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ICCサミット KYOTO 2019 スタートアップ・カタパルトに登壇し、6位入賞に輝いた シルタス 小原 一樹さんのプレゼンテーション動画【シルタスは、買い物履歴を“栄養素”に変換し「栄養データにもとづく健康社会」を実現する!】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019 プレミアム・スポンサーのラクスル様、プラチナ・スポンサーの日本アイ・ビー・エム様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年9月3日〜5日開催
ICCサミット KYOTO 2019
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Supported by ラクスル & 日本アイ・ビー・エム
(プレゼンター)
小原 一樹
シルタス株式会社
代表取締役
公式HP | STARTUP DB | LinkedIn
1985年生まれ、千葉県出身。新卒で特殊冷凍を扱うベンチャー企業でフードテック事業に従事。食の領域に携わる中で、「食の健康の不可視性」と「食事管理のハードルの高さ」に課題を感じるようになり、自動で個人の栄養バランスが分かるシステムの開発に着手。ID-POSデータをヘルスケアに活用することをテーマとして、大手流通との概念検証をきっかけに、2016年11月にシルタス(旧アドウェル)を設立。購買データから栄養の偏りを分析して、個人に最適な買い物を提案するサービスとして、2019年3月、決済情報から栄養管理ができるヘルスケアプリ「SIRU+(シルタス)」をリリース。神戸市と協働して市内スーパーでの試験導入を経て、全国展開を進めている。健康行動を人のモチベーションに委ねるのではなく、意識せずに自然と健康行動が習慣化される仕組みづくりを目指す。
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▶「ICC KYOTO 2019 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧
小原 一樹さん シルタス株式会社の小原です。よろしくお願いいたします。
シルタスという私たちの社名は、栄養状態を「知る」こと、足りない栄養素を「足す」ことから生まれました。
本日私からお話しさせていただくのは「栄養管理」の話です。
栄養管理というと、「人生100年時代」「医療費の増大」「食事の健康への影響」といった社会課題が挙げられると思います。
しかし、今日はこういった課題については省略させてください!
多分このようなことは、皆さんも知っていることだと思います。
むしろ世の中は「健康になることは大事だから、みんな頑張ろう!」という風潮です。
しかし本音をお話しすると、私は栄養管理サービスを運営していながら、今の自分の健康状態には大して興味を持っていません。
なぜなら、困っていないからです。
その一方で、10年後、20年後、「もう少しちゃんとやっていればよかったな」と後悔している自分の姿も容易に想像がつきます。
皆さんも、栄養管理はするに越したことはないと頭では分かっていながら、面倒だなと思ってしまっているのではないでしょうか。
「SIRU+(シルタス)」は栄養管理を自動化するアプリ
だから私たちは「どんなサービスよりも簡単な栄養管理サービス」を目指しました。
どれくらい簡単かというと、私たちのサービスは自動で栄養管理をしてくれます。
その方法は、スマホアプリの「SIRU+(シルタス)」をダウンロードして、普段使っているポイントカードを登録いただくだけです。
「SIRU+」にポイントカードを連携していただければ、そのカードに紐付けられた購買履歴が当日中に同期されます。
アプリに同期された購買履歴は自動で栄養素に変換され、栄養状態として可視化されます。
なぜ、そんなことが可能になるのでしょうか?
購買履歴を栄養素に変換するために必要な情報は2つ、それは「その食材が何であるか」と「何グラムあるか」です。
残念ながら、購買履歴にはそれが何であるかの情報は入っていても、何グラムであるかの情報は入っていません。
しかし私たちが開発した「SIRU+」の検索エンジンを使えば、例えばこのジョナゴールド1箱が何グラムであるのか予測することができます。
グラムが分かるので、栄養素に変換することが可能です。
使い方はきわめて簡単です。
初期登録時に、どのような健康を目指して買い物をしたいか、そして家族構成を入れていただき、最後に、自分が使っているポイントカードを登録してもらいます。
以上です。
あとは、買い物をすれば何を買ったかが自動的に同期されて、栄養素に変換されます。
そして自分の栄養状態から何を補うべきかが、食材・レシピベースでレコメンドされます。
栄養状態が分かるから、買い物が変わる・健康になる
SIRU+は、ユーザーの皆さんに2つの価値を提供します。
1つめは、自分の栄養状態を「知る」こと。
このサービスが管理するのは、世帯ベースの栄養状態です。
世帯の食事供給者が栄養バランスよく買い物をできるようになることで、家族全員が健康になれるサービスです。
そしてもう1つは、「足す」ことです。
ユーザーの方のビタミンCが足りなければ、ビタミンCを摂れる食材をオススメします。
それだけではありません。
足りない栄養素だけでなく、その人が普段買っているもの、どのような健康を目指しているのか、アプリの利用履歴から見られる味の好みや調理スキルを予測しながら、最適なレコメンドを生成します。
ユーザーインタビューでも、大変ご好評をいただいています。
SIRU+アプリで可能になる“課題解決型”の広告配信
ここからはビジネスのお話です。
私たちは、この「SIRU+」アプリを無料で提供します。
その代わり、ここで得られたデータでマネタイズをしてきます。
そう、シルタスはデータカンパニーなのです。
「SIRU+」の使い方はとても簡単なので、ユーザーは日常的に利用し、そこから莫大なデータが集まります。
ユーザーの「属性」、いつ・どこで・誰が・何を購入しているかという「POS」、そこから導き出される「栄養状態」、「嗜好性」のデータが集まります。
これらを用いて、アプリ内で広告を出すことが可能です。
例えば、たんぱく質が不足しているユーザーに対しては、たんぱく質を補える商品をレコメンドすることが可能です。
たんぱく質が足りないと分かったユーザーは当然、たんぱく質を多く摂りたいと思います。
したがってこの広告は、もはやただのマーケティング広告ではなく、ユーザーの課題を解決する広告なのです。
さらに、そのレコメンドに反応したお客さんが、実際にどこの店舗に来店したのかも分かります。
メーカーは、自社の商品が地域のどの小売店でどんなユーザーから購入されているのか、広告効果を測定しながらデータを取得することができるようになるのです。
アプリによる「行動変容」と「栄養改善」の双方を実証
私たちはこのサービスを、3,000人のユーザーにしぼって実証実験しています。
そして実績も出ています。
SIRU+を導入していただいたスーパーは、お客さんの来店頻度が増加することが分かりました。
それに伴い、お客さんの利用金額も増加しています。
そして忘れていけないのは、私たちのサービスは栄養管理のサービスであるということです。
次のグラフをご覧ください。
青いバーが私たちのサービスを使い始める前の栄養状態、赤いバーが、使い始めて買い物をした後の栄養状態です。
ユーザーは、今まで見えていなかった自分の栄養バランスが見えた状態で買い物をするので、当然栄養バランスが良くなっていきます。
今使えるポイントカードはイオングループのWAONカードだけですが、順次拡大をしていきます。
私たちはユーザーをゼロから集めるのではなく、すでにユーザーを持っているカードホルダーと一緒にユーザーを増やしていくので、今後の拡大は加速度的に広まっていくと考えられます。
栄養データは、ヘルスケア領域のミッシングパーツ
では、これは本当にビジネスになるのでしょうか?
現在は実証実験中で、ユーザーは3,000人しかいません。
3,000人に限られているのに、3期目のこの半年間で3億3,000万円の売上が出ています。
来年正規バージョンをリリースした時の売上は、私もまだ想像できません。
なぜ、こんなに売上が上げられるのでしょうか?
それは、ヘルスケア領域において、栄養データは取得することが難しい貴重なデータだからです。
栄養データは通常、ユーザーが能動的に毎日記録してくれないと集まりません。
その貴重なデータを、私たちは莫大に持っているのです。
そして私たちは、このデータを囲い込むようなことはしません。
ユーザーが自分の栄養データを持ち出して、連携するECや保険、ヘルスケアといった様々なサービスを選べる、そんな社会を目指しています。
栄養情報のインフラを築き、新たな社会をつくる
今はポイントカードだけですが、来年からはクレジットカードやQR決済とも連動します。
私たちは、このサービスを全国で使えるインフラへと進化させたいと考えています。
そしてその先には、全国の決済データからつくる栄養のデータベースが存在します。
私たちが目指す社会は、すべての人が自分の栄養状態を把握したうえで、正しい選択ができる社会です。
皆さんに「SIRU+を使いたい」と思っていただくことで、その実現に一歩近づけることができます。
ぜひ、応援をよろしくお願いいたします。
以上、シルタスでした。ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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