「ヴァレイ」は在宅職人とデザイナーの「作りたい」を叶えて、縫製技術を次世代につなぐ(ICC FUKUOKA 2022) | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

「ヴァレイ」は在宅職人とデザイナーの「作りたい」を叶えて、縫製技術を次世代につなぐ(ICC FUKUOKA 2022)

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ICC FUKUOKA 2022 CRAFTED CATAPULTに登壇いただいた、ヴァレイ 谷 英希さんのプレゼンテーション動画【「ヴァレイ」は在宅職人とデザイナーの「作りたい」を叶えて、縫製技術を次世代につなぐ】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022プラチナ・スポンサーのMakuakeにサポートいただきました。

【速報】竹のお箸を、もういちど日本の食卓へ。伝統と竹林を守り続ける「ヤマチク」がクラフテッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2022)


【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 8A
CRAFTED CATAPULT
豊かなライフスタイルの実現に向けて
Supported by Makuake

谷 英希
株式会社ヴァレイ
代表取締役社長

テレビドラマの演出家として活動していたが、廃業寸前の母の縫製工場のアトツギを断られたことがきっかけに起業。廃業や子育てなどにより働けなくなった縫製職人が在宅で服作りができる仕組み「MY HOME ATELIER」を立ち上げる。コロナ禍で航空会社のANAとともに、不足していた医療用ガウンを同仕組みで10万枚製造して、国からの感謝状を拝受する。経歴を活かしたメディア戦略を得意とし、創業以来ガイアの夜明けなど有名番組を含め100以上のメディアに掲載されている。
国内で課題の小ロット生産を可能にする同仕組みと、日本の若手ファッションデザイナーの需要をマッチングさせ、不足するデザイナーのリソースを工場で埋める新事業「新-ARATASHI-」を2021年12月よりリリースした。


谷 英希さん 本日は、ファッション領域で“「つくる」を創る”「MY HOME ATELIER」「新-ARATASHI-」という事業について、プレゼンテーションをさせていただきます。

株式会社ヴァレイの谷と申します。

よろしくお願いいたします。

ものづくりが社会を変える

本日のクラフテッド・カタパルトを見ていても感じますが、やはり、ものづくりは素晴らしいですね。

さまざまなアイディアでものづくりが進んでいくと、その「もの」が社会を大きく変えていきます。

「そんな未来がこの先に絶対にある」と、皆さんも思っていないでしょうか?

このような問いを、皆さんに提示させていただきます。

縫製工場が海外に移行し国内の縫製職人が減少

日本で服を作る縫製工場の数は、ピーク時の5分の1に減ってしまい、日本で縫製した、つまり日本製の洋服は、現在、全国で2%しかありません。

「日本のアパレル市場と輸入品概況2021」縫製工場 アイエスジェイエンタープライズ2021.6.4(アイエスジェイエンタープライズ)

職人がいなくなって作りたくても作れない、こういった現状がございます。

大量生産をするため、生産背景は次々と海外へ移行しました。

そのため、日本の縫製職人の労働環境が悪化していき、そして職人の数が減少していきました。

結果、日本国内で作ることができなくなってきたので、ファッションデザイナーやアイディアを持っている方も減少し、衰退していくといった現状がございます。

しかし、最近はSDGsという取り組みにより、労働環境を見直そう、自然環境を良くしていこうといった動き、ファッションにおける多様化の役割などが、フィーチャー(注目)されてきています。

縫製業を次世代につなぐ2つの事業

僕たちは、ファッション領域における新しいサプライチェーンを事業化しております。

僕たちのビジョンは、「日本の縫製業を次世代につなぐ」、つまり、残るべき技術が次世代にしっかりとつながることです。

実は、僕は、母から服作りを継ぐことができなかった人です。

実家は90年に渡り4代続いてきた縫製会社でしたが、跡を継ぐなと母から言われたことがきっかけで、起業いたしました。

頑張りが報われる世界をつくりたい──縫製一家の放蕩息子が全国の職人たちをつなぎ、その未来を紡ぐ(BNL)

本日は、「MY HOME ATELIER」というメイン事業と「新-ARATASHI-」という事業の2つについて、ご説明させていただきます。

離職した縫製職人による自宅での服作り

まず、「MY HOME ATELIER」という事業は、結婚や子育て、廃業や介護など、様々な理由によって働きに出られなくなった縫製職人が、自宅で服作りができるというものです。

この「MY HOME ATELIER」によって、自由な働き方と小ロット生産を実現しました。

事業について、続けてご説明させていただきます。

「MY HOME ATELIER」では、ファッションブランドやアパレルメーカーからご依頼を頂いてから、ご依頼を受けた分だけ資材を発注します。

そして、通常は自宅ではできないような裁断や特殊ミシンが必要な作業は弊社のマザー工場で行い、自宅で行えるように体制を整えて、全国に250拠点ある縫製職人の自宅で服作りを行っていきます。

このように、自宅環境では難易度の高い業務や最終工程の検品などは、弊社のマザー工場で行い、エンドユーザーにお届けしていく、「MY HOME ATELIER」という仕組みを運営しています。

「MY HOME ATELIER」は、全国に250拠点ございまして、4畳半のスペースでも服作りをしていただけます。

この仕組みは、テレビ番組『ガイアの夜明け』などでもご紹介していただきまして、このコロナ禍では、国内で先駆けて医療用ガウン約10万着を生産したという実績もございます。

医療用ガウン10万着製造の舞台裏 合同会社ヴァレイCEO 谷英希<現代の肖像>2020/09/14(AERA.dot.)

好きな時間に自分らしく働ける

「MY HOME ATELIER」を活用すれば、好きな時間に働くことができ、自宅など好きな場所で服作りをすることができます。

子育て中や介護中といった家庭環境であっても服作りをすることができます。

メーカーやデザイナーも生産コストを抑えられる

さらに、ファッションメーカーやブランド、デザイナーにとっても、生産コストを非常に安く抑えることができるという利点があります。

イニシャルコストが非常に低いため、テストマーケティングにも向いており、廃棄リスクも非常に少なく、トレーサビリティも明確です。

「一生着られるウェディングドレス」に参画

実績については、本日お越しくださっているブランド「renacnatta」の「一生着られるウエディングドレス」も、型紙作成から参画させていただき、サンプル作成をしてプロジェクトが実行されました。

▶編集注:ファッションブランドrenacnattaを展開するDodiciの大河内 愛加さんは、ソーシャルグッド・カタパルトに登壇。

4畳半で縫われたドレスが世界のランウェイを歩く

また、「4畳半から世界へ」ということで、現在、自宅の4畳半で作られている洋服が、海を渡ってパリコレ(パリ・コレクション)のランウェイを歩いています。

そして、東京コレクションやバンクーバー、ニューヨーク、香港など、あらゆる国のランウェイを歩いていくといった、若いデザイナーの挑戦をサポートする事業となっています。

「MY HOME ATELIER」は、「作りたい」を実現しながら多様な働き方が実現できる、というビジネスです。

若い才能の成長を促すアクセラレーション事業

僕たちは、この「MY HOME ATELIER」に若い才能の発掘を掛け合わせてブランドの成長を爆発的に促す、アクセラレーション事業「新-ARATASHI-」を新規に立ち上げました。

なぜこの新事業を立ち上げたかと言いますと、ファッションD2C市場規模は年々拡大し、ファッションEC分野も年8%ずつ成長しており、新しい才能が次々と生まれてきているという背景があります。

しかし、ファッションデザイナーになるには、しなくてはいけないことが多すぎるのです。

資金調達や生産管理、資材手配、ECサイトの作成、マーケティングなど、多岐にわたる様々なことがあります。

そういったことを、弊社がサポートさせていただきます。

さらに、小ロット生産の「MY HOME ATELIER」と掛け合わせることで、デザイナーの才能を爆発的に伸ばしていくという事業です。

支援したブランドは平均で年次230%成長

実は、僕たちは下請けの縫製業をしていました。

しかし、コロナ禍で売上の90%が吹き飛んでしまいました。

そこから新規で事業を立ち上げまして、このアクセラレーション事業は年次300%成長しております。

各ブランドも、平均年次230%成長しており、新しいブランドも次々と増えている状態です。

例えば、九州にあります「Ruimeme」は、ブランド事業を僕たちがともに始めるまでは、年間売上100万円程度のマイクロなブランドでした。

はじめまして、Ruimeme〈ルイメーム〉です。2022年1月17日(note)

しかしながら、今年度で3年目を迎え、契約前から1,400%成長しました。

こういったブランドが、ほかにも多くございます。

コラボレーション企画で若手デザイナーを発掘

関西では、日本最大級のファッションショー「神戸コレクション」とのコラボレーションを実現させまして、新しい才能を発掘し、「神戸コレクション」のランウェイを歩いていただきました。

さらには、SHOWROOM株式会社とも提携しており、ライバーのファッションプロデューサーという新しい才能を見つけていき、ライブ配信によってライブコマース(※) を活用して販売するという取り組みも行っています。

▶編集注:ライブコマースとは、インターネットを通じた動画のライブ配信で商品を紹介することと物販を組み合わせた販売手法のこと。

小ロット生産で若手ブランドの挑戦を支援

このように、新しい才能を貪欲に発掘していき、小ロット生産を可能にする仕組みと若手ブランドの発掘・育成を掛け合わせて、プロジェクトを進行しています。

僕たちは、ブランドの発掘、そして、「MY HOME ATELIER」の小ロット生産を掛け合わせることで、ブランドを増やしながら成長させて、コングロマリット経営を達成したいと思っています。

そのために、2022年2~3月と資金調達を行いまして、販路拡大をサポートしてくださる会社や越境ECに強い会社との資本提携を結んでいっております。

今は、片道切符を持って、より一層、前進していこうというところでございます。

「つくれる」ことで社会を変える

本日、皆さんに、ご提案させていただきます。

「つくれる」ということが、社会を変えていくと思っています。

皆さん、もし、障害やジェンダーなど様々なマイノリティな部分で困りごとがあって、「つくれない」ということがあれば、ぜひ僕たちと一緒に服作りをさせていただければというふうに思っております。

以上、「新-ARATASHI-」(株式会社ヴァレイ)でした。

どうも、ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/中村 瑠李子

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