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ICC KYOTO 2023 カタパルト・グランプリに登壇した、NearMe髙原 幸一郎さんのプレゼンテーション動画【AIが相乗りを最適化!タクシーのシェア乗りで移動の課題を解決する「NearMe」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
▶【速報】3度目の挑戦で悲願のV!衛生データ×AIで農業を儲かる産業にする「サグリ」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2023)
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【登壇者情報】
2023年9月4〜7日開催
ICC KYOTO 2023
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
髙原 幸一郎
NearMe
代表取締役社長
HP | STARTUP DB
シカゴ大学経営大学院卒。2001年SAPへ新卒入社。国内外の様々な業界の業務改革プロジェクトに従事。2012年楽天に入社。物流事業の立ち上げや海外M&A案件などをリード。その後、グループ会社の執行役員として日用品EC事業のP/Lマネジメントに従事。2015年からは米グループ会社の副社長/取締役としてPMIや事業開発、仏グループ会社CEOなどを歴任。 そして2017年に「社会のあらゆる『もったいない』を解決し、サスティナブルで活き活きとした未来を実現する」ことをビジョンにNearMe(ニアミー)を創業。現在は、「移動のもったいない」の解決にフォーカスし、シェアリングエコノミーのMaaSサービスを複数展開している。
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髙原 幸一郎さん 皆さん、こんにちは。
移動の「シェア」で地域の社会問題に取り組んでいる、NearMe(ニアミー)の髙原です。
よろしくお願いします。
乗りたいときにタクシーに乗れないという課題
まず、こちらをご覧ください。
これは皆さんのいる京都の、京都駅前のタクシー待ちの行列の様子です。
乗りたいときに乗れない、最近はタクシー配車アプリでもつかまらない、こんなことは起きていませんか?
また、夜、終電後のタクシー待ちの行列に並ぶのは、つらいですよね。
皆さんも一度は、こんな経験をしたことがあるのではないでしょうか?
もっと深刻なのは、高齢者などの移動弱者が、買い物や病院に行けないという状況であり、これは全国で毎日起きていて、その課題の深刻さは増しています。
タクシーの使い方が「もったいない」
なぜ起きているのでしょうか?
大きく2つ理由があります。
一つは、ずっとドライバー不足が続く中で、急に旅行需要が戻ってきて、需給のバランスが崩れたからです。
もう一つは、使い方が「もったいない」からです。
ドライバー不足の割には、半分以上は空気を運んでいます。
最大9人乗れる車も、ほとんどの場合、1人しか乗っていないのです。
ライドシェアより即効性の高い解決方法はある
では、その解決にライドシェアは必要でしょうか?
確かに、ドライバーを増やすことは必要ですが、旅行需要には波動があるのです。
この波に対応しないと、根本的な解決にはならないのです。
ですから、この不足している状況にどう向き合うかが大事で、ライドシェアよりも即効性の高い解決方法があります。
それは、タクシーのスペースとキャパ(遊休資産)を活用することです。
ニアミーは、この問題をテクノロジーで解決するスタートアップです。
もう少し言うと、タクシーの「シェア」で、電車、バス、タクシーに次ぐ第4の交通インフラを作っていきます。
タクシーとバスの“いいとこ取り”をした「NearMe」
一言で言うと、タクシーとバスの“いいとこ取り”のようなサービスです。
ドアツードアでありながらシェアなのでお得、また、バスよりも柔軟性のある移動手段を持つことで、移動全体をなめらかにしていきます。
我々のビジネスモデルは、タクシー会社とユーザーをつなぐ、両サイドのマッチングプラットフォームです。
お客様1人ずつから料金を頂いて、タクシー会社に運賃をお支払いし、その差分が我々の収益になるというモデルです。
乗れば乗るほどうれしい収益モデルで、ニアミーも、少しうれしくなっております。
空港までタクシーより安く、バスより便利にシェア乗り
1つサービスを紹介させてください。
東京の自宅から羽田空港までドアツードアで、1,980円からで行ける空港利用者向けのサービス(NearMe Airport)を行っています。
利用方法は非常にシンプルです。
アプリかウェブから、フライトに合わせて予約を頂きます。
予約時は、ピックアップ時間は幅を持たせた時間帯をお伝えします。
予約完了後はニアミーが前日までに、複数のお客様の予約から1つの運行グループを自動で作ります。
予約の前日になると、予約時にお伝えした時間帯の幅の中からピックアップ時間をお知らせします。
当日は、シャトルに乗っていただいて、何カ所かに寄りながら空港に向かうという、シンプルなサービスです。
タクシーを活用して事前にシェア乗り、これによって、お得で安心・安全、シェアなので環境にも良いという特徴があります。
全国で50万人が利用するサービスに成長
また、事前にお客様をバンドル(グループ化)するので、全国のタクシー会社や配車アプリにも送客できるモデルとなっています。
このモデルを空港向けに展開し、今、全国で50万人以上に使っていただくサービスにまで成長し、お客様からも高い評価を頂いています。
また、全国15空港に展開しており、旅行者の80%以上がカバーできている状況です。
自家用車からのスイッチングも含めて、約1,000億円のリーチ可能なマーケットがあると考えています。
さらに利用が日常的に広がれば、数兆円まで可能性があると思っています。
AIが乗客を最適な組み合わせでグループ化
また、この成長を大きく支えるのはテクノロジーです。
事前に、AIによって組み合わせの最適化をしてお客様をグループ化した後、タクシー会社に送客する中で、タクシー会社はワンクリックで配車ができる仕組みになっています。
また、事前予約によって組み合わせが最適化され、1乗車あたりの配車効率も上がっていくことが実現できており、これが我々の成長を支えています。
自治体・法人向けにOEMビジネスを展開
50万人に向けた仕組みを、チャネルを広げて旅行会社向けに提供し、自治体や法人向けにシステムを提供するOEMビジネスも進めました。
そういったプロダクトを背景に、我々は、空港という利用シーンに向けたサービスから横展開し、ゴルフや旅行、さらには日常生活の中にも利用シーンを増やしていっています。
いくつか、サービスの事例を紹介させてください。
JAL、ANAとはマイレージプログラムとの連携だけではなく、フライトに合わせた予約まで実現しました。
三井不動産とは、街中の移動を便利にするために、皆さんがよく使われるLINEをインターフェイスに、乗降場所を入れて予約いただくだけで、10分、15分でシャトルがやってくるサービスの実証実験を行っています。
街の中で需要を喚起することにも貢献しています。
▶東京・日本橋エリアの移動を「おトクで、スムーズ」にする“シェアード・シャトル”が再登場!「&MOVE日本橋」の2回目の実証実験を9月4日(月)より開始(PR TIMES)
また、地域の交通です。
交通空白地帯は全国にありますが、事前予約していただければ、移動できるようになるというサービスを、自治体と組んで実現した事例です。
▶NearMe、大田区でデマンド型交通実証実験を開始(PR TIMES)
こうしたサービスの展開には、チームが重要です。
私は、前職の楽天では、「インターネット事業を海外に」という思いで仕事をしていましたが、日本の地域の活性化にコミットしたいと思って日本に戻ってきました。
その思いに共感した、多様で経験豊富なメンバーが集まっております。
「移動のシェア」で持続可能な地域社会の実現を目指す
最後に、ニアミーの思いを少しだけお話しさせてください。
ニアミーは、「暮らしの『もったいない』をなくし、次の『当たり前』をつくる」をミッションに、移動の「もったいない」を解決し、1人でも多くの方が、好きな街に住み続けられる社会を実現したい。
「まだ1人で乗っているのですか?」という雰囲気を作り、シェアが当たり前だという行動変容を起こします。
そして、住民、交通事業者、地域の三者で三方良しのモデルを実現し、シェアによる持続可能な地域社会を実現していきます。
応援よろしくお願いします。ニアミーでした。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成