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「障害=欠落」を変えるブランドへの挑戦! 支援的な福祉から、持続可能なビジネスを作るアートIPカンパニー「ヘラルボニー」(ICC KYOTO 2024)

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ICC KYOTO 2024 カタパルト・グランプリに登壇いただき、見事優勝に輝いた、ヘラルボニー 松田 崇弥さんのプレゼンテーション動画【「障害=欠落」を変えるブランドへの挑戦! 支援的な福祉から、持続可能なビジネスを作るアートIPカンパニー「ヘラルボニー」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。

【速報】障害への支援的な構造を逆転するアートIPカンパニー「ヘラルボニー」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2024)


【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

松田 崇弥
ヘラルボニー
代表取締役 Co-CEO
公式HP | 公式X

小山薫堂が率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズ、プランナーを経て独立。 4歳上の兄・翔太が小学校時代に記していた謎の言葉「ヘラルボニー」を社名に、双子の松田文登と共にヘラルボニーを設立。 「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験カンパニーを通じて、福祉領域のアップデートに挑む。 ヘラルボニーのクリエイティブを統括。東京都在住。双子の弟。世界を変える30歳未満の30人「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」受賞。 著書「異彩を、放て。―「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える―」。


松田 崇弥さん へラルボニーは、異彩作家とともに、新しい文化をつくるアートIPカンパニーです。

主に、知的障害のある作家の作品3,000点以上の著作権管理をし、BtoC、BtoB、様々な形で展開することで、知的障害のイメージを変えることに挑戦しています。

「異彩を、放て。」というミッションを掲げています。

普通じゃない、それは同時に可能性であるということを、人生をかけて体現していきます。

著作権管理で、知的障害のある作家に利益を還元

ビジネスモデルは、契約作家244名の3,000点以上の作品の著作権管理を行い、パートナー企業との仲介に入ることによって、適切な作品使用料、ライセンスフィーが作家に還元されていくというものです。

世界を見ても、このようなビジネスモデルを作っているのは、我々しかいません。

3年前、第1回のソーシャルグッド・カタパルトにて、Co-CEOであり双子の(松田)文登が、優勝を果たしました。

【速報】福祉を起点に寛容な社会を提案する「へラルボニー」が ソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICCサミット FUKUOKA 2021)

その時、「本当にいいことやってるね」「ソーシャルビジネスだね」「感動した!社会性があるね」「家族が喜ぶね」と、たくさんの激励の言葉を頂きました。

社会性だけではない、ヘラルボニー社の成長性

私が今、このカタパルト・グランプリの場に立っているのは、社会性ではなく経済性の話をするためです。

売上推移は、2021年のICCサミットでの優勝から3年間で約8倍に成長、今期は16億円の着地見込みとなっております。

まだまだ本当に小さい会社でございますが、これから加速度的に成長する体制が作られております。

グロースサイクルは、BtoC事業がギャラリー、百貨店、EC事業など様々な形で広告機能を果たし、BtoB案件が舞い込んでくるというモデルです。

そしてBtoB案件で様々な露出をすることで、BtoCの売上が向上するという、独自のグロースサイクルがぐるぐる回る形です。

マーケットサイズは国内だけで約6兆円あり、これから世界に向けて大きく挑戦していきます。

経営陣についてです。

双子で創業した会社は、マネーフォワードのIR責任者であった忍岡がCOOに就任、その他数多のプロフェッショナルに囲まれながら、これから加速度的に大きく挑戦する経営体制が構築できています。

百貨店や企業とのさまざまな取り組み

では、どんなことをしているのか。

例えば、百貨店を中心に出展したり、 ギャラリーを通じて多くのアートコレクターに作品を所有いただいたり、宿泊すればするほど作家にライセンスフィーが支払われるホテルのプログラムだったり、スターバックス店舗の内装を手がけていたり、東京駅が異彩のキャンバスになっていたりします。

最近では丸井グループと一緒にクレジットカード事業を作り、使えば使うほど作家に還元されるクレジットカードを作っています。

【丸井グループ×ヘラルボニー】利用額の0.1%を福祉を支える力に換える「ヘラルボニーカード」に6名のアーティストの新デザインが登場(ヘラルボニー)

JALとは業務提携を締結し、ビジネスクラス、ファーストクラスのアメニティも手がけ始めました。

JAL、ヘラルボニーと業務提携を締結(JAL)

支援的な福祉から持続可能なビジネスにする挑戦

我々ヘラルボニーのビジネスモデルは、 従来の支援的な福祉構造を逆転させる、持続可能なものです。

どんな作家に支えられているのか。

例えば、字と字をつなげてしまう強烈なこだわりのある作家、ボールペンでひたすら黒丸を塗る作家、永遠に迷路を描き続ける作家…色々な作家に積極的に依存して、挑戦しています。

福祉施設の月額平均賃金は16,118円

16,118円、これは福祉施設の平均賃金です。

2023年度、「鳥肌が立つ、確定申告がある」という広告を、確定申告期間中、国税庁前に掲出しました。

これは3年前、作家のお父さんからのメッセージを、そのまま広告にしたものです。

「鳥肌が立つ、確定申告がある。」知的障害のある息子と歩んだでこぼこ道(日テレ)

読み上げさせてください。

「本年はヘラルボニーのみなさんのおかげで、息子は400万ほど稼ぎ出しました。扶養の基準を超えており、確定申告をすることとなります。息子に扶養されるという冗談のような話が現実になる日がくるかもしれませんね。」

まさにそれが現実化しており、この作家は1,000万プレイヤー目前です。

3年間で作家のロイヤリティも15倍に成長し、重度の知的障害のある人が当たり前に確定申告をする、そんな未来が作られ始めています。

つまり、才能というものは、披露してはじめて、才能になる。

私はそう思っており、これからどんな未来を作っていくのか説明させてください。

世界中から作品が集まるアートアワードを創設

今年へラルボニーは、HERALBONY Art Prizeという、国際アートアワードを発足させました。 

こちらに、世界28カ国6大陸924名の作家から、約2,000点の作品が集まりました。

授賞式には世界中から審査員や作家が集まり、障害のある人たちのアート活動を世界的に盛り上げていこうという気運を高めることができました。

特筆すべきは、既にニューヨーク近代美術館やMoMAに作品が収蔵されているような作家もエントリーしたということです。

これから、世界中の作家とのライセンス契約締結が加速していきます。

LVMHのINNOVATION AWARDのファイナリストに選出

そして最近の一番のビッグニュースとして、LVMHのINNOVATION AWARDにて、世界1,545社のうちのファイナリスト6社にヘラルボニーが選出されました。

これから、LVMHの伴走支援を受けていくのですが、ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、セリーヌ、フェンディ、ロエベ、リモワなど、75の様々なメゾン・ブランドとの商談がこれから用意されます。

そして今週月曜に日本経済新聞にて情報解禁を行わせていただいたのですが、フランスにて、HERALBONY EUROPEという法人を登記しました。

ヘラルボニー、仏に初の海外子会社 起業支援施設に入居(日本経済新聞)

ヨーロッパ最大のスタートアップ拠点Station FにLVMH採択企業として入居し、LVMHのオフィスに出社する形です。

STATION Fが世界中のインキュベーション施設におけるモデルケースとなった理由(Route X)

私も来週からパリに行き、思い切り挑戦していきたいと思っています。

障害=欠落とか、障害者が作る=安い、という世界的な課題を、本当に変えていきたいです。

そして、新しいブランドの、新しいIPの世界的旗手に我々はなれると思っております。

世界の人権感覚を前に進めるブランドIPに

なぜ私がこんな事業を行っているのか。

それは4歳上の兄が、重度の知的障害を伴う自閉症だったからです。

兄は普通に笑ったり、喜んだり、悲しんだり、私たちと同じような感情を抱いているのに、かわいそうなどと表現されることが許せなかったですし、私自身も馬鹿にされて悔しいという思いがあり、へラルボニーを創業しました。

へラルボニーというこの会社名も、兄が小学生の時に日記帳や自由帳に書いていた、謎の言葉です。 

へラルボニーというこの謎の言葉も、世界の人権感覚を圧倒的に前に進めていくブランドIPになれると、私は確信しております。

審査員の皆さん、聴講者の皆さん、こんなふうにパリのシャンゼリゼ通りに、当たり前にへラルボニーがある景色を想像していただけたら嬉しいです。

そうすれば障害のある人も、障害のある人たちの家族も、世界中の人たちもエンパワーメントされる事業が作れると、本当に思っています。

ご清聴ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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