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患者への説明と意思決定を支援するクラウド「MediOS」で、病院の機能や空間を拡張する「Contrea」(ICC KYOTO 2024)

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ICC KYOTO 2024 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき5位に入賞した、Contrea 川端 一広さんのプレゼンテーション動画【患者への説明と意思決定を支援するクラウド「MediOS」で、病院の機能や空間を拡張する「Contrea」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。

【速報】廃プラと活用企業をつなぐ循環型サプライチェーンで、ごみを資源に生まれ変わらせる「レコテック」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2024)


【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門 
Sponsored by EVeM

川端 一広
Contrea
代表取締役CEO
公式HP | 公式X

東京都立大学、放射線学科卒。がん専門病院にて4年半放射線技師として従事していた中で、医療者・患者間のコミュニケーションに課題を感じ、起業を決意。当初はVR (Virtual Reality) 上で、CTやMRI画像を医療知識がなくても簡単に分かるシステムを独自で開発する。研究費の獲得や、学会発表など研究も同時に行っていた。しかし、医師・患者双方のニーズを捉えられず、起業前にピボットを決意。その後、医師へのヒアリングや患者会へ参加して課題と向き合い直し、現在のMediOSの構想に辿り着く。起業前にスタートアップのいろはを学ぶためにAillis株式会社に転職。その後、2020年1月にContrea株式会社を設立。「医療にかかわる全ての人に安心を」のミッションを掲げ、”安心”を大切にしている。会社名は医療において重要と考えている”信頼”、”安心”、”納得”の英語の頭文字から名付けた。


川端 一広さん Contreaの川端です、よろしくお願いします。

病院にすぐにはかかれない未来が待っている?

時は2040年。

あなたが病院に行こうと思ったとき、「予約が取れるのは2ヶ月後」。

さらに、「手術が受けられるのは3ヶ月後」という未来が待っているかもしれません。

これは、 高齢化に伴い、医療需要が爆発する一方、 医療者不足によって需給バランスが崩れることが原因です。

医療現場は限界を迎えつつある

時を戻して2024年現在、既に日本の医療現場は、限界を迎えつつあります。

医師の長時間労働は社会問題となり、個々のマンパワーで解決できるレベルを超えています。

医師の働き方改革の制度について(厚生労働省)

この危機を乗り越えるために、医療現場の生産性向上は、 私たち一人ひとり、そして日本社会全体における最重要課題の一つです。

そこで、私たちは医療現場にあふれる紙に着目し、「MediOS(メディオス)」というサービスで問診票と同意書をペーパーレス化することにより、業務の改善を支援しています。

しかし、一人ひとりの命を扱う医療現場で、生産性や効率性ばかりを突き詰めていいのでしょうか。

ある喉頭がん患者さんの術後の訴え

ここで、1人の患者さんの実話を紹介させてください。

その方は70代後半の男性で、喉にがんができ、手術を受けることになりました。

その手術では声帯を一緒に取るため、術後は声が出なくなります。

幸い、手術は成功しました。

しかしその男性は手術が終わった後に、「声が出なくなるなんて、知らなかった。知っていたら、手術なんて受けなかった」と、手を震わせながら筆談で私に訴えかけてきたのです。

手術は成功したのに、彼は深い悲しみと後悔を抱えていました。

この経験から、患者さんへの説明と意思決定のプロセスこそが、医療のコアな部分だと強く感じました。

医師は工夫をし説明対応に時間をかけている

勿論、医師も説明を大切にしています。

忙しい中でも30分、ときには1時間かけてこのようにイラストを描くなど工夫をしながら、説明をしています。

それでも専門性が高くて伝わらなかったり、時間がかかったりします。

実際、医師の残業理由の3番目に挙がるほど負担になっています。

平成29年度過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業報告書 (医療に関する調査) 

医師の説明をアニメーション動画で再現

これら医師、患者さん双方の課題を解決していくのが、「MediOS」です。

MediOSは医師の説明をアニメーション動画で再現し、分かりやすく患者さんに伝えることができます。

今まで、医師の説明は診察室で一度限りでしたが、このような動画であれば、家に帰ってから何度でも繰り返し見ていただくことができます。

さらに、遠方に住んでいるご家族にも同じ情報を届けることができ、家族全員の理解度を高めて揃えることができます。

視聴後に患者が理解度評価や質問を登録

さらに、動画を見終わった後は患者さんが自分の理解度や質問を登録することができ、医師の対面説明に安心して臨んでいただけます。

医師としても、患者さんの理解度が高まった状態で個別説明に臨むことができ、彼らの理解度や気になっていることが把握できるので、データに基づいて患者さんの意思決定を支援することができます。

休薬や禁煙など患者を遠隔からサポート

患者さんがご自宅に帰った後に、休薬、禁煙、持ち物についてなどの案内を送ることができ、遠隔でも患者さんを支援できます。

そう、MediOSを利用することにより、医療者と患者さんがオンラインでも連携することができるようになり、病院の機能や空間を拡張することができるのです。

今までの医療システムは「業務効率化」だけでしたが、MediOSは「質の向上」もできる、これこそがMediOSの真骨頂です。

経営資源の最適化ができ、規模を問わず導入が進む

このようなサービスはこれまでなかったことから、大学病院、地域中核病院、公立病院などスタートアップが入るのが難しい病院でも、続々と導入が進んでいます。

ある病院ではMediOSを利用することで、外来の医師を4人から3人に減らすことができ、貴重なリソース1人分を確保することができました。

看護師も、もともと30分の枠で1人の入院対応をしていましたが、2人の入院対応をすることができるようになり、生産性が2倍に向上した病院もありました。

さらに患者さんからも、動画がすごく分かりやすい、医師とのコミュニケーションが取りやすくなったなど、嬉しい言葉をたくさん頂いています。

患者は無料、医療機関が支払う月額利用料は3万円から

ビジネスモデルです。

患者さんにはMediOSを無料で利用いただき、医療機関から利用料を頂いています。

病院の規模によって異なりますが、月額利用料は3万円からである一方、アップセルやクロスセルのしやすさから、ARPA(Average Revenue Per Account)は16.6万円にものぼります。

なぜ、アップセルやクロスセルがしやすいのか。

それは、例えば動画の説明支援が消化器内科に導入されたとすると、外科、泌尿器科、整形外科、麻酔科と、診療科を横展開していけるからです。

さらに、問診票や同意書など追加で機能を利用することができます。

この、縦にも横にも拡張することができるのが、我々のビジネスモデルの強みです。

サービスとCSの改善で解約率がゼロに

オンボーディングにも力を入れており、PMF(Product Market Fit)をしてからのチャーンレートは0%です。

ちなみに2年前のチャーンレートは、なんと75%でした。

そこから医療現場と向き合い、サービスとCSを磨き込んできたことで、この0%を実現しています。

単価とチャーンレートの低さが噛み合ったことで、ARRも急激に拡大してきています。

現在は8診療科に対応

今後の展開です。

現在対応しているのは8つの領域にとどまります。

しかし大病院では、30、40という診療科があるので、短期的には網羅性を高めていきます。

さらに、多言語対応をして海外にも展開していきます。

網羅性が高まることで、一つの病院でも年間単価が3,000万円までアップすることを見込んでいます。

薬剤師、理学療法士など連携先を拡大

中長期的には、患者さんの連携先を増やしていきます。

現在は医師と看護師がメインですが、今後は薬剤師、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ソーシャルワーカーなどとも連携することで、患者さんを中心としたネットワークを築いていきます。

「医患連携」できる環境は整った

最後に、これまで、このようなサービスを作るのは非常に難しかったです。

それは、医療現場には高齢者が多く、テクノロジーとの相性が非常に悪いからです。

しかし今や70代のスマホ所持率は約83%にものぼっており、ようやく医患連携できる環境が整いました。

医療にかかわるすべての人に安心を

なぜ、それを私たちができるのか。

それは、私ももともと放射線技師として、がん専門の病院で5年間働いていたから、そして院内には医師、看護師、薬剤師、クラーク、医療事務など様々な職種の人がいて、医療現場や患者さんと向き合ってきたからです。

そんな私たちだからこそできる挑戦です。

皆さんも必ず病気になり、いつか病院に来ます。

そのときに、しっかり医療者と向き合い、意思決定をし、安心して治療に臨める、そんな世界を守っていきます。

医療にかかわるすべての人に安心を。

Contrea株式会社でした。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成

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