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4.「○○したいと“思います”」はNG!軟弱なリーダーは語尾でバレる

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「組織のWell-beingとは何か?(シーズン3)」全9回シリーズの(その4)は、石川善樹さんが極寒のモンゴル研修で得た学びの続きです。“何を言うか”よりも“どのように言うか”が重要なのだと、石川さんは語ります。決意を表明する際に「○○したいと思います」と言いがちなそこのあなた! ぜひご覧ください。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2020 プラチナ・スポンサーのリブ・コンサルティング様にサポートいただきました。


【登壇者情報】
2020年2月18〜20日
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 5F
組織のWell-beingとは何か?(シーズン3/90分拡大版)
Supported by リブ・コンサルティング

(スピーカー)

石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

梅原 一嘉
佐竹食品株式会社/株式会社U&S
代表取締役社長

福田 真嗣
株式会社メタジェン
代表取締役社長CEO

松井 しのぶ
株式会社ユーザベース
執行役員 Chief People & Administrative Officer

山崎 大祐
株式会社マザーハウス
代表取締役副社長

(モデレーター)

小林 正忠
楽天株式会社
Co-Founder and Chief Well-being Officer

「組織のWell-beingとは何か?(シーズン3)」の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. 人気シリーズ第3弾!開始早々「Well-being自己分析」が止まらない!

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3. 組織のリーダーは、“自分”を主語に未来を語れ

本編

山崎 ちなみに石川さんは、マイナス40℃のモンゴル研修で、普段と全く違う状態に入ることができましたか?

石川 入れました。最初はさすがに半信半疑というか、全く信用していませんでした。

「過酷な環境に行ったくらいで、何かがつかめるわけがない」とさえ思っていたくらいです。

正忠 40年近く生きてきて、今更変わらないだろうと思ったのですね。

「自分が何をしたいのか」を20文字以内で語る

株式会社Campus for H 共同創業者 石川 善樹さん

石川 でも「会社の話を一切せずに、自分が何がしたいのかを語りなさい」という問いと、「言語化」「主語は自分」というガイドラインを出されて思考すると、確かになと思うことがたくさんありました。

先ほども話したとおり、最後に「私は◯◯して、◯◯を実現する」を20文字以内で表現しなければなりません。

福田 僕は、問いが出たときに、3秒で答えを思いついたんですよ。

正忠 えっ!「私は◯◯する」の答えですか?

福田 はい。多分会場にも、すぐに思いついた方がいらっしゃるのではないかと思います。

正忠 (会場に向かって)「私は◯◯する」の答えが、すぐに出た方はいらっしゃいますか?

おっ!お一人いらっしゃいますね。

石川 意外といないですね。

正忠 あっ!松井さんも、出ましたね。

福田 ただ、マイナス40℃のモンゴルに行かないと、それが正しいかどうかは分からないのかもしれません(笑)。

松井 しのぶさん(以下、松井) そこまでは考えていないかもしれません(笑)。


松井 しのぶ
株式会社ユーザベース
執行役員 Chief People & Administrative Officer

公認会計士。国内大手監査法人で会計監査業務に従事後、PwC税理士法人で8年間国際税務のコンサルティングマネージャーに従事。2014年ユーザベースに入社し、コーポレート部門のリーダーとして、ユーザベースのIPO、M&Aなどのコーポレートプロジェクトを牽引。2018年に執行役員に就任し、グループ全体の人事、組織設計、法務、コーポレート・ガバナンス、総務、情報セキュリティ、海外管理、広報ブランディングなどを所管。現在、家族の都合でタイのバンコクからリモートマネジメントに挑戦中。ミッションは、ユーザベースグループのメンバーが、モチベーション高く効率的・効果的に能力を発揮できる環境をつくること。

正忠 極限の状態で、答えが同じかどうかは気になるところですね。

福田 そうですね。それは検証しなければなりません(笑)。

「◯◯したいと思います」にリーダーシップは宿らない

石川 もう一つ大事なことがあります。

研修の最後に各々が発表するのですが、実は「何を言うか」よりも「どう言うか」が大事です。

なぜなら、発言する姿勢で、その人がどれだけ確信を持っているのかが分かるからです。

理屈で考えて出た答えと、腹の底から出た答えの違いは、「私は◯◯する!」の言い方で分かると八木洋介さんがおっしゃっていました。

正忠 ちなみに善樹さんも、他の方の発表を見て分かりましたか?

石川 明らかです。「この人は本当に腹を据えて取り組むのだな」ということが分かりました。

正忠 それはすごいですね。

石川 八木さんは、さすがレジェンドだと思いました。

心がこもっていない感じで「私は◯◯したいと思います」と言う軟弱な人は、「“思います”ってどういうことだ!」「“私は◯◯する”でいいだろう!」と、八木さんから怒られます。

正忠 断言しなければいけないと。

石川 ここまで言語化されてシャープになると、リーダーシップに迫力が出てくると思います。

正忠 Well-beingをつかむには、それくらい真剣に自分と向き合わなければならないということですね。

松井 今のお話は、まさに組織の話にも通じると思いました。

私はコーポレート部門全体を見ていますが、コーポレート部門はどうしても人を間接的にヘルプして、会社のミッションを達成する面が強い部門です。

過去、コーポレート部門で組織のミッションを決めるとき、どうしても主語が「自分」にならなかったことがあります。

言語化しても長くなってしまい、「端的に言語化して、主語は自分たちにして考えよう」ということで、2カ月ぐらいかけて考えました。

今のお話にすごくつながるなと思いながら聞いていました。

山崎 弊社では、コーポレート部門も「人に向かうな。コトに向かえ」と言われます。

コーポレート部門も、人ではなくコトに向かうことができる気がします。

松井 はい。最終的には、「今と明日の経営を変える」と主体性を持って自分たちが変えるという形にしました。

マザーハウス山崎さん、ユーザベース松井さんの「Well-being」

株式会社マザーハウス 代表取締役副社長 山崎 大祐さん

山崎 僕が思った問いの答えは、「居場所をつくる」でした。

僕は母子家庭に育ち、家に居場所がなかったので、学校に救われたという経験をしました。

その後は本気で会社づくりをし、会社の外でも居場所づくりをしているので、ミッション・オリエンテッドなトップリーダーと組むととても相性がいいです。

「組織づくり」と言ってしまうと組織が主語になってしまいますが、自分を主語にすると「居場所づくり」になります。

石川 なるほど。面白いですね。

松井 私の場合は、普通に家族と愛があればよくて、「家族と幸せになりたい」それだけです。

自分がしたいことはそれしかないので、家族と幸せに暮らすために、自分が選べる中から選んで今の会社にいるし、夫が転勤になった時にはタイについて行きました。

そこは譲れないところで、迷わず家族をとります。それに比べると、会社の優先度は下がります。

山崎 それはよく分かります。

僕はこれまで「人の居場所をつくりたい」と言ってきましたが、タマネギの皮を外から順番に剥いていくと、結局コアにある「自分の居場所がほしかったんだ」という思いに気づきます。

「自分の居場所をつくる」ことが自分のやりたいことだったと気づいたときに、全てが腑に落ちました。

石川 そのような時に、八木さんなら「社員の人の居場所をつくって、本当に一生面倒をみるのか」とおっしゃるでしょう。

山崎 面倒みます。僕は本気でやっています。

石川 覚悟が決まっていますね。即答されたので、覚悟が伝わってきます。

退職時は「卒業イベント」開催が義務のマザーハウス

山崎 弊社には、今日の話に通じるところが本当にたくさんあります。

例えば、チーフ以上の人が退職するときに、卒業イベントをしなければなりません。

卒業イベントにはお客さんも呼んで、退職理由を語ってもらいます。

石川 先ほどの問いへの答えを語ってもらうのですか?

山崎 そうです。まさに先ほどの退社試験の話に近いのですが(本セッションPart3参照)、そこで宣言することは、その人の人生にとって絶対にプラスになるはずです。

石川 それは間違いないです。

山崎 しかも100人ぐらいの人が、約3,000円を払って参加するのです。

(会場驚きの声)

弊社のイベントには、年間約1万人の参加者があります。

卒業イベントで語ることは、その人にとって必ずプラスになります。

会社どうこうではなく、僕はその人の人生にコミットしているつもりでいます。

松井 一方で、ネガティブな理由で辞めたい人もいますよね?

山崎 そもそも、ネガティブって何でしょうか?

その会社を辞めるということは、自分の中に何かを見つけたからですよね?

それを見つけてあげるのが、マネジメントの仕事ですよね。

正忠 カッコいい。

石川 さすがですね。山崎さんは見てのとおり、覚悟があるのかはすぐ分かります。

本当にやるんだなと感じます。

梅原 でも、「卒業イベントを絶対にやりたくない!」という人はいないのですか?

松井 ですよね。やらないと辞められないのですか?

山崎 やらないと辞められません。ポジションが一定以上になると“マスト”です。

正忠 チーフ以上は、覚悟が必要ということですね。

山崎 そうなんです。ですからそれは絶対にやります。

「この人はやる、この人はやらない」というバイアスがかかるのはおかしいので、弊社ではお客様の力を借りています。

▶編集注:本セッションのPart8で、マザーハウスの卒業イベントについて山崎さんの詳しい解説があります。

正忠 深いなあ、すごいなあ。

石川 組織のWell-beingというのは、深いですね。

(続)

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続きは 5.「極寒のモンゴルで覚悟を決めた」予防医学研究者・石川善樹さんのWell-beingへの強い想い をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/フローゼ 祥子/小林 弘美/戸田 秀成

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