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デジタル売上比率96%! 外食業のDXで顧客体験と労働体験を進化させるサラダ専門店「CRISP」(ICC KYOTO 2023)

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ICC KYOTO 2023 カタパルト・グランプリに登壇いただき5位に入賞した、CRISP宮野 浩史さんのプレゼンテーション動画【デジタル売上比率96%! 外食業のDXで顧客体験と労働体験を進化させるサラダ専門店「CRISP」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。

【速報】3度目の挑戦で悲願のV!衛生データ×AIで農業を儲かる産業にする「サグリ」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2023)


【登壇者情報】
2023年9月4〜7日開催
ICC KYOTO 2023
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

宮野 浩史
CRISP
代表取締役
HP | STARTUP DB | X(旧Twitter)

1981年千葉県生まれ。15歳で渡米し、18歳のときに現地で飲食業を起業。22歳で帰国し、タリーズコーヒージャパンで緑茶カフェ業態に5年携わる。その後、ブリトー&タコス専門店「フリホーレス ブリトー&タコス」を立ち上げる。現在はカスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」の展開を通じて、デジタルトランスフォーメーションで既存の外食業界にイノベーションを起こすことを目指す。


宮野 浩史さん 皆さん、おはようございます。

CRISPの宮野と言います。

出だしから、少し物騒なスローガンですが、今日は私が20年以上関わっている、日本の外食業界の伸びしろについて話ができればと思っています。

日本の外食市場は、まだまだこれからめちゃくちゃ伸びしろのある、面白い業界だと思っています。

都内を中心に22店舗展開するカスタムサラダ専門店

私たちは、CRISP SALAD WORKS(クリスプ・サラダワークス)という、カスタムサラダ専門店を展開している会社です。

これから簡単に事業の説明をしますが、審査員の方々には実際のサラダをお配りしますので、ぜひ召し上がりつつ聞いてください。

ちなみに今日、大阪の店舗で、スタッフに朝イチで頑張って調理してもらいました。フレッシュです。

私たちは、東京都内を中心に、サラダ専門店を現在22店舗、展開しています。

CRISPの店舗を探す(CRISP)

1食1,500円前後の、新鮮で栄養価が高く、自分だけのためにカスタマイズされた手作りのサラダを、年間約150万食提供しています。

ちなみに、信じられないくらい美味しいです。

DX化に成功しデジタル売上比率は96%

また、テクノロジーが特徴です。

テクノロジーに大きな投資をしており、外部から累計10億円の資金調達を行い、自社開発のオーダーアプリや店舗体験のDX化を進めた結果、現在のデジタル売上比率は96%です。

テクノロジーで外食の顧客体験を再定義するCRISPが、One Capital から約5億円の資金調達を実施(PR TIMES) 

世界的にも、ここまでデジタル化が進んだ外食チェーンはほとんどないと思います。

ありがたいことに、2014年末に1号店を開店してから、この8年間で売上も店舗数も順調に増え続けています。

そこでまず、なぜ我々が外食業で、世界をリードするほどのデジタル化に成功し、同時に熱狂的なファンをどんどん増やせているのか、原点をお話ししたいと思います。

2014年に麻布十番で1号店をオープン

私は高校を卒業してから、日本とアメリカにおいて、ずっと飲食業界にいるのですが、2014年、東京の麻布十番に1号店を開店しました。

最初のメンバーは私とアルバイトスタッフ数名、オープン前は周囲の人からも、「サラダだけだとさすがに無理じゃない?」とか「スープやパンも揃えたほうがいいんじゃない?」とか、めちゃくちゃ心配されました。

でも、ふたを開けると、びっくりするくらいお客様が来てくれました。

麻布十番と言っても、裏道で人通りがほとんどないような場所だったのですが、月商1,500万円くらい売れたのです。

売上増で顧客体験のレベルが下がる外食業のなぜ

利益も毎月数百万円出ており、みんなから「宮野さん、うまくいって本当に良かったですね」と喜んでもらいましたが、全然楽しくない!

なぜかと言うと、毎日行列なのでお客様を待たせるし、忙しくてスタッフもバタバタし、お客様が増えるとだんだん常連さんの顔も覚えきれなくなってきて、全然良い店じゃなくなりました。

売れれば売れるほど、理想の顧客体験からかけ離れていっているなと思ったのです。

お客様から評価されて、売上は伸びていっているのに、混めば混むほどクオリティが下がるのは何かおかしいと思いました。

皆さんの周りでも、「あの店はチェーン展開し始めたから、もうだめだ」とよく聞くと思います。

お客様から評価されて売上が増えたら、サービスをもっと良くするために再投資をし、お客様1人あたりに提供する価値は大きくならないとおかしいのに、外食の世界ではなぜか規模が大きくなればなるほど、お客様1人あたりに提供する価値が小さくなってしまっているのです。

1店舗のお店でも、1,000店舗を持つチェーン店のお店でも、働いている人の数はさほど変わらないし、仕入れや経営効率はチェーン店の方が絶対良いはずなのに、飲食店は大きくなると“摩擦(飲食店が提供するものと来店客の期待値とのズレ)”が大きくなり、お客様に提供できる価値がどんどんこぼれ落ちていっているのではないかと思いました。

ですから、テクノロジーを使ってその無駄な摩擦をなくせないか、規模の拡大と優れた顧客体験を両立させられないかと思いました。

儲かったお金を全てテクノロジーに再投資しようと決めたのが、開業して半年ほどの時です。

では次に、テクノロジーを使って、どうやって僕らが顧客体験を向上させているかですが、CRISPでは3つのレイヤーでテクノロジーの活用を進めています。

顧客体験向上のレイヤー①「カスタマーデータの取得」

1つ目が、圧倒的な量の「カスタマーデータの取得」です。

先ほどもお伝えした通り、売上の96%がデジタル経由です。

自社開発したモバイルオーダーアプリからの注文だけでも40%を超えるのですが、これに加えて、店頭のセルフレジで、カスタマーをオンライン化できています。

これは、世界中の外食チェーンのトッププレイヤーと比べても、圧倒的なカスタマーのオンライン化率です。

こういう形で、カスタマーの維持率の推移や新規カスタマーの数、利用頻度などでセグメントした上で、施策ごとのカスタマーの動きを追えるので、高速でPDCAを回せます。

顧客体験向上のレイヤー②「圧倒的なカスタマーの理解」による商品開発・販売促進

2つ目が、「圧倒的なカスタマーの理解」を活用した、商品開発や販売促進です。

CRISPでは、アプリを通じて、毎月1万件以上のお客様からのフィードバックをリアルタイムで集計し、様々な角度で分析します。

ここで大事なのは、カスタマーの属性や購買履歴とアンケートが紐づいていることです。

それぞれの評価をしたのがどんな人なのかが見える状態で、改善の意思決定ができます。

こういう形で、店舗別でお店やサラダの評価推移やその理由を、カスタマーやセグメントごとにリアルタイムで分析できます。

顧客体験向上のレイヤー③店頭では「期待を超越する接客」

3つ目が、「期待を超越する接客」です。

CRISPでは、店頭にあるタブレットで、お客様のニックネームや誕生日、これまでの来店回数といった定量的な情報はもちろん、細か目のサラダが好きなどの定性的な情報もシステムに入力することで、全店にリアルタイムで共有されます。

こういう形で、店舗スタッフはお客様の名前や過去の利用状況が見えるので、お客様を名前で呼んだり、「昨日の夜も来てくれてたのですね」と声をかけたり、誕生日にメッセージを書いてあげたり。

テクノロジーやデータ活用によって、店舗で働くスタッフが素敵な接客をするサポートができるので、結果として、素敵な顧客体験が発生しやすくなる仕組みになっています。

実際、テクノロジーと店舗の現場の力を掛け合わせることでお客様の体験が向上しており、嬉しいことに、店舗あたりの売上や利益もどんどん増えていっていますし、まだまだ伸びしろがあると思っています。

外食業で働く人たちの課題をテクノロジーで解決する

最後に、私たちが目指す未来について、少しお話しさせてください。

私たちは、テクノロジーで、外食業で働く人たちの課題を解決したいと思っています。

何かと言うと、人手不足、長時間労働、低賃金。

これらの課題を、属人的ではなく、誰にでも再現可能な形で解消したい。

解決手段は大きく3つあると思っており、まず1つ目が、機械やテクノロジーで代替することです。

デジタル化やロボットの活用によって、そもそも人が少なくてもできるようなオペレーションに変えていこうということで、実際、CRISPではもうレジ業務は存在しないですし、サラダロボットを現在開発中です。

テクノロジーで外食の顧客体験を再定義するCRISPが、TechMagicとサラダ調理ロボットの共同開発を開始 2021年10月4日(PR TIMES) 

2つ目が、働く人の労働体験を進化させることです。

つまり、働き方や報酬体系の自由度を圧倒的に高めることで、外食業の現場を、働く人にとってもっと魅力的な環境にすることです。

これについては、CRISPではアルバイト向けに、全く新しい勤怠管理アプリを今年リリースしました。

3つ目が、外食業で働く人たちの専門化です。

接客の価値を定量化することで、外食業の仕事を「誰でもできる仕事ではなくす」のです。

特に、日本のアルバイトスタッフは世界一優秀だと思っています。

飲食業だけでも、250万人の非正規雇用者がいますが、機械が得意な事は機械に任せて、人は人にしか生み出せない価値を出すことに集中してもらいたいのです。

例えば、夜遅くにスーツ姿のお客様が来た時に、「今まで仕事だったのですか? 遅くまで大変ですね、お疲れ様です」と言うだけで、その人はその店のファンになってしまいますよね。

外食業をテクノロジーでもっとワクワクする世界に

私たちは会社の成長を通じて、私たちが考える新しい外食業のモデルを世に示したいと思っています。

店舗だけではなく、ECとの融合や僕らが開発するテクノロジーの外部提供などを組み合わせて、2027年までに年商100億円を目指しています。

是非、私たちのチャレンジを応援してくれると嬉しいです。

日本には、素晴らしい外食企業が本当にたくさんあります。

こういった素晴らしい企業の魅力がテクノロジーで強化されて、みんながもっと成長できて、もっとワクワクするような世界を創っていきたいと思っています。

それが私たちの考える、「日本の外食を、ひっくり返せ。」です。

今日は皆さんのお時間を、ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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