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「社長抜き経営幹部合宿」のススメ【C16-1 #11】

ICCカンファレンス CONNECTION 2016「俺たちのHARD THINGS」

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これまでに配信した、経営に関する議論を総特集いたします。今回は、ICC Connection 2016 から、「俺たちのHARD THINGS」を15回に再編集してお届けします。15回シリーズ(その11)は、経営会議を研究しているというクラウドワークス吉田さんが、オススメする「社長抜きの経営幹部合宿」について語りました。ぜひ御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。

「俺たちのHARD THINGS」の配信済み記事一覧

吉田 私はどちらかと言うと、オーナーシップというよりは、会社は子供のような感じです。

つまり、他人の成長を見守っているというような感覚で見ています。

だから、私が気をつけているのは、この他人であるクラウドワークスという会社が成長していく時に、なるべく成長が阻害されないようにエンパワーするということです。

ですから、傾きの小さい一次曲線と傾きの大きい二次曲線とあって、二次曲線になっているかどうかというのをすごく見ています。

そして、二次曲線を作るためであれば、私が社長であろうがなかろうかどちらでも良いと思っています。

自分自身は、会社がきちんと社会のインフラになっていくということに対して貢献する、いちプレーヤーだと思っています。

ですから、もちろん自分のやりたいことをやっていますけれど、オーナーシップ的なところもなく、自分が社長であり続けるというイメージもありません。

だから、そこの違いは結構興味深いです。

経営合宿で喧々諤々議論する

小林 面白いですね。

高橋 やりたいことの属性を定義したものが会社のミッションだと思うのです。

そして、ウチの場合は、「新しきを生み出し世に残す」というものです。

世の中に残るようなものを作って行こうという考えです。

ただ、こういう言葉というのは人によって解釈が違いますよね。

だから、役員の中で「そういう事業だけやっていこう」と言っても、役員が「では、こういうものに突っ込みたい」と言ってきたものが、「いや、それは全然新しきを生み出し世に残してないじゃないか」となることはある。

吉田 たとえば、その「世に残す」というところで時間軸はどうだという解釈もありますものね。

10年残るのか、100年残るのかという。

高橋 そうなのです。でも、それを50行くらいかけて書いたらワケわからなくなってしまいます。

吉田 なるほど。だから、「世に残す」と。

高橋 だから、経営合宿などもすごく喧々諤々としています。

もう僕などは「なんでわからないのだー!」となったりします(笑)。

吉田 だから、そこでなんですけど、最近経営会議のやり方というのを結構みなさんからヒアリングしております。

クラウドワークス吉田流の新・経営会議

吉田 まず、私は経営会議というのは参加しないことが結構あるのです。

高橋 本当ですか。

吉田 はい。そして議事録をもらう。

なぜならば、私がいると直近に入っているマネージャーなどが発言しにくくなるのです。

私が何か感想レベルのことを言ってもそれが指示に聞こえてしまう。

田中 それは、最初の15分くらい黙っていると良いですよ。

吉田 ええ、だから参加してもほとんどしゃべらないです。

影沿いにオブザーバーのように座っているような具合です。

田中 全然信じられませんね。

高橋 全然イメージではありませんね。

吉田 でも、そうなのです。

ですから、みなさんどんな経営会議をしているか気になります。

高橋 僕はしゃべりたくて仕方がないという感じです。

小林 スーパーパフォームですものね!

高橋 確実にこのキーワードは流行りますね(笑)。

しかし、本当に僕はしゃべります。

吉田 それでは結構各事業の責任者と一対一という感じになりますか。

つまり、経営会議でみんな卓を囲んでいるのだけれど、社長と一対一で順々に話していくという具合なのでしょうか。

高橋 いいえ、それはないです。

ウチの会社はもうみんなしゃべりたがるのです。ですから、みんなが被せてしゃべりまくる。

吉田 それは良い会社ですね。

田中 ウチですと経営会議は「3年後とかの話だけしよう」と言っているので、あまり数字をどうするとかいう話はしません。

そこはCFO(最高財務責任者)とCOO(最高執行責任者)に任せてしまっています。

社長抜きの経営幹部合宿を実施

吉田 それが発展したものとして、最近すごいソリューションを発見しました。

ある日、ウチの副社長の成田がメールを打ってきて、「今度、経営合宿をやりたいのですが、吉田さん抜きでやりたいのです」というのです。

でも、これがすごいメイクセンスというか、すごかったのです。

すごく機能した。

要は、「クラウドワークスがなぜこういう経営判断をしたか」を、私のいないところで全員で考えたのです。

その中で、「自分たちが全部出し切ったらこういう考えでした」というものを出した後に、私が入ってもう一度会議をしました。

すると、考えの差分が明らかになったのです。

今まで、少し言ったら私が全部説明するので、結局自分たちで納得感がなかった。

ところが、あるセグメントにおいて自分たちでクラウドワークするについて考え切ったという状況まで持ってきた。

たとえば、「なぜこのサービスを始めたのか」などについてです。

すると、ある人は「いや、吉田さんの思い付きで始めたのだろう」などと思っていたりしました。

そういう「そんなワケねーだろ」というくらいの認識だったのがわかったのです。

でも、それによって、「なるほど、吉田さんが考えていることはわかった」となりました。この社長抜き合宿はおすすめです。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太

▶続きは Googleに振り回される、ベンチャー企業の「事業あるある」 をご覧ください。

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【編集部コメント】

続編(その12)では、Googleの突然のアルゴリズム変更や無料ツールの提供で事業計画が狂うという、ベンチャー企業に起きがちな「HARD THINGS」についてお話しいただきました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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