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ICCサミット FUKUOKA 2018 カタパルト・グランプリに登壇した、博報堂monom 小野 直紀さんの【襟につける英会話教師!「ELI」は普段の会話を収集して、自分が学びたい英会話レッスンを実現する】プレゼンテーションの文字起こし記事を、是非ご覧ください。
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ICCサミット FUKUOKA 2018のプラチナ・スポンサーとして、AGSコンサルティング様に本セッションをサポート頂きました。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 6B
カタパルト・グランプリ
Sponsored by AGSコンサルティング
(プレゼンター)
小野 直紀
株式会社 博報堂
クリエイティブディレクター/プロダクトデザイナー
monom代表。博報堂入社以来、広告、空間、デジタルと幅広いクリエイティブ領域を経験する中で、多数のプロダクト開発業務に従事。2015年に、新しい生活風景を生み出すプロダクトの開発をミッションとするクリエイティブチーム「monom」を設立。これまでに、ぬいぐるみをおしゃべりにするボタン「Pechat」やウェアラブル英会話教師「ELI」などを企画・開発。また、歌詞が見えるスピーカー「Lyric Speaker」や勉強したくなる机「Write More」のプロダクトデザインを担当している。
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▶「ICC FUKUOKA 2018 カタパルト・グランプリ」の配信済み記事一覧
小野 直紀氏(以下、小野) 博報堂の小野と申します。宜しくお願いします。
私は博報堂でmonom(モノム)というモノづくりに特化したチームに所属しています。
本日はその中で開発している、ELIというプロダクトをご紹介させて頂きます。
グローバル化、インバウンド等により英会話の必要性が増加
まず突然ですが、この中で英語を話せる方はどの程度いらっしゃいますでしょうか。
さすがICCですね。かなり多くの方がいらっしゃいます。
だいたい5分の1くらいかな、という印象です。
続いて、英語をもっと話せるようになりたい、と考えていらっしゃる方はどの程度いらっしゃいますでしょうか。
そうですね、多半分以上の方に挙手頂きました。
僕自身も同じです。
本日ご紹介するELIは、English Learning Intelligenceという言葉の略で、英語をもっと効率的にモチベーション高く学ぶためのプロダクトです。
グローバル化、インバウンド、東京オリンピック、英語を小学校低学年から学ぶようになった新学習指導要領等により、英会話の必要性やその切迫感はどんどん増加しています。
僕自身も仕事において英語を使う機会が増えていて、英文を書くことや、メールでの英語のコミュニケーションは調べたりしながらもある程度はできます。
しかし、話すとなると急にできなくなるのです。
テストはできるのにしゃべれないという状態で、非常に困っています。
普段日本語を話すように英語を話せるようになりたい。
それは、英会話を学んでいる人、身につけたいと思っている人、全ての人の夢だと思います。
ダイレクトに自分が必要とする英語を学びたい
ただ、そんな時に気づいたのが、一般的な英語教材で学習すると、自分とは関係のない例文や単語が出てくることがよくあるということです。
例えばトムがレストランに行った、ケンがメリーとデートした等、自分とは関係のないことばかりです。
もっと自分が必要とする英会話を身につけたいと思うようになりました。
僕のようなプロダクトデザイナーであれば素材や仕上げ、発注時の言葉を学びたいと思うでしょうし、八百屋であれば野菜の名前や売り文句、ソムリエであれば注文の取り方やワインの表現の仕方を学びたいと思います。
そこで、もっとダイレクトに自分が必要とする英語を学べないかと思い、ELIを着想しました。
製品としてはご覧のようなUSBサイズのプロダクトです。
このようにクリップ部分を表にして、アクセサリーのように襟に着けて使うものです。
襟に着けることもELIという名称の由来の一つです。
僕らはこれをウェアラブル英会話教師と呼んでいます。
ユーザーに応じた最適な英会話レッスンを生成
具体的な機能についてはこちらの映像をご覧ください。
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ご覧頂きました通り、ELIはユーザーが話す日本語を記録・解析して、その人に最適な英会話レッスンを生成するデバイスとアプリです。
仕事内容から興味関心まで、普段話していることから英単語や英会話を学ぶことができます。
ハードウェア、ソフトウェアで複数の特許出願中
技術的には非常にシンプルな構成でして、ハードウェアとしては襟に着ける通信可能な小型録音デバイスです。
ソフトウェアとしては、音声認識や自然言語処理(※)等のAPI(※)を使いつつ、教材生成エンジンを作っています。
▶編集注:自然言語処理とは、私たちが日常で書いたり話したりして使う、日本語や英語などの言語をコンピューターに処理させる技術や学術分野の総称のこと。(Wikipedia)
▶編集注:API(= Application Programming Interface)とは、ソフトウェアを一部公開して、他のソフトウェアと機能を共有できるようにすること。(コトバンク)
また、コンテンツとしては他社さんと提携して辞書や英語教材のデータベースを提供し、英語学習シナリオをオリジナルで作っています。
こういった組み合わせでしたり、ハードウェア、ソフトウェアでの複数の特許を出願中です。
優れたコンテンツ技術として経済産業省から技術採択
ELIは去年の3月にプロトタイプを発表しました。
日本ではメディアアンビション東京、アメリカではサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)で発表させて頂きまして、実際に多くのお客様に体験頂き、良いフィードバックを頂きました。
また、その後、メディアやSNSで大きな反応を獲得して、様々なお問い合わせを頂きました。
Google主催のアワードでグランプリを頂き、経産省の技術採択にも選ばれています。
商品ローンチ前ではありますが、少しずつ評価を集めています。
8,000億円の国内語学学習市場で3つのビジネス展開
国内の語学学習市場は8,000億円と言われていますが、そこを狙っていこうとしています。
今後の展開として、一つは大きくはBtoCの部分です。
二つ目は、英会話スクールとの連携です。
英会話スクールは競合ではないか、と言われるのですが、私たちは連携できると考えています。
英会話スクールに通うのは週に1回ですが、実際に英会話を身に着けるためには日々の学びが重要で、そこに学校での学びを掛け合わせる必要があります。
その、家での学習の部分において、ELIを活用することができるのではないかというお話を頂いています。
三つ目として、法人向けに専門領域に向けたカスタマイズを行い、展開していければと考えています。
将来的には、日本語英語だけではなく、多言語への展開も考えています。
例えば、サウス・バイ・サウスウエストでELIを展示した際には、スペイン語を学びたい英語ネイティブのためのソフトを作成し、スペイン語を学んでもらいました。
ELIを通じて得られる音声ログを活用したビジネスの展開も考えています。
最後に、私たちの想いをお話しさせて頂きます。
自分の声で自分らしく英語を話せる未来を実現したい
技術的には、リアルタイム自動翻訳があるのではないかとみなさん思われています。
完全に自動翻訳が実現するのは少し先の未来だとは思いつつ、もうすぐ実現するだろうという予感がしていると思います。
ただ、私たちはELIを通じて、自分の声で自分らしく英語を話せる未来を実現したいのです。
インターネット、SNS、スカイプなどで世界と広くつながった現代に、より深いつながりを追求したいと考えています。
そしてその時に、世界が本当の意味でつながるのではないかと思っています。
2018年度中のリリースに向けて引き続き開発を進めております。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/三木 茉莉子/平井 優花
【編集部コメント】
母国語だと無意識のうちに、自分が選んでいる言葉や表現があります。ELIを使って、自分がどんな英語や表現を使いたいのか、客観的に知りたいと思いました。(浅郷)
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