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「エイターリンク」は、長距離ワイヤレス給電技術から究極のデジタル世界を創る(ICC KYOTO 2022)

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ICC KYOTO 2022 REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変えるに登壇し、見事優勝に輝いた、エイターリンク 岩佐 凌さんのプレゼンテーション動画【「エイターリンク」は、長距離ワイヤレス給電技術から究極のデジタル世界を創る】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはKOBASHI HOLDINGSです。

【速報】長距離ワイヤレス給電で配線のないデジタル世界を創る「エイターリンク」がREALTECH CATAPULT優勝!(ICC KYOTO 2022)


【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS

岩佐 凌
エイターリンク株式会社
代表取締役

2020年8月エイターリンク株式会社を共同創業。学習院大学卒業後、商社である岡谷鋼機株式会社にて自動車メーカー向けに「自動運転」「電動化」「空飛ぶ車」プロジェクトに参画。まだ形のない新規要素技術を、量産まで立ち上げるプロジェクトに従事、年間売上120億円達成。シリコンバレー スタンフォード大学にて共同創業者の田邉と出会い共同創業。日本経済新聞社主催 第二回スタ☆アトピッチJAPAN スタートアップ部門賞獲得、Tech Crunch Japan 決勝大会 スポンサー賞獲得、その他、日経新聞、テレビ東京出演多数回、早稲田大学 WBS ゲスト講師など。


岩佐 凌さん エイターリンクの岩佐と申します。よろしくお願いします。

我々エイターリンクは、ワイヤレス給電によって、配線のない「デジタル」世界を実現する、スタンフォード大学発のスタートアップ企業です。

スタンフォード発「ワイヤレス給電技術」で未来を変える。エイターリンクの創業ストーリー。(note)

最大17m先までワイヤレスで給電可能

なかなかイメージもしづらいかと思いますので、冒頭にビデオを見ていただければと思います。

最大で17m先まで給電できるワイヤレス給電の技術を持っているスタートアップ企業です。

今奥にあるもの、こちらがワイヤレス給電の送信機で、電波を発生させる機械です。

そして手前にあるものが、その電波のエネルギーを受けて、LEDライトを光らせています。

今ここで拡大して見えているものが、半導体のチップです。

「(動画中の音声)…アメリカのシリコンバレーで開発されたもので、効率良く給電できる半導体の技術で特許を持っているのが、エイターリンクの強みなんです」

世界最小・米粒大の心臓ペースメーカーを開発

後半部分の動画で、我々のバックグラウンド、オリジンとなるところをご紹介させていただければと思います。

2019年、我々のメンバーがダボス会議で発表した内容ですが、我々はもともとバイオメディカルインプラントの研究を行っていました。

メディカルインプラント(エイターリンク)

テーマとしては、薬ではまだ解決ができないような病気を、埋め込み型の医療機器、インプラントデバイスで解決していくものです。

そこで最初に手がけたものが、心臓のペースメーカーでした。

心臓のペースメーカーは、従来はかなり大型のバッテリーを胸の上辺りに入れて、これを数年に1度交換する必要があるのですが、その交換手術の際に非常に重い手術になるので、亡くなってしまう患者さんが一定数います。

そういった課題に対して、我々は独自で世界最小・米粒大の、従来品の1,000分の1のペースメーカーを実際に作って、カテーテルを通して心臓の中に入れて、体外から体内へワイヤレス給電をする、こういったことを行ってきました。

実際にこういった動物実験等も、我々のほうで行っております。

こちらは、ウサギの心臓に直接ペースメーカーを打ち込んでいる写真です。

アルツハイマー病をBMIで解決する試み

また最先端の研究では、BMI(Brain Machine Interface)の研究を行っております。

こちらのターゲットとなるのは、アルツハイマー病です。

アルツハイマー病というのは、脳の短期記憶の部分から長期記憶にうまく情報が伝達しにくくなる病気です。

であれば、その中間地点に、いわゆるメモリのようなものを入れて、短期記憶で蓄えた情報をメモリが1回情報保持し、その情報を長期記憶にもう1回出してあげることで、薬では解決できないアルツハイマー病を根本的に治してしまおう、そういったプロジェクトを行っています。

また、脳の中に埋め込んだメモリはクラウドとの接続ができますので、クラウドの情報も直接脳の中にインストールすることができます。

このようなことをやっています。

3つの事業領域

現在、事業領域は3つあります。

ファクトリーオートメーション、工場向け、それからビルマネジメント向け、バイオメディカル向け、この3つの軸を持っております。

ビルマネジメントの領域においては、すでに量産品を導入しております。

ビルマネジメント(エイターリンク)

さらに今期も5億円の発注をいただいたり、引き合いをいただいているような状況です。

また、ファクトリーオートメーション、工場領域は、来年(2023年)の1月から、グローバル30カ国に輸出が始まり、エンドユーザーへの導入が始まっていく予定です。

FA(Factory Automation)(エイターリンク)

月産で100万台、年間1,200万台を最大で出荷していく計画です。

工場内の断線によるライン停止の損失を防ぐ

簡単に、それぞれの領域での事業をご紹介させていただければと思います。工場の中に、皆さんは行かれたことはありますか?

工場の中は今、人ではなく、ほとんどロボットが動いています。

そしてこの動画にあるロボットの先端部分、赤くLEDライトが点いている可動部分、ここには必ずセンサーがたくさん付いています。

ロボット自身がかなり激しく動きますので、この有線で繋がっている部分がよく断線して、ラインが止まってしまうのです。

例えばトヨタ自動車さんであれば、1分間で300万円の価値、いわゆる車1.5台分を作っているわけですけれども、これが断線によって毎日60分ほどライン停止します。

300万円×60分で、非常に大きな機会損失が発生しています。

こういった課題を、ワイヤレス給電によって断線のないラインを作ることによって解決し、生産効率を上げていく試みが始まっていきます。

世界初 マイクロ波ワイヤレス給電を市場導入

続きまして、ビルマネジメントの領域ですが、世界で初めてのマイクロ波ワイヤレス給電の市場導入を行い、竹中工務店さんの新築のビルに納入することができました。

長距離ワイヤレス給電(AirPlug®)技術の社会実装を実現するエイターリンク 三菱地所運営の大手町ビル内にて竹中工務店と共同で長距離ワイヤレス給電(AirPlug®)の実証実験を開始(PR TIMES)

中長距離ワイヤレス給電の世界市場予測

2025年、中長距離のワイヤレス給電の市場規模は1.4兆円と言われており、CAGR(年平均成長率)でも50%以上の伸びが期待される非常に大きな市場です。

我々も、1期目から数千万円の黒字を出すことに成功しました。

また2期目も売上の成長率350%以上、さらに黒字化にも成功しています。

今3期目ですけれども、同様の成長率、400%以上の成長率を見込んでいます。

国内外でリーダーシップを発揮

また、グローバルにおける標準化にも取り組んでいます。

今年の5月26日に、日本国におけるワイヤレス給電の省令改正に成功しました。

長距離ワイヤレス給電(AirPlug®)技術の社会実装を実現するエイターリンク 総務省の省令緩和発表を受け、空間伝送型ワイヤレス電力伝送機器(WPT)の販売開始を決定(PR TIMES) 

すなわち、日本国でもワイヤレス給電が使えるようになりました。

ここにおいて我々がリーダーとなって取り組んできました。

また、グローバルの標準化においても国際学会等で発表しており、世界で唯一市場に出しているワイヤレス給電メーカーとして、グローバルにおいても大きなリーダーシップを発揮しています。

長距離ワイヤレス給電(AirPlug®)技術の社会実装を実現するエイターリンク フランス・ボルドーで世界最大のワイヤレス電力イベント「IEEE Wireless Power Week」にて講演を実施(PR TIMES) 

また、この標準化の取り組みに加えて、工場のファクトリーオートメーション領域ではグローバル30カ国に輸出が始まっていきますので、アメリカをはじめヨーロッパに、遅くとも来年2023年の6月、できれば今年の12月までに拠点を出していくつもりです。

ハードウェアカンパニーからソフトウェアカンパニーへ

では我々がどのようなことを中期的に目指しているのかですけれども、まずはじめに、このワイヤレス給電という技術は、プラットフォーム技術です。

電気なので、どこにでも使える技術です。

この技術を今応用している製造領域、それからビルマネジメント領域、メディカル、その間を繋ぐ物流やリテール、こういった領域にも展開していきます。

そしてそれぞれの領域から得られたデータを集約、分析、解析して、当然それぞれの領域にもフィードバックをかけますけれども、別の領域にもフィードバックをかけていきます。

すなわち我々は、この3年から4年をかけてソフトウェアカンパニーに生まれ変わっていく、そういった取り組みを行っていく予定です。

究極のデジタライゼーションとは

最後に、我々がどのような価値観で経営しているのかお話しします。

現在、デジタル化が進んで、デジタル化、デジタル化と言われています。

このデジタル化の象徴として、スマートフォンが掲げられることが非常に多いかと思いますが、私はスマートフォンが究極的、最終的なデジタルデバイスだとは思っていません。

というのも、スマホ自体はデジタル信号処理、いわゆる0、1の信号で動いていますけれども、人間が知覚するまでに1回アナログの情報、光の情報に変換しています。

その情報をもう1回人間が、脳のシナプスが繋がらない・繋がる、いわゆる0、1の信号処理をしていますので、デジタルだったものをアナログに変換して、またデジタルにします。

これは非常に無駄が多いと思っています。

おそらく10年後、15年後の子どもたちからは、「なんで昔の人って、こんな重くて高くて、落としたら壊れるものを使っていたんだろう」と言われるような時代になり、スマートフォンは我々のラジオやテレビのような存在になっていくと思っています。

では究極的なデジタル化が何かと言うと、先ほど私が申し上げた、脳の中に直接情報をインストールすることだと思っています。

このスライドで表しているのは、我々のようなスタートアップ企業は、今あるテクノロジー、今あるものをワイヤレス給電化していくのは、もちろん大事なのですが、それ以上に新しいテクノロジーや価値観とワイヤレス給電を結びつけ、グローバルにおける新市場を作り、そこを独占していく、そういった事業を展開して日本を代表するようなスタートアップになっていきたいということです。

応援のほど、よろしくお願いいたします。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終) 

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成

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