【安部敏樹が吠える③】社会課題を理解するビジネスパーソンが重要になる【F17C-RDL #3】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

【安部敏樹が吠える③】社会課題を理解するビジネスパーソンが重要になる【F17C-RDL #3】

Pocket

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

リディラバ安部 敏樹さんのプレゼンテーションを3回シリーズでお届けします。(その3)は、企業が社会課題のマーケットになぜ、どのように参入するべきかについてお話し頂きました。最後の安部さんの呼びかけから熱さが伝わります。

ICCカンファレンス FUKUOKA 2017「カタパルト・グランプリ」プレゼンテーションの書き起こし記事です。ぜひ御覧ください。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(正社員&インターン)とオフィス/コミュニティマネジャーの募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンスFUKUOKA 2017
カタパルト・グランプリ
Supported by IBM BlueHub

(プレゼンター)
安部 敏樹
一般社団法人リディラバ 代表理事
株式会社Ridilover 代表取締役社長

東京大学在学中にみんなが社会問題をツアーにして発信・共有するプラットフォーム『リディラバ』を2009年に設立。600名以上の運営会員と150種類以上の社会問題のスタディツアーの実績があり、これまで4000人以上を社会問題の現場に送り込む。また都立中学の修学旅行や企業の研修旅行などにもスタディツアーを提供する。2012年度より東京大学教養学部にて1・2年生向けに社会起業の授業を教え、2014年度より同大学で教員向けにも講義を持つ。特技はマグロを素手で取ること。総務省起業家甲子園日本一、学生起業家選手権優勝、ビジコン奈良ベンチャー部門トップ賞、KDDI∞ラボ第5期最優秀賞など受賞多数。第2回若者旅行を応援する取組表彰において観光庁長官賞(最優秀賞)を受賞。著作に『いつかリーダーになる君たちへ』(日経BP)などがある。

「社会の無関心を打破するリディラバ」の配信済み記事一覧

連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
【安部敏樹が吠える①】リディラバは社会課題の現場との架け橋になる

1つ前の記事
【安部敏樹が吠える②】CSRと言って木を植えている場合ではない【F17C-RDL #2】

本編

▼Part1,2のハイライト▼

安部 我々が行っているのは、社会問題に対して無関心な人、あるいは関心はあるけど関わり方がわからないという人に対して、社会課題について気軽に触れてもらう、知ってもらう機会を提供することです。

その機会を「スタディツアー」という旅行の商品やメディアで提供しています。

社会課題の現場に送り出すのは個人だけではありません。例えば学校の修学旅行や企業の研修という形でも事業を行っています。

我々は市民と公共社会の橋渡しをするということをひとつの目標としており、そのためのインフラとして旅行やメディアというものを使っています。

我々の組織の理念は「社会の無関心の打破」ですので、多くの社会課題を可視化し、関心を持ってもらいましょうということを事業にしています。

この点については、事業モデルもかなりできており、ここからどのように量的な拡大をして行くかというフェーズです。

では、社会問題を見える化するとすぐ解決するのかというと、そうではありません。

実際に解決するためには解決してくれる「人」が必要になります。

さて、これはいったい誰がやるのでしょう。

社会課題に対して、国や自治体というのはもうずっと取り組んできていますが、なかなか上手にできなかった。

これは、行政の縦割りの区間というのがそのまま社会問題の分類になってしまったということが大きいでしょう。複雑化している社会に対して、あまりにも行政は単純化をしてしまっていたという話です。

縦割りを実現するのが自治体や国などの行政であるとすれば、横串にして解決して行くことは自治体には少し難しそうだと、今私は感じています。

では、NPOと言われるような新しいソーシャルセクターが実現できるでしょうか。

NPOのたちが本当に圧倒的なスケールをもって、今我々が困難に直面しているような社会問題を完全に全部解決できるかというと、それは難しいだろうと思っています。

そうであれば「企業の課題解決能力」を社会課題にも多く導入していった方が良いのではないかと思っています。

▲Part1,2のハイライト終わり▲

では、どうしてこれまでなされてこなかったのかという疑問が出てきます。

企業が「なぜできなかったのか」ということにもう少しフォーカスしてお話ししていきたいと思います。

それはすごく簡単です。

皆さんもどこかの企業に属しているのだと思いますが、御社の中には社会課題についてわかっている人がどれくらいいますか。

ほとんどいないでしょう。これが問題なのです。

先ほど言ったように、この国のGDPのうちの25%、122兆円のお金が社会課題に使われているのです。

素晴らしいマーケットじゃないですか。

この市場に入っていくためには、「社会課題をわかっている人を作る」のが良いのではないかということが我々の考えているところです。

社会課題の解決はどのように事業化できるのか?

特に社会課題の事業化というのは、一般の起業の事業化とは少しフローが違います。

最初は、「原体験」というのが求められるのです。社会問題の現場で「こう感じた」「向上心持ちました」というのが必要です。

このようなことは、皆さんの企業の中ではあまりされないと思います。

「儲かるか・儲からないか」がまずくるから。

しかし、社会課題の事業化では原体験が必要なのだというわけです。

次に、その構造を理解することも必要。

さらに、課題発見をすることで、そこから仮説検証が始まります。

企業の方は「原体験・構造理解・課題発見」の部分がわからないわけです。

この部分を埋められないかというのが、我々のチャレンジだと思っています。

原体験を経て、構造を理解し、課題を発見する

例えば、2月3日には多くの恵方巻が食べられます。

恵方巻というのは、この国のフードロスの問題のかなり代表的な事例です。

作った恵方巻の半分以上は、実は売られもせずに捨てられるわけです。

それを実際に見て、「これでいいのか」と我々ももやもやしてくるわけです。

このような事例を色々とヒアリングしていきながら課題を構造化していきます。

構造化まで行うことで、初めて解決策を見つけ出していけます。

特に、社会課題というのは厄介な点があります。例えば、ホームレスの方にご飯を提供したからといって、ホームレスの方からお金を取れないわけです。

つまり、社会課題の解決のためにサービス提供をしたとしても、受益者から直接お金をもらえるわけではないということです。

ステークホルダーがいっぱいいるというところが、非常に難しいのです。

逆に言うと、ここが分かれば社会が変わっていくのではないかと思います。

社会課題を理解する人材の育て方

以上のようなことを、採用と育成の2つの観点から企業に提供するということを最近やっております。とにかく社会課題を構造的に知ってもらおう、と。受益者負担が成り立たないけれども背景にある構造を見れるようになって行くと、別のキャッシュポイントも作っていけるんですよね。

多くの企業人にマーケットとして社会課題を捉えていただくということを目的にして、社会課題の現場に行ってもらい課題の構造を知ってもらっています。

我々は社会問題の入り口という意味ではおそらく日本唯一のプロでして、現場のNPOさんと提携してわかりやすいコンテンツで提供していけます。

ネスレの事例:採用基準である課題設定能力の測定に利用

 

最近は、例えばネスレさんとの事例があります。

ネスレさんには採用の際のアセスメント(評価)に使っていただいています。

つまり、採用で、社会課題を事業化できる人材を採るぞということを、決めているんです。ネスレさんという会社は非常に社会課題解決への想いの強い会社さんでして、色々な試行錯誤をご一緒させていただいてます。

実際に1,000人ぐらい応募があったとき、30人に絞って4~5人ずつ、社会課題の現場のいろんなテーマに割り当てていきます。

割り当てた現場に人事の人も連れて行って、そこでアセスメントしてしまうというわけです。

面接では杓子定規なことしか言わないから。

そうではなく現場の中で応募者を見ていたら、課題設定する力や人と協働する力がわかるじゃないですか。

あるいは、リクルートさんの住まいカンパニーさんは、部長さん以上は全員社会課題の現場に行きました。

しかも、この中から出てきたビジネスプランが「NewRING」(リクルートの新規事業コンテスト)の中で事業化されるわけです。

こういった形で社会が変わってくる形もあります。

このような事例も生まれてきています。

社会課題を事業として本気で扱う企業を募集

こういうものはタイミングというのがあると思っていますが、今のタイミングでは企業としては参入しない理由はありません。

国内はもう市場がないのです。国内マーケットはなんとしても維持だ!とかも言われるわけですが、それは結局人口減少社会では売り上げUpと一緒ですしね。どこかに新しいマーケットを見つけないといけない。

一方で、社会問題は先にも述べたように実は巨大なマーケットな訳です。しかも日本は社会課題においては世界でもとても先進性がある成熟社会です。この領域に早く実績を出しておくことで新しい輸出産業にもなりうると考えています。今のタイミングでやっておくべきでしょうと。

しかも今、ソーシャルセクターには、お金がたくさん流れ込み始めているタイミングでもあります。

銀行には休眠口座というものがありまして、みなさんが銀行に預けた後に10年以上そのままでいるお金というのがありますが、これは基本的に銀行の利益になっていました。

実は今年、法律が通り、その額は毎年500~1000億円ぐらいあるのですが、その休眠口座のお金をソーシャルセクターに投じていこうということが決まったのです。これは2019年からですからすぐやってくる未来です。

あるいは皆さん、この中にはVCの方もいると思いますが、カタパルトの登壇者のように一次産業とか、リアルテック領域での投資が盛んになってきました。これは従来のインターネットを中心とした投資のように非常に短期間での高い成長を臨マーケットが減ってきたということです。

しかし一方で投資をしたいというお金は増え続けている。そうなってくると相対的にこれまで投資してこなかった領域にも金融マネーが流れ込んでくる。すると一次産業や社会問題なども今後どんどん投資対象になってきます。

つまり今、ソーシャルセクターにすごくお金が流れるようになってきているのです。

ある程度スタートアップするためのお金もサポートがあるかもしれない。この機会に企業が参入しない理由はないでしょう。

皆さん本気で事業として社会課題に参入しませんか?

皆さんの参入で、社会課題が解決して事業になっていけば、新しい雇用も生める。しかも社会的な事業を持つことで採用もしやすくなります。

今の若い人はそのような「社会課題解決」が好きなのです。この流れに乗っておかないと、優秀な人材を採用できなくなるのです。

私は、東大で講義も持っていますが、今、そういうことに関心のある人こそ優秀です、本当に。

だからぜひとも、皆さん社会を変えていく仕事を、きちんと収益を上げながら作っていきましょう。

これを日本の輸出産業にできます。海外はまだまだやってないですよね。

世界中の国に輸出できる産業になるので、ぜひ企業の皆さん、社会課題に入ってきてください。

私は20年後にこれをあらゆる社会課題を産業に転換していけると信じています。

私もこの分野に人生をかけております。みなさんの社会課題への参入、お手伝いさせていただければと思います!!

ご静聴ありがとうございました!!

(終)

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(正社員&インターン)とオフィス/コミュニティマネジャーの募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

リディラバ安部 敏樹さんのプレゼンテーション動画をぜひご覧ください。

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/平畑 真智子

【編集部コメント】

最後までお読みいただきありがとうございます!他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

本記事で特集しております8分間のプレゼンテーションを行う「CATAPULT(カタパルト)」のプレゼンターを募集しております。「スタートアップ」「IoT/ハードウエア」「リアルテック」の3カテゴリーで募集しております。ぜひ募集ページをご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

Pocket

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンフ ァレンス「Industry Co-Creation(ICC) カンファレンス」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。