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味覚と心を震わせるプロダクトが大集合! ICC KYOTO 2022フード&ドリンクアワード全ブース紹介

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9月5日~8日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2022。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回はICCアワードの「フード&ドリンク」編をお送りします。ICC KYOTO 2022に参加した皆さんは会場に行きましたか? 各ブースで、プロダクトの生まれた背景やこだわりなど、熱い想いを聞きました。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢1,000名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


前回のICC FUKUOKA 2022で大成功を収めたICCアワード。今回はさらにパワーアップして、フード&ドリンクアワードだけで、ウェスティン都ホテル京都の葵殿という美しい会場が用意され、DAY2の朝イチのセッション、審査員ツアーが始まる前には、キックオフが行われた。

前回の優勝者イノPの宮川 将人さん、審査員代表でHiOLIの西尾 修平さん、Makuakeの坊垣 佳奈さんが挨拶

【速報】「フード & ドリンク アワード」のグランプリはジビエソーセージ・ジビエハム提供の「イノP / 農家ハンター」!(ICC FUKUOKA 2022)

アワード参加企業の1分間のアピールスピーチのあと、朝食を抜いて腹ペコの審査員たちは、一斉に葵殿へ移動して審査を開始した。あとで聞くところによると、2時間弱予定されている審査ツアーでは時間が足りないと、前日からブースで話を聞いていた人もいたという。

今回アワードに参加した17の企業は、一部はカタパルトに登壇/登壇経験のある企業で、そのほかは、このアワードに推薦したいと参加者が紹介してくださった方々。真剣に食に取り組む方々と、前のめりに審査を行う審査員たち。その模様をこちらのレポートでは紹介したい。

【TeaRoom】ウイスキーの樽で熟成したノンアルコールティー

ICC KYOTO 2022最終日に「ICC茶会」を催してくださるTeaRoomの岩本さんは、ICCのコンセプトを解釈した3種類のお茶を提供した。

TeaRoom岩本 涼さん「私たちは一次産業のオープンイノベーションというところに課題認識をもっていて、ともに学びともに産業を創るというこの場に何が合うのか考えたときに、業界ごとに分かれるのではなく、もっと共通の機能や思想をもって協業していくことが必要なのではと思い、その課題を表現できるような3種類のお茶を持ってきました。

左から、ウィスキー紅茶、古木茶、プーアル茶

『ウィスキー紅茶』はウイスキーの樽で熟成した紅茶で、ノンアルコールのシーンでも楽しめるような、アルコールの香りのする酔うようで酔わない体験をご提供しています。アルコールは入っていませんが、香りを楽しんでいただけます。

日本には麹という非常に深い文化がありますが、麹菌を使った『プーアル茶』を作っています。それを今、アメリカに輸出しています。『古木茶』は、無農薬・無肥料の樹齢の長い茶の木を焙じたお茶です」

【金楠水産】たこ匠のたこ焼き

アワードには3回目のチャレンジとなる金楠水産の樟 陽介さん。今回はなんと自慢のゆでだこではなくて、たこ焼きの提供だ。庶民が大好きなファストフードをなぜ選んだのか。

樟さん「たこの出口を作った方がいいなと思っていて。僕は(茹でだこの)卸ですが、いかに塩ゆでにこだわったとしても、相場で価格が変動してしまう。アフリカ、セネガルに行ったのですが、漁民たちは生活環境が厳しく、乱獲が起こり水揚げが減る負のスパイラルが起こっています。

最後までの流通を僕らで作れば、漁師さんから高い値段で買えて、相場に流されない商品になる。それが出口を作るということです。そのハンドルを握ることに想いがあります。

たこの一番ポピュラーな料理って何だろう?と考えると、やっぱりたこ焼きで、ここにトライしてみようと思って。普通はゆでだこが中に入ってますよね。我々もたこを茹でていて、ベストな状態で茹で上げているから、そこが再加熱されると歯ごたえとうまみが損なわれてしまうんです。

そうであれば我々だからできる、茹で上がる一歩手前の塩もみをした生だこを入れていって、この生地の中で茹で上げてしまおうと、最高の茹で上がりのタコが入ったたこ焼きを作ることにしました。

たこが最適に茹で上がるよう熱伝導のいい銅板、小さめのたこ焼き器を使うというこだわり

生地の中にもたこの茹で汁を入れて、全体でたこを感じてもらえる。たこでたこを包んだようなたこ焼きができる。ソースも用意しているんですが、何もつけずに召し上がっていただける。

生だこですが冷凍です。たこ焼きって意外と焼き上がるのに時間がかかるので、冷凍で入れることによってゆっくり火が通るようにして、生地はしっかり焼く。するとミディアムレアなたこが生地の中で出来上がる。お口に運ばれたら、たこの香りうま味が生地の中に閉じこめられているのです。たこファーストのたこ焼きです」

物凄いこだわりを一気に語る。なるほど焼き上がるとあっという間に無くなり、たこ焼きを焼き続けているわけである。ブースを遠目に見ていても、出来上がると人が列をなし、焼いている最中は人が消える。この話を聞きながら食べれば、うまさも倍増なのではないか。

樟さん「というのがなかなかできないです〜(涙)。焼くのにすごい必死で、想定以上にみなさんが並んでくださるので出来たらどんどん渡してしまって、全然その話ができません! 何か用意できたらよかったんですが、この1カ月、焼く技術を高めるのに必死でした」

たしかにどの写真を見ても、樟さんは審査員というより、銅板に向かい合っている。果たして審査員たちにこの想いは伝わるのか…?

【千休】抹茶フィナンシェと抹茶カプチーノ、抹茶

こだわりの幼児食を作るhomealの鬼海さんをして「市販されているフィナンシェの中で一番美味しい」とうならせたのは、千休久保田 夏美さん。抹茶をたっぷり使ったフィナンシェとカプチーノ、その材料となる抹茶をその場で点てて提供した。

千休久保田 夏美さん「フィナンシェとカプチーノが一番人気商品です。元となる抹茶の味を味わっていただきたいということで抹茶も持ってきました。

普段ポップアップはやってるのですが、こういった出展は初めてです。雰囲気が全く違いますね! 結構興味を持っていただいていて、抹茶はこんな味なんだ、なんでこんな味なの?みたいな会話がありますね」

【Greenspoon】野菜たっぷり無添加の食べるスープ

給食のような大きな鍋に、野菜がたっぷり入ったスープを3種類用意したGreenspoon。レトロでポップなイラストが描かれているパッケージは、出して並べておいても雑貨のような雰囲気だ。

具嶋友紀さん「まだ初日の2時半ですが、もう10回転しているかもしれないです! 1缶が10杯分なのですが、それぞれ3~4回転していて、たくさん食べていただいています。

オールプラントベースで無添加です。いろいろ入っているものがあるなかで、選択肢として何も入っていないピュアなものを、きちんと届けたいというのが我々のこだわりとしてあります。健康な状態から自分をケアする習慣を作るのは大事だというセルフケアが、もともと会社創業の柱になっています。

野菜は買ってもすぐ傷んでしまったり、調理、カット、皮をむくとか意外と大変だったり、食べ合わせが大事だったりします。野菜を習慣化するのは特に働いてる方は大変なので、手軽でなおかつ楽しく、おいしく続けられる野菜のサービスを創業以来掲げて展開しています。

ダイエット食というとちょっと味気なくて、精神的にもどんどん追い込まれますよね。だから食の精神的な高揚感も伝えたくて、商品のコンセプトを作り、これがどういう商品なのかをパッケージなどデザインも含めて伝えています」

【伊良コーラ】生のクラフトコーラ「伊良コーラ」

「その場で材料を混ぜてコーラを作る」という伊良コーラのクラフトコーラ実演の珍しさに、絶えず人が訪れていたブース。コーラを片手に、あちこちで話が弾んでいる様子が見られた。

コーラ小林さん「会社を作ってすぐのころ、2〜3年前に、こういった展示会にブースを出したことがあったんですが、1人とも名刺交換せず何も起きずに終わったんです。物珍しい、好奇の目で興味を持ってくれても、ビジネスとして一緒に何かやろうということにはならなかった。

今日はいろんな方とお話ができました。ICCの『ともにに創る』というコンセプトのおかげかも知れないし、もしかしたら僕らもその頃と比べて少し実績があるからかもしれないですが、それがとてもうれしい。

当時はメンバーもいなくて、1人でブースに立っていて、その頃と比べると感慨深いです。コカ・ペプシ・イヨシを目指してがんばっているのですが、今日は審査員という立場で出会っているけれども、お力をおかりして未来にICCの理念である”一緒に創りあげる”ことをできたら」

【MISOVATION】完全栄養の味噌汁

食にまつわるさまざまな人が株式会社MISOVATIONのブースに立ち寄って、完全栄養の味噌汁を試食し、話を聞いている。

「完全栄養」つながりで、ベースフードの橋本 舜さんもブースを訪れた。

斉藤 悠斗さん「今回持ってきたのはブロッコリーとしいたけですが、まだ2時すぎですでに具材がなくなってしまいました!

たくさんの人に来ていただいていて、お話をしたのですが語りきれないです。 説明しきれないというのが悔しくて、明日の審査員ツアーで頑張りたいと思います」

【サイボク】ポークウインナー、クラフトビール

埼玉種畜牧場(サイボク) の吉田 英晃さんは、自慢のポークウインナーとクラフトビールを提供。その2者による無限ループを熱く語った。

吉田さん「豚を育てるところから製造販売まで一貫して行っています。普段お肉として食べる部位以外にも、耳や喉、内蔵とかいろいろな部分があって、捨てるのではなく、お客様に余すことなく食べてほしいということで、メニュー開発をしながら独自の商品を作っています。

一頭全部使い切らないと、大切に育てた豚の命が報われないですよね。

もともと、ポークウインナーが代表的なロングセラー商品で、ビールとウインナーの相性はバッチリです。サイボクのポークウインナーに特化した、相性のいいものを作りたいという思いから、地元のCOEDOさんとコラボをさせていただいて、何回も何回も試作をしながら、本当にウインナーに合うものが出来上がりました。

無限ループを試すHiOの西尾さんと一平ホールディングスの村岡さん

男性はビールが好きですが、女性も楽しめる柑橘系で爽やかなビールです。ホップの香りとか苦みを味わい、ウインナーを食べる。ビールを飲む、ウインナーを食べる…そんな無限ループの世界を創ろうじゃないか、お互いのいいところをかけ算しようということで、これが誕生しました。おかげさまでコラボセット、売れてます!」

【北三陸ファクトリー】UNI&岩手産バターSPREAD・はぐくむうにバターSPREAD

クラフテッド・カタパルトで優勝した北三陸ファクトリーの下苧坪 之典さんたちは、4年間うに牧場で育てたうに、養殖で育てたうに、それぞれを70%も使用した2種類の発酵バタースプレッドをクラッカーに載せて用意。食べ比べ体験を提供した。

下苧坪さん「海の環境の変化で、海藻をえさとするうにが芽の段階から食べ尽くしてしまったりして、”砂漠化”が進むと、うにのような生物共々消滅していってしまいます。

そこでうにを育てるエサを作って与え、産業廃棄物となるうに殻を使ったたい肥ブロックを海に沈めて、昆布の種を植え付けて海中の環境を戻そうとしています。どちらも北海道大学と研究開発し、製品化しました。

この石のように見えるのがうにを育てるエサ。磯焼けした実入りの悪いうにに食べさせると右側のように育つ

えさはまだ高くて、これが世の中に広がればコストが下がっていく。まさに1年目でたくさんの方に使っていただきたくて、それでICCに出ようと思いました。

私たちは12年前、東日本大震災の前の年に海藻の事業からスタートしました。すぐに震災が来てどうしようかなと思ったんですが、たまたまたくさんの大企業の方との出会いをいただいて、これは大きく舵をきろう、世界を目指していこうとこの12年、世界で戦うためのうにを作ってきました。

うにを選んだのは、地元の洋野町がたまたま生産量本州1位だったから。これをしっかりとブランディング、生産者と連携しながら未来を作っていく事業だったんですが、海藻がないので、未来が見えなくなったんです。そこで海藻を生やすために何か考えようと、うに養殖を考えたんです」

うに70%のうにバター。手前が天然、奥がうに牧場産。うに牧場産のほうが味が濃厚に感じた

【たけもと農場】リゾットセット

たけもと農場は、石川県の米農家で、イタリア米の生産も行っている。今回はそのひとつ、ポルチーニ茸のリゾットを提供した。

竹本 彰吾さん「農協さんに頼らない経営をしようということで、直接販売をしていたんですけど、イタリアンレストランのシェフと仲良くなって、イタリア米を輸入すると関税がかかってめちゃくちゃ高い、米農家だからなんとかしてと言われて。

でも作られないには理由があって、種が手に入らないのが第一ですが、気候と合わなかったりして、 2〜3年ぐらい試行錯誤しました。パスタはかつてはお店で食べるものだったけども、 乾麺が開発されパスタソースが開発されて、家庭でもちょっと作れる。そこをリゾットでも作りたい。

日本の米とはかなり違うので、おいしく味わってもらうために、ポルチーニ茸とか調味料なども入った本格的なリゾットセットとして販売しています。

パッケージにある『テーデルゲン』とは、竹本農場の加工品ブランドの名前なんですけど、実は造語で、石川弁の『手が出ちゃう』という意味の『手、出るげん』からきています」

 

【TANAKA VALUE+ TRADING】生カシューナッツ、ハラール対応カップラーメン他

TANAKA VALUE+ TRADINGは、カンボジア産カシューナッツCashew+とそれを加工したアイスクリーム、ビーガン、ハラール、アレルギーに対応したカップ麺Freedom Ramenを提供した。

田中良尚さん「最高級”キングオブカシュー”と呼ばれるカシューナッツを持ってきました。1粒が日本で一般的に流通している 2.5 倍から3倍のサイズがあります。

その生のカシューナッツ、ロースト前のカシューナッツと、薄皮のついている少しローストしたカシューナッツ2種類です。それをクリーム状、ペースト状にしたものに水飴を少し入れて、贅沢なアイスクリームにしました。無農薬なので、そのまんま食べられるんです。

ローストしたものとナチュラル、抹茶味とチョコレート味

アジア圏でもカンボジアのメコン川流域に肥沃な土地があるので栄養たっぷりのカシューナッツが採れます。知人に紹介されて農園を購入したのですが、最初は私もカシューナッツ農園?と思ったのですが、勧められて食べたら、今まで食べてきたのは何だったんだっていうくらいおいしかった。売られているものは、油が酸化していたんです。

流通も温度も管理して販売も自分たちでやっているので、トレーサビリティがちゃんと取れる。これからこういう時代ですよね。やっぱり食べてもらわないといけないので、理解いただくのに時間はかかる。食べたら食べただけわかっていただけるとは思うんです。

日本農業内藤さんも、味にびっくり! 生のカシューナッツは本当にクリーミー

会社としてのコンセプトが食の多様性、ダイバーシティを日本に根付かせること。ヌードルはベジタリアン・ビーガン対応です。

「日本の発酵技術、納豆やしょうゆやみそを使ってコクを出して、世界一に」

カップラーメンは日本最初のフードテックと言われています。食のおいしさ・文化は日本にはあるけど、多様性がない。日本の食の産業はまだ平面的で、多様性があれば三次元的にふくらむと思うので、そのきっかけをどうにかしてやりたいなと思っています。そのきっかけとしてカップラーメンを。安心して運べるし、気軽に食べられるし、保存性もある。プロダクトがあると情報を発信できる」

【門崎(格之進)】ヤケテルハンバーグ、薫格ハンバーグ、牛醤

格之進」人気のハンバーグがICCアワードに登場! 15分かけてじっくり焼き上げるハンバーグ2種類は、香りが漂うと人々が引き寄せられるようにブースに集まっていた。その味に驚愕したJR西日本の舟本恵さんいわく「変態の一品、ですね…びっくりしました。言葉にならない」。

千葉 祐士さん「燻製は通常温燻といって、温度が80度以上のところでいぶされることをいいます。これはじつはこれは燻さないで、温度を上げずに凍った状態で香りをつけて燻製にできる。つまりタンパク質の熱生成がおきないで、表面に燻煙だけがつくんです。

熱をかけると燻製は通常、加熱しても燻製の香りしかないけれども、これは中は生なので、加熱すると中から燻製で侵されていないタンパク質の熱生成によるお肉自体の香りと外の燻製の香りが融合するので、今までなかった香りができる。それで製造特許を取っています。

もともとはレバーが生食で食べられなくなったので、燻製したら食べられるのではないかと発案したのがきっかけで、お肉でもとてもおいしいんです。

あともう1つ、世界初の調味料です。大豆を発酵させると醤油、ハタハタだとしょっつるですが、これは黒毛和牛の熟成肉を原料にしている『牛醤』(千葉さんが左手に持っている小瓶)です。

原料に小麦と大豆と書いてありますが、小麦麹と大豆麹を使って、大豆を分解ではなくて牛肉を分解しています。通常お肉だといろんな制限があるのですが、調味料だと輸出がしやすい。これで和牛を世界に輸出することができます。

ハンバーグを今、焼いていますが厚みがあるので15分ぐらいかかります。食べてもらえなくてごめんね!」

【DORAYAKI】究極のブロッコリーと鶏胸肉

DORAYAKIの「QBT」、究極のブロッコリーと鶏胸肉はご存知の方も、食べたことのある方も多く、飽きないおいしさで常に人気を集めていた。エクストリームカンファレンスの休憩時間、小腹を満たしたいときに、お世話になった人もかなりいたのではないだろうか。

塚本 洸介さん「鶏胸肉とブロッコリーは最強なんだと伝えられればと思っています! 何それ?と思われるかもしれませんが、極めたらこんなにすごいことになるんだよと伝えたいです!」 

【Tobase Labo】戸馳島産アボカド、パッションフルーツのジャム

Tobase Laboの中川 裕史さんは、大きな目標をもって宮崎県戸馳島で作っている立派なアボカドとパッションフルーツジャムの試食を提供した。

中川さんヤマチクの山崎さんにご紹介いただき、イノPの宮川さんと同じ島から来ました。トバセラボの中川と申します。

食べてくださった方の反応、直の反応をいただいて勉強になることがたくさんあります。国産アボカドがあるというのは、まだ知らない方々がたくさんいらっしゃるので、知ってもらいたいと思って参加しています。

アボカドは南米のメキシコやペルーが産地ですが、育てるにあたって水問題や環境破壊だったり、戦争の引き金になったりと、住んでいる人たちに影響があることが多くて、それをなくしたり、少なくするためには、各国がそれぞれできる場所で作っていくことが大切だと思います。

僕らの目標は、 国産シェアを1%に増やすこと。現在99.9%が輸入のところを、1%増やすことに取り組んでいます。99%にしたいのですが、その1%の壁が結構高いんです。

出展されてる皆さんの見せ方と商品が、ものすごく勉強になると思って見ています。農家としてロスになるものをどう世に出していくかみたいな課題はずっとあるのですが、生産者がそこまでする時間がなかったりするので」

【ロスゼロ】食べる理由があるチョコレート「Re:You 気仙沼みなといちご」

ロスゼロは、規格外のいちごフリーズドライにしてホワイトチョコレートで包んだ「Re:You 気仙沼みなといちご」を提供した。

前川麻希さん「いろいろおつきあいしていくなかで、未利用で捨てられてしまう商品がたくさんあるということを聞いて、消費者の方に知っていただくきっかけになればと開発しています。少しでも手を加えることで商品化できるのであればと取り組んでいます。

私たちも通販がメインなのと、試食する場は最近は見られないので、目の前で美味しいと教えててくださるので、参加して良かったです」

【Red Yellow And Green】Grinoの冷凍プラントベースフード

Grinoとして展開する冷凍プラントベースフードのなかでも「ホワイトストロガノフ」と「ひよこ豆とココナッツミルクのコルマ」を提供した。どちらも植物だけとは思えないコクがあり、お弁当として購入できることから、社食にと心が動いた審査員もいたそうだ。

細井 優さん「100% 植物食材で作られた冷凍食品です。作っている理由としては、地球の温暖化対策として、植物性食品のお食事というのが動物性と比べて約97%排出される温室効果ガスが少ないとされているので、食べる選択肢として植物性食品を選んでいただくと、脱炭素に繋がるというアプローチです。

味に深み、うまみを出しているのはキノコ。カレーだとココナッツミルク、オーツミルク、豆乳なども使ってまろやかな味にしています。食べた方はこれ本当に?と、特にカレーがコクとかどうやって出すの?みたいな結構嬉しい反応を、皆さんにいただきました。

おいしいから、植物性でいいなと思えて、そのうえ地球にもいいんです。

9月から冷凍のお弁当を販売します。発酵食品や食物繊維たっぷりの腸活メニューもあるんです。メタジェンの福田 真嗣さんがブースにいらしてくださって、メタジェン公認のレシピを作りたいねという話になりました。

これを食べてどう変わったか調べると定量的にデータがとれればすごくいいので、やってみたいと思っています」

【前田農産】十勝ポップコーン

前田農産は、日本初のレンジでチンして出来上がるポップコーンを、自らポップコーンマンに扮した前田 茂雄さんがふるまった。

前田さん「国産初の電子レンジでチンするポップコーンを作っています。農家なのでとうもろこしの栽培からこういう商品提案までしようということでやっています。北海道の農業って、冬場に仕事がなくなってしまうのが大問題で、それをどうにか価値のあるものにしていきたいということで作りました。

沖縄の塩を一緒に電子レンジでチンする商品です。明日クラフテッド・カタパルトにも登壇するのですが、その時にはキャラメル味も紹介します。

ポップコーンはポテトチップスほど、主力のお菓子じゃないんですよね。でも、僕らも農業をどうやって伝えるかといったところで、電子レンジで楽しみながら作って食べて、知ってもらいたいなと」

【アグベル】シャインマスカット

ICCでもおなじみとなっているアグベルのシャインマスカット。シーズン真っ盛りのおいしいぶどうを提供した。

小坂 健登さん「山梨県で生産しています。自社でも年間50トンぐらいぶどうを生産していますが、県内の農家さんからも仕入れて、海外に輸出をさせてもらっています。うちのシャインマスカットは花数を減らして、すべての粒に甘みがちゃんとくるようにしています。今年は若干雨が多かったですが、張りもよく、美味しくできました」

審査員に聞く

北三陸ファクトリー下苧坪さんと話す宮川さん

イノP宮川さん「北三陸ファクトリーは、あの味だからやっぱり説得力ありますよね。 いやーびっくりしました。ここで初めて知ったんですが、今回も激戦ですね!」

homeal鬼海さん「たこが…おいしくてびっくりしましたね。その隣の『千休』もおいしかった。市販されているフィナンシェの中で一番おいしいなと思いました。米粉と抹茶と、最低限のものしか使っていなくて、普通はバターとお砂糖の味が勝ってしまうけど、とても自然な味、抹茶本来の味がしておいしかった。

これならギフト需要、オフィスの差し入れとかものすごく喜ばれるだろうなと思いました。抹茶カプチーノもすごくおいしかった。個人的にはとても好きなプロダクトでした。フード&ドリンクアワードはICC名物として続けていただきたいですね! 1時間だとお話を聞ききれなくて悔しいです」

映像インタビューに応える舟本さん

JR西日本舟本 恵さん「格之進のお肉ですが、素材への思いの強さは当然として、加工技術が(いい意味で)おかしくて。ゴールのあるべき姿が明確で、そこに向けて進んでいるときに生まれた調理法なのでしょう。想いが強すぎて、こうなっちゃうでしょう。言葉になりません……!

改めてイノベーションとは、想いの強さが生むんだなと思いました(笑)」

審査表に記入する大槻さん

KOHII大槻さん「たこ焼き…たこがめっちゃうまかったです。たこ食べました? びっくりしましたよ、絶対食べるべきです。アワード3度めの正直で、入賞する気がしています」

豆乳パティシエの鵜野由紀子さんはオールプラントベースの「Grino」を試食

ムシロジックホールディングス鵜野さん「プラントベースの話を伝えることは多かったけど、聞くことはあまりなかったので、うれしいです。マーケットはみんなで作って行くものだと思っています。

ちょっと概念が変わったのが、たこ焼き。あのたこにはちょっとびっくりしました。関西出身なので、明石のたこがおいしいのは知っているんですけど、粉とたこだけで、ここまでのうまみが出るかと衝撃でした。ソースなんてつけられない! なんかもう、おいしすぎてびっくりしました。

せっかくおいしい茹でだこを作っているから、そのままで食べたほうが絶対おいしいと思ったのに。ゆでだこでたこ焼きを作るのが普通なのですが、たこ焼きの中でうまみを凝縮させるというこだわりがすごい。食感のレベルもその方法があったのか!と思いました。

私もものづくりをやっているので、最後の漁師さんに還元できるというところ、水産業の方々まで思っているというところが本当に共感しました」

HiOLI西尾さんには、会場のフードコーナーでクラフトアイスクリームをご提供いただいた

HiOLI(HiO ICE CREAM)西尾 修平さん「今回は定番のミルクに加えてメロンとパンプキンミルクという限定フレーバーをご用意させてもらいました。ICCの皆さんは食に通じている方が多いので、手のかかったものを出してどういう反応をしてくださるか知りたいと思って。

アワードでは、自分が思っていた以上にみなさんのこだわりを感じました。見えない手のかかりっぷりをお話を聞くことで知ることができた。これはICCならではというか、リアルの体験だからこそ知ることができた。本当に有意義な場です。

改めてリアルはすごく大事だなと思います。それぞれのブースが本当にどれもよくて、自分のビジネスとは縁遠くてもすごく勉強になったのは、完全栄養食の味噌汁(MISOVATION)。モノづくりのプロセス、麹菌を解析して栄養素を足すとか、作り方のアプローチなどはすごく共感できました。

格之進の社長のビジョナリーな感じとか、すごいなあとびっくりしました。パッションがあふれていて、すごく好きだなと思いました」

右田さん(写真左から3番目)はアグベルのブースを訪問

フィッシュ・バイオテック右田 孝宣さん「ブロッコリー(DORAYAKI)が心に残っていますね。YouTuberやゴーストレストラン、Uberなど今風のマーケティングですが、これを求める一定の方々に対する課題解決をちゃんとやっているし、僕もサバ一本でやってるから参考になりますね。間違ってなかったなと思いますね。

北三陸ファクトリーさんもすごい。北宇坪さんの社会課題に向き合う深さがすごい。熱量がすごくないとできないと思います。本業がちゃんとありながら、社会課題に向き合うバランス感があります。勉強というか、刺激になりますね」

参加企業17社も、25人の審査員も超真剣。審査だけでなく「学んでいる」という言葉がお互いから何度も出てくる。学びの共創に加えて、実業でのCo-Creationの話もそこここで聞こえてくる。審査員以外の投票に加えて、一般参加者の投票も順調に進んでいる。この優勝発表の行方は、アワードファイナルのレポートでお届けする。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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