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ICC FUKUOKA 2023 Honda Xcelerator カタパルトに登壇いただき、3位に入賞した、Zip Infrastrcture須知 高匡さんのプレゼンテーション動画【道路上に建設できる次世代モビリティ「Zippar」は、都市交通の課題を解決する(Zip Infrastrcture)】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは Honda Xcelerator です。
▶【速報】走行中の自動給電を可能にする「パワーウェーブ」と、自律航行で安全な海の実現を目指す「エイトノット」がHonda Xcelerator カタパルト同率優勝!(ICC FUKUOKA 2023)
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 3A
Honda Xcelerator カタパルト
Sponsored by Honda Xcelerator
須知 高匡
Zip Infrastrcture株式会社
代表取締役
HP
幼い頃から乗り物が好きで、慶應大学入学直後からロープ走行技術(宇宙エレベータ)の研究を始める。世界最大のクライマーの大会であるSPECに2度出場し、その技術が2021年に特許6889874号として認められる。ロープ走行機構を社会実装するべく在学中にZip Infrastructure株式会社を2018年に設立。2020年に1人乗りモデルを開発し、現在は12人モデルを開発中。経歴にForbes 30 Under 30 in Asia 等。
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長距離輸送の予想を覆した新幹線
須知 高匡さん 1960年、ジェット機が開発された頃、長距離輸送は鉄道から飛行機に変わっていくと誰もが思っていた時代がありました。
その中で、1964年、新幹線が開業します。
これによって、他の国も高速鉄道へと続くのですが、我々の今の生活に欠かせない新幹線。
それまでは飛行機となるだろうと思っていたところを、新幹線という技術で驚かせたわけです。
今、日本では、自動運転、そして空飛ぶクルマが、次世代モビリティのメインになるだろうと言われています。
我々は、新幹線と同じように、自走型ロープウェイ「Zippar」で、世界を驚かせます。
Zip Infrastrctureの須知です、よろしくお願いします。
技術が進む現代でも解消できない渋滞
こんなにも技術が進んだ今、なのに未だにどんな都市でも渋滞は発生しています。
東京でも首都高でも毎日渋滞していますし、ジャカルタでは、空港から市街地に行くまでの約35kmに3時間以上もかかるのです。
我々は、これをペインだと捉えていました。
が、実はこれは真のペインではありませんでした。
公共交通における真のペインを解決する交通システムとは
都市内の公共交通は、10年以上建設期間がかかる鉄道か、渋滞に巻き込まれるバスだけです。
10年以上も建設期間がかかる、高コストな鉄道は、設置運営者にとってハッピーではない。
そして、簡単に設置はできるけれども渋滞に巻き込まれてしまうバスは、乗客にとってハッピーではない。
つまり、設置運営者と乗客の両方にとってハッピーな交通システムがないというのが、100以上のヒアリングを重ねた結果、我々が認識した真のペインです。
では、どんな交通システムが必要か。
低い建設費で短い施工期間、これは設置運営者のためです。
そして高い定時性、これは乗客のためです。
これらを満たす交通システムが必要です。
道路上に建設できる次世代型ロープウェイ「Zippar」
我々が開発しているZipparは、カーブと分岐が可能になり、道路上に建設できるようになった次世代型ロープウェイであり、これらを満たしています。
通常のロープウェイはロープごと動いていて、車両はそれにくっついて動きますが、我々のZipparはロープが固定されており、車両内部にあるバッテリーやモーターで動くシステムです。
これによって、鉄道の10分の1の建設費、10分の1の建設期間であり、道路上空を走行できて渋滞に巻き込まれないという、設置運営者と乗客の両方に良いプロダクトが実現しました。
観光地、大手デベロッパーが初期ターゲット
市場規模は、観光地、大手デベロッパー、空港、大学、病院、郊外主要都市と、色々なターゲットがあります。
もちろん、我々は最終的には郊外主要都市を目指していますが、まずは導入しやすい観光地、大手デベロッパーを目標にしています。
上野動物園モノレールの後継モビリティとして応募予定
進行中の案件です。
実は上野動物園にはモノレールがあるのですが、今年建て替えのプロポーザル公募案件が出ます。
当社はこちらに、交通コンサルタントの長大、三菱地所と協力して、コンソーシアムを組んで応募します。
実は上野動物園のモノレールも、モノレールができる前、試験線として最初に導入されたものなのです。
Zipparもそれを引き継いで、大規模私有地での需要を証明します。
2024年にマレーシアで実証実験を開始予定
次にデベロッパーについては、マレーシアのGAMUDA LANDという財閥と一緒に、今作られているニュータウンでの実証を進めていきます。
マレーシアでの法規制を考える必要がありますが、既にマレーシア科学大学とMOU(基本合意)を結んでおり、法規制についての研究も進んでいます。
▶Zip Infrastructure株式会社は、マレーシア科学大学 (Universiti Sains Malaysia)と基本合意契約を締結(PR TIMES)
海外では人口が増えています。
特に東南アジアでは人口が増えているので、ニュータウンには非常に高い需要があります。
そして既に、有料での予備調査を2つの自治体で実施しています。
さらに、上野動物園、GAMUDAの案件など、導入可能性が高い6つの案件があります。
その他、引き合いまで含めると、全部で32の案件があります。
「地下鉄・モノレール」と「バス」の間に市場が存在
市場規模です。
都市モビリティ市場全体は65兆2,000億円ですが、全部を取れるわけではありません。
しかし、1時間で数万人を運ぶ地下鉄やモノレールと1時間で1,000人を運ぶバスとの間には、確実に市場が存在し、全体の3%をZipparの市場だと考えております。
交通コンサルタントとEPC企業の業務を社内で垂直統合
事業モデルです。
車両販売とメンテナンス、つまりエスカレーターやエレベーターと同様のビジネスモデルを考えていましたが、顧客に徹底的にヒアリングすることでモデルは変わりました。
需要調査、事業提案という交通コンサルタントが行っていた部分と、設計、調達、建設、試運転というEPC(※) 企業が行っていた部分の両方を行うことで垂直統合され、自治体にとって最適な体験を生み出すことができます。
▶編集注:EPCとは、設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設・試運転(Construction)を指す。
EPCは少し難しいですが、設計、調達、建設、試運転と、それに付随するプロジェクトマネジメントを行っていきます。
これを行うために、新メンバーも入社しました。
この会場にいるのですが、フィリピンにルーツがあり、10歳で日本に来て、三菱重工業でゆりかもめやモノレールの部品調達を行っていたメンバーです。
彼は、フィリピンでは渋滞が多いのに、なぜ日本には渋滞が少ないのだろうと考え、弊社に入社しました。
秦野市で走行試験がスタート!
現在、Aシリーズ、Bシリーズ、Cシリーズの開発が進んでいます。
そんな中、Bシリーズの秦野市の試験線が、ついに動き出しました。
皆さん、是非これに乗りにきてください。
1/1スケールが動いているのは世界でもZipparだけ
市場は確実に存在します。
シリコンバレーのSwyft Cities、ベラルーシのSkyWayがありますが、1/1スケールモデルが動いているのは弊社だけです。
第三者委員会、国内第一路線、東南アジアへの拡大を目指して、300億円でIPOをしていきます。
Zip Infrastrctureでした、ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成