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リクルートライフスタイル入澤 諒さんのプレゼンテーション2回シリーズ(その2)は、スマホで精子のセルフチェックができる「Seem」の使い方と、「Seem」を使うことで起きる男性の妊活意識の変化について事例を交えてお話し頂きました。
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017「カタパルト」IoT/ハードウェア特集 supported by Makuake プレゼンテーションの書き起こし記事です。「Seem」は見事、ベストプレゼンターに輝きました。是非御覧ください。
本記事で特集しております8分間のプレゼンテーションを行う「CATAPULT(カタパルト)」のプレゼンターを募集しております。「スタートアップ」「IoT/ハードウエア」「リアルテック」「カタパルト・グランプリ」の4カテゴリーで募集しております。ぜひ募集ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 6B
CATAPULT(カタパルト) -IoT/ハードウェア特集-
Supported by Makuake
入澤 諒
株式会社リクルートライフスタイル
ネットビジネス本部
新規事業開発担当ディレクター
2008年、東京工業大学生命理工学部生命科学科卒業。2011年、同大学工学部建築学科卒業。二級建築士。大学卒業後、フィーチャーフォンやスマートフォン向けのコンテンツプロバイダーに入社。女性向けの体調管理サービスの企画・プロモーションのディレクションや遺伝子検査サービスの立ち上げを担当。一貫して、ヘルスケア領域でのサービス開発に携わる。2014年11月にリクルートライフスタイルに入社し、新規事業開発部門に配属。ヘルスケア領域での新規事業として、スマートフォンを使った精子セルフチェックサービス『Seem(シーム)』を立ち上げ、現在はSeem事業全体の戦略策定からUXの検討、プロダクト開発までを担当する。
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▶スマホでできる精子セルフチェックサービス「Seem」の配信済み記事
【前の記事】
【本編】
▼Part 1のハイライト▼
入澤諒氏(以下、入澤) 皆さんお早うございます、リクルートライフスタイルの入澤です。
本日は、スマートフォンで精子のセルフチェックができる「Seem」というサービスをご紹介します。
「Seem」では、専用の顕微鏡レンズとスマートフォンのフロントカメラを使って、精子の動画を撮影します。
その動画をアプリが自動解析することで、精子の濃度と運動率が測定できるサービスです。
不妊の検査や治療は女性が主体となって行う事が多く、「不妊は女性の問題である」という誤解や、「自分は大丈夫だ」という根拠のない自信から、ほとんどの男性は何も行動を起こしていません。
しかし実際は、不妊の原因の約半数が男性であることがWHOの調査から明らかになっています。
Seemが目指す妊活、不妊治療の流れでは、自己流妊活開始のタイミングで男性がSeemでチェックを行います。
もし心配があれば、病院ですぐに検査を受けていただき、Seemの利用で状態がすごく悪いことが判明した場合、すぐに不妊治療専門の施設に相談できます。
そうすることで、男性がしっかりと治療を受け、所見が改善すれば、治療の期間が短縮できるだけでなく、治療のステージをダウンさせる、つまり、より負担の少ない治療で妊娠できる可能性が生まれます。
男性が始めから行動を起こすことで、妊活・不妊治療の形を変えることができるのです。
▲Part 1のハイライトはここまで▲
▼Part 2 はこちらから▼
入澤 男性妊活の第一歩のハードルを下げるため、そして多くの男性に自分の精子状態をチェックしてもらうため、スマートフォンで手軽に、自宅にいながら精子の状態をチェックできるサービス、それが「Seem」です。
「Seem」の使い方
「Seem」の使い方は簡単です。
まず、アプリをダウンロードします。
「Seem」のキットの中に、測定に必要なものが全て入っています。
初めに、カップに精子を採取し、液化するまで15分待ちます。
実は精液は、15分置くだけで自然とさらさらになります。
液化が完了したら、カップをまわし、精液を混ぜます。
顕微鏡レンズの上に精液を1滴載せ、これで準備は完了です。
あとはスマートフォンのフロントカメラにレンズをセットし、精液の動画を撮影するだけです。動画は、顕微鏡レンズとiPhoneのフロントカメラで撮影できます。
アプリが動画を解析し、精子の濃度と運動率を測定します。測定は1、2分で完了します。
精子の濃度と運動率は、WHOが下限の基準値を定めているため、自分の数値と比較することができます。
▶Seemの実際の使い方については、こちらの動画もご覧ください。
精子の数や動きを知ることで医療機関受診のきっかけに
男性不妊の種類は、こちらに上げたようにいくつかあるのですが、精子の数が少ない状態や動きが悪い状態は、Seemを使えば分かります。
状態が悪い方の精子は、先程と比較すると数が少なく、動きが鈍いのです。測定の結果でも低い値が返るため、医療機関を受診するきっかけになります。
実際にSeemの開発段階で社員20名でユーザーテストを行ったところ、精液中に精子がまったくいない者が見つかりました。
この社員は妊活を初めて2ヶ月目だったのですが、すぐに不妊治療の専門機関を受診したところ、先天的な無精子症であることが分かりました。
しかし、精巣から直接精子を回収できることが分かり、すぐに次の治療に進んだところ、「Seem」の利用半年後には無事に奥様が妊娠しました。
妊活を始めてから半年ですと、通常は奥様も病院に行っていないタイミングです。男性が始めから主体的に参加することで、妊活、不妊治療にかかる時間と負担を大きく減らすことができました。
Seemの利用がきっかけで男性の行動が変わる
また、Seem利用者にアンケートを取ったところ、利用をきかっけに病院に行ったと答えた方が3割以上にのぼりました。
男性不妊について多くの方に考えていただくため、実際の夫婦にインタビューした動画がこちらです。ぜひ御覧ください。
また、結果が悪くなくても、「Seem」の利用が妊活の第一歩となり、「妊活の話題が増えた」や、「妊活に協力的になった」というポジティブな意見が多く聞かれました。
これら「Seem」の可能性に対しては、日本生殖医学会からも男性が主体的に参加する新しい妊活文化の実現にご期待いただいています。
「Seem」はあくまでセルフチェックツールであり、解決のソリューションは提供できません。ですから、関連学会やお医者様と協力しながら不妊の問題解決にあたっていきます。
日本では少子化が大きな問題となっていますが、実は子どもを望むカップルは600万組もいるのです。
その全ての男性に「Seem」を使っていただき、少しでも少子化の改善に役立てたいと思っています。
日本は少子化、不妊治療の先進国です。男性が始めから主体的に取り組むという新しい妊活の文化を、日本から世界に広げていきます。
ご清聴ありがとうございました。
▶リクルートライフスタイル入澤諒さんのプレゼンテーション動画をぜひご覧ください。
「Seem」は、「カタパルト – IoT/ハードウェア特集 – 」のベストプレゼンターに選ばれました!Makuake代表、中山亮太郎さんとの一枚です。
(終)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/Froese 祥子
【編集部コメント】
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