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ICCサミット KYOTO 2019 CRAFTED カタパルトの見事優勝に輝いた、一平ホールディングス 村岡 浩司さんのプレゼンテーション【世界があこがれる九州を!農業資源×伝統技術で“KYUSHU”の魅力を伝える一平ホールディングス】文字起こし版記事をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019 プレミアム・スポンサーの Lexus International Co.様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年9月3日〜5日開催
ICCサミット KYOTO 2019
Session 7A
CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けて
Sponsored by Lexus International Co.
(プレゼンター)
村岡 浩司
株式会社一平ホールディングス
代表取締役社長
公式HP | STARTUP DB | LinkedIn
“世界があこがれる九州をつくる”を経営理念として、九州各地に多数の飲食店舗を経営する一方、食を通じたコミュニティ活動にも取り組んでいる。オール九州の素材を使って作られた「九州パンケーキ」ブランドは、台湾、シンガポールへ進出。アジア全域でのグローバル展開を目指す。また、廃校となった小学校をリノベーションした本社(MUKASA―HUB)は地元起業家が集まるローカルベンチャー育成の拠点となっており、「九州廃校サミット」の代表発起人として九州全県での廃校ネットワークによる九州の活性化を目指す。著書に「九州バカ 世界とつながる地元創生起業論」(発行:文屋、発売:サンクチュアリ出版)。
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▶「ICC KYOTO 2019 CRAFTED カタパルト」の配信済み記事一覧
村岡 浩司さん 皆さん、こんにちは。宮崎からまいりました村岡と申します。
今日のテーマは「九州」です。
私たちは、この島の魅力を世界に伝えるアイランドブランドの開発をしています。
九州の豊かな農業と伝統的なものづくり工場の技術を新しいアイデアで掛け合わせる、それが私たちの地域ブランド「KYUSHU ISLAND」です。
地方の製造業に光る、磨き抜かれた「職人の技」
僕は、宮崎市にある小さなすし屋に生まれました。僕もすし職人です。
さて僕らのように地方で事業を営んでおりますと、よく分かることがあります。
それは「産業の衰退」です。
特に長年地域を支えてきた製造業は、創業30年を越えて廃業・倒産するケースが増えてきました。
出典:2018年「業歴30年以上の『老舗』企業倒産」調査(東京商工リサーチ)
はたして僕らは、時代に取り残された過去の産業なのでしょうか?
僕はそうは思いません。
厳しい環境の中でも職人技術を磨いてきた工場には、長年築き上げられた職人技という「人の資源」があります。
私たちのブランドでは、こうした伝統企業とスクラムを組みます。
特に九州においては、中小企業や製造業が“儲かる産業セクター”として復活することが、何よりも大切だと思っています。
九州7県の素材だけで作った「九州パンケーキ」の誕生
さて農業に目線を移すと、九州は日本の2割の生産高を誇る大産地です。
近年では、個性のある農業を志す若手農家も活躍しています。
私たちは、彼らとも「KYUSHU ISLAND」という大きな枠組みで、産地ブランディングをしていきたいと考えました。
バリューチェーンにおける川上から川下へという価格決定プロセスでは、私たちは安い産地のまま豊かになれません。日本の食は安すぎるのです。
そこで、九州のすべてを閉じ込めた、純粋な地産ブランドをつくることにしました。
コンセプトは、誰もが笑顔になる「九州の素材だけで作りたかった、毎日のおいしさ」です。
そして完成したのが、九州パンケーキです。
九州は7つの県からなる島です。僕らはその一県一県から素材を集めて、パンケーキミックスを作りました。
この取り組みは地域ブランドの新しい概念として、2016年にカンブリア宮殿でも取り上げていただきました。
今では全国3,000店舗を超える小売店で扱っていただけるようになり、地産ミックスの代名詞となっています。
僕自身は毎月、東西南北、九州各地を旅をしながら仕事をしています。
僕らほどこの島を走り回り、そしてこの島を知り尽くした者はいないと思っています。
九州の特徴は、どこよりも豊かな多様性、ほとんどの原材料をこの島で調達可能であるということです。
産地を訪ね、KYUSHU ISLANDブランドの理念を語り、そしてすばらしい工場や人との出会いによって、九州パンケーキを生み出すことができました。
パンケーキで伝わる、九州の「美味しさ」と「温もり」
そして、九州パンケーキは海を越えました。
台湾で3店舗、シンガポールで1店舗のカフェをオープンし、特に台湾では連日行列の絶えない人気ブランドとなりました。
こちらは熱狂する現地メディアの様子です。
台湾では今年、地方創生元年と言われています。
人口減少の日本がどのように新しい地方産業を生み出し、行政に頼らない自走循環型の地域経済を生み出すことができるのか、九州パンケーキは、日本を代表する地方創生ブランドとして、その取り組みが注目され始めているのです。
こちらは、先週私が行った、台湾で一番小さな小学校での九州パンケーキ教室の写真です。
台湾では45回目の開催となりました。
九州全域、海外も含めますと、年間100回ほど小学校や施設を訪問して、パンケーキを通じた食育教室を行っています。
こうした体温を感じる地道な活動こそ、大事だと思っています。
九州パンケーキの理念は、海を越えてアジアの国々にも根付こうとしています。
地域産業の底力を集結し、世界に通用するブランドへ
九州パンケーキから始まったアイランドブランドの動きが、今まさに九州全体へと広がり始めています。
提携工場も20社を超えました。
毎日の生活に必要なすべて、約100アイテムの商品群をそろえていきます。
理念に賛同くださった、電力の地産地消を目指すみんな電力さんとも提携予定で、文字通り地域循環型の経済を目指してまいります。
2018年には、ブランドの世界観を体験できるアンテナショップを宮崎にオープンしました。
そして今年11月にはブランドサイトも一新し、オリジナル商品のみならず、ふるさと産品、生鮮品、そしてアートまでも取り扱うことができる、多面的なD2C展開を目指してまいります。
日本の加工食品における原材料の8割は外国産です。
私たちはそれを変えて、九州から世界に通用する、ストーリーのあるアイランドブランドをつくります。
僕らのブランドは、僕らが住む地域、僕らが愛する島そのもの
最後に、私たちの一番新しい商品「九州セブングレイン(七穀)パスタ」を紹介させてください。
長崎県南島原は、そうめんの里と呼ばれている小さな町です。
日本全体の3割を超える手延べそうめんを製造していますが、かつて40軒以上あった工場は、今では半分以下になってしまいました。
その中で120年の歴史を誇る小林甚製麺さんというそうめん工場との取り組みです。
長年の技術を継承する職人さんとともに、着想から2年をかけて開発したのが、このセブングレインパスタです。
僕は、宮崎の小さなすし屋の息子として生まれ育ちました。
僕らのような2代目、もしくは3代目世代は、簡単に家業を捨てられません。
市町村といった小さな商圏の中だけで生きていくのが困難な時代です。
KYUSHU ISLANDブランドの旗印のもとに、力を合わせてひとつにつながり合って、正直なクラフトマンシップあふれる、九州生まれのメイドインジャパン・ブランドを世界に向けて発信する。
僕らのブランドは、僕らが住む地域そのもの、僕らのブランドは僕らが愛する島そのものなのです。
「世界があこがれる九州をつくる」
皆さん、ぜひ九州へ遊びに来てください。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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