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新しい会場、緊急事態宣言下でのリアルカンファレンス。運営スタッフたちの開催前夜【ICC FUKUOKA 2021レポート】

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2月15日〜2月18日の4日間にわたって開催されたICCサミット FUKUOKA 2021。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。第1回目は、その初日となる2月15日、運営スタッフによる会場設営の模様からお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


新たな会場での開催となった理由

年に2回開催するICCサミット福岡は、これまでグランドハイアット福岡を会場としてきた。参加者が増え、ランチ会場のキャパシティが課題となったときは、一部セッションで軽食を出して混雑緩和を図ったり、同じ施設内のレストランを貸し切るなど工夫する必要があったが、それでもホテルの方々と協力して、毎年のICCサミットを一緒に作ってきた。

その状況が変わったのが昨年9月。ICC KYOTO 2020が無事終了したのち、今回の福岡の下見を行おうとしたところ、突然会場が使えないということになった。過去1年の社会の変化による影響である。そこでやむなく別の会場を検討することとなった。好意のお申し出もいただきながら、いくつかの会場を検討して決まったのが、今回のヒルトン福岡シーホークである。

ヒルトン福岡シーホークのICCサミット会場を受付側から見たところ

グランドハイアット福岡に比べると非常に大きな会場で、セッションの会場6つ(それぞれが旧会場より広い)と、スピーカーラウンジ(登壇者控室)すべてが、上写真の通路左右に位置している。

当初、写真右手前の1室のみに予約が入っていたが、直前にキャンセルとなったためその会場も借りて、カタパルトを開催するA会場は2会場分に拡大した。ニッチなテーマを主に扱い、物理的な狭さが熱狂を生んでいたE・F会場も、従来の倍以上の広さとなった。2席分を1人で使うとし、ホテル側が求める密対策も余裕でクリアとなった。

1フロアで非常に使いやすそうだが、初めての会場。この会場から車で出発する特別プログラムもある。そこで3度4度とICC代表小林は下見を重ね、1月末には会場統括や特別プログラムを担当するスタッフ11名とともに、会場やドライビングルートの確認を行っていた。

常に改善を続けるプログラム

ホワイエ奥から吹き出すバズーカのような加湿器はレンタルで設置

従来の手法が及ばないときに、新しいものが生まれるというが、今回のICCサミットでも課題の解決のために、さまざまな新しい試みが導入されていた。大きなところでは昨今言われている感染症対策として、新たに投入した巨大加湿器や、さらなる「密集」の分散である。

半年前のICC KYOTO 2020では、会期中はビュッフェ式の食事を廃止して弁当配布という形にしたものの、真剣議論する3日間に、有名店の弁当とはいえ毎食は辛いという声もあった。そこで登壇者には感染症対策をした室内着席での食事や、登壇者の方々の知見を結集して、福岡市内の予約の難しいレストランを貸し切りにして、場外へのご案内を拡充した。

その一方で、ランチ時間を使った「ランチョン・セッション」という企画も導入。弁当を食べながら短めのセッションの聴講ができるというもので、広い会場だからこそ実現した企画である。座席も今回は2つの椅子を1人分とし、1つは荷物置きになるよう配置した。

そして迎えた2月15日。スタッフによる設営準備日は、運営スタッフ自らがランチョンセッションのシミュレーションを兼ねて、会場でチームごとに弁当を食べることから始まった。

今回、初めて参加するスタッフは22人、合計99人でICCサミットを運営する。常ならば開催前の東京のオフィスでのイベント運営などでチームや仕事に慣れていくのだが、前回のサミットからその機会は減っている。その代わりに有志スタッフが「オンボーディング・プロジェクト」を立ち上げ、オンラインを中心にコミュニケーションを重ねてきた。

担当チームが決まったあとは、チームごとに運営マニュアルの確認や、チームビルディングなどを行ってきている。前日福岡入りしたスタッフは、アクティビティを通したチームビルディングの機会も設けられた。まとまって宿泊していることもあり、コミュニケーションに支障はほとんどないようである。

いよいよスタッフ全員集結!

13時になると、勢揃いしたスタッフを前にICC小林が点呼を始め、運営開始の本番が始まった。今回5つのカタパルトが行われるメイン会場で、初統括を務める高杉 涼平さんが挨拶した。

高杉さん「今回7回目の参加となり、2年ぶりにカタパルト会場に戻ってきました。あまりに不安すぎて、3年分のマニュアルを引っくり返してみたのですが、驚くほどあの頃の自分は、にっちもさっちもいかなかったことが思い出されました。

それからの3年間で、いろいろな想いや経験があって、情報の蓄積があって、今日を準備万端で迎えられていると思います。ICCサミットは一期一会ですが、今までの集大成でもあります。今後につなげていくという意味でも、この4日間を駆け抜けていければと思っています」

続いて各会場、各チームの統括が抱負を述べていく。初統括を務める人、前回は参加できなくて1年ぶりに復帰した人、それぞれの意気込みを伝えていくが、不自然な力みは感じられない。今回は会場統括に初チャレンジする人が5人いて、それをベテラン統括がサポートする形となっている。

 

受付チーム、誘導チーム、メディアチーム、サポートチームと挨拶が続き、最後に再び高杉さんがマイクを握った。

高杉さん「どれだけ準備をしても、今回も想定外のことは起こり得ると思います。

それでも、コロナも、いろいろなこともすべてひっくるめて、歴史になるのだと思っていいます。産業を創っていくと同時に、ICCの歴史をともに作っていきましょう。それでは僭越ながら、『ともに学び、ともに産業を創ろう!』 オー!」

これから始まるICCサミットの4日間の運営は、ほぼ集まったボランティアのスタッフにより行われている。毎回100人前後集まるスタッフの貢献は、当日の運営だけではなく前後に及び、外からでは想像できないぐらいに大きい。

新しいスタッフのリクルーティングに始まり、スタッフのコミュニティマネジメント、当日に各会場で使う筆記用具の個数に始まる備品の管理から、東京から送る荷物のパッキング、配送業者への引き渡しや、返送時にオフィスの棚に収めるまで、代表含め3人の会社ではできないボリュームの業務を、自分の時間を融通して助けに来てくれている。

この1年は感染症対策や、今回は特別プログラムでの送迎車の運転など、明らかにやることも増えている。所属企業や家族の都合で、今回参加したくてもできなかったスタッフは、できる形でのサポートをしたいと申し出てくれた。

ニューノーマルでのカンファレンス運営に素早く適応し、二度とない「今」に最大の価値を創ろうとするスタッフたち。登壇者のようになりたいと憧れ、仲間と切磋琢磨して刺激を受けると、自分に足りないところが見えてくるのか成長を渇望するようになる。彼ら彼女らのそんなパワーも、間違いなく次の産業を創る力になっていくことだろう。

各チームの設営準備がスタート

各チームは持ち場に分かれて、運営の準備が始まった。まずは各チーム100個のフェイスシールド作り。実はこのフェイスシールド、今回上位モデルが発売されたためアップデートしており、前回のシールドより薄くて反射しづらいものになっている。

ここからは準備を進めている各チームを写真を中心に紹介していこう。

最も大所帯の誘導チーム。登壇者の確保や会場への誘導、カタパルト会場で審査員への商品配布も担う。打ち合わせが終わると、動線を確認するために会場を歩き回っている。今回一部スタッフはKAPOK KNOTのジャケットを着用していたが、大人気となって後日買いたいという声が集まった。

メディアセンターは今回スピーカー控室内に設置。撮影されたすべての写真はこちらに集約され、速報チームが作成したカタパルトの記事とともに発信される。

A会場では、全会場のスタッフが集められ、セッション運営について合同説明が行われている。それが終了すると、各会場に分かれて会場の設営や備品の準備を行っていく。

A会場は、ライブ中継やカタパルト順位集計などがあるため、最も機材や備品の多い会場。左右から登壇するカタパルトのプレゼンターが立つ演台なども組み立てる。ライブ配信を担うメディアチームもA会場に合流している。

打ち合わせを行うF会場チーム。統括の森田さんもA会場の高杉さんと同様に統括は初挑戦。

初参加のスタッフが多いD会場の統括は坂井さん。夜イベントの運営経験抱負なベテラン統括の金田さんがバックアップを務める。

E会場の初統括は平野さん。E・F会場ともにバックアップ統括を務めるのは、ワークショップ運営経験の多い宍戸さん。

サポートチーム内バリスタチームは、前回リモートでサポートした統括下川さんのもと、ラテの試作を重ねては、スタッフに味見をしてもらっていた。

来場者の検温、手指の消毒、特別プログラムのツアーカウンターなども担う受付チームは、プログラム冊子を並べて準備万端。

チームでありながら、チームで動いている姿がなかなか捉えられないのがバリスタ以外のサポートチーム。すでに備品の配布や、展示のブース設営で人手が必要なところに散り、早速サポート業務に当たっていた。

今回控室内に設置されたフォトスタジオでは、チーム撮影も順調に進行している。

A会場では、カタパルトのリハーサルが進んでいる。撮影するときにフェイスシールドは反射しすぎないかどうか、照明は眩しすぎないかどうか、配布物はどんな形状のものか。ナビゲーターを務めるICC小林と司会の三輪さんが、進行とともに確認していく。

モニターを設置する台候補その1。低すぎるため却下に

流れとともに、イレギュラー対応の確認もしていく。翌日朝のスタートアップ・カタパルト1番目の登壇者、radiotalkの井上さんは、携帯画面をモニターに表示しながらプレゼンをする予定で、CRAFTEDカタパルトで登壇するミラーフィット黄さんは、プレゼン時に姿見大の鏡の現物を設置する。

どのタイミングで、何人で持って上がるか、台は必要かどうかなど、進行がなるべくスムーズになるよう段取りを確認していく。

「材質はガラス? 2つ一緒に渡すの?」CRAFTEDカタパルトで配布するカクテルのグラスを確認中

途中で流す映像の再生や、優勝者への商品贈呈のリハーサルなどが一通り終わると、会場は細かな確認事項を一つ一つ潰していく。そこで一つ問題が判明した。

「radiotalkの井上さんに、連絡をしていただけますか? プレゼン中にモニターを縦向きに使って、携帯電話の画面を表示させたいとのことですが、動作確認ができません。予定されているプレゼンができない可能性があります!」

聞くと、会場で映像収録や音声などを一手に担うプロに見てもらっても解決できなかったという。そこで、このプレゼンのために一時的にモニターを貸し出しているメディアチームのうち、写真配信担当の鵜飼さんと藤永さんが、A会場にやってきて、再度挑戦してみることになった。

もしも表示できなければ、本番前夜にして、井上さんはプレゼンの内容を変えなければいけないかもしれない。それはこの7分間のプレゼンですべてを表現しようと準備してきた井上さんにとって、大きな変更になる。井上さんにすぐに連絡してほしいと依頼を受け、筆者はメールを書き始めた。

すると、なんとその井上さんが姿を現した。会場が気になって見に来たのだという。早速スタッフが井上さんに駆け寄って状況を伝えている。井上さんは待つしかなく、A会場の後方に腰を下ろした。

「まだ時間はあるので、近くのショップでモニターを買ってきましょうか?」

不安げに井上さんはそう言った。この時、すでに18時半。ショップといっても、ここは博多の中心地ではなく、あと1時間程度でどの店も閉まってしまうし、会場は20時で施錠されてしまう。だからこそその言葉には、モニターを使ってプレゼンをしたいという強い想いが込められていた。

「人生をかけた7分間」に臨む挑戦者のために

簡単にできそうなのに、できない。ステージ上では奮闘が続いていた。携帯電話からPCを経由してモニターに映すとできるはずなのだが、接続を確認し、ケーブルを確認してもうまくいかない。

何度かの挑戦を経て、何度かだめかもしれないという雰囲気が流れていたが、いくつかあるPCのOSでも1つ前のバージョンだと投影できることがわかり、ある一定の手順を踏むと、縦向き表示ができることが判明。スタッフ私物のPCを経由して、井上さんは当日プレゼンに臨むことになった。

これで大きな懸念は消えた。あとは明日から始まる本番に備えるのみだ。

緊急事態宣言下での開催。いつもなら、設営準備が終わるとスタッフ前夜祭で士気を上げるところだが、20時以降はどの店も開いていない。施錠時間ぎりぎりまで準備を続けたスタッフたちは、急いで会場を後にした。翌朝の集合時間は朝7時だ。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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