200万個のBeaconネットワークを利用した次世代エリアマーケティングプラットフォーム「BeaconBank」を開発するunerrの内山さんのプレゼンテーションをぜひご覧ください。プレゼンテーションの動画も併せてご覧ください。
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登壇者情報 2016年3月24日開催 ICCカンファレンス TOKYO 2016 「カタパルト」(10分間のプレゼンテーション) (プレゼンター) 内山 英俊 株式会社unerry 代表取締役CEO 98年米国でMetRover.comを設立し世界初のスマートフォンサービスを開発。外資系経営コンサルティング会社PricewaterhouseCoopers、A.T. Kearneyにてハイテク・金融業界の新規事業コンサルティングおよび企業再生を担当。特に携帯キャリアの海外M&Aで唯一の成功例を纏め、International Expansion Awardを受賞。株式会社サイバードにて公式モバイルコンテンツ事業部部長として、100以上のモバイルコンテンツの改革を行い売上・利益を大幅伸長。2008年に株式会社ANALOGTWELVEを共同創業し、携帯キャリア・ブランド企業とO2O/オムニチャネル市場を牽引し、各種アワードを受賞。そのノウハウに特化したIoT時代の次世代エリアマーケティング企業「株式会社unerry」を創業。グロービス経営大学院 准教授 (ネットビジネス戦略、テクノベート担当)
内山 英俊氏(以下、内山) 世界にうねりを創るプラットフォームを届ける株式会社unerryの内山でございます。よろしくお願いします。
私たちは、日本中に200万個のBeaconデバイスを配りまくって、新しいエリアマーケティングプラットフォームとして使おうという、BeaconBankという事業を行っています。
Beaconの中ではiBeaconというのが多分1番有名なんですが、AppleがiBeacon、GoogleがEddystoneなど、各社が規格を作っており、それらを総称して私たちは「Beacon」と呼んでいます。それが500円~3,000円くらいで、Bluetoothの電波をずっと飛ばしていて、スマホに反応して、プッシュ配信だったりとか、ログ分析に使うなどが行われています。
これを使って私たちは、2020年に東京を世界最先端のリアルフィールドを作りたいと思っています。200万個のBeaconを配置して、人の行動をセンシングするからこそ、本当に有益な情報が届く世界です。
そんな夢の世界の実現には大きな問題があります。Beaconの実証実験って去年とか一昨年とかにたくさんニュースメディアで流れたと思うんですが、ほとんどの会社さんが、あんまり上手くいっていないと思うんです。
その根本的な原因は、圧倒的なBeacon設置の少なさなんです。これまでは、デパートのアプリはデパートに配置した100-200個のBeaconと反応するだけ、交通アプリは駅にの中にある100-200個と反応するだけです。
そのために店舗や駅の中にBeaconを設置して、アプリのインストールもさせなきゃいけない。従って、アプリのインストールも少なければ、Beaconの数も少ないわけで、だから、最初からちっちゃい結果しか出ないに決まっているんです。
その結果、Beaconはあまり効果がないという市場認知ができてしまったのが現状です。
そこで、各社で持っている100-200個のBeaconを私たちのサービス「BeaconBank」に登録いただくと、そのBeaconを他のアプリでも使えるようにするという仕組みを考えました。
世の中に200万個もBeaconを保有している会社を作り、相互にシェアしてみんなで使い回せば、全員の投資対効果が上がるというWinWinモデルがBeaconBankの基本的な考え方です。
デモをご覧ください。
Beaconは今2,500個くらいあるんですけど、利用するBeaconを個別に選んだり、全部一括で追加ということも出来ます。
選んだBeaconにどんなコンテンツを配信するかもその場で登録できます。今日僕はプレゼンをするので、ICCでプレゼンしますみたいなコンテンツを創ってみたんですけど、先ほど選んだBeaconを選択すると配信されます。
また、BeaconBankで特徴的なのは、コンバージョンBeaconという概念です。Webのコンバージョンと同じで、あるBeaconに到達した人をコンバージョンしたとします。そうすると、プッシュメッセージを出す場所と、その結果来店等に至ったかというコンバージョンを合わせて取得することができます。
あと、重要な分析が行動分析で、コンバージョンした人が何分前にどこにいて、何分後にどこにいるかわかる分析です。例えば飯田橋のサンマルクカフェに来た人って、数十分前には飯田橋の駅やKDDIさんにいたりして、サンマルクカフェに来て、まだ中にいる人もいれば、散らばっていく人もいる、ということがわかります。
それによって何がいいかというと、今の会社さんって、看板とかフライヤーとかティッシュとかをリアルにたくさんいっぱい配っているわけです。それだけでも、日本でエリアマーケティングとして2.2兆円もお金が動いているんです。
もし人の動きがわかれば、こっちから来る人がいないので、看板止めようという話になり、広告・販促費を下げながら、集客を最適化できるようになるわけです。
BeaconBankを提供することで、これまではBeaconを買って自社の拠点に設置して、Beaconソリューションはを選定して、専用アプリを作って、Beaconごとにプッシュ配信を設定して、データをダウンロードして分析するというのが今までの流れです。
BeaconBankだと、Beaconを必ずしも買う必要はなく、地図から選んで、無料でBeaconBankを利用し、今のアプリにSDKを入れて頂くだけで、プッシュ配信も自動の最適化を行い、効果分析も出来るというのがBeaconBankの特徴です。
これが発展しますと、世界中のBeacon200万個を誰でも簡単に使えるような、リアルワールドのデジタル看板インフラが出来上がります。色んな場所で、色んなプッシュ分析だったりとか行動分析が出来るようなことをやっていきたいなと思います。
なぜBeaconBankが必要かというと、さきほども申し上げましたようにエリアマーケティング広告として、2.2兆円お金が動いています。例えば、屋外広告、交通広告、チラシ、DMです。こういったものを上手くデジタル化する方法はないかと、過去に多くの取り組みが行われました。
デジタルサイネージは1台50万~300万円もしますので、面全体を置き換えるには難しく、ピンポイントのソリューションになるでしょう。GPSは有効な手段なんですけれども、配信エリアは屋外がメインで、バッテリーの問題やエリア精度の問題もあります。NFC/FelicaはAndroidしか使えないし、ユーザにアクション(シャリン)してもらわなければいけません。
その点、Beaconというのは上手く解決されているんですけれども、最大の問題が、拠点の少なさになります。これを上手く解決したいというのが、BeaconBankです。
現時点で、約2,500個弱くらいあるんですが、今集めている方法は2大型の提携先からご登録頂く方法が主です。今だと商店街とか大手小売のBeaconで1万個くらい目指していますが、これから着目している場所は自動販売機です。また、スマートシティや交通も有望です。これからのBeaconを登録いただき、2020年に200万個登録を目指しています。
最大のメリットは、自分が設置した以外の場所のBeaconで情報発信・行動分析ができることです。私たちのマネタイズは、他の人たちのBeaconを利用した際にお金が発生し、その一部を頂く方法になります。従って、Beaconを登録いただければ、収益をお返しできることの第二のメリットです。そして、ソリューションは無料でご利用頂けることも大きなメリットになります。
現時点の東京の分布状況をみますと、都心で池袋、新宿、恵比寿、渋谷、豊洲あたりに多く分布しています。あと西の沿線だと主要な駅にBeaconが集まっています。
ビジネスモデルとしては、広告主さんから1配信5円くらいを頂戴して、設置者およびモバイルアプリの会社さんに2円ずつお返して、私たちは、20%とります。
リスティング広告でクリック単価50円くらいと想定しますと、BeaconBankのクリック単価は25円くらいになります。従ってリスティングの半額くらいでエリアマーケティング広告が打てます。
日本全体の潜在市場規模としては、設置Beacon200万個、各Beaconが1日に50回配信、単価5円としますと1,825億くらいあり、結構でかいマーケットだと思っています。私たちは2020年をターゲットとして37億円くらいの売上を目指しています。
本当にBeaconは伸びるんですか?とよく聞かれます。データコムの予測だと、世界で2020年に5,000万個くらい設置されるという予測があります。他の予測でも4億個という予測もあり、だいたいその幅で伸びると考えています。
日本に200万個Beaconがばらまかれて、色んな事業者さんがプッシュ配信しまくると何が起こるかというと、1人が受け取るプッシュ配信が山のようにきて、むしろ不便だという世界になるはずです。
そこでUnerring Brain EngineというAIエンジンを作っていまして、1人が1日に私たちのプラットフォーム上で受け取るプッシュ配信は1日1個だけと限定するような技術開発を行っています。これは宇都宮大学の研究所と一緒に研究開発をして精度をあげています。
これまでメルマガとかプッシュ配信とかありましたが、プッシュ配信とBeaconを比べて頂くだけで、コンバージョン率が大きく変わります。ターゲットを絞って効果の高いところだけにプッシュ配信していきますので、大体4倍くらいコンバージョンが変わっていきます。
私たちはコンバージョンBeaconという概念をとても大事にしています。自分のお店に来た人に何か情報発信をしてもあんまり意味がなくて、できれば外にいる人に配信して、うちの店に来て欲しいよって言うのが、小売さんの本音です。そこで、うちに来た人ってどこから来たんですかというのを測るような分析ツールを各種ご用意をしています。
私たちはマーケティングテクノロジーベンチャーです。最大の技術的な優位性はBeaconのリアルタイム反応技術です。Beaconの識別番号でUUIDというのがあるんですが、iOSの各アプリは最大20個までのUUIDしか利用できないという技術的な制約があります。
自社だけで使うだけならばUUIDを1つに限定することができるので問題が起きないのですが、、有象無象なUUIDが登録されるBeaconBankの場合、UUIDがどれだけ多くなっても反応できるようにしなければなりません。私たちは、数百万個のUUIDを利用できるリアルタイム反応技術というのを開発して、特許を申請して事業を進めています。
今、ご利用頂いている企業は、飲料・食品・通信キャリア・保険会社・システム会社が中心です。面白い取り組みだと、東京海上さんがBeaconを作って、3万個ばらまいて、車につけてテレマティクス保険に利用するようなことも実施しています。
2020年、東京を世界一最先端のリアルフィールドにし、そのノウハウをアジアに展開するということを、私たちは今考えています。20200万個のBeaconを配置するようなことを展開している会社は誰もおらず、今のところトップシェアです。世界で誰も見たことのない世界を創って、それをアジアで発信していく最先端企業になろうと思っております。ご清聴ありがとうございました!
(終)
プレゼンテーション終了後は第一線で活躍する経営者やベンチャーキャピタリストの方々と積極的な質疑応答が行われました。
(コメンテーター 一覧) ANRI General Partner 佐俣 アンリ 氏 KLab株式会社 取締役副社長 COO 五十嵐 洋介 氏 株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー COO 今野 穣 氏 KDDI株式会社 戦略推進部長 江幡 智広 氏 コーチ・ユナイテッド株式会社 ファウンダー 有安 伸宏 氏 株式会社ドリコム 代表取締役社長 内藤 裕紀 氏 freee株式会社 代表取締役 佐々木 大輔 氏 ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長兼COO 岩瀬 大輔 氏 ラクスル株式会社 代表取締役 松本 恭攝 氏 YJキャピタル株式会社 COO・パートナー 堀 新一郎 氏
新しい産業をリードするトップリーダーが参加するコミュニティ型カンファレンスの特徴を最大限に活かした「カタパルト」は素晴らしい出会いの場となります。ICCカンファレンスではスタートアップのプレゼンテーションの場「カタパルト」の登壇企業を継続的に募集しております。スケジュールなどはぜひ募集ページをご覧ください。
編集チーム:小林 雅/藤田 温乃
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