及戦略としては、まずは月会費制のビジネス領域にフォーカスしています。

既に、導入企業は100社を突破しました。

定期購買、通信、電力、不動産、医療、決済、ECへと領域を広げ、全ての領域でワンネゴの利用は始まっています。

さらに、顧客管理システムとも連携し、対話型ODRは法規制の関係からフィンテック領域で未解決のまま放置されてきた未払い後の世界を対話で解決していきます。

債権者、債務者双方に届ける「法の安心」

債権者ユーザーの声として、ワンネゴの導入により従来比150%の解決を実現したり、一度退会した会員が戻ってくるという現象が複数のフィットネス企業で起きたりしています。

さらに、債務者だったユーザーがフィットネス会員として復帰するだけではなく、自分の勤めている介護施設に債権者としてワンネゴを導入するということすら起きています。

こちらは、債務者ユーザーの声です。

子育て世代向けQAサイトでは、ワンネゴを通じて解決に至った方の「話し合えてよかった」「裁判にならずホッとしています」というやりとりを目にしました。

また、海を超えてフランスからも感謝の声が届いています。

私たちが届けているのは単なる回収サービスではありません、「法の安心」なのです。

日本発「対話型ODR」の発展を支えるチーム

競争優位性は、参入障壁とメンバーです。

法務大臣の認証を取得し、特許も10件以上申請済みで、取得も続々と進んでいます。

私は弁護士として2万件を超える少額債権案件に対応し、債権者と債務者両方の悲痛な声を現場で聞き続けてきました。

少額で大量ゆえに社会が切実に求めるニーズに、対話型ODRというソリューションを接続しました。

共同創業者の森(理俊さん)は20年のスタートアップ支援の経験を持つ弁護士で、ODRを日本から事業化していくという旗を立てました。

さらにB2Bマーケティングの拡大に向けて、堀内(健后さん)が社外取締役に、ガバナンスの強化に向けて加登住(眞さん)が監査役に、対話型AIの搭載に向けて長井(健一さん)が入り、40名のチームで、日本で生まれた対話型ODRを引っ張っています。

日本から、ODRを。

私たちは、法の空白地帯にテクノロジーで挑み、新しい紛争解決のかたちを作ります。

ODRを日本に根付かせ、対話を重んじる「日本版ODR」として磨き込み、「法の安心」を世界中に届けていきます。

この壮大な挑戦を実現させるには、まだまだ仲間が足りません。

認知も足りません。

足りないものだらけのAtoJの挑戦を支える仲間に、ぜひ、なってください。

「日本から、ODRを。」

AtoJでした。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成

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