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これまでに配信した、組織づくりに関する議論を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス KYOTO 2016 から、「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論」を10回に再編集してお届けします。組織づくり特集3(その8)は、ランダムなトレーニングの効果や、固定概念を取り除くダイバーシティ等、組織づくりで重要な取り組みについて議論しました。必見の内容です。ぜひご覧ください。
ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 5C
最高の成果を生み出す チーム作りの方法論
(スピーカー)
石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者
川上 (全龍)隆史
宗教法人 春光院
副住職
川邊 健太郎
ヤフー株式会社
副社長執行役員 COO
中竹 竜二
(公財)日本ラグビーフットボール協会
コーチングディレクター
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役
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最初の記事
【新】最高の成果を生み出すチーム作りとは?【SP-OD3 #1】
1つ前の記事
「マインドフルネスとは何ですか?」ヤフーCOO川邊氏が本質に迫る!【SP-OD3 #7】
本編
ランダムネスが成長を早める
石川 少し思い出したのですが、最近スポーツの研究でビックリするものがありました。
これはもうビックリしすぎて思わず「おお」と言いました。
何かと言うと、まさにランダムネスの研究です。
バスケットボールのフリースローで3メートルの距離からのシュートというのはありますでしょう。
これが、3メートルの距離からずっと練習するよりも、1メートルや5メートルと距離を変えて打つのを繰り返した方が、結果3メートルの距離からのフリースローが入るようになるらしいのです。
つまり、3メートルの距離からの練習を繰り返した人と、ずっとランダムでやった人の比較ですね。
川邊 普通3メートルからやりますよね。
石川 そう。でもそこは揺らした方が良いらしいのです。
またほかの研究ですが、同じフリースローでも、実際やった場合と頭の中でイメージするだけの場合での比較で、これは効果が双方で変わらなかったというのです。
それくらい人の脳というのは騙されるのだと思いました。
また、その関連ではなくて別の研究で見たのですが、筋トレについても実際やるのとイメージだけでやるのと効果が違うかという研究がありました。
これも効果が一緒らしいのです。
川邊 では筋トレしなくて良いということですか。
石川 実際しなくても、イメージで「うー、重い」とやっていると筋肉というのは育つそうなのです。
たぶんイメージと共に筋肉もブチンブチンと切れてるんでしょうか?(笑)
川邊 石川さん、これは研究者としてどの程度まで信じていいのですか。
石川 にわかには信じられませんが、そういう研究が1個2個出てきているのは確かです。
こうした意味でもバイアスにとらわれているなと思う。
ランダムにやった方が結果成長が早いというのは今の僕のホットトピックで、中竹さんのお話を聞いてやはりそうなのだなと思いました。
中竹 しかし、こういうのもわかってきたのは最近なのです。
そんなに昔から言われているわけではありません。
ただ、研究機関としての製造業との連携が大きかったですね。
いかにモノを作っていくか。
これもスキルを積み重ねていくよりも、1人が一気に作った方が早い場合もある。
そういうトレーニングをスポーツ界と連携して研究していくうちに最近わかってきたということなのです。
小林 ICCカンファレンスを運営しているスタッフもボランティアスタッフで普段は違う仕事をしているのですが、突然これをやれとか、たとえば突然司会をやれというと、人は結構成長するのです。
2、3日で結構大きく成長します。
環境を変えるとか、普段と接する人を変えるとか、それだけでも人は大きく変わりますね。
これは当たり前と言えば当たり前ですが、まったくこれまでの経験に関係なく配置されていますので、そうしたランダム性ある機会での学びというのは大きいように思います。
▶参考情報:ICCカンファレンスではボランティアスタッフを募集しております。
ダイバーシティ(多様性)の重要性
川上 前に石川さんと進化論の話をした時も似たことを言っていましたね。
バラエティというかダイバーシティがあった方が良い、と。
つまり、多様性というのは進化の決定的な証拠だということです。
特殊性ではなくて多様性ということですね。
これは個人の段階でもそうです。
ランダムにやらせることで、多様性が身につくわけでしょう。
何かに特化してこれだけやっていれば良いということになってくると、やはり崩れてしまうということになってしまうのでしょうね。
石川 ですから、多様な人に会った方が良いとは思います。
世の中は意外と狭いですねと言うようになったら、それはおそらく会う人が限られているということでしょう。
僕は今日、生まれて初めての経験をしました。
今日は僕、福岡から来たのです。
博多から京都へ新幹線に乗って来ました。
最近、昭和20年代、30年代の日本人がどのような暮らしをしていたのかという研究をしていて、ハッと隣を見たらどう見ても80代くらいのお婆さんが座っていたのです。
これは当時のことを知っているのではないかと思って、話しかけました。
するとすごくいろいろ教えてくれたのです。
僕は反省したのですが、この80代、90代の人たちはもういなくなってしまいますでしょう。
今話を聞いておかないとすごく損をすると思いました。
ですから、僕はこれからまた東京に帰りますけれど、隣にお爺さんお婆さんが座っていたら、絶対また話しかけようと思っています。
意外と向こうも、話しかけたら答えてくれるのだということをすごく学びました。
川邊 やはりチームにダイバーシティがないとモノづくりはできないですね。
この間も、ティーンエージャーにヤフー・ジャパンをもっと使ってもらうにはどうすれば良いかという会議をしていたのですが、いろいろな議論の中で今ウチはアプリシフトに注力しているのでのですが、いろいろ話を聞いていったらティーンエージャーは結構アプリをダウンロードしていないという結論だったのです。
18禁とか16禁のアプリが結構多いので、WEBを使っている。
この1年くらいティーンエージャーに使わせるためにアプリだと盛り上がっていた我々は何だったのでしょうか。
会議に1人子どもがいたら、「そんなもの使わないですよ」と言ってくれたはずです。
ですから、チームにダイバーシティがないと滅ぶなと思いました。
石川 それはおもしろい話ですね!
川邊 そう、みんな勝手にやっていたのです。
小林 バイアスがかかっていたわけですね。
川邊 ですから、画一的にしていると滅びますね。
特にインターネットのようなグローバルプラットフォームですと。
バイアスはどんどん増えている
中竹 ダイバーシティということだと、ちょっとした配置転換だけでも良いかもしれないと思います。
たとえば、ラグビーというのはいわゆるフォワード陣とバックス陣で全然やることが違うのです。
まるで別な競技だというくらいです。
そこで、ツアーのある日突然、おデブなフォワード陣たちに今日は全員バックスになれよと言う。
逆に細身のアスリート系なバックスに、スクラムを組ませたりする。
コーチも、スクラム担当のすごく良いコーチを、いきなりキックのコーチにしたりします。
そうした普段やらないことをチーム内でやるだけでもすごく新鮮です。
川上 特に最近はすごくバイアスのかかった世界にいると思うのです。
検索しても自分の都合の良いサイトしか出てこないし、FACEBOOKにしろアルゴリズムがそうなっていますでしょう。
そして、最近のTED Talkの中で、何かの話を見ていた時に、全人類の歴史の中で今もっともバイアスにかかっているし、すごく両極端にもなってきているということが言われていました。
その時にどうしたら良いかとなると、やはり自分と違う、普段会わない人と話すということは大切になってきます。
つまり、いかに自分というものを多様化させるということが重要になってくると思うのです。
小林 ありがとうございます。
(続)
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続きは チーム作りに禅問答はどのように活かせるのか? をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太
【編集部コメント】
続編(その9)では、会場からの質問を受け付け、経営者が禅問答を繰り返す効果や、無心で「ただ聞く」ことの難しさについて議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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