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ICCサミット KYOTO 2019 スタートアップ・カタパルト 準優勝(同率)に輝いた、データグリッド 岡田 侑貴さんのプレゼンテーション動画【データグリッドは、次世代AI技術「GAN」で創作とセキュリティの常識を変える!】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019 プレミアム・スポンサーのラクスル様、プラチナ・スポンサーの日本アイ・ビー・エム様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年9月3日〜5日開催
ICCサミット KYOTO 2019
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Supported by ラクスル & 日本アイ・ビー・エム
(プレゼンター)
岡田 侑貴
株式会社データグリッド
代表取締役
公式HP|STARTUP DB|LinkedIn
京都大学にて機械学習分野を専攻し、京都のAIベンチャーにて金融分野のデータ解析業務に従事。 その後、AIの研究領域において急速な発展を遂げていたGAN(Generative Adversarial Network、敵対的生成ネットワーク)に注目し、 GANの技術開発及び社会実装を行うべくCTO小川とともに当社を設立。また、当社のAI技術を応用したDappゲームを開発・運用することを目的として、ICOVO AG社などと共同出資により設立した株式会社ジーンアイドル取締役副社長を兼任している。1993年生まれ26歳。
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▶「ICC KYOTO 2019 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧
岡田 侑貴 氏 おはようございます。データグリッドの岡田と申します。
よろしくお願いします。
早速ですが、皆さんはこの人たちをご存知でしょうか?
彼ら彼女らは、実はAIが生成したモデルやアイドルです。
私たちデータグリッドは、2017年に京大発ベンチャーとして設立されました。
本日は私たちがどのような考えで、何を行っているかについてご紹介します。
クリエイティブAIによって、複雑な問題を解決する
今の世の中や社会で、さまざまな問題が起きています。
何が原因なのか、私たちなりに考えた結果、「創造性や生産性の低下」が非常に重要な問題だと気づきました。
この問題を、次世代のAIであるクリエイティブAIの技術を利用することで解決できると考えています。
これまでのAIは、例えば株価の予測といった「予測タスク」や、自動運転のAIのような「認識タスク」を実行するものがほとんどでした。
しかし私たちが開発しているクリエイティブAIは、「何かを創る」ことに対して特化したAIです。
私たちは、このクリエイティブAIをディープラーニングを応用したGAN(敵対的生成ネットワーク)と呼ばれる技術を用いて開発しています。
そして私たちは、クリエイティブAIを用いて、世界のフロンティア、最先端の領域を広げていくことをミッションとしています。
① バーチャルモデルによるモデル産業の再定義
それでは、いくつかの具体的なプロジェクトをご紹介します。
まず1つめは、バーチャルモデル・プロジェクトです。
このモデルたちは、弊社のクリエイティブAIにより自動生成された“実在しないモデル”です。
私たちは、この全身モデル生成AIにより、労働集約型のモデル産業を再定義します。
まずはアパレル、EC向けのモデルとして参入し、その後広告モデルに対しても展開します。
② キャラクター自動生成によるクリエイティブ効率化
2つめは、キャラクターの自動生成プロジェクトです。
クリエイティブAIにより、新しいキャラクターを自動生成します。
キャラクター生成AIを用いることにより、1日当たり約8万枚のキャラクターを生成可能です。
単純なキャラクター制作は自動化され、人間のクリエイターはより創造的な業務に集中できます。
③ 自動生成したアイドルのゲーム・VTuber展開
3つめは、「アイドル生成」プロジェクトです。
彼女たちは、AIにより生成された実在しないアイドルです。
すでにこの技術を用いてベンチャー企業と合弁の会社をつくり、このアイドル生成AIを用いたアイドルゲームをリリースしています。
今後は、リアル版のVTuberにも展開していく予定です。
そして私たちの技術は、今ご紹介したたようなクリエイティブ領域だけに限定されるものではありません。
医療や製造業などの業界においても適応可能であり、すでにプロジェクトを進めています。
パートナー各社との共同事業により、多領域展開を狙う
次に、ビジネスモデルについてご説明します。
弊社は単独の領域ではなく、複数領域に対して事業展開しようとしています。
そのため、一社単独で事業を展開するのではなく、各業界のパートナー企業とともに共同で事業開発をするビジネスモデルをとっています。
最終的には、共同開発した製品から出た収益をパートナー企業とレベニューシェアすることにより、収益を上げます。
約30名のAIエンジニアと共に、開発・ビジネスの双方を強化
私たちのチームをご紹介します。
もともと京都大学でAIを研究していた私と現CTOの小川恭史が、GANという技術に対して未来を感じ、創業しました。
2019年7月より事業開発経験が豊富な首藤高志をCOOとして招き入れ、ビジネス陣を強化しています。
全体では、約30名のAIエンジニアを擁してプロジェクトを進めています。
またNVIDIAさんや京都大学、東京大学の松尾豊先生にもサポートしていただいています。
これまで多くのメディアに、弊社のプロジェクトを取り上げていただきました。
YouTubeにアップしたバーチャルモデル・プロジェクトのデモ動画は、海外を中心に25万回以上再生され(プレゼン当時)、海外からも多くの問い合わせをいただいています。
3Dデータの自動生成で、AR/VR業界を変革する
以上、これまでの弊社の取り組みをご紹介させていただきました。
最後に、さらに世の中のフロンティア、最先端を拡張していくような2つのプロジェクトをご紹介します。
1つめは、2Dから3Dへの拡張です。
これまでの事例では、2D画像の自動生成がメインでしたが、現在はリアルな3Dデータの自動生成に取り組んでいます。
労働集約型の3DCG業界のビジネスモデルを変革し、3DCGがコンテンツとして必要となるARやVRの業界に対して、インパクトを与えます。
自動運転車へのサイバー攻撃への応用
もう1つは、これまでのプロジェクトとは少し毛色が異なりますが、自動運転時代に備えた、自動運転のセキュリティに対するプロジェクトです。
こちらに「止まれ」の標識が2つあります。
向かって左側の標識は、人間のドライバーが見ても自動運転のAIが見ても「止まれ」の標識だと認識されます。
しかし、右側の黒色の長方形がのった標識は、人が見れば明らかに「止まれ」ですが、AIが見ると「進め」の標識に誤認識してしまう可能性があります。
実は、こうしたものがAIに対するサイバー攻撃となっており、自動運転車の安全性に対して重要な課題の1つになっています。
この攻撃手法、対策手法に対して、弊社はクリエイティブAIを用いて研究開発を行っており、2年以内の実用化を目指しています。
クリエイティブAIで、新たなビジネスを生み出す
このほかにも、クリエイティブAIを用いて新しいビジネスを生み出していけるパートナー企業を募集していますので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/花本 夏貴/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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