変わる日常に、強まるCo-Creationへの想い。フェイスシールド、マスク着用のオープニング・パーティ【ICC KYOTO 2020レポート】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

変わる日常に、強まるCo-Creationへの想い。フェイスシールド、マスク着用のオープニング・パーティ【ICC KYOTO 2020レポート】

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8月31日~9月3日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2020。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は8月31日、京都東山、THE SODOHで行われたオープニング・パーティの模様をお伝えします。まずは来場者を迎える特別なアート作品から、ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


恒例のオープニングパーティも「新方式」で

東山は八坂の塔の近くにある、近代日本画家の竹内栖鳳の旧私邸やアトリエを改装したレストラン、THE SODOHは、ICCサミットのオープニング・パーティの会場。毎年ここに、翌日のカタパルト登壇を控えたチャレンジャーたちが緊張の面持ちで集い、過去にも参加している方々は再会を祝う。

コロナ禍の状況から、結婚式などの予約が皆無となったTHE SODOHを、今回は「密」対策も兼ねて4会場貸し切って行った。

京都を感じられるこの会場で、昨年までは「密」で、熱狂的な空間を生み出すためにジャズバンドの演奏なども入れていたが、今回は食事は着席の弁当、フェイスシールドやマスクを着用しての交流の場となる。鉄板の「盛り上がる法則」があったとしても、すべては変化しなくてはならないのだ。

会場入口には、おなじみとなったLEXUS UXが展示されており、記念撮影が行なわれている。今回は半年前の福岡でのICCサミットからご参加いただいているアーティスト、土佐尚子さんとのコラボレーションで、プロジェクトマッピングが行われており、太陽が沈むと高台寺をバックに、特別な光景が繰り広げられた。

LEXUSとのコラボ作品に込めた想い

落日前の様子は、そんなには変わらないが……

落日が始まると……

スタッフの方々が手に持ったブルーライトをフロントガラスに当てている。そこに浮かび上がったものは……。

フロントガラスには「夢のごとし」と文字が書かれ、人の顔のようである。土佐さんに作品のコンセプトをうかがった。この顔は何を表しているのだろう?

土佐さん「これは桓武天皇(※)を模しています。桓武天皇は、土地の4方向を司る神の四神相応(しじんそうおう)の吉相を選び、平安京遷都の地を選んだとされています。それを模倣しました。

▶編集注:桓武天皇(737年〜806年)は、奈良にあった平城京を京都の長岡京、平安京への遷都を行なった。

京都には南の巨掠池(現存せず)で朱雀、東は鴨川(賀茂川)の青龍、西は山陽道の白虎、北は舟岡山の玄武が四神と考えられていて、このプロジェクションマッピングで、青く見えるのは青龍、漆で白虎、赤で朱雀、黒で玄武を表しています。

平安京は四神相応の都(特集 四神信仰)

”青龍”に包まれるLEXUS

『夢のごとし』ということで、桓武天皇を見立てた人物が出てきて、四神が舞っている。京都の神であり吉祥を呼ぶ四神が、このLEXUSに乗り移ることによって、ICCサミットのオープニングを賛美しているのです」

平家物語の冒頭の、”おごれる人も久しからずただ春の夜の夢のごとし”から一節を引き(平清盛は桓武天皇の子孫にあたる)、八坂の塔を背景に、四神がLEXUSに宿り、オープニングを祝う。そのような背景を知らずとも、鏡面のごとく磨き上げられたボディに写る夢幻の光景は、日没後に多くの来場者の目を奪っていた。

着席のパーティ会場へ

会場に入ってみると、以前はすし詰めだった会場に円卓が用意されているが、どこも賑わっている。以前はウェルカム・ドリンクが並べられていた場所に、4種類の弁当が並んでいる。事前に注文を受け付けた鰻以外では、メインは肉/魚、野菜で選べて、これを1つずつ持って着席して食べながら交流する。食事中以外はフェイスシールドかマスク着用だ。

食事が終わり、立ち歩いている人に声をおかけして、今回の参加についてうかがってみた。

プライムアシスタンス朝倉 完さん「フェイスシールドは正直、違和感がありますが、今日も思ってもみなかった人と会えましたし、やはり来てよかったなと思います。

パーティなのに、乾杯!とできないのは寂しいですが、こんな人がいたんだという出会いがあるところが、オンラインではできないことです。新しい産業を創れるように、今日から3日間、みんなと徹底的に議論したいと思います」

フェイスシールドの違和感を率直に伝えてくださったのはココナラ南 章行さん。

ココナラ南さん「喋りづらい、聞きづらい、顔がわからない! 声が通らない。この会場は天井が高くて、声が響くから喋りづらいんだよね。でも、そもそもこういったイベントがないから、場があるだけで幸せです。

個人的には感染症に対して過度に神経質になっていないけれど、あまりにも無防備に見える場所には行けないから、このくらい対策をしてくれるおかげで参加しやすいです。感謝しています。あまりコロナに気をとられても面白くないので、本気の議論でしっかり学んで、意識を高めていきたいと思います。

今回楽しみにしているのは、前回、前々回がとてもよかったファンドマネジャーのセッション(『教えてほしい! ファンドマネジャーの投資哲学とは?(シーズン3)』)。ファイナンス系のセッションが楽しみです」

これが久しぶりの出張という声も多く聞く。それはモビリティ業界でも変わらないようで、JR九州の小池 洋輝さんもこれがコロナ流行以降、初だという。

JR九州 小池さん「会社として出張することに問題はないのですが、ほとんど機会がなかったので、新型コロナウィルスが流行してからの出張は、これが初めてです。ここまで対策しているのを見ると、安心感をもって参加できます。

今回は、初めて参加できるYahoo!アカデミア 研修体験プログラム『Lead the self』と、最終日の京セラさんの『稲盛ライブラリー見学ツアー』が楽しみです!」

今回、カタパルト・グランプリに登壇いただくほかに、セッションにも登壇いただくアーティストの長坂 真護(MAGO)さん。

新たな資本主義「サステイナブル・キャピタリズム」を追求する異色のアーティスト“長坂 真護”の哲学とは?

MAGOさん「楽しみにしていました。僕もスタッフも、こういうの久しぶりだねと、さっきも話していました。今回は会場で僕の作品を展示するのですが、代表作である廃材で創った作品と、ガーナのスラム街に展示されている『月』の平面作品を持ってきました。

カタパルト・グランプリに登壇もしますが、楽しみにしているのはLOVOTを創った方とのセッション(Session 11D『イノベーター・トーク イノベーターの思考とは?」』)です。命をロボットで創るのは、めっちゃ興味があります。

言ってみれば必要のないテクノロジーじゃないですか。アートも元々必要ではないところから創っていて、僕はゴミから創っています。そういうところで興味がありますね」

リアルイベントには、偶発性の価値がある

40度近い猛暑でも、いつもの黒いトレンチコートに、フェイスシールドが違和感なく似合っているオリィ吉藤 健太朗さんには、ぜひ伺ってみたいことがあった。外出して社会参加することが困難な人の課題解決に取り組む吉藤さんは、一時的にでも多くの人が外出できない不便を知った、今の状況をどう考えているのだろう?

オリィ吉藤は、分身ロボット「OriHime」で誰もが社会参加できる世界を目指す(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】

オリィ吉藤さん「外出困難な人たちには、逆に救いの時期になっています。皆が外出困難になって、その面倒くささを皆が知ることになりましたから。車椅子に乗ってみると、その不便さが一時的にわかりますが、そのときだけで普段の生活での不便さはわかりません。

こういうリアルイベントに参加できる人とできない人、車椅子に乗れる人と乗れない人もいます。そういうギャップを埋めていきたいと思っています」

そんな吉藤さんにとって、こういったリアルイベントの意味とは?

オリィ吉藤さん「皆がアクセスしやすいことでしょうか。TwitterやFacebookは、アカウントを持っている人同士でしかアクセスができません。そのすべてのアカウントを持っている人はいません。

リアルにも一長一短ありますが、自分の趣味嗜好と違う人たちとつながれるのがリアルですね。偶発性の価値があると思っていて、それはオンラインでできるものではありません。オンラインからこのリアル空間に入ることもできません。それができるインターフェイスとして、我々のロボットが、今後使われるようになっていくと思います」

一気にそう話すと、「わりと暑いですね」と涼しい顔で微笑み、吉藤さんはコートを翻して去っていった。

いつもは参加者の方々に記念撮影でロゴ入りパネルをお持ちいただくが、今回は感染予防対策として運営スタッフが写真に入らせていただいている。会場を回っていると、リアルテック・カタパルトの審査員を務め、今回は過去入賞者として登壇するボールウェーブ赤尾 慎吾さんに出会った。

ボールウェーブは、小型・高速・高感度な「ボールSAWセンサー」で世界のケミカルセンシングを革新する!(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】

ボールウェーブ赤尾さん「ICCの皆さんの準備の良さに驚いています。僕も学ばせていただいています。AFTERやWITHコロナと言われていますが、それは本当にすべてを我慢することなのか?と考えています。

われわれ人類が獲得してきた自由、移動の自由、こういった議論の自由というのは、取り戻さないといけないのではと思います。それを今回、こういう場所から学びたい。お医者さんだけではなく、医療系ではない私たちの一つの取り組みだと思います。この3日間、そういうことを考えたいと思います。

注目セッションはリアルテック系です。ディープテックはディープイシューの中で活きるものなので、リアルテックで初開催のラウンドテーブルでともに学ぼうと思います」

新旧カタパルト登壇者たちに聞く

このオープニング・パーティを楽しめない人がいるとしたら、初めてのカタパルト登壇を控えている方たちだろう。”塗装業界を塗り替える”Engoの藤井 友輝さんは、アクセラレーター兼VCであるPlug and Play Japan出身ながら、レガシー業界を変えていこうと起業して、奮闘する一人だ。

Engo藤井さん「今、オフラインのよさを再認識しています。僕のサービスはバーティカルなので、ここにいる方々は異業種も多いですし、直接お客さんになることはありませんが、ネットワーキングの場でつながって、結果的にお仕事をご一緒することもあります。

明日のスタートアップ・カタパルトは優勝を狙って準備をしました。ほかにも、BtoBやSaaSのセッションなどで、ノウハウを学びたいと思っています」

すでにICC内で強いファン層を持つCOTENの深井 龍之介さんは、カタパルト・グランプリに登壇する。毎日ラジオで声を聞くような、いわば喋りや解説のプロといえる人が、今回の登壇に意欲を燃やしているのは、熱い歴史愛とそこからの学びの大きさを、一人でも多くの人に伝えたいからだろう。

歴史の楽しさ、学びを伝える、COTEN RADIOの深井 龍之介さんがICCサミットに登壇決定!

COTEN深井さん「かなり準備しています。本番はどうなるかわからないですが、この会場に来るまでも練習していましたし、この一週間いろんな人に内容を見せて、ブラッシュアップしました。登壇するセッションもありますが、グランプリは7分間という時間制限もありますから、練習しないと」

前回スタートアップ・カタパルト優勝のアダコテック河邑 亮太さんもいる。

少量の学習データで100%異常検知!AIで製造業の検査・検品を自動化する「アダコテック」(ICC FUKUOKA 2020)【文字起こし版】

アダコテック河邑さん「どういう人に優勝してほしいか、ですか? 全員です! あの舞台に立つ人全員はすごく頑張って準備してくるからです。優勝はしなくても、すごくいい出会いがあったといも聞きます。登壇が資金やパートナー探しの機会になればと思いますね。

強いて言えば、製造業など既存サービスのディスラプト系。そういったところは、僕も同じ世界で同じ苦しみを味わっていて、超苦労しているのがわかるので、報われてほしいです。

今回のICCは、全部楽しみにしています。ここだけで聞けるオフレコセッションが楽しみなんです。誰かに聞きたくても聞ける人がいないようなテーマを、オフレコでざっくばらんに話してもらえるので有り難いです。

今回はリラックスして見えるって? カタパルトの登壇がないから……そう思っていたんですよ! ところが医療系の登壇者の方がお忙しくて来られなくなってしまって、僕、最後の最後で急きょカタパルト総集編に出ることになったんですよ!」

この状況だから、キャンセルが多く出るだろうと想定して、多めに登壇者枠を用意したカタパルトもある。そういうところに限ってキャンセルはなく、登壇に問題ないと言っていた方が、急に来られなくなったりする。今までになかった事態に、登壇者コミュニティが対応してくださるのは、本当に有り難いことである。

同じくスタートアップ・カタパルト同期のジグザグ仲里 一義さんも、降って湧いた登壇を快諾してくださった1人だ。コロナ禍を逆手にとって、その後、事業が順調に伸びていると聞く。

たった1行のJavaScriptで、あなたのECサイトが“越境EC”に「WorldShoppingBIZ」(ICC FUKUOKA 2020)【文字起こし版】

ジグザグ仲里さん「登壇以降、お陰様で伸びています! 今回はのんびりしていたら、アレ?みたいな(笑)。」

未知の感染症の拡大を前にしても、今という時は、今しかない。だから、十分に注意を払いながらも今、できることにベストを尽くすしかない。ピンチはチャンスということを、私たちは過去の偉大な先輩たちから何度も学んできたではないか。それを今、実践する番が来たということなのかもしれない。

久しぶりの再会に喜び合う顔を眺めながら、しぶとく生き抜こうとする経営者の気骨と、このような時にこそ議論し、学びあえることの大切さを感じ、お互いを助け合うコミュニティの強さに期待せずにはいられない。なぜなら新しい産業は一人で創ることははできず、従来のやり方が通用しない今こそ、何かが生まれそうな予感がするからである。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/塩田 小優希/戸田 秀成

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