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「エイトノット」は安全な自律航行技術の実現で、海から新たな経済圏創出を目指す(ICC FUKUOKA 2023)

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ICC FUKUOKA 2023 Honda Xcelerator カタパルトに登壇いただき、見事優勝を飾った、エイトノット木村 裕人さんのプレゼンテーション動画【「エイトノット」は安全な自律航行技術の実現で、海から新たな経済圏創出を目指す】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください

本セッションのオフィシャルサポーターは Honda Xcelerator です。

【速報】走行中の自動給電を可能にする「パワーウェーブ」と、自律航行で安全な海の実現を目指す「エイトノット」がHonda Xcelerator カタパルト同率優勝!(ICC FUKUOKA 2023)


【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 3A
Honda Xcelerator カタパルト
Sponsored by Honda Xcelerator

木村 裕人
株式会社エイトノット
代表取締役CEO
HP | STARTUP DB

カリフォルニア州立大学を卒業後、アップルジャパンを経て、デアゴスティーニ・ジャパン入社。コミュニケーションロボット「ロビ」をはじめとするロボティクス事業の責任者を務める。その後、バルミューダにて新規事業立ち上げを担当し独立。ロボティクス系スタートアップ企業のマーケティング、PR戦略や、大手メーカーの商品企画を手掛けた。SUP、ダイビングなどマリンアクティビティを介して、海の魅力に引き込まれる。SUPパドラー、ダイバー、一級小型船舶操縦士。


船の自律航行技術で安全な海を

木村 裕人さん 私はエイトノットの代表を務めております、木村と申します。よろしくお願いいたします。

我々エイトノットは、「あらゆる水上モビリティを自律化し海に道をつくる」をミッションに掲げ、船の自動運転の開発をしているスタートアップです。

創業から2年弱ですが、既に自律航行の技術を完成させ、広島県で実際に水上タクシーとして稼働を始めています。

ロボット水上タクシーでちょっと先の未来を体験(エイトノット)

こちらは動画ですが、我々が開発している自動運転技術は、タブレットをタップして目的地を指定するだけで、あとは全てフルオートで、船舶が自動で航行していく機能を携えています。

非常に簡単に扱うことができます。

我々はこうした機能を、船を作って売るのではなく、既存の船に導入できる形でソフトウェア、そして一部のセンサーなどのハードウェアを組み合わせて世の中に実装していくことを、メインに考えています。

着岸という、操船が非常に難しいと言われている部分に関しても、既に自動化ができていて、人の乗り降り等々も、安全に行うことができます。

全ての船舶にこうした技術を搭載することで、我々は安全な海を実現したいと思っています。

経験と勘に頼る操船をテクノロジーで支援

まずは小型船舶から実装し、安全な海を実現するつもりです。

その理由は非常にシンプルです。

まず、小型船舶の数が非常に多いということ。

そして、船舶事故のほとんどは、小型船舶が関わっていること。

最近ですと北海道で大きな事故がありましたが、あのような悲惨な事故を1件でも少なくするため、我々の技術をどんどん世の中に実装していきたいと考えております。

なぜ小型船舶の事故が多いのかについては、色々な調査や統計が出ています。

端的に申し上げますと、ヒューマンエラーによって事故が起きていることが非常に多いのです。

そして、それがなぜ起きるのかと言うと、操船する方の経験と勘に頼って操船しているからです。

我々は、それをテクノロジーによって補うことで、非常に安全な乗り物に進化させます。

小型船舶向け自律航行プラットフォームを開発

それを実現するのが、今、我々が開発している「エイトノットAI CAPTAIN」という、小型船向けの自律航行プラットフォームです。

機能としては、冒頭に申し上げた通り、タブレットを使って目的地を指定するだけで、全てのポイントにたどり着くことができます。

また、遠隔のモニタリング機能も搭載していますので、将来的には船舶自体を無人化し、1人が複数の船を遠隔で監視する世界を実現することで、船舶の運用コストもどんどん改善していきたいと思っています。

エイトノット、自律航行EVのPF開発。25年までに無人運航実装(日本海事新聞)

AI CAPTAIN実装の自社開発船「エイトノットワン」

そうした世界を実現していくために、冒頭にお見せした「エイトノットワン」という自分たちの船をまず作り、様々な実証事業や実装事業に使うことで、世の中に知らしめていきたいという思いがあります。

航行実績としては、既に500km以上、時間に換算して100時間以上という非常に安定した航行を実現しています。

採択実績としても、瀬戸内海エリアの自治体や国に採択されており、特に瀬戸内海においては既存の社会課題を解決するだけではなく、船舶を使った新しい事業、水上起点の新しいビジネスを興していくための技術として、非常に高い評価をいただいています。

全国初!自律航行EV船による営業航行

そんな中、2023年1月、まさに先月ですが、全国初の事例となる、自律航行EV船による水上タクシーの営業航行、つまり一般の方から料金をいただき、実際に水上タクシーとして航行するという形で事業化を実現しました。

運行自体は我々が行っているわけではなく、我々の船を提供し、旅客船事業者にオペレートしていただく形ですので、ビジネスの現場に非常に近い形で進めています。

我々の今後の展開ですが、しばらくはこの技術を操船アシスト機能として、国内に広めていくことに注力します。

日本国内においては、法規制のため、無人航行を実現することはまだできません。

そのため、無人航行の壁を突破した瞬間に一気にグロースフェーズに入れるよう、今から自律航行技術の価値を色々な顧客に体験していただくことを目指していきます。

ビジネスモデルは、最初は単体の船をカスタムしていくような形でスタートしますが、一定のポイントになれば、大手のボートメーカーや造船所とどんどん連携し、我々の技術をスタンダードとして取り込んでいただく、つまりソフトウェアの提供側に回ることを目指しております。

海が起点の新しい経済圏を興す

最後になりますが、船は人と人、場所と場所をつなぐ手段でしかありません。

その周辺に新しい方々が集まりビジネスが興ることで、海が起点の経済圏を興すことができます。

それが抜本的な社会課題の解決につながっていきます。

今回、我々のプレゼンテーションを聴いていただき、少しでもご興味を持っていただけたら、事業の連携等を模索していければいいなと思っております。

ご清聴ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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