▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!
恵まれた環境に育つことは、必ずしも「ラク」ではない——。そんな本音から議論が始まります。ICC FUKUOKA 2026のセッション「「子育て」について考える – 経営者の“背中”は、どう子どもに届いているのか」、全5回の③は、恵まれた環境ゆえへの悩み!?から話がスタート。経営者としての真剣な姿を目の当たりにして、子どもたちの中に芽生えたものとは?そして、そこで見えてきた母親の存在感とは?ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
▼
【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 12S
「子育て」について考える – 経営者の“背中”は、どう子どもに届いているのか
Sponsored by ICCパートナーズ
(スピーカー)
太田 有紗
上智大学・ICC運営チーム
小林 美礼
慶應義塾大学
田中 はんな
早稲田大学・ICC運営チーム
森山 穂貴
東京大学・
EEFULホールディングス 代表取締役
(モデレーター)
岩田 真吾
三星グループ
代表
▲
▶『「子育て」について考える – 経営者の“背中”は、どう子どもに届いているのか』の配信済み記事一覧
特別な体験を、子どもとしてはどう受け止めている?
岩田 よくある話として、口説くために、きれいな夜景の見えるレストランに連れていったら、「わぁ、きれい。私の家から見える夜景のほうがきれいだけど」みたいな。
(会場笑)
裕福な家庭で育って、高層マンションに住んでいて、うちのほうが高層だけどねみたいな話になってしまう。
要は、普段からいいものを食べていると、例えば、相手が気合いを入れて連れていってくれたレストランで、「あ、これ食べたことある」みたいな感じになってしまって、人生を踏み誤るような気もします。
自分が体験させてもらっていることは特別なことなんだというのは、自分の中でどういう風に受け止めているのか、有紗さんはどうですか?

太田 有紗 まささんがリトリートでスタッフを連れていってくださるおちあいろうという宿が、本当にすごく素敵な宿なんです。
私が直接知らない方ですが、元スタッフの方が、リトリートでおちあいろうに行った直後に、当時の彼氏さんにまた連れてきてもらって、「初めて!」みたいなリアクションをしなくてはいけなかったのが辛かったらしいと、他のスタッフの方経由で聞いたことがあって。
岩田 (笑)
太田 有紗 そうなるだろうなというのは、思いました(笑)。
岩田 初めてとは、言わなくてもいいのかもしれないけれど。
太田 有紗 普通は行かないようないい宿に連れていってもらっているからこそ、「初めじゃないなら、誰と来たんだ?」と思われてしまうより、「えっ、初めて」と言ったほうがいいみたいな。
岩田 なるほどね。
森山 怪しまれてしまうのですね。
太田 有紗 そう(笑)。
(会場笑)
岩田 はんなさんは、どうですか?
田中 はんな そこの点は別問題かもしれないですが、いいものを見る、本物を見るというのは、今の小林家の話もそうですし、両親もしてくれていたなと思います。
そこに惜しみなく機会を提供してくれていたことは、ありがたかったと思います。
確かに、今の話の、他の人ともう一度行った時に、どうリアクションするかみたいな話もまたあるかもしれませんが、本物を見るというところは、ICCでまささんがスタッフにしてくださる部分でもありますし、両親からもしてもらったという記憶があります。
小林 雅 補足すると、次女は雙葉に通う高校2年生で、京都に修学旅行に行ったのですが、インバウンドによって宿泊費が高騰したから、宿がランクダウンしてしまったらしいのです。
ショボすぎたことで、自分たちは普段もっといい宿に泊まっている、もっと勉強して頑張って絶対金持ちになろうみたいな原動力になって、やる気になって修学旅行から戻ってきたのでそれはよかったんじゃないかなと思いますね。
アトツギはハングリー精神が足りない?
岩田 それは、ありますね。
先週、DMM.comの亀山(敬司)さんと対談する仕事がありました。
亀山さんが最初、アトツギはボンボンだから、ハングリー精神が起業家と比べると足りないから、ゆっくりなんだよなということを言って、会場が冷えたんですよね(笑)。
それで途中で問題だと思ったのか、「でも、人はいいよね」と言い出したんですけど。
(会場笑)
その辺のハングリー精神をどう生んでいくのかは、一つあると思うんですよね。

小林 美礼 ハングリー精神がないというのは、親と自分を同一視している部分があるからだと思います。
慶應大学には、代々不動産を引き継いでいる何代目が親だという人がいるわけですよ。
その中でも、上手くいく人といかない人とで、明暗がはっきりしています。
岩田 わかります。
小林 美礼 上に行くかとか、ビジネスパーソンとして成功するかは置いておいて、人としてはとてもいい人たちだけど、のらりくらりしている感じもあって。
その違いは何かというと、親の権威を自分のものと思っているかいないか。
岩田 なるほどね。
小林 美礼 自分が当たり前にその恩恵を享受できるか、その権力を引き継げるかというのは、この業界(スタートアップ)にいると「違う」とわかりますが、私たちのように、父親の会社のつながりの人と話す機会がない人だと、わからないんですよ。
大企業の重役の娘、息子だったり、代々続く不動産の不労所得がたくさんある人たちだったら、何もしなくても得られたり、親の仕事の相手と関わる機会がないことが多いんです。
岩田 いいですね。
美礼さんの場合は、こういう場で、お父さんだけでなく、お父さんと対等の人たちと会えていますよね。
小林 美礼 会うことで、自分が本当にちっぽけな一般人というのがわかるようになってくるので、ICCサミットに参加されている皆さんと、肩を並べてお話しできるようになるにはどうしたらいいのかを、考えるようにはなりますね。
岩田 とても大事な論点で、その話をしたいと思っていました。
「親からどんな影響を受けてきたか」と書いてありますが、親の友達からどんな影響を受けたのかが、とても重要だと思います。
僕にも18歳の娘と15歳の息子がいますが、そのくらいの年齢になったので、できるだけこういう場に来る時に、連れてくるようにしています。
自社のイベントなどでも、手伝っていると色々なことが見えてくるので、受付をやるように言っています。
今日登壇しているメンバーは親と仲が良いですが、半分くらいの確率で、親の言うことは、近すぎたり、ダイレクトすぎたりして嫌だという人もいます。
でも、親の友達という存在を介して、親の友達が尊敬できる人で、その人がこういう風にするといいよとアドバイスしてくれたら、そうだなと思えるとか、色々な影響があるのではないかと思います。
そういう意味で、ICCのスタッフをしていたりすると思いますが、穂貴君、どうですか?
おじさんばかりの飲み会に小学生なのに参加

森山 それは、よくわかるなと思います。
私は小学生の頃から、やたら飲み会に誘われていまして。
(会場笑)
岩田 ごめんなさい、人生何周目でしたっけ?(笑)
森山 でも、それが今の自分の中のおじさんを築いてくれているなと思っています。
(会場笑)
飲み会に行くと、「夢はなんだ?」と”夢ハラ(スメント)”をされるんですよ。
特に夢があるわけではないけれど、とりあえず何か答えなきゃと思って、そうしているうちに、だんだん夢ピッチができるようになるわけです。
(会場から「おぉ」という声)
ずっと言っていると自然に、「これは自分の夢なのかもしれない」という風に潜在意識に刷り込まれるようになりました。
結果的に、こうやってICCにも来させていただけるぐらい、今夢を持って頑張れています。
▶レクリエーションを超えて、豊かな高齢者社会への産業創出に挑む「emome」(ICC FUKUOKA 2025)
岩田 ちょっと踏み込んで聞くと、おじさんばかりの飲み会なんて、普通は若い時に行きたくないと思うけど、ついていってもいいと思ったのは、例えば、ご飯が美味しかったからとか、何の理由なの?
森山 拒否権が全くなかったというのがありますね。
振り返ると、初対面の人との場に放り込まれることが、ものすごく多かったです。
中学校も2回転校していますし、シンガポールにいた時はファミリーパーティーに行って、初対面のインド人の同級生と会話するように言われることが多かったです。
それに対する抵抗感はそんなになかったのかなと思いますし、基本的に親の言うことに対して歯向かうことは許されていなかったのかなと思いますね。
高校生の時、父がしてくれたICCの話
岩田 はんなさんは、親の友達や親と働いている人とのコミュニケーションの中で磨かれているなと感じることはありますか?

田中 はんな まさにICCの場に、スタッフとして参加させていただいていることが、一番大きいです。
岩田 最初のきっかけは? 何歳の時に、どういう風に、お父さんから声を掛けられたの?
田中 はんな 高校生の頃から、ICCの土産話は聞いていて。
岩田 高校生相手に、家でICCの土産話をします?
(会場笑)
田中 はんな セッションの内容というよりは、こんなご飯を食べてきたよという美食の話から始まっていたので、高校生の時の私に合わせてくれていたのだと思います。
毎回、こんな面白い人に出会ったみたいな話をたくさんしてくれて、かつ、スタッフの話がすごく出てきて、気になりました。
岩田 田中さんの目の付け所が。その頃はどういう思いで?
田中 安人 僕はまささん(ICCの小林 雅)にいつも言っていますが、このICCのエコシステムはすごく完成されていますよね。
このエコシステムは、勉強になるなと思っていました。
家では、美食体験で食べたご飯が美味しかったよと言っていたので、ICCは美味しい場所だと思っていたようです。
(会場笑)
僕は仕事に家族を巻き込むと決めていますが、ジャパンハートのツアーに一緒に行ったメンバーが、とても良かったんですよね。
そのすごい人たちから、「君のパパはめっちゃいいよ」と言ってもらったことが大きかったのではないかと思います。
田中 はんな そこは、本当にそうだと思いますね。
父が他の方と議論しているのを見るとか、その輪に自分が入ることはできなくても、その光景を見るだけでも、父がこんなにもいい顔で話せる相手がいる、この場とは何だろうと思っていました。
岩田 父親としての顔以外のところが見えるということですね。
田中 はんな 多分、そこですね。
岩田 これは面白いですね。
親の本気を子どもに見せることの重要性

森山 わかりやすいティップスをいくつかまとめていけるといいのかなと思いますが、そういう意味では、親の本気を何回か見せるというのは、重要なことかなと思っています。
私は昨年(2025年)、事業承継しましたが、父から言われたのは、元々子どもというより、友達やビジネスパートナーに近い感じで育ってきたと思っているということでした。
父の本気の会話を聞き続け、自分も中学生ぐらいから入るようになると、徐々に会話が追いついてきました。
よく人からマチュアだねという風に言われるんですが、親とコミュニケーションが取れるようになるかどうかは、親の本気を見せることが非常に重要なポイントかなと思います。
岩田 普段は、ICCのセッションでもしませんが、今回、初めてだったので事前の打ち合わせをしました。
その時、親の本気を見せるということについて、有紗さんからいいエピソードが出たので、聞かせてください。
ICC運営スタッフになって知った父のすごさ

太田 有紗 私もICCがきっかけで、父のことを尊敬するようになりました。
岩田 ICCがなかったら?
太田 有紗 なかったら、今どうなっていたかわかりませんね(笑)。
岩田 ありがとうございます。さすが関西の人はちゃんとのってくれますね。
太田 有紗 (笑)
父が何回も話しているエピソードではあるんですけれども、父はクラフテッド・カタパルトと、カタパルト・グランプリで優勝していまして、ちょうど私が大学受験の勉強の追い込みをしている2月の初旬に、父が家のリビングで大きな声を出して、グランプリのピッチ練習をしていたんですね。
▶見た目はガラス! 機能性と美しさを備えたシリコーンゴムで唯一無二のものづくりに挑む「錦城護謨」(ICC KYOTO 2021 )
▶自然由来、デザイン性に優れたシリコーンゴムのものづくりで、良いものを大事に長く使う文化を伝える「KINJO JAPAN」(ICC FUKUOKA 2022)
私はそれがすごく嫌で、受験は自分にとっても家族にとっても大事な行事だと思っていたので、父が大きな声で私の勉強を邪魔しているという認識にどうしてもなってしまいました。
リビングを通りかかった父から「プレゼンを聞いて感想を頂戴」と言われた時に、「ここがわかりづらい、わかりません!」ときつく言うほどでした。
それが、ICCのスタッフとして参加して、生でカタパルトの登壇者のプレゼンを見た時に、色々な方々の本気や思いを受け取り、こんな場所で父は頑張って、しかも優勝したんだ、父はすごい、と思いました。
ICCの現場に来なければ、わからなかったと思います。
しかも、「お父さんのこと、知ってるよ」と、スタッフだけでなく登壇者の方も言ってくれて、「お父さんのピッチを見て、プレゼンの練習をしたよ」と、いまだにグランプリに出られる方が言ってくださるので、それはすごいなと思いました。
岩田 太田さん、深く頷きましたね。
太田 泰造 はい。ありがとうございます。

クラフテッド・カタパルト、カタパルト・グランプリと、ICCに出させていただきましたが、ICCはいつも言っているように、自分の人生を変えてくれたすごく大きなきっかけだったし、本気で向き合うということをやらせていただきました。
有紗には申し訳なかったけれど、冗談抜きで1,000回以上、クラフテッドに出る前もグランプリに出る前も練習したし、朝起きて昼もずっと練習していたので、ごめんね、いっぱい邪魔して(笑)。
太田 有紗 「人生が変わる場だから」と最初に伝えてくれていたらよかったんですけど、言わずにプレゼンの練習をするから。
太田 泰造 後で、スタッフさんと宮崎の鮨屋にご一緒した時に、スタッフさん経由で話を聞かせていただいて、鮨を食べながら号泣する羽目になったんですけれども。
直接聞くのも嬉しいけれど、人づてに聞くのも、これはまた嬉しくてすごくいいです。
親の覚悟は子どもに伝わる
岩田 「親の本気を見せる」というティップスが出たとしても、なかなか本気は見せられないですよ。
小林 美礼 私たちの世代は特に「夢はなんですか?」「将来何をしたいですか?」「命を懸けてできる仕事はありますか?」と聞かれた時に、答えられる人は本当に一握りだと思うんです。
そうなってくると、親がICCの場でも他の場でもいいのですが、自分はこれを命を懸けてやりたい、やるべき価値があるという風に思って、本気でそれをやっている姿、それは経営者でなく会社員だったとしても見えると思います。
岩田 本気で生きろと。
小林 美礼 はい。親が本気で、何か命を懸けられるものを見つけて向かっていったら、子どもは多分その姿に共感して、自分も何か同じように命を懸けてやりたいものを見つけたいと思うようになると思うんですよね。
岩田 社会構造的にそうなのかもしれないと思ったのは、昔は本気でやっている人も、家では見せないというか、家と仕事を分けるという価値観がマジョリティだったと思います。
さっきの家でプレゼン練習をする話とか、こういうICCサミットのような場があるから、本気で生きる前提が必要だけれど、構造的に本気で生きるというところが、感じられやすくなったというのは変化としてあるかもしれないですね。
小林 美礼 そうですね。専業主婦で生きていける家庭が多かった時代には、父親はこういう風に頑張っているんだよというのを、裏で母親が支えていた部分があるのかなと思います。
田中 はんな それは大共感です。父が仕事の話を家でよくするわけではないのですが、きっと母とは仕事の話をしていて、母経由で母が父を尊敬したエピソードを共有してもらえていました。
父にそういうところもあるんだと感じられたのは、母経由の部分が大きいです。

(続)
▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!
編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美


