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超小型人工衛星GRUSで宇宙ビジネスの新プラットフォームを目指す「アクセルスペース」を取材しました

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ICCサミットにも度々ご登壇いただいているアクセルスペースの中村友哉社長のご案内で、超小型人工衛星の開発現場を取材させていただきました。宇宙や人工衛星と聞くと最先端の研究分野のように聞こえますが、「宇宙ビジネス」は大きな可能性を秘めた分野です。50機の超小型人工衛星で実現するプラットフォーム「AxelGlobe」とは? ぜひご覧ください!

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株式会社アクセルスペースは、東京大学で人工衛星開発の研究をしていた中村友哉氏と他2名により2008年に創業された宇宙ベンチャーだ。2015年に総額19億円の大型資金調達を実施し、民間発宇宙ビジネスの旗手として、国内外から大きな注目を集めている。

ICCサミット KYOTO 2018の興奮がさめやらぬ9月下旬、サミットに登壇いただいた中村友哉社長から「ぜひ一度弊社オフィスにも遊びに来てください。人工衛星開発の現場、結構レアだと思います」というメールをいただいた。

好奇心旺盛な私たちは「それではお言葉に甘えて……」と社員総勢5名で取材に赴くことにした。東京メトロ三越前駅から徒歩1分、日本橋は江戸通りのビルの谷間にガレージを思わせるレトロな出で立ちのビルが現れた。このビルに、アクセルスペースは入居している。

アクセルスペースが入居するClipニホンバシビル

1階のエレベーターホールでは早速、超小型人工衛星「WNISAT-1R」の模型が出迎えてくれた。その上に飾られたパネルは、人工衛星から撮影した写真であろう。機械とのコントラストはまるで芸術作品のよう。

「WNISAT-1R」の1/2スケール模型(実物は質量43kg、2017年打ち上げ)

「1/2 Scale」なので実物はこの倍の大きさということだが、それでも両手で抱えられる程度のサイズだ。人工衛星と聞くと気象衛星「ひまわり」のようなサイズを思い浮かべるが、これが超小型衛星のサイズ感らしい。

エレベーターで2階の待合スペースに上がると、展示されていたのは「ほどよし1号機」だ。

「ほどよし1号機」の1/2スケール模型(実物は質量60kg、2014年打ち上げ)

「この金属の棒はアンテナ?」「全面がソーラーパネルになっているんだ」など思い思いの感想を述べる。私たちの乏しい知識ではそれ以上話が広がらないのが残念なところ……。そう思った矢先に、係の方に広々とした会議室へとご案内いただき、ほどなくして代表取締役の中村友哉さんが出迎えてくれた。

「アクセルスペース」中村友哉社長 登場!

中村さん「見学に来ていただく、というぐらいで思っていたのですが……(笑)」


中村 友哉
株式会社アクセルスペース
代表取締役

1979年三重県生まれ。2007年東京大学大学院博士課程修了後、同年より東京大学産学官連携研究員として、超小型衛星の実用化研究に従事。2008年、株式会社アクセルスペースを設立し、超小型衛星の利用普及に向けたビジネスを推進。世界初の民間商用超小型衛星WNISAT-1をはじめ、起業以来合計3機の超小型衛星の軌道上運用実績を持つ。2015年より内閣府宇宙政策委員会宇宙産業・科学技術基盤部会委員。

人工衛星の模型を見てすっかり「取材」モードになったICCパートナーズの社員一同に若干引き気味の様子だが、素人質問を連発する私たちに嫌な顔ひとつせず、約1時間にわたり超小型人工衛星による宇宙ビジネスのイロハを解説してくれた。

「実は今年12月にロシアでの打ち上げを控えているので、その最終調整でドタバタしています」と中村さん。そんな中で対応いただき、感謝しかない。

アクセルスペース社では、そもそもどれくらいの頻度で人工衛星の打ち上げを行っているのだろうか? 早速質問をぶつけてみた。

中村さん「最初の打ち上げが2013年、その後は2014年、2017年にそれぞれ実施して、今年12月の打ち上げで4回目です。さらに今年度中に、JAXAの人工衛星の打ち上げも予定しています。将来的には1年に1回のペースで打ち上げたいですね」

なぜ、頻度高く人工衛星を打ち上げることができないのだろうか? しかもなぜ、日本の人工衛星をロシアから打ち上げるのだろうか? 立て続けに質問してみた。

なぜ、日本の人工衛星をロシアから打ち上げるのか?

中村さん「まず前提として、我々のような超小型衛星を打ち上げる際には、大きな人工衛星を打ち上げるロケットに“相乗り”させてもらいます。我々が載せたい極軌道(地球を南北方向に回る軌道)には年数回は世界のどこかでロケットの打ち上げがあるので、そこを狙ってお願いするという感じです。

なぜ日本のロケットで打ち上げないのか?というと、そもそも、日本から軌道上に打ち上げられるロケットのすべては、現在のところJAXAによるものなのですが、そうなると高度400キロメートルくらいの宇宙ステーションへの補給や、気象衛星や通信放送衛星などの静止軌道衛星の打ち上げがほとんどになります。我々のような地球観測衛星に適した極軌道への打ち上げとなると、打ち上げの機会がなかなかなくて、相乗りの計画を立てるのが難しいんです。

それではビジネスにならないので、毎年のように商業打ち上げが行われているロシア、インド、アメリカなどのロケットを選択することになってしまうわけです。

一方で近年、世界中で小型ロケットの開発競争が繰り広げられています。その打ち上げ実績ができてくれば、自社で小型ロケットをまる一本購入して、好きなときに好きな軌道に上げられるようになります。おそらく2020年台の前半には、そんな時代がくると考えています」

中村友哉社長の“人工衛星講義”を拝聴する一同

世界には“ロケットの相乗り”斡旋ブローカーがいる

車の“相乗り”サービスは昨今話題に上がることが多いが、ロケットにも“相乗り”があるとは驚きだ。いつ・どの国で・どのような軌道の(相乗り可能な)ロケットが飛ぶのかという情報は、一体どこで入手可能なのか?

中村さん「実はそれを斡旋するブローカー企業がいるんです。アメリカのSpaceflight Industriesなどが有名ですが、打ち上げ事業者と交渉してきて、いつ、どこの軌道への打ち上げをいくらで提供できますよ、とネットで公開している企業があります」

出所:Spaceflight Industriesウェブサイトより

中村さん「アクセルスペースは、そうしたブローカー企業が始まる前から事業を行っているため、打ち上げ事業者側から認知されているということもあり、ダイレクトに交渉しています」

実際に“相乗り斡旋ブローカー”を使用しているのはどのような企業なのだろうか?

中村さん「我々が打ち上げ事業者とダイレクトに交渉できるもう1つの理由として、我々の人工衛星が100kg級という、プレイヤーが比較的少ない領域だからというのがあります。

現在、人工衛星の世界的な流行は『キューブサット』という1kgくらいの手頃な衛星です。キューブサットは比較的手軽に開発できることから打ち上げ需要が大きく、1回の打ち上げで100個くらいを一気に打ち上げたりすることがあるくらいです。

ところが、打ち上げ事業者にとって、例えば1回の打ち上げで何十億円の売上になるわけですが、その大半を支払ってくれるのは当然メインの大型衛星です。そうなってくると、打ち上げ費が1,000〜2,000万円のようなキューブサットに対して、大型衛星と同じように一つひとつ契約するのは大変ですよね。だからSpaceflight Industriesなどのブローカーに需要があるわけです。

対して、我々が支払う金額は数億円で、100kg級になるとプレイヤーは多くないので、打ち上げ事業者としてもブローカーを通す必要がありません。最近では、老舗の打ち上げ事業者に加えて新興のロケット開発企業からも『ヒアリングさせて欲しい』『自分たちのロケットで飛ばさないか』という引き合いも増えています」

なるほど。ちなみにアクセルスペースが1回の人工衛星打ち上げで支払う費用は、人工衛星の開発コストに匹敵するらしい。開発費と輸送費が同じオーダーというのは、なんとも宇宙ビジネスらしい規模感だ。

超小型人工衛星による地球観測で何が分かるのか?

次に、アクセルスペースが取り組む超小型人工衛星による地球観測の話を伺った。同社のビジネスの概要はICCサミット FUKUOKA 2018のセッション書き起こし記事「今さら聞けない民間発の宇宙ビジネスの魅力」に詳しく掲載されているので、ぜひご覧いただきたい。

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簡単に解説すると、アクセルスペースでは現在、GRUS (グルース) という100kg級の地球観測衛星を開発し、それを同一軌道上に50機を打ち上げるプロジェクトを計画している。GRUSが撮影する画像の精度は、地上分解度にして約2.5メートル。宇宙から、ちょうど大型車1台を識別可能なくらいの精度だ。

そのGRUSにより達成される地球観測ネットワーク「AxelGlobe」は、地球上のあらゆる経済活動をデータ化し、新たな情報インフラとして様々な産業への活用をめざす。農業や林業のほか、長距離にわたるパイプラインや外洋プラント、メガソーラーなど大規模インフラのモニタリング、さらに都市部の画像データを用いた様々な産業へのビジネスインサイト提供が見込まれている。

▶参照:AxelGlobeの紹介動画(出所:YouTube

ここで、アクセルスペースによる地球観測の応用事例を1つご紹介したい。冒頭で紹介したWNISAT-1R及びその前身となるWNISAT-1は、気象情報会社であるウェザーニューズ社とのプロジェクトで誕生した。その主な目的は「北極海等の海氷観測」というもの。船舶が安全に運航するための航路を、宇宙からの画像で海氷の分布を調べることにより導き出す。さらにウェザーニューズ社では、台風や火山の噴煙観測も予定しているらしい。

今後、こうしたコラボレーション事例はどのように拡大してゆくのだろうか? 中村さんに伺った。

中村さん「広域を高頻度で観測できるのは衛星ならではの特長であり、地上の他のセンサーでは実現が難しいユニークな点です。また、宇宙ビジネスというと『宇宙』という場所にことさら注目し、何か特殊なものとして一般のビジネスと分けて考えちがちですが、我々のビジネスの場合、実際に見ているのは地上なわけですから、得られる衛星データは普段からなじみのあるPOSやスマホの位置情報といったような既存のビッグデータと同じような位置づけだと考えています。

そうすると、衛星から得られる「宇宙ビッグデータ」をそうした既存のビッグデータと組み合わせることにより、新たなビジネスが次々と生まれる可能性があるわけです。

ウェザーニューズさんはそもそも気象分野ということもあり、衛星データの利用はある意味予想できるものだったと思います。AxelGlobeに関しては、『この業界でも使えるのか、それなら自分の業界でも!』とそれ以上に新鮮な驚きをもって受け入れられる横展開を狙いたいですね。

すでに色々な機関とMOU(了解覚書、基本合意書)を締結して議論をしていますが、今年からGRUSの打ち上げが始まるので、そのデータが取れ始めれば、もっと具体的なプランが生まれると考えています」

そうはいっても、現状で「超小型人工衛星を活用したビジネス」という視点をもった企業は多くはない(ほとんどいない)はず。ウェザーニューズ社のようなビジネス・パートナーを発掘するためには、どのような視点が重要なのだろうか?

宇宙ビジネスのパートナーをどう発掘するのか?

中村さん「我々としても、やはり既存ビジネスとうまく組み合わせて新たなビジネスを発掘していきたいわけですが、何も聞かずにただお客さんに提案するだけでは的外れなになりがちです。

『衛星で写真が撮れるんですか、じゃあ何に使おうかな』と、これまで衛星データとの接点のないお客さんだけに考えさせてしまうと、今のビジネスに衛星データをどう絡めていいのかに関して良いアイデアが出ることは稀で、ほとんどの場合先に進みません。

そうではなく、我々自身がお客さんのビジネス・ニーズを深く理解した上で『もしかすると、衛星をこういうふうに使ったら、新しいビジネスになるのではないでしょうか?』とこちらから提案することが大事です。

そうするとお客さん側から面白いアイデアが出てくることもあり、話が盛り上がったりします。もちろん“百発一中”くらいの世界ではありますが、そうしたところから横展開できると考えています。

実際の活用事例の1つとして、大規模災害発生時の迅速な状況把握が挙げられます。先日の北海道胆振東部地震でも多くの地崩れが起こり、しばらく被害状況が全然わからない状況だったと聞いています。広域を一度に見ることができ、かつ高頻度に撮影できるAxelGlobeであれば、被災直前の状態と容易に比較できるため、大いに活用できると考えています。

そうした事例をもとに、地方公共団体のほか、不動産会社、海外のインフラ事業者などからの引き合いを頂いています。国内でももちろん用途はたくさんあるのですが、東南アジア、南米、アフリカなど、まだインフラの整っていない地域での衛星データのニーズはより強いですね。

国が中心となって宇宙開発を行っていたBtoG(government)の時代というのは、その中心はあくまで『ハードウェア』であり、いかに最先端の宇宙技術を他国に先駆けて獲得するか?という時代でした。しかしBtoGからBtoBの時代になると、ハードウェアは極論何でもよくて「ニーズを満たすサービスかどうか」が問われます。

我々は超小型人工衛星を開発していますが、衛星本体が欲しいお客さんは稀です。ウェザーニューズさんも衛星を所有したいわけではなく、北極海の海氷データが欲しかったわけです。ただ、そういうサービスを提供してくれる衛星がなかったから、所有という選択をしたわけです。かといって写真を撮影し、渡すだけでは、それを使いこなせるお客さんは皆無です。

だから一歩踏み込んで、衛星データを解析し、情報を抽出・加工して、お客さんが扱いやすい形で提供するのが我々の強みです」

「AxelGlobe」の競合は? 勝算はどこにあるのか?

同社ウェブサイトには、2022年にGRUS全50機体制の完成が目標と記されている。なぜ50機も必要になるのか? そして、世界的に加熱する宇宙ビジネスにおいて競合企業に対する勝算はどの点にあるのか、続けて伺ってみた。

中村さん「衛星の性能と地球の自転から計算すると、50機を同じ軌道上に分散して乗せれば、1日1回、地球の陸地すべてを、ローカルタイムで同じ時間帯に撮影することができます。

毎日同じ時間帯に撮影するので、建物の影などの撮影条件が同じになり、蓄積したデータを比較する際に有意な変化だけを抽出することが容易になります。データの品質が揃うわけですね。1年間で蓄積するデータ量は実にペタバイトクラスなので、人が解析するというのは現実的ではありません。するとディープラーニングなどのAI技術を応用した画像解析が必要になり、そうしたデータの特徴は有利に働きます」

中村さん「競合は日本国外に数社ありますが、差別化のポイントはずばり、画像データの品質ですね。

すでに打ち上げを進めている事業者もあるのですが、利用普及が進んでいるとは言い難い状態です。やはり、衛星画像を解析し、使える情報として取り出せる人が少ないので、画像をそのまま提供するだけではビジネスの広がりには限界がありますね。

我々のデータは先ほど説明したように自動解析に適していますので、画像データをどんどん解析して、情報をお客さんに対して使いやすい形に加工し、しかも安価に提供していく。ここが、我々のアピールポイントです。多くの人に使ってもらえるプラットフォームをいち早く確立することが大事だと思っています」

ついに超小型人工衛星「GRUS 」を拝見!?

最後に、オフィス見学ということで中村さんに人工衛星の開発現場をご案内いただいた。残念なことに、人工衛星の組み立てを行うクリーン・ルームは撮影不可ということで文字だけのレポートをご容赦いただきたい。

廊下からガラス窓ごしに覗けるクリーン・ルームには、衛星の組み立てのための設備や電気試験を行うための計測機器などが並んでいる。そしてその中央には、12月に打ち上げる予定の「GRUS」が鎮座しているーーはずだったが、残念なことに環境試験中のため不在であった。

これらの衛星が、数ヵ月後には高度数百キロの宇宙から地球を撮影しているのだと思うと、不思議な気持ちだ。

次に、一行はエレベーターで3階の執務スペースにご案内いただいた。

エレベーターは、人工衛星の運搬を考え幅120cmのワイド仕様

「GRUS(グルース)」だ!

広々としたオフィスの入り口中央には、これから50機の打ち上げが予定されている「GRUS (グルース)」の模型が展示されていた。

「GRUS」1/2スケール模型(実物は質量100kg、2022年までに計50機打ち上げ予定)

上記写真の正面にみえる2つの丸い窪みが望遠鏡、四隅に付属した棒のようなものがアンテナだそうだ。左上の四角いラッパのようなものもアンテナで、こちらは画像データを送る高容量用(数十Mbps)のものらしい。

GRUS模型を反対側から

側面にや底面にはソーラーパネルが所狭しと敷き詰められている。電力としては、この他にリチウムイオン電池を搭載しているとのこと。

そして右上に3つみえる黒い“ツノ”のような物体は「スターセンサー」と呼ばれる姿勢検知センサーだ。宇宙からの撮影ではほんの少し姿勢が変わることで撮影範囲が大きくずれてしまうため、このセンサーで姿勢を検知し、自律制御する。その精度はなんと3,600分の数度だとか。

スターセンサーは大型衛星用のものだと数億円するらしく、アクセルスペースではそれを内製することで、コスト削減を達成しているらしい。ちなみに「スター」という名前は、指標となる「星」の位置情報をもとに姿勢を検知することに由来するそうだ。

そしてもう1つ、オフィスを見渡すと多くの外国人スタッフが働いているのに気づく。

中村さん「スタッフの応募は半分以上が外国からで、現在は働いているチームの約3分の1が外国人です。国籍はヨーロッパが多いですね。

人工衛星を開発する人材とはどういう背景の人たちなのだろうか?

中村さん「ハードウェア・エンジニアは30人です。全員が航空宇宙エンジニア出身ではなく、自動車メーカーやエレキのメーカーからきた電気・機械系のエンジニアも多いです」

畳の打ち合わせスペース

壁には宇宙ベンチャーらしい(?)落書きも

打ち上げて初めて、仕事が始まる──

ちなみに12月に打ち上げるロケットは、ロシアのボストーチヌイ宇宙基地から発射予定とのこと。アクセルスペースの皆さんも、打ち上げの瞬間に立ち会うのだろうか?

中村さん「ロケットの打ち上げはですね、行ってもすることがないんですよね(笑)。ボストーチヌイはロシアの極東ながら日本から24時間もかかります。

それに打ち上げて数時間で日本の上空に来るので信号を取らなくてはいけません。打ち上げて初めて、仕事が始まるんです」

そう語る中村さんは、とてもワクワクしているように見えた。

アクセルスペースの超小型人工衛星「GRUS」50機すべてが地球を周回するようになるまであと4年。その頃にはどのような宇宙ビジネスが生まれているのだろうか?

中村さん、貴重なお話をありがとうございました!

中村友哉社長と「GRUS」(2018年9月26日、アクセルスペース社にて)

(終)

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/浅郷 浩子/戸田 秀成

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