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ICC FUKUOKA 2024 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき同率2位に入賞した、Resilire 津田 裕大さんのプレゼンテーション動画【サプライチェーンの可視化で、日本のモノづくり産業を支える「Resilire(レジリア)」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜 9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターは エッグフォワード です。
▶【速報】あらゆる製品の化学物質をデータ化し、企業を膨大・複雑な原料管理から解放する「ケミカン」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2024)
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【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Sponsored by エッグフォワード
津田 裕大
Resilire
代表取締役CEO
HP
Webコンサルティング会社の経営などを経験。その後、西日本豪雨を被災した事で気候変動リスクの課題解決を志し、2018年9月に株式会社Tech Design(現株式会社Resilire)を創業。2021年に「Resilire」をリリース。世界を変える30歳未満が選ばれるForbes JAPAN 30 UNDER 30 2022及びForbes Asia 30 UNDER 30 2023に選出。
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津田 裕大さん データでサプライチェーンをアップデートする、Resilire(レジリア)です。
サプライチェーンの寸断で薬が買えない!
突然ですが、薬が買えなくなっていることをご存知でしょうか?
これは、実際のニュースです。
▶参考:院内で薬を処方する医療機関の9割 医薬品入手困難 日本医師会 2023年10月12日(NHK)
今、全国の薬局や医療現場の9割で、一部薬が不足しており、実は、薬が買えないことで治療が受けられない人がたくさんいるのです。
なぜ、そんなことが起きているのでしょうか?
それは、サプライチェーンの寸断が多発しているからなのです。
サプライチェーンの1社でも製造が止まれば薬は作れない
薬を例に説明します。
薬は、複数の原薬を組み合わせて作られています。
原薬もまた、数十から数百の原料を組み合わせて作られています。
それぞれを異なる会社が製造しており、1社でも製造が止まると、この薬は作れなくなってしまいます。
全ての会社が、決められた量を、滞りなく安定して供給し続ける必要があるのです。
ただ、不安定な社会情勢である今、これは非常に困難なことです。
また、ほとんどの企業では、直接取引している会社以外、どの会社からどの品目を買っているのか見えていません。
見えていないので、リスクの予防も対応もできていない。
だから、サプライチェーンが止まっているのです。
サプライチェーンを可視化しリスク管理に対応
そこで、サプライチェーンのデータを連携し、リスク予防を推進する「Resilire[レジリア]」を立ち上げました。
Resilireは、どの会社からどの品目を買っているのか、取引関係をツリー状に可視化することができます。
場合によっては、取引先は数十万企業に及びます。
ポチポチと選択するだけで、簡単にデータをつなげられます。
このツリーは取引先と協力して、一緒に作っていきます。
取引先企業は情報の一部を伏せることもできるので、抵抗なくデータ開示ができます。
Resilireは、リスクが起こった時にも活躍します。
そのリスクの影響範囲を、ツリー上で確認できます。
Resilireは外部と連携し、グローバルのリスク情報を取得しているので、例えば上海で火災が起きると、このようにマップ上に表示されます。
火災で工場が止まってしまったとすると、それがどこに影響するのかも確認できます。
関連する企業は、世の中で今何が起きていて、それがどう自分たちにどう影響するのか把握し、手を打つことができます。
大手導入企業のネットワーク効果で顧客が拡大
Resilireは、リリースして数年で名だたる大手企業に導入いただいています。
また、ほとんどの企業では、相手から問い合わせを頂いて導入に至っています。
Resilireは、導入した企業の関係する企業にIDがどんどん付与されるので、間接的に認知が広がり、ネットワーク効果で顧客を拡大しています。
結果として、1年でARRは1億円、解約率0%で、5倍成長しています。
サプライチェーンのデータ連携の基盤となるため、解約されにくく、効率的に成長していくことができます。
導入いただいたお客様からは、「サプライヤーの調達先が見えるようになって、データをもとに予防の戦略が立てられるようになった」「リスク発生時の影響調査期間が大幅に短縮された」というお言葉を頂いています。
ドメインエキスパートが集まった強力チーム
では、なぜResilireがこれを実現できるのか。
それは、経験豊富なメンバーのいるチームだからです。
金融システムの開発をリードしたメンバーや、グロースしたSaaSベンチャーのテックリード、営業統括経験者、購買コンサルタントといったドメインエキスパートがいます。
このチームだから、できているのです。
経済安全保障の一環として国がResilire導入を後押し
また、国もこの課題を重要視し取り組んでいて、Resilireはサプライチェーンの関連補助金の対象に採択いただいているので、導入費用の最大5割を国が負担する形で導入できます。
サプライチェーンを守ることは、すなわち人々の生活を守ることになります。
だから、経済安全保障対策の一環となり、国に支えていただけるのです。
西日本豪雨での被災をきっかけに災害予防を志す
ビジョンです。
私は、2018年の西日本豪雨で被災したことをきっかけに、災害予防を志して創業しました。
災害予防のサービスを何度も立ち上げて失敗を繰り返し、このサプライチェーンのサービスにたどり着きました。
リスク管理から入ったからこそ、今まで誰もアクセスできなかった、モノづくりのつながりのデータが見えました。
このデータに、大きな価値があります。
今後はリレーション管理で最適な意思決定を支援
Resilireはリスク管理で得たデータをもとに、リスク管理にとどまらず、次はリレーション管理の課題に取り組みます。
購買領域において、取引先との関係、行動履歴の管理は非常に煩雑で属人的に行われています。
価格交渉、監査、評価、契約、納品、それぞれのプロセスがつながっておらず、管理が煩雑です。
ネットワークデータのあるResilireなら、これを解決できます。
Salesforceが見込み顧客とのリレーションシップ管理を変えたように、Resilireが取引先とのリレーションシップ管理を変革します。
そして、モノづくりバリューチェーン上に存在する全ての企業が、データで最適な意思決定を実現できる、データプラットフォームへと進化していきます。
新製品はリリース前に契約を獲得
Resilireは、既にその一歩を踏み出しています。
昨年(2023年)、サプライチェーンのデータベースであるResilire DBをリリースし、今年はサプライヤーの監査や評価を効率化するResilire SAQをリリース予定です。
▶Resilire、製造業向けにサプライチェーン情報の一元管理ができる新製品「Resilire DB」のβ版を提供開始(PR TIMES)
これらは既に、リリース前から契約を頂いており、一部セグメントにおいて価値を証明しています。
サプライチェーンの管理市場はグローバルで4兆円規模
サプライチェーンのリスク管理市場は国内で600億円、グローバルで4,300億円あります。
この市場に、Resilireはアクセスしています。
これから、近接領域の課題を解決することで、4兆円のサプライチェーン管理マーケットにアクセスしていきます。
サプライチェーンの混乱で日本経済を止めてはいけない
これは、サプライチェーンの混乱を示すグラフです。
ここ数年、過去に類を見ないほどの混乱が続いています。
能登半島地震の混乱は、今も続いています。
次なるパンデミック、南海トラフ地震、台湾有事、今後も混乱は続きます。
日本には、モノづくりで成長してきた歴史があります。
モノづくり産業は、日本経済そのものと言えます。
この日本経済の歴史を、サプライチェーンの混乱で止めていいのでしょうか?
モノづくりが止まれば、日本はあっという間に窮地に立たされます。
物が手に入らなくなり、私たちが当たり前に手にしている生活は、失われてしまいます。
そんなことは、あってはならない。
だからResilireはいます。
モノづくり企業を支え、日本経済を支え、皆様の生活、そして人類の未来を守ります。
データでサプライチェーンをアップデートする、Resilireでした。
応援よろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成