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「愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る」8回シリーズ(その3)では、どのように愛されるコンテンツ/サービスへと育ててきたのかを、ONE MEDIAの明石ガクトさんとクラシコムの青木耕平さんが語ります。ぜひご覧ください。
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ICCサミット FUKUOKA 2018のプラチナム・スポンサーとして、株式会社リクルートマネジメントソリューションズに本セッションをサポート頂きました。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018 は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。
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【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 2F
愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る
Supported by 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
(スピーカー)
青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役
青木 優
株式会社MATCHA
代表取締役
明石 ガクト
ワンメディア株式会社
代表取締役
(モデレーター)
浜田 敬子
BUSINESS INSIDER JAPAN
統括編集長
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▶「愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る」の配信済み記事一覧
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最初の記事
1.愛されるコンテンツ/サービスの創り方を徹底議論!
1つ前の記事
2.「愛されたい」より、「喜ばせたい」がコンテンツ/サービス創りで先に来る
本編
浜田 ONE MEDIAの動画コンテンツを見た時に、すごくかっこいいと思いました。
私たちがこれから動画を作りたいと思ったときに、「目指す世界観はここかも」と思ったのですが、一方でコンテンツ製作のアプローチが従来のメディアとは違うなとも感じました。
たとえば同じインタビューをやったときに、情報のそぎ落とし方とかテロップの入れ方が全然違っていて。
その感覚はどこからきているのでしょうか。ガクトさんは30代後半ですよね?
明石 今年36歳です。
浜田 誰が作っているのですか?テレビ番組を作っていたプロですか?
1万時間の紆余曲折で、急に「True North」が見えた
明石 僕らが今のONE MEDIAの動画コンテンツのスタイルになるまでに、よくTEDとかで言われている「1万時間の法則」のように、実際1万時間かかっています。
スタートアップが“創業して健康を害さないレベルで寝て食べて、がむしゃらに働いて3年”が1万時間なんです。
3年ぐらいするまで正直よくわからなかったです。
「俺たちは雰囲気で動画をやっている」みたいな感じでした(笑)
優さんがいたaugment5 Inc.にすごく影響を受けた時もありました。
しかし紆余曲折を経て1万時間経つと、急にベイン・アンド・カンパニーの言うTrue North(※)、北極星が見えたんです。
▶︎編集注:True Northとは、ハーバード・ビジネススクールのシニアフェローであるビル・ジョージ著『True North リーダーたちの羅針盤』で紹介された概念。自分の「人生の基軸」で、キャリアを突き詰める時の指針となるものという意味で使われている。
これだ!みたいな声をあげてしまいそうなやつです。
これを見つけるプロセスがとても重要だと思っていて、何かの道、たとえば新聞記者だったら新聞記者道とか、ECならEC道があるとして、既存の業界である程度10年選手で活躍されていると、その業界のTrue Northがその人の中にできてしまっている。
これが新しい分野にチャレンジするときの障壁になると思っています。
僕らの動画コンテンツは基本的に全てONE MEDIA社内でつくられています。
それは内製でないとTrue Northに到達しないと考えているからです。
外注だけしていても絶対だめです。
もっと言うと内製だからと言って、例えばテレビ局のすごい人を連れてくるというのを創業1年目でやってしまうと、もうその会社のTrue Northはその人のTrue Northになってしまうので、それは失敗のタネになると思っています。
浜田 そうなるとBusiness Insider Japanは大変です。
私に引っ張られてしまうので。
明石 なのでそこで(浜田)敬子さんがどれだけチャレンジャーになれるかが大事です。
青木耕 プロの素人になれるかですよね。
浜田 ミレニアル・フィルターを通せるかですよね。
明石 僕のケースで言えば、僕は会社を作る時に大学時代同じ映像サークルに所属していた後輩に声をかけたんですよ。
僕は新卒ですぐIT業界に入ったのですが、他の後輩は皆CMやテレビ業界に行きました。
でも、後輩だから先輩、つまり僕の言うことを聞かなければいけません。
後輩を引っ張って来て、「映像業界はこうですよ!ガクトさん」と言われますが、「それはそうかもしれないけど、インターネット業界だったらこうするんだよ!」みたいなやりとりを日々繰り返していました。
浜田 技術はもらいたいけど、世界観は自分の世界観にしたかったということですか?
明石 世界観以前に目的、つまり目指すべき場所は今までの映像業界とは違うんだ、ということです。
彼らの中にあった既存のCMやテレビ業界におけるTrue Northが、1万時間経つとなくなり、皆ONE MEDIAとしてのTrue Northが見えてきます。
明石ガクトの言っていることではなくて、ONE MEDIAとしてのTrue Northが見えてくると、例えばテレビでゴリゴリやっていた人や僕より年上の人が入ってきても、ONE MEDIAの世界観が完成されていて説得力を持っているので、最初から受け入れやすいんです。
だからスタートアップとして新しいブランドを作っていく時に、誰かのこれまでの経験やブランドを極力借りないことが大事だと思っています。
自分たちでゼロから、いびつでも良いから手を動かして作っていくのがすごく重要で、耕平さんもまさにそういうやり方をしていて良いなと思いました。
学んでいく過程で新たな種が見つかったりする
浜田 そもそも「北欧、暮らしの道具店」はサイト全体の世界観がすごくあって、それが支持されていますよね。
特に妹さんというキーパーソンがいたのは大きいと思いますが、とは言え1万時間ぐらいかけて試行錯誤しながら作っていかれたんですか?
青木耕 今、話を聞きながら創業当初の1万時間は何をやってたかと思い出していたら、ほぼ倉庫にいました。
浜田 在庫整理などでしょうか?
青木耕 出荷と入庫をしてるうちに3年経ってしまった感じなので、正しい1万時間の使い方ができていたかはわからないですが、今の話を受けてお話をすると、僕らの会社は基本的にどんなコンテンツ、仕事であっても経験者をほとんど採用していません。
たとえばバイヤーも未経験、編集担当も未経験ですし、動画も経験のない人がやっていますし、SNSもどこかで運用していましたという人は1人もいなくて、全員素人でやっています。
それはまさに(明石)ガクトが言っていた通りの理由で、どこかでやっていたものをうちでやられても、結局うちでやる意味のあるTrue Northは見つかりません。
素人が大きな勘違いや妄想をしながら試行錯誤しているうちに偶然生まれた何かというのが、まだ世の中にない素敵なものだったり壊れやすいものだったりします。
僕らも最初は何をやるにしても、「とりあえずこれで1年ぐらい遊んで」みたいなテーマ感で、たとえば動画だったらそんなに大した機材も与えずにiPad Proをあげます。
それで月3本ぐらい、兼務で遊んでおこうかと言っているうちに色々作れるようになります。
浜田 「編集部から」というコンテンツを読んでると、皆自分で撮っていて、手作りっぽいなと感じました。
青木耕 かなり手作りで、iPadで撮ってiPadで編集するみたいなレベルです。
でも、その中に技術的には高度ではないけど本質的に僕らがやるべきテーマだと思えるものが予期せず出てきます。
ドラッカーが言うところの予期せぬ成功、イノベーションの種だと思うんですよね。
全然期待していないのに、なるほどとなるものが出てきます。
「こういう捉え方があるんだ」ってなったら、「はい、全員集合!」みたいな感じになって、「今日からこれだ、これが僕らが当面掘るやつだからこれをやっていこう」という感じでやっていきます。
おそらくほぼ全部の取り組みがそういうふうにしてできて今があります。
(続)
次の記事を読みたい方はこちら
続きは 4.「お客様との約束」を守り続けることが、愛される続けることの秘訣 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/本田 隼輝/尾形 佳靖
【編集部コメント】
クラシコムさんがバイヤー、編集、動画もすべて未経験者から始めてここまで辿り着いたというのは驚きでした!次回は、クラシコム、ONE MEDIA、MATCHAが守り続けている「お客様との約束」がテーマです。ぜひ続きもご覧ください。(尾形)
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