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リクシィは、結婚式のパーソナライズ化&オープン化により巨大ウェディング市場を変革する!(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】

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ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・カタパルトに登壇いただいた、リクシィ安藤 正樹さんのプレゼンテーション『リクシィは、結婚式のパーソナライズ化&オープン化により巨大ウェディング市場を変革する!』の文字起こし記事をぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プレミアム・スポンサーのラクスル様、プラチナ・スポンサーのIBM BlueHub様にサポート頂きました。


2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 1B
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ラクスル & IBM BlueHub

(プレゼンター)
安藤 正樹
株式会社リクシィ
代表取締役社長
公式HPSTARTUP DBLinkedInページ

2003年京都大学法学部卒業。2001年、株式会社ドリコムに創業メンバーとして参画し、営業担当取締役を務め、新規事業の立上げ、事業拡大、営業部門のマネジメント全般を担当し、東証マザーズ上場に貢献する。2009年4月、株式会社エスクリに入社し、東証マザーズ上場を経験後、結婚式場の責任者、マーケティング部門の責任者を経て、取締役事業本部長に就任し、東証一部指定替に貢献する。その後、常務取締役として事業部門を管掌。結婚式場4施設から30施設へ、売上40億円から262億円へ、社員数150名から1,023名へグロースさせた。2016年5月、株式会社リクシィを創業。ウエディング×ITのスタートアップとして、Choole、gensen weddingを運営しながら、結婚式場向けのコンサルティングサービス、人材サービスも展開。ネット業界とリアルサービス業界の双方に精通し、2度のIPOを経験している点が特徴。

「ICC FUKUOKA 2019 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧

安藤 正樹氏 リクシィの安藤と申します。

私は、学生時代にドリコムの内藤さん(ドリコム代表取締役社長・内藤裕紀氏)とビジネスを立ち上げ、営業担当役員を8年やっていました。

その後、結婚式場の運営会社に転職し、4店舗から30店舗、40億円から270億円へ成長させました。

ITとリアルで2度のIPOを経験し、今回のリクシィの起業が2回目、いわゆるシリアル・アントレプレナーです。

もうひとつ、私は結婚式を計4回挙げています。

今の妻とイタリアで1回、国内で2回、前の妻と国内で1回。

いわゆる“ダブルシリアル”かなと思います。

(会場笑)

これはイタリアでの挙式の様子なのですが、タキシードやドレスを着て歩いていると、世界中どこの人でも「結婚式」だということが伝わります。

イタリアの方たちも私たちを祝福してくれました。

結婚式は、あらゆる空間を一瞬で幸せに変えることができる、稀有なコンテンツであると感じました。

4回も結婚式をやると誓う神様がいなくなるので、最後は親に誓うことになります。

「正樹らしく生きろ」と言われ、この言葉が家族の絆を強くしてくれました。

「画一的」から「パーソナライズされた」結婚式へ

結婚式は、人生で最も感動的な瞬間です。

しかし、結婚式を挙げない人が増えていて、その割合は45%にも上っています。

理由は、「画一的だから」ということです。

では、なぜ画一的なのか。

結婚式を挙げたことのない人は結婚式場に相談しますが、結婚式場からは同じ内容が提案されます。

そのため、ゲストは同じ内容を体験することになるため、結婚式というコンテンツに飽きてしまいます。

しかし、結婚式を挙げなかった人に聞くと、65%が後悔をしているそうです。

私は4回も挙式しているのに、結婚式を挙げなくて後悔している人がいるのです。

「ぜひ結婚式を挙げてもらいたい」という想いから、どうすれば挙げてもらえるのかを考えました。

結論としては、多彩でパーソナライズされた結婚式を提供できれば、ゲストは画一的な結婚式とは異なる体験をすることができ、結婚式を楽しく捉えてくれるようになるだろうと考えました。

私は、これをプラットフォームで実現したいと考えています。

パーソナライズされた結婚式の実現への「3つの壁」

しかし、ここで3つの壁があります。

一番目は“初めて”の壁です。

「結婚式を挙げたことがないのでわからない」というものです。

二番目は“見学の壁”です。

会場を見に行かないと、どのような結婚式ができるのか、また、費用がどの程度になるのかが全く分かりません。

三番目は“準備の壁”です。

「あのドレスが着たいのに着られない」というようなトラブルが頻発します。

対面で結婚式をパーソナライズする「gensen wedding」

そこで我々が2年前に開始したサービスが「gensen wedding」です。

「gensen wedding」は、対面で結婚式のパーソナライズをするサービスです。

元ウェディングプランナーが無料で、結婚式を挙げるお二人と対面し、結婚式のプランニングをします。

我々がプランにふさわしい会場をマッチングするというものです。

そして、結婚式場は、その内容に合わせた見積もりと、当日までの体験を提供するというビジネスモデルになっています。

ポイントは「独自の情報」です。

通常、結婚式場の価格、挙式・披露宴の内容は世間に公開されていません。

これらの情報を我々が吸い上げ、それを元にプランニングをします。

式場側も喜んで情報を提供してくれます。

その内容を元に、式場選びから当日の体験までを我々が提案しますので、お客様はスマートに式場選び、結婚式が手に入るというわけです。

決定率は70%です。

1カップルあたりの見学数は1.5件で、これは一般的な場合の平均の半分です。

そして平均単価は400万円。これは一般的な市場価格の1.2倍となっており、ハイクラスな方に支持をいただいています。

累計320組様で、GMV(Gross Merchandise Value:総流通総額)12億円というトラクションを残しています。

非対面で結婚式をパーソナライズする「Choole」

一方、この1年でInstagramで結婚式を探す方が非常に増えました。

「ドレスやクリエイターも大事」「直感的に会場を選びたい」というニーズが高まっています。

そこで、2018年6月に提供をはじめたのが「Choole(チュール)」です。

「Choole」は非対面で結婚式をパーソナライズをします。

LINEでスクリーンショットを送ると、私たちのプランナーが会場、ドレス、フラワー、クリエイターといった情報を提案します。

その内容をお客様が気に入れば、見学や試着ができるというサービスになっています。

結婚式をオープンにし、自由かつ透明な体験を提供

ポイントは「なぜこれができるか?」という点です。

通常、結婚式はクローズド・マーケットになっているので、その式場で提携しているドレス屋さん、花屋さん、写真屋さん、クリエイターから選ばなければなりません。

その結果、お客様は限られた選択肢の中で不透明な価格から選ばざるを得ないという体験をすることになり、この点に多大なストレスを感じていらっしゃいます。

そこで、「Choole」はこれをオープンにします。

「Choole」では、提携する会場はすべて持ち込みをフリーにすることによって、自由な選択肢、透明性の高い価格体系、こういった体験をお客様が手に入れられるようになります。

サイト上ではTier 2、3に該当するようなレストランから、ホテル椿山荘東京のようなTier 1の会場まで幅広く提案しています。

ドレスやクリエイターも多様に提案しておりますので、お客様は自由に選ぶことができます。

自由だからどんなプランでも用意できる、式場×アイテムアレンジ数No.1。

これが「Choole」の強みです。

組合わせでわかる、金額もわかる、お得になる

「Choole」には「組合わせでわかる」という価値があります。

ホテル椿山荘東京であれば、和、ナチュラル、シンプル、エレガント、こういったイメージをサイト上で提案することができ、お客様のお好みにあわせたカスタマイズも可能です。

金額もわかります。

そしてお得にもなります。

通常ドレス30万円の場合、ドレス屋さんの取り分が15万円で会場の取り分が15万円という構造になっています。

しかし、「Choole」の場合は取り分が20%ですので、18万円。

最大半額になるということで、お客様からすると非常にお得になります。

既存の広告投資と共存可能なビジネスモデルを実現

ビジネスモデルは成果報酬型です。

会場からは飲食費の10%、ショップからは20%の報酬をいただいています。

会場としても、増えた粗利が原資になるので、既存の広告投資とカニバリゼーション(※)を起こさずに、非常に参画がしやすくなっています。

▶︎編集注:カニバリゼーションとは、自社の2つ以上の商品、サービス、ブランドなどが互いに競合して、シェアを侵食しあう「共食い」現象のこと。

「Choole」は会場、ベンダーの双方から報酬をいただけるので、高い収益性を確保できるという構造になっています。

参画ブランド数は昨年の6月から240を超えており、順調に増えています。

トラクションは「gensen wedding」と「Choole」で、GMVは1.2億円/月を超えており、約2年で5倍超の成長を遂げています。

チームの紹介をします。チームは14名です。

元エスクリのスタッフを中心としたウエディングのチーム、元ドリコムのスタッフを中心としたテクノロジーのチーム、14名で運営しています。

14名中12名がリファラル採用(推薦・紹介により採用手法)です。

非実施層へのアプローチで2.4兆円市場を創り出す

実現したいことは、情報の迷路で迷い、壁にぶつかるのではなく、パーソナライズされて整った道を提供することです。

「gensen wedding」が独自の情報をもとに対面でスマートな式場選び、式場体験を提供します。

「Choole」は自由な組み合わせで非対面の直感的な式場選び、結婚式を提供していきます。

先ほどの3つの壁を体験型のプラットフォームで無効化し、産業を変革する。

これが、我々が成し遂げたいことです。

結婚式を実施する方々の市場は、1年間で1.4兆円規模です。

非常に大きなマーケットです。

このうちの10%を「gensen wedding」と「Choole」が獲得していきます。

さらに、非実施45%の方々が年間、1兆円規模でいらっしゃいます。

この方々を実施に動かすことで、2.4兆円市場にしてみせます。

非実施層は完全なブルーオーシャンです。

しかも、過去10年間実施しなかった方がいらっしゃるので、10兆円規模の潜在的な市場があるといえます。

この潜在的な市場を動かし、新たな市場を作り出します。

そのためには、私があと何回か結婚式を挙げることも視野に入れています。

(会場笑)

鍵は「セグメント特化」と「コラボレーション」

市場を作り出すための具体的な方法としては、「セグメント特化」です。

パパママ婚市場、シニア婚市場、定額市場。

これらのセグメントに合わせた商品開発を行っていきます。

コラボレーションも考えています。

例えば、よなよなエールのビールを使ったコーディネートの結婚式、BASE FOODのパスタが出てくるような展開をしていきます。

また、アーティストの方とのコラボレーションもやっていきたいと考えています。

現在は写真からどのような結婚式にするかという提案を、人がやっていますが、将来的にはAI化していき、全国の式場、ベンダーと組み合わせながら商品開発をすることで「結婚式」を変えてみせます。

結婚式、これからの方も、まだ挙げていない方も、あと何回か挙げたいという方も、ぜひご相談いただければと思います。

ありがとうございました!

(終)

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/花本 夏貴/尾形 佳靖/戸田 秀成

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