カタパルト・グランプリの頂点到達! ログラス布川さんが実現した、 ICC運営スタッフの夢【ICC KYOTO 2021レポート】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

カタパルト・グランプリの頂点到達! ログラス布川さんが実現した、 ICC運営スタッフの夢【ICC KYOTO 2021レポート】

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9月6日~9日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2021。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は、過去のカタパルトで入賞した実力者たち、ICCのカタパルト初登壇でも実績のあるプレゼンターたち12名が集ったカタパルト・グランプリの模様からお伝えします。今回優勝を飾ったのは、4年前にICCサミットの運営を担っていたボランティアスタッフ出身のログラス布川 友也さんでした。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


今回のカタパルト・グランプリは、いずれも素晴らしいプレゼンター12組が登壇するなか、ログラスの布川 友也さんが優勝に輝いた。

ログラス 代表取締役 布川 友也さん

運営スタッフ出身の布川さんが優勝した意味について、お伝えしたいことはたくさんあるがそれは最後として、まずは今回も素晴らしい登壇者が結集したカタパルト・グランプリの模様についてお伝えしたい。

このカタパルト・グランプリは再度・再々度登壇する方が多く、他のビジネス・ピッチコンテストでも成績を残している方が多いためか、ICCのカタパルトの中でも最高峰レベルといわれている。

そのなかで、今回ICC初参加となる企業は、清華堂、オーディオストック、クラダシの3社。いずれも素晴らしい事業を行っていて、実績もスタートアップの規模ではないため、グランプリの登壇となった。リハーサルの合間を見てそのお三方の姿を追った。

大正12年創業の表具業が、現代に伝えたい技術

朝6時半、会場に一番乗りで到着した清華堂の岡本 諭志さんは、大正12年創業の表具業を営む。額や掛け軸などを扱い、その保管の技術をもって、コロナ下で「なんとか乗り切るために」スタートしたのが「抗ウイルス・抗菌コーティング施工」事業。この夏、日本中が最も注目したスタジアムの座席も、清華堂の技術によりコーティングされている。

オリンピックスタジアム

「まだ有観客が想定されていたころ、入れ替わり立ち替わりで座る人たちの安全対策を補うために、6万の座席をすべて施工しました。もしも菌やウイルスが付着しても、5分間で99%不活性化します。効果は3〜5年間程度持続します」

最近町中で見かけるようになった「抗菌」マーク。じつは加工済みと施工済みは意味が違い、確実に効果が認められた「​​SIAA(抗菌製品技術協議会)マーク」を、清華堂は業界に先駆けて2020年に取得している。施工は近鉄全車両や、日本航空の全空港、自治体の公共施設や文化財を含む神社仏閣など、多岐に及んでいる。

「最近はその都度の消毒に疲弊してしまった会社さんが、持続型の抗菌に切り替えようというところが多いです。それだけ社会的にも衛生意識の高まりがあります」

スタッフと登壇前の確認をする清華堂 代表取締役社長 岡本 諭志さん

100年続く家業の4代目に生まれ、掛け軸などを飾る和室、床の間が日本の家から無くなっていることが斜陽産業につながっているという仮説をもとに、建築家を目指していたという。しかし、「社会に高いレベルで関わるには、誰よりも知っている家業を使わない手はない」と、前向きな気持ちで家業に戻ってきた。

「斜陽のままではよくない、建築で学んできたことを展開したいという気持ちからでしたが、コロナ禍ではそうしていられない、このままでは社会が変わってしまうと思ったのがコーティング事業のきっかけです。

人に伝えないと残るものも残らないから、できるだけ人前に立って発信しなければと思っています。歴史が積み上がった中で、現代にマッチすることがある。表具という形式にこだわらず哲学さえ残していければ本望です」

どことなく孤高の雰囲気を感じさせたが、クラフテッド・カタパルトに登壇したインターナショナルシューズの上田 誠一郎さんの紹介による参加で、KAPOK JAPANの深井喜翔さんとは同じ大学、跡継ぎサロン界隈でつながりがあるという。関西出身の血が騒ぐが「笑いは控えめで構成しています」と本番に臨んでいった。

オーディオストック西尾さん

オーディオストックの西尾 周一郎さんは、以前にネット上で音楽コンテストを開催する事業を展開しており、作る側が発表する場を求めていることや、音楽を使ってもらいたがっていることに気が付いた。

その一方で動画などでプロ・アマ問わず音楽を使いたいというニーズの高まりがあり、それには使用料・著作権がハードルとして横たわる。両者をマッチングするサービスがあればいいのではないかと考えた。

リハーサル中の西尾さん

「動画を作る方の裾野が広がったのが僕らの事業においては追い風でした。企業の採用や広報でも動画を作るようになったし、ユーチューバー、ライバーと呼ばれる人たちは自分に合ったものを、多少お金を払ってもちゃんとしたものを使いたいというニーズが出ている」

アーティスト、所属事務所、レコード会社や著作権団体と利権者が多く存在し、体質が古いといわれる音楽業界。その中でDXを進めるオーディオストックの収益は右肩上がり。利用できるBGM・効果音は日々増え続けて、2021年10月現在75万点を越え、TikTokのアプリにもメニューとして入っている。

「業界団体などはなるべく使っていなくて、音楽家と直接契約して、使う人に届ける直販ルートを作っています。流通のシンプルさが使っていただいている理由かなと思います」

プレゼンで紹介されたユニバーサルスタジオの紹介動画に合わせた音楽は、まるで誂えたかのように映像の世界観を演出するものだった。いかに質を担保しているのか?

「気持ち的には間口を広げたいですが、お客様はテレビ局だったり映像を作るクリエイターなので、一定の基準を設けて全部の作品を審査していて、それを通過したものを販売しています。

映像クリエイター自体も、音楽家も年々レベルが上がっていると感じます。今はPC1台ですごいクオリティのものが作れます。ビリー・アイリッシュやYOASOBIもそうですよね。環境の向上と機材のコストダウンもあって、レベルが上っている。面白い時代だと思います」

そう語る西尾さんも、音楽家志望だったという。音楽のサブスクリプションは数多あれど、オーディオストックは従来にない、サブスクリプションで著作権フリーの音源という、音楽家にとっての新しい収益源となるサービスを作っている。

「音楽家を応援するという理念が基本で、そのために価値があるサービスだということを伝えたいです。僕のプレゼンも、音楽があることで2,3割増しに見えるようなBGMを使うので、そういう音楽の力も感じていただきたいです」

3Dプリンターで造形した椅子が登場

1枚の大きなシートを折ったような積層構造で、強度をもたせるため下部が密構造になっている

審査員席の後ろには、見たことのない形の存在感のある椅子が登場した。これは、ExtraBoldの原 雄司さんが3Dプリンターで造形したものに違いない。

「改良をして、これが1脚8時間半でできるようになりました。単一素材でクッション性も計算して、人体を3Dスキャンして作っています。バックオーダーもあって、脊椎に問題があるお子さんの体にフィットしたものも作れたりします。

そういうカスタマイズしたものは、大量生産と違ってコストが高くなるので、3Dプリンターでもっと気楽に使えるようにしたいんです」

会場には、トヨタからExtraBoldに出向しているデザイナーの須田さんも来ている。前回リアルテック・カタパルトでの入賞が縁でKOBASHI HOLDINGSの出資が決まり、須田さんのようなプロや業務委託の個人事業主、シニア社員と、学生アルバイトやインターンというメンバーがExtraBoldの事業を進めているという。

「いまだに固定社員1人なので、これから組織体をきちんとしたい。今までにないことをやるのは、今までの組織では対応できないですよね」

談笑する原さんと関藤さん

そこへやってきたのが、今回ICC初参加のクラダシの関藤 竜也さん。原さんの話に興味津々で、椅子に腰掛けた。

「この椅子の素材は、リサイクルが容易なエラストマーという素材です。今後はその地域のやっかいものの廃棄材料などを混ぜた素材で作りたい。

たとえば廃棄食料を混ぜるとか、フード3Dプリンターなども将来的に考えています。3Dの積層造形技術を使って、リサイクル・アップサイクルを社会にどうやって定着させていくかを現実レベルで考えています。この技術は日本人が開発したものだから、日本で発達させていないと!」

関藤さんは、フードロス賛同メーカーから提供された食品を、最大97%OFFで販売して売上の一部を社会貢献活動団体へ寄付する事業をグランプリでプレゼンする。「廃棄食料の話、すごく興味があります」と、原さんに伝えている。

コラボ、協業が生まれる場

ICCでの出会いからコラボに至るケースは多々生まれており、前回クラフテッド・カタパルトで優勝したKAPOK JAPANの深井さんもその1人。ソーシャルグッド・カタパルトで優勝したヘラルボニーの松田さんとのコラボで、ヘラルボニーのプリント生地を裏地に使ったKAPOK KNOTのコートが完成したばかりだ。

「うちの製品をツイートしてくださったことがあったので以前から知っていたのですが、前回のICCで会って、それぞれ賞を取って、何かやりましょう!ということになって、すぐ商品化しました。完成してめちゃめちゃうれしいです。

今日もこの方々に見てもらえるのかと思う人たちの前でプレゼンできる。そして優勝したら、一緒に並んで審査できるので、わくわくしています」

深井さんと松田さんのように、社会性を備えた企業も増えていて、前回リアルテック・カタパルトで優勝したOUIの清水 映輔さんはこのグランプリに登壇、同僚の中山さんはソーシャルグッド・カタパルトで登壇する。1企業から2名が2つのカタパルトに登壇するのは初めてのことだ。

登壇を待つOUI清水さん

「ソーシャルグッドでは、海外事業を推進している中山( 慎太郎)さんに話してもらい、グランプリでは、僕らがやりたいことを知っていただければと思います。

前回から進んだこととしては、ついに国内でデバイスを販売開始したことや、海外でも10カ国で実証実験が進んでいること、日本以外で、ヨーロッパでも医療器具としても認められたので、より多くの国で展開できるようになりました」

コロナ禍なので、下準備しかできませんがと話す。このグランプリ含む、カタパルトに登壇する企業が成長していくことは、さまざま社会の課題が解決されていくことで、よりよい社会の実現につながることでもある。

イノベーション×成長・スピードが大きな価値に

カタパルト・グランプリが始まると、まずは優勝企業へのの商品紹介が行われた。グランプリとあって、商品は回を重ねるごとに豪華になっている。基本的に優勝者総取り方式であるが、AGSコンサルティングの廣渡さんが登壇企業のレベルの高さに感服して、登壇企業全社に賞品贈呈を始めたことから、我が社も登壇全社に、という企業も出てきた。

賞品紹介が終わると、恒例の拍手セレモニー。今回のICCサミットを通して言えることだが、いつにも増して熱気が凄かった。久しぶりに集った興奮なのか、今回はフェイスシールドが顔を覆ってないからそう感じるのかわからないが、この拍手にしろ、プレゼンを見る真剣度、セッションへの集中度が非常に高かったように思われた。

プレゼン開始前のチャレンジャーに大きな拍手を送る

AGS廣渡さん「皆さん目が怖い。真剣ですね(笑)」

いつもカタパルト・グランプリのスポンサーとしてご登壇くださる廣渡さんも同様に感じたようである。プレゼン開始を前にナビゲーターを務めるICC小林も、真剣に会場へ訴えた。

「コロナの時代にワクチンなどテクノロジー企業が世界を救うのを体験しました。イノベーションのスピード、時間ということ自体の価値を僕も体感して、カタパルトは発射台という意味ですから、登壇するみなさんはここからグッと角度を変えて、成長していただきたいなと思います。

そのためには審査員、参加企業の方々が、この会社は面白いと思ったら、応援いただいたり、投資いただいたり、ご購入いただいたり、ご紹介いただいたりすることが、社会を変えるきっかけになると思います。ぜひしっかりプレゼンを見ていただければと思います!」

プレゼンの見どころ

登壇者も審査員も集中する最高峰のプレゼンバトル。その内容は公開の了承をいただいた動画、書き起こし共々順次公開していく予定なので、ぜひご期待いただきたい。

入賞結果は速報のとおりだが、勝者たちが集うバトルだけあって、どの企業も心に残るフレーズ、場面があった。

優勝したログラスならば「日本の企業が経営分析にかける日数は世界の2倍を超える。この課題を解決して、間違いなくユニコーンになる自負がある」、2位のAudiostockは「クリエイターの立場が弱い業界に、新たな収益プラットフォームを作る」、同率2位のKAPOK JAPANは理念を象徴するようなアイテム「ボタン、糸、生地、接着剤、100%土に還るコート」を紹介した。

スライド右上の深海魚が、伊藤さんの見たい深海魚「ナガヅエエソ」

4位のFullDepthは「自分の作った水中モビリティでナガヅエエソを見に行きたい」、同率5位のOUI は「眼科医にとっての失明は、内科医や外科医にとって患者さんが亡くなることと同義」、World Matchaは「緊張しているので抹茶を飲ませてください。ふ〜っ、落ち着きますよね!」と、壇上で抹茶を一服した。

World Matchaの塚田さんは抹茶を一服

入賞を逃した6組も負けてはいない。清華堂の「大切なものを『ふさわしく』する仕事で、もののライフサイクルを作る」、結わえるの「主食を玄米に変えることが、持続可能な未来へつながる」、シルタスの「買い物をしているだけで栄養状態が分かって、次に何を買えばいいか分かる」アプリユーザーのアクティブ率68%の実績もインパクトがあった。

結わえるの荻野さんは「寝かせ玄米」炊飯法を広く公開している

クラダシの「企業価値向上に繋がる1.5次流通を作り、日本で最もフードロスを削減する会社に」という宣言、グレースイメージングの開発した汗中乳酸による計測データの正確さに「科学者として大変感動しました」という言葉には技術発展の確かな一歩が感じられたし、ExtraBoldの「『スタートレック』に出てくる物質転送装置実現に向けて頑張る」という未来への意欲も頼もしい。

買い物データから栄養の偏りと摂るべき食材がわかるという小原さん率いるシルタスのアプリ

審査員も学びを得る場

投票の集計作業中に、ファンドマネジャー的な視点での審査員コメントを求められたのが、アセットマネジメントOneの岩谷 渉平さん。熱心にメモしながらプレゼンを見ており、いつも終わった後に企業についての感想を小林に伝えているという。

「幅広くさまざまな課題を、突き抜けた探究心をもって、テクノロジー、デザイン、研究開発に取り組んでいて、非常に楽しかったです。聞きながら、ここで聞いていていいのか? 自分で投資しなくていいのか?と思いました」

カタパルトの投票用紙には、基準としては「応援したい」「投資したい」「協業したい」などが目安として書かれていることからわかるように、どこに票を投じるかは、あくまで審査員の主観に委ねられている。

回収後の投票用紙を見ると、正の字を書く人、点数をつける人、印象に残った箇所をメモで残す人など、審査員たちが甲乙つけがたいバトルに悩みながら投票したことがわかる。ハイレベルなプレゼンバトルは、審査員が審査を行うだけでなく、自分の価値観を問い直し、学びを得る場ともなっている。

優勝の発表

5位〜2位までが発表され、会場が暗転して優勝が発表されると、ログラスの布川さんは壇上で喜びを爆発させた。

後で聞くと、布川さんは3位まで入っていなければ入賞はないと思っていたそうで、本当に驚いたそうだ。

「死ぬほどうれしいです! 僕、ICCのおかげで起業したんです。前回は3位で負けたので、むちゃくちゃうれしいです!」

12の企業のうち、唯一のBtoBというアウェーの状況での堂々1位。布川さんは心の底から嬉しそうに、今回から誕生した優勝盾を頭上に掲げた。

「4年前は、ICCサミット運営スタッフだった」

今回優勝した布川さんは、ICC KYOTO 2020のスタートアップ・カタパルトでは3位に入賞し、それから創業年にMRR(月間経常収益)が5倍達成と、事業を急成長させている。今回のプレゼンは、事業が実体験に基づく説得力に実績が伴い、変化の時代に直面する経営者たちに深く刺さるものとなった。

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カタパルトが終了しても布川さんと話したいと並ぶ人たちは後を絶たず、ついに布川さんは名刺を切らした。こちらが話を聞きたいと待っていることに気がついていて、ようやく最後の人と話し終えたあと、すまなさそうな顔をしてやってきた。

「本当に嬉しいです! 優勝して小林さんと握手させていただいて、本当に嬉しくて」

運営スタッフの中には自分で事業をしている人、起業を考えている人も多い。運営スタッフ出身の布川さんが、ICCサミットのカタパルトのなかでも最高峰のカタパルト・グランプリで優勝を飾ったことは、なんとスタッフたちの刺激になったことだろうか。

「2017年のICCサミット、EかF会場、小さい会場で(現在もスタッフの)金田 拓也さんと運営をやらせていただいて、今の会社でも手伝ってもらっています。その恩をを返せてよかったなと思いました。ICCの運営スタッフのためなら何でもやりますので、使ってください!」

その時に、スタートアップ・カタパルトもカタパルト・グランプリも見ており、自分でも事業を起こしたいと思っていたという。

「絶対にこの舞台に立ちたいと思っていて、まずは第一歩の夢が叶いました。スタートアップ・カタパルトもカタパルト・グランプリも、それぞれ1回ずつしかチャンスはないので、今回優勝できてよかったです!」

スタッフ参加していたのは、プレゼンでも語っていた経営企画としてデータ収集などで奔走していた時代。当時所属していた企業のCFOに「スタートアップ界隈に来るつもりならつながりをもったほうがいい、志を高く持て」と言われて休暇をもらって、ICCを初体験したそうだ。

そのときに見た登壇者たちは「違う世界にいる遠い存在だと思っていました」と言う。自分のプレゼン時間を待つ間も、正直勝てないと思ったビジョナリーや事業を持つ企業が何社もあったと言うが、それを押さえての優勝。さらに「日本の時価総額70兆円を10%上げる」という大きなビジョンを宣言した。

「僕らが投資を求めて狙っているのは1兆円で、そこにはまだまだ足りません。日本を代表するサイバーエージェントや楽天といった企業を目指して、慢心しないように注意して、この優勝を採用やファイナンスにしっかり使っていきたいです」

ここまで聞いたところで、ICC小林が通りかかったため記念に2ショットを撮影した。以前はスタッフとして、今は起業家として。カメラを向けると、2人とも満面の笑顔を浮かべた。

壇上で小林は「ぜひいろんなグループ会社、導入をご検討いただければ。僕が営業代行します!」と言っていたが、この時は「優勝はゴールじゃない、ここからが大事」と声をかけた。運営スタッフから誕生したカタパルトの優勝者に、大きく羽ばたいて産業を創ってほしい、スタッフのロールモデルとなってほしいという想いが込められた言葉に、布川さんも頷いている。

最後に布川さんに、ICCの運営スタッフに向けてメッセージをいただいた。

「私はスタッフに一番感謝している。無償でICCサミットの運営を担って、朝早くからの準備、厳しいルールとオペレーションがある。それを知っているから一番感謝しています。

運営中は名刺交換を優先してはいけないとか、いろいろ制約があるとは思うんですが、日本を変えられるマインドセットを持つ逸材が、スタッフたちには揃っていると思う。すごくポテンシャルがあると思います。

だから、スタッフで終わってはほしくない。登壇者たちを見て、自分もなにかやりたいと強く思ってほしい。僕は事実できた。ぜひ一緒に日本を変えていけたらと思っています」

今回運営スタッフとしてICC KYOTO 2021に参加したのは105名。緊急事態宣言下だが、全員がワクチン接種を受けて、この場に関わりたいと望んだ105名だ。たった4年前に同じスタッフとして参加した仲間が起業して、カタパルトの最高峰で優勝する。夢のような正夢が起こる場面を、今回スタッフは目撃した。

これって最高じゃないかと思うと同時に、さらにこれが起爆剤となって、あとに続こうとするスタッフの心を燃やしていることを願う。今回はいつにも増して特別な意味が加わった、ICCサミット最高峰のピッチコンテスト、カタパルト・グランプリであった。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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