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1. 新・雑談シリーズ登場!テック系の4人が語る、最近驚いたことは?

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ICCサミット FUKUOKA 2020 新・雑談シリーズ「テクノロジーはどこまで進化するのか?」の全文書き起こし記事を全7回シリーズでお届けします。(その1)は、登壇者4人が、自己紹介を兼ねて「最近、驚いたこと」をテーマに雑談をスタート。マイクロソフト西脇さんが驚いた、コンタクトレンズの進化とは?ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2020 プレミアム・スポンサーのオープンエイト様にサポートいただきました。


【登壇者情報】
2020年2月18〜20日開催
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 11A
新・雑談シリーズ「テクノロジーはどこまで進化するのか?」
Supported by オープンエイト

(スピーカー)
粕谷 昌宏
株式会社メルティンMMI
代表取締役

千葉 功太郎
DRONE FUND 代表パートナー / 千葉道場ファンド ジェネラルパートナー /
慶應義塾大学SFC 特別招聘教授

土佐 尚子
京都大学
総合生存学館/凸版印刷アートイノベーション産学共同講座(産学共同)/特定教授

(モデレーター)

西脇 資哲
日本マイクロソフト株式会社
コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト

「新・雑談シリーズ『テクノロジーはどこまで進化するのか?』」の配信済み記事一覧


本編

西脇 資哲さん(以下、西脇) 皆さん、おはようございます。ICCサミットも最終日の3日目となりました。

カジュアルな雰囲気の中でお届けする「雑談シリーズ」をお送りしてまいります。

シリーズとしては5回目になるかと思います。

毎回このシリーズのモデレーターを担当させていただいているのですが、このセッションは、パネリストの方々が雑談をし、互いの発言に突っ込み合いながら、その中から皆さんに新しい発見、気付き、学びを持ち帰っていただくというものです。


西脇 資哲
日本マイクロソフト株式会社
コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト

日本経済新聞で紹介されたIT「伝道師/エバンジェリスト」。2013年には日経BP社から “世界を元気にする100人”にも選出。1996年から13年間、日本オラクル株式会社にてマーケティング担当として従事し、現在はマイクロソフトにて多くの製品・サービスを伝え広めるエバンジェリスト。講演や執筆活動も行い、IT企業だけでなく、製造業、金融業、官公庁から小学校、中学校、高校や大学でのプレゼンテーション講座を幅広く手がける。著書に「エバンジェリストの仕事術」、「プレゼンは“目線”で決まる」、「新エバンジェリスト養成講座」など。

何かゴールがあり、それに向けて語ってどんどん突き詰めていくというセッションではなく、互いのコメントや発言の中で、皆さんに拾っていただければと思っております。チャンスがあれば、観客席の皆さんからもコメントをいただきたいと思っています。

過去4回行われた雑談シリーズですが、アンケートに1回だけ「飲み屋の会話だ」と書かれたことがありました(笑)。

雑談ですから、慣れ親しんだ者同士が、ちょっと一杯いくかといった飲み屋の会話になりがちですが、今回はちょっとメンバーを入れ替えた形で、お届け致します。

この雑談セッションは、スケッチブックにキーワードを書いて、議論を展開していくという流れです。

まずは、登壇者の方々に自己紹介を兼ねて「最近、驚いたこと」についてお話しいただきましょう。

四人四様、登壇者が「最近、驚いたこと」

西脇 まずはモデレーターの私から最近驚いたことですが、それは「コンタクトレンズ」なのです。

今、会場でコンタクトレンズをされている方はいらっしゃいますか?

さらに、この中で遠近両用のコンタクトをされている方はいらっしゃいますか?

いらっしゃいますね。その方にマイクをお渡し頂けますか。

装着されて、見え方はいかがでしょうか。正直つらいから遠近両用を使用されているのですよね?

回答者1 1年前から使い始めたのですが、かなり快適です。

西脇 ありがとうございます。今の方はすごくソフトにおっしゃいましたが、近くが見えづらいというのは何と呼ばれるか、皆さん、ご存知ですよね。

「老眼」なのですよ。皆さん、ご自分がすでに老眼になっていると思われますか?

千葉 功太郎さん(以下、千葉) まだ大丈夫だと思います。


千葉 功太郎
DRONE FUND 代表パートナー /
千葉道場ファンド ジェネラルパートナー /
慶應義塾大学SFC 特別招聘教授
航空機パイロット(自家用操縦士)

慶應義塾大学環境情報学部卒業後、株式会社リクルート(当時)に入社。株式会社サイバード、株式会社ケイ・ラボラトリー(当時)を経て、2009年株式会社コロプラの創業に参画し、取締役副社長に就任。2012年東証マザーズ上場、2014年東証一部上場後、2016年7月退任。現在は国内外のインターネットやリアルテック業界のエンジェル投資家として、60社以上のスタートアップ、40以上のベンチャーキャピタルに投資している。特に2017年6月からは「DRONE FUND」創業者/代表パートナー、2019年10月から「千葉道場ファンド」ジェネラルパートナーを務める。2019年4月より慶應義塾大学SFC招聘教授に就任。Honda Jet ELITE国内1号機オーナーで、航空機パイロット(自家用操縦士)。

土佐 尚子さん(以下、土佐) 私は、すでになっていると思いますね。もとから近視ですので、そんなに近くが見づらいということはないのですが。


土佐 尚子
アーティスト
京都大学大学院総合生存学館 アートイノベーション産学共同講座 教授

福岡市生まれ。アート&テクノロジー研究にて工学博士(東京大学)。最新の科学技術を駆使して作品を制作するアーティスト兼研究者。1985 年に制作した当時のタブーを打ち破った映像作品「An Expression」が、ニューヨーク近代美術館でNew Video Japanという企画展に選出、同館に収蔵され、国際的に活躍するアーティストになる。武蔵野美術大学、国際基礎基盤研究所ATRでアート&テクノロジー研究を進めた後、バウハウスの影響を受けたマサチューセッツ工科大学建築学科Center for Advanced Visual Studies (現Art, Culture and Technology )で、2002〜2004 年のFellow Artistに選出された。MITに3年間勤めた後、2005年から京都大学でアート、カルチャー&テクノロジー領域の作品・研究を推進している。最新の書籍は、Cross-Cultural Computing: An Artist’s Journey (出版社:Springer UK) 。2012年韓国麗水万博では、230m x 30m のメインストリートでアジアはひとつというテーマで四神旗という映像作品を提供。2015年には、京都府の琳派400年事業で京都国立博物館の外壁に能舞台を見立て、土佐琳派プロジェクションを行なった。2016年度文化庁文化交流使を務め8カ国10都市を訪問した。2017年にはNYのTimes Square ビルボード60台以上を1ヶ月間使って、自然に潜む美を先端技術を使って発見したSound of Ikebanaを上映し、文化外交を務めた。企業との共同研究は、フランステレコム、株式会社ニコン、キャノン株式会社、三菱電機株式会社、ソニー株式会社、凸版印刷などがある。

西脇 老眼というのは、じわじわとくるものなのですよ。

土佐 そうなんですよね。でも私、近い所と小さい文字は問題なく見えるのですよ。他の先生方から、私の文字が小さすぎるから大きくしてくださいと、よく言われています(笑)。

西脇 粕谷さんは年齢的にまだまだですよね。

粕谷 昌宏氏(以下、粕谷) そうですね、ただ僕は結構強い近視なのです。


粕谷 昌宏
株式会社メルティンMMI
代表取締役

1988年生まれ。創造性の追求において身体がボトルネックとなっていることに1991年に気づき、以来解決策を追い求めてきた。1998年に医療と工学の融合分野が解決策となることを予想し、2002年からサイボーグ技術の研究を開始する。2006年に早稲田大学理工学部に入学、2007年に初めての論文を執筆。2011年にはロボット分野で活躍した35歳未満の研究者に贈られる日本ロボット学会研究奨励賞を受賞。2012年には、VR空間内の体と現実の体を生体信号により接続しシンクロさせる手法を開発し、電気通信大学大学院に移動。日本学術振興会特別研究員を経て2013年にサイボーグ技術を実用化する株式会社メルティンMMIを創業。2016年にはロボット工学と人工知能工学で博士号を取得、2017年に代表取締役に就任。回路設計から機構設計、プログラミングやネットワークシステム構築と幅広く開発をカバーする。2018年にはForbesより世界の注目すべきアジアの30人として選出された。

遠視や老眼というのは進行はしているものの、近視の人は気づくのが遅れると言われていますので、僕の場合は、進行はしても気づくのが遅いと思います。

西脇 先程の方へ再度お聞きしますが、遠近両用コンタクトレンズをお使いになってから、見え方はかなり改善されましたでしょうか。

回答者1 バッチリ見えるようになりました。新聞も問題なくはっきり文字が読めます。

西脇 遠くよりも近くが見えない老眼というのは、相当つらいですよね。

私自身、長年遠近両用のコンタクトレンズを使用しているのですが、今年、あるメーカーから遠近両用の新商品レンズが発売されたのを機に、それに変えたのですよ。

驚きました。物凄い技術の進化なのです。

体につけるものの進化、そしてウェルネス、つまり心地よく生きるためのテクノロジーの進化というものは、このコンタクトレンズひとつをとってみただけで、実に凄いなと思います。

近くが見えなくてどうしよう、手術をするべきかと悩んでいた自分が、たった1つの、しかも1つあたり100円ぐらいのこんなに小さなペラペラの医療器具で、世界に対する感覚が全く変わったのです。実に感動しました。

粕谷 僕も使い慣れていたコンタクトレンズから新商品へ変えたことがあったのですが、その時、世界が変わったというか、動画がSDからHDになったぐらい(※)、強烈なインパクトがありましたね(笑)。

▶編集注:スタンダード・デフィニション(SD)、ハイ・デフィニション(HD)には、解像度に倍以上の違いがあり、テレビのアナログ放送とフルハイビジョン放送程度の画質の差がある。

西脇 コンタクトレンズひとつだけでも、こんなに技術革新が起きているのだなと、肌身を持って実感しました。

サイボーグ的観点では「削る」より「付け足す」

千葉 僕はレーシック(※)をしたことを凄く後悔しているのですよ。

▶編集注:角膜にレーザーを当てて削り、角膜の屈折異常を矯正する視力回復手術の方法。

西脇 そうなんですか。それは爆弾発言ですね。

千葉 手術をした6年前は、丁度レーシックの終焉の時期で、まさにICL(※)の元年だったのです。

▶編集注:ICL(Implantable Collamer Lens)は、眼球内の虹彩と水晶体の間にレンズを入れて、近視や乱視を修正する方法。従来のレーシックのように角膜を削らず装着でき、視力矯正の質が高いとされている。

僕が病院に行った時、被験者になっていただければ半額ですと言われたのです(笑)。でも、そんなことで簡単に乗り換えたりしないじゃないですか。

西脇 千葉さんはそんな半額トークなんかに惹かれるお人ではないでしょう(笑)。

千葉 それで、僕は普通にレーシックをやった最終世代なのですよね。

今現在、サイボーグ的観点から言えば、眼球の中にコンタクトレンズを入れてしまうICLの方が断然優れています。ICLだと、その遠近両用のレンズも使えるというメリットもあります。

そして、それがさらに進化していくと、5年毎とかに最新型のレンズを手術して入れ替えるというバージョンアップも可能になります。

粕谷 そうなのですか。驚きました。

僕自身ICLをやっていない理由として、スマホのように、次のいいやつが出てから買おうといった気持ちで、さらにいいのが出るのを待っているということがあるのですよね。

千葉 ICL自体でアップデートができるのですよ。でも、レーシックは物理的に角膜を削ってしまいますので、僕はあともう1回やったら終わりなのです。

西脇 レーシックをやった人はもうICLはできないのでしょうか。

千葉 ちょっと危険だと言われました。角膜が薄くなってしまっているので、そこにさらに何か入れようとするとリスクが出てしまいますと。

粕谷 設計の自由度は下がりますよね。

西脇 そういうものなのですか(笑)。

千葉 これからサイボーグ化していく時代になると思いますが、やはり我々人間は、身体を「削る」よりも「付け足した」方が安全ですよね。

西脇 正にそうなんですよ。機能というものは、付け足した方が良く、削って機能を取り戻したりすることは出来ない、と私は思っています。

千葉 削ってしまうと一方通行ですからね。

土佐 もうそこになくなってしまうのですからね。

「僕は結構ゲーマーなのです」(メルティンMMI粕谷さん)

西脇 そのサイボーグですが、研究なさって大変お詳しい粕谷さん、最近驚かれたことは何でしょう。

粕谷 僕はいつもサイボーグのことばかりを話しているのですが、今日は雑談セッションですので、敢えてそれ以外のことについてお話したいと思っています。

僕が最近驚いたことは「MMOゲームに見る人間性」です。最近はあまり時間がとれないものの、僕は結構ゲーマーなのです。

MMO(※)ゲームはかなりの大人数でプレイするオンラインゲームです。

▶編集注:MMOはMassively Multiplayer Onlineの略で、大規模で多人数、オンライン型という形容詞。

西脇 ちなみにそのゲームの名前は何でしょうか。

粕谷 今やっているのは「STAR CITIZEN」と「ESCAPE FROM TARKOV」というゲームです。

西脇 「STAR CITIZEN」ですか。土佐さんはされたことがありますか。

土佐 いえ、ないです。

千葉 ずっとゲーム会社を経営していたものの、僕もないですね。(笑)。

西脇 やったことのないお二人に対して、MMOゲームというのはどういったものなのか、粕谷さん、ご説明頂けますか。

粕谷 ゲームの中でバーチャルの世界が再現されており、超大人数でプレイしますので、そこにある種の一つの世界が出来上がるのですね。

土佐 そこにコミュニティができ、都市が出来上がるといった感じでしょうか。昔、そういうゲームがありましたよね。

西脇 土佐先生の言われたように「セカンドライフ」とはどこが違うのでしょうか。

粕谷 要は「セカンドライフ」と同じです(笑)。「STAR CITIZEN」はその中で、宇宙をテーマにしたものですね。

土佐 納得、それで分かりました。

(続)

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続きは 2. バーチャルと現実、どっちの世界が楽しい? をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/蒲生 喜子

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