「メディアの編集権をどのくらいユーザーに渡すか」が世界観を規定する【F17-8B #3】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

「メディアの編集権をどのくらいユーザーに渡すか」が世界観を規定する【F17-8B #3】

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「コミュニティの「世界観」をどう作り上げるのか?」【F17-8B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その3)は、メディアやサービスの性質からどういったコミュニティ形成のカタチがあり得るのか等を議論しました。示唆深い内容です。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 8B
ネットメディア&コミュニティの「世界観」をどう作り上げるのか?

(スピーカー)

青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役

堀江 裕介
dely株式会社
代表取締役

松本 龍祐
株式会社ソウゾウ
代表取締役社長

(モデレーター)

小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

「コミュニティの”世界観”をどう作り上げるのか」の配信済み記事一覧

【前の記事】

【本編】

小林 次に堀江さんにお伺いします。

そもそもコミュニティ感を作ろうとしているのか?という問いもあるかと思いますが、ご自身のサービスにコミュニティ感があるのか、ある場合は何故そうしているのかについて伺わせてください。

堀江 僕たちのサイトの特徴で言うと、「運営対ユーザー」になっています。全部オリジナルでコンテンツを作っています。

既存のレシピサイトは全部CGM(Consumer Generated Media)タイプで、ユーザーとユーザーが接点を持って、コンテンツを産む側も見る側もユーザーでした。

一方、僕たちの場合はコンテンツを作るのは運営側だというのが既存のメディアと違うところです。ただ、今後僕らもCGMを導入する予定はあり、コミュニティをやろうとしているところです。

その準備として今何をしようとしているかというと、カスタマーサポートの運営方法についてユーザーに知ってもらおうと思っています。

ユーザー同士でどうコミュニケーションをとって欲しいのかというところを、今の段階からユーザーに覚えてもらいたいです。

例えば、色々な質問を受けます。お菓子のレシピに対して「このベーキングパウダーはどこで買えますか?」や「砂糖はどこで買えますか?」等です。

そこに対しても全部丁寧に答えるように指導していて、カスタマーサポートはコンテンツを創るために料理をしに来ているアルバイトや社員の方に回答を書いてもらうことにしています。

つまり、カスタマーサポートとコンテンツメーカーを同じ人がやっているのです。

自分の作ったコンテンツに対して返信をすることになるので、人によって対応の仕方に差が出てきます。

それはそれで良いと思っているのですが、きちんと返事している人が人気になるというような構造を作りたいと思っています。

それを見ているユーザーが、良いコミュニケーションは何かということを覚えて貰えると良いなと思っていて、CGM導入前からコミュニケーションの事例を事前に設計しています。

例えば、2ちゃんねるとYahoo!知恵袋では掲示板としての機能は同じですが、コミュニティを初期にどう設計したかによって、ユーザーの文化が異なります。2ちゃんねるだと悪口が多いとか、Yahoo!知恵袋であれば人を助ける人が偉いという文化があります。

それは、運営側の初期設定によって変えられるところだと思っています。あえてCGMを入れずに開始したのは、そういうコミュニティを作りたいという思いからです。

小林 青木さんのところ(「北欧、暮らしの道具店」)は、コメントが投稿されても回答しないというポリシーだったと思うのですが、今のお話を聞いてどう思われましたか。

メディアの編集権をどのくらいユーザーに渡すか

青木 これは編集権の問題だと思っています。

メディアを作るときに、メディアの編集権をどのくらい編集側が握るのか、どこまでユーザーに渡すのかは、それぞれメディアの作りたい世界観によって違うと思います。

例えば、ディズニーランドにハリーポッターの格好をして行くと入場を許可されないという話があります。

それはユーザーに一切の編集権を許していないという事例です。だからこそある没頭できる矛盾の無い世界観を作れます。

どこまで非日常的な没頭できる世界観を作れるのかというのが、そのメディアにとって重要です。どこまで編集権をユーザーに与えるのか判断することかと思います。

我々の場合は、自分たちが作った世界観に没頭して欲しいというのがあり、サイトに寄せられる感想の中で多いものの一つが、「夜寝る前にサイトを見るのが癒しの時間です」というというコメントを頂きます。

そういうメディアを作りたいとすると、編集側がしっかりと編集権を握り、一切の編集権限をユーザーに与えない方が良いのではと思っています。

そのためECサイトには珍しく、レビューサイトもコメント欄も一切つけていませんし、SNSで頂いたコメントに対して積極的にコメントして、そこで顧客とダイレクトな交流をすることにリソースを割いていません。

基本的には完全に運営側がコントロールした世界観の中で楽しんで頂くという発想です。

松本 面白いですね。

弊社の場合はコミュニティがコンテンツなのでユーザーが全部編集しているわけですが、逆にその中でもこういう使い方をして欲しいという好ましい事例もたくさんあり、その点について現在インタビューをしています。

そしてそれをコンテンツにして増やすという取り組みをしています。

ブランド or プラットフォームで性質が異なる

堀江 今の青木さんの話については、自分のメディアでなければ自分もそのように運営すると思います。

何故かというと、これはメディアの性質の違いだと思っていて、ブランドを作るのか、プラットフォームを作るのか、これが大きな違いです。

ブランドを作る場合は、どちらかというと一方通行のコミュニケーションでも良く、「僕らの作りたい世界観はこれだから、これに共感する人は集まって」というものです。

一方で僕たちのサイトは、料理の辞書のようなプラットフォーム的なので、これに関してはユーザー同士で作り上げていくもので、ユーザー同士の双方向のコミュニケーションが必要になります。

これはカスタマーサービスをどう使うか、という話も同様です。

ビジネスモデルでいうと、自分たちのブランドを伝えていって、将来的にはEコマースで生計を立てていく属性のビジネスなのか、僕たちはプラットフォームとしてユーザーを集めて広告で生きて行くビジネスです。

そこが大きく違うと思います。

松本 弊社の場合もプラットフォームであり、その中でどうブランドを作っていくかという挑戦は、メルカリ アッテだけでなく、メルカリにも共通するところです。

例えば、先ほど申し上げましたが、「安心で安全な場所」を目指すために、カスタマーサポートに非常に力を入れていることが挙げられます。

メルカリは社員の半分以上がカスタマーサポートで、トラブルに対するサポートに非常に時間をかけて対応しています。

補償したり、ユーザー同士のトラブルに対してサポートメンバーがとことん付き合い、最終的な解決に導くお手伝いをしています。

プラットフォームであるので、ダイレクトに「この世界観」というぶつけ方はしづらいのですが、ノンロジカルなリソースのかけ方を会社全体として示すことで、メルカリはそのような形で世界観が出ていると思います。

会社の世界観もそうですし、その会社から現れた世界観や雰囲気が出てきていると思います。

(続)

続きは 合理性からかけ離れた”狂気”が企業の個性的なブランドをつくる をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸

【編集部コメント】

ブランドを創るか、プラットフォームを創るか、というのは二項対立になっていないようで、なっているようで、非常に考えさせる対比だと思います(榎戸)

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