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これまでに配信した、経営に関する議論を総特集いたします。今回は、ICC Connection 2016 から、「俺たちのHARD THINGS」を15回に再編集してお届けします。15回シリーズ(その14)は、会場からの質問を受け付け、役員同士の良き関係性の作り方について議論しました。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
小林 それでは最後に一問ほど質問を受けましょう。お願いします。
役員同士の良い関係性の作り方
質問者2 みなさんのお話を聞いていて、事業面での「HARD THINGS」よりも、会社の内の話のところがすごく「HARD THINGS」だと思いました。
吉田さんの、成田さんとのエピソードもそうなのです。
そこで高橋さんと田中さんにも、役員同士の関係性の悪化とか、そういったエピソードがあれば教えて欲しいです。
小林 それは自分が何かその部分で悩みを抱えているからでしょうか?
質問者2 ちょうどウチも今、取締役の3人の役割分担など、関係性をいろいろ見つめ直している時期なのです。
そのあたり参考にできればと思ってした質問でした。
吉田 今、「見つめ直して」とうまく言いましたが、実際はそんなものではないでしょう(笑)。
小林 これをどうするかということですか。見つめ直し方を教えて欲しい、と。
質問2 そうですね。信頼関係が揺らいだ時、それをどう乗り越えていったかというお話をお聞きしたいのです。
小林 それでは、吉田さんは先ほどのエピソードがあったので、高橋さんと田中さんにお聞きいたしましょう。
高橋 僕は2009年に、当時の役員に「悪魔」と言われ、他の役員には「代表は金儲けはうまくない」と言われ、彼らは辞めてしまったということがありましたから、その時は止められなかったです。
当然、慰留したのですが。
吉田 それはなぜ「悪魔」と言われたのですか。
悪魔と言われるところまで行くには結構積み重ねがないと、そうはいきませんでしょう。
(会場笑)
お互いに徹底的に言い合う前提でチームを作る
高橋 当時、ウチの会社はゴリゴリの営業会社だったので、発破をかけてテレアポを一生懸命かけさせたりしていたのです。
また、サービスの品質改善というところが見えていないのに、営業が止まってしまったら会社が潰れるので、「何としてでも売れ」ということを指示するのを横で見ていて、「悪魔だな」と思ったらしいです。
小林 逆に言うと、先ほどの「良いところでも悪いところでも言ってくれ」とやってきたから、今は良い感じでやれているというところがあるのでしょうか。
高橋 それもそうですし、お互いに徹底的に言い合おうという前提でチームを作っているので、自分が相手の課題に思うところなども即座に言います。
そういうところは良くないと思うし、やめて欲しいという話はすぐにするようにしています。
みんなが僕に対して全てを言ってくれているとは思わないですが、みんなからも定期的に言えるような機会を設けて、なるべく言ってもらえる環境を作っているということです。
吉田 その役員が辞めた後も、会社の態勢というのはそんなにすぐには変わらないですよね。
そこはどうやって改善していったのですか?
高橋 その役員が辞めるとなった瞬間に、もう全部自分の頭で考えようと思いました。
今までは、彼らの話も聞きながらやっていたのです。
その人たちの話を聞きながらやって、採用して、みんなで決めてやってきても、「悪魔」とか「お前は金儲けがうまくない」などと言って人は辞めてしまうので、最後の最後までリスクを取る人間は僕以外にいないということに気づきました。
それから毎日会社に本を何冊か持って行って、3か月くらいひたすら本を読み続けたのです。
本当に経営戦略の基礎のような、事業再生の基礎のような本をたくさん買って、それをひたすら読んで、「今のこの状況はこれだ」となって、「こうすれば打開できるはずだ」というものを見つけました。
吉田 それは創業何年目のことですか?
高橋 2009年なので、3年目です。あの、一番ハードだった時です。
そこで結局何をやったかと言うと、「選択と集中」で、いろんな事業をやっていたのを全部一つに絞って、SEOを売るということを全員でやっただけなのですが、自分で解を出すということを「経営者として」初めてやった経験だったなと思います。
少し質問からズレてしまいましたが、役員同士で絶対に思ったことなどを納得いくまで言い合おうという前提で役員にしていますし、普段からそういうコミュニケーションを取っているので、すると何だかんだ日々日々補正されながら良い関係が築けているかなと今は思っています。
小林 田中さん、どうでしょうか?
まあ、君の人生もあるよね
田中 僕はあまり役員同士でモメたことがないのです。100%信じているので、別にまったくモメません。
ただ、一回、もう7年くらいになりますが、取締役のNO.2が辞めたのです。
その時も最初、「辞めたい」と言われたら(自分が)ショックで死ぬのかな、と思いました。
辞める気配があったので。
それで言われると、「ああ、そうなんだ。まあ、君の人生もあるよね」というふうになって納得できたのです。
もちろん嫌ですよ。でも別に泣きもしないし、死にもしない。
吉田 でも、会社の中は大混乱しますよね。そうでもないですか?
田中 結局それはGoogleがやってくるのと一緒なのです。Yahooとかがやってくるのと一緒で、そういうこともあるということです。
小林 悟りを開いているわけですね。
吉田 それは初めから割と達観しているのですか?
田中 いや、いろいろな嫌なことがあって、もちろんそれを反面教師にしているところもあるのですよ。
別に達観しているというわけでもないのです。
でも、今の役員は僕は100%信じていますし、全然モメてもいないですが、もしモメたら「辞めちゃうんだろうな」と思います。
高橋 絶対に誰も辞めないというのは、おそらくあり得ないでしょう。
どこかで別れるタイミングというのはある。
100%信頼はするし、何とか折り合いをつけて行くために努力はするけれど、最終的に辞めてしまったとしても、ショックを受けてそこから立ち直るしかありません。
そういう割り切りを持ってやっていくしかないように思います。
田中 ウチも社員の不満がいろいろあった時もあると思うのですが、その時に全員に言ったのは、「みんな俺の気持ちになってくれ」ということです。
「俺に憑依してくれ」と。
「俺だったらどう考えるか考えてくれ」というふうにずっと言い続けました。
そうやって、「もし俺だったらどう考えると思うか」という話をし続けますと、みんな僕のような感じになっていくのです。
考え方とか、判断軸とか、何が嫌とか。
そういうものがだんだん染みついてくる。
すると、だんだん他の役員がすることも、「ああ、俺っぽいな」というふうになってきます。
吉田 結構、自分のやり方を理解させるのですね。
田中 先ほど器という話が出ましたが、僕は器というのはあまり広がらないと思っているのですが、判断軸はいろいろ広がると思うのです。
これは嫌だとか、これは良いとか。
だから、これを役員同士で共通項として持っておけば、別に間違ったことは決めないだろうとは思っています。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太
続きは 【最終回】他の経営者の真似ではなく、自分なりの経営の型を作る をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その15)では、最後に各登壇者にセッションでの学びを共有頂きました。クラウドワークス吉田さんに素晴らしい締めを頂きました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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