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教育を変革するリーダーたちが考える「理想の教育」とは?【A16-5 #6】

ICCx AIESEC 2016 Session5 「教育を変え、社会を変える」

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「教育を変え、社会を変える」【A17-S5】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!12回シリーズ(その6)は、登壇者が考える理想の教育などについて議論しました。どういった教育を目指すべきなのか、質問者の熱い思いに答えました。ぜひ御覧ください。

「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。

本年も、2017年9月15日(金)に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。

Aiesec Logo


登壇者情報
2016年9月13日開催
ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス2016
Session 5
「教育を変え、社会を変える」

(スピーカー)
長谷川 敦弥
株式会社LITALICO 代表取締役

松田 悠介
認定NPO法人 Teach For Japan 創業者 兼 代表理事

水野 雄介
ライフイズテック株式会社 代表取締役CEO

(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社 代表取締役

「教育を変え、社会を変える」の配信済みの記事一覧

小林 三名とも熱いお話しでした。輪を掛けて熱い話しになっていったと思うのですが。

水野さんご感想はありますか?

水野 教育の話しは基本熱くなりますよね。

教育には競合がないので、例えば会場にいる皆さん全員が、3人1組でチームを組み会社を作ったとして、きっと3社位は成功すると思いますよ。

それ位の方が良いですよね。教育は皆で良くしていくものですし、皆 課題感を持っているので変えられると思います。

その雰囲気を、登壇者から感じてもらえれば、今後面白くなると思います。

小林 すごい人数が並んでいますよ。

水野 そうですね。

小林 すごい!では一人目の方から質問をお願いします。

質問者1 お話しありがとうございました。

東京大学一年生の◯◯と申します。

私は一昨日まで教育系インターンでマレーシアへ行っており、帰ってきたばかりの状況でした。

個々に合わせた個別教育がとても重要だとのお話でしたが、私は逆に基本的、基礎的な教育が必要だと思っています。

私もインターンに参加するまでは、ユニークさや個性を目指すことが重要だと思っていたのですが、実際に現地へ行ってみると、基本的な学習の基礎力といったものが重要だと感じました。

重い質問になるのですが、皆さんは理想の教育をどの様に考えていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。

登壇者が考える理想的な教育とは?

小林 では、松田さんからお願いします。

松田 理想の教育以前に、とても良いポイントを提示いただいたので、皆さんにシェアしたいのですが。

ICCx AIESEC 2016 Session5 「教育を変え、社会を変える」

トピックが「教育」となると、「日本の教育終わってる」といった、何かが問題だという話になりがちです。

でも、断言します。

私達の団体は、世界44カ国にネットワークがあり、色々な国の教育システムを見てきていますし、実際教室に足を運びどのような授業がなされているのか体験しています。

日本の教育は世界最高のクオリティーを未だに保っているということをきちんと皆さんに共有したいと思います。

世界のどこへ行っても、交流し意見交換したとしても、皆日本の教育を目指しています。

1億2,000万人もの人口がいるにもかかわらず、国民の皆が字が読めて、計算もできる。

OECDのPISAといった世界の学力テスト、課題解決能力も測ることができるテストですが、このテストにおいても日本は1位です。

もちろん日本の上には、上海やシンガポールといった国もありますが、そもそも国ではありませんし、人口規模も全く違います。

これだけの人口規模で、クオリティーの高い教育を持続させることができている。

このことはまず認めるべきだと思います。

それを認めたうえで、変わらなければならないことがある。

この話の進め方だけで教育の意味が全く変わってきます。

日本人の一番の弱みを挙げるとすれば、自己肯定感の低さ、自信のなさです。

「自分でも、やればできるかもしれない」と肯定的に捉える機会の少なさ。

これは、統計的に見ても圧倒的に低い数字が出ています。

なぜかというと、自分がどのような個性を持っていて、自分の強みが何なのかということを、きちんと認めたり、承認したり、それを褒め合ったりという経験を皆さんがしてきていないからです。

これは成果主義教育の弊害です。

マレーシアの教育を現地で体感し、劣悪な環境で、日本が一つのモデルになるのではないかという背景からお話しいただいていると思うのですが、このような話しから、まず自分達の強みを認識していくということを理想として掲げたいと思います。

小林 日本とマレーシアを比較すると、(日本には)教育以外にも例えば交通インフラ等、様々な点で優れている分野がありますよね。

学力においても、基本的な能力は高いですし、「個性を伸ばす」ということは、ある意味幸せな悩みですね。

長谷川さんはどうお考えですか?

重要な基礎力の身につけ方をもっと柔軟にしたい

長谷川 今の質問に関しては、もちろん基礎力を身につけるということは大事だと思います。

ただ、基礎力を身につけるにも、個別的なやり方があるとは思います。

例えば文章を書く力についても、文字を書くことが得意な子もいれば、完全にパソコンで打つ方が得意だという子もいます。

ICCx AIESEC 2016 Session5 「教育を変え、社会を変える」

ADHDといって注意散漫な症状の子がいます。

そのような子ども達は、一度に入ってくる文字数が多いと、混乱して何も読めないのですが、もう少し限定した文章にすれば読むことができます。

「読み書き算盤」のようなものはとても大事だと思うので、個性に合った形、個別の発達に応じて提供するということが大事だと思います。

短所と長所であれば、教育の中でも両方のバランスを保つことが大事なのですが、今の日本の教育には長所を伸ばすという視点が欠けていると思います。

短所を徹底的に潰し、標準化するということには強いですが、一方で人間には長所も色々とあります。

皆さんもそうだと思いますが、人間にはバランスが必要で、得意なことに打ち込む時間、これだけは大好きだ、これだけは得意だという楽しい時間があるから、苦手なことも頑張ろうという意欲に繋がると思います。

苦手なことに対して、ひたすら皆と同じように頑張れと言われても、心が折れてしまいますよね。

長所を伸ばすことと、短所を補うこと両方大事だと思いますし、個別的に其々のアプローチをすることが理想だと思います。

小林 水野さんはどうですか?

国のフェーズに合わせて教育は進化すべき

水野 お二人と大体同じなのですが。

国によってフェーズが違うということです。

マレーシアは1970年代~80年代の日本にとても似ているので、まず基礎を身につける教育というものが必要です。

マレーシアで公文式教育が流行していることも、そういった理由からです。

大きくいうと、基礎能力と自我、この二つに分けて考えると理解できます。

僕達はもっと教育を良くしたいと考えていますが、これは進化のポイントで、松田さんの話しの通り、「世界の高いレベルの教育」をしている上で必要な教育となります。

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これらは、他の国でも今後確実に起きうる問題です。

マレーシアにおいても、基礎能力が育てば確実に起こる問題ということです。

だからこそ、今チャレンジすべきだと思っています。

自我が芽生え始める時と、そうではない時はしっかり分けるべきです。

良い所を伸ばすということも、自我が芽生え始めた時、つまり自分が何かに取り組みたいと思った時、どのように長所を伸ばす環境を作るかです。

その点日本人は自己肯定感が低いので、クリエイティビティが育まれません。

その部分は国によっても、フェーズによっても違うので、今、国としては基礎能力に力をかけ取り組む時期ということもあります。

日本であれば今の課題についてしっかり解決していきたいですし、海外であればその国に合わせた教育を提供すべきだと思います。

小林 ありがとうございます。

(会場 拍手)

次の質問をお願いします。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鎌田 さくら

続きは 最高の授業を創るには、先生が心から楽しんでいる事が重要(Teach For Japan松田 をご覧ください。

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【編集部コメント】

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