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ICC KYOTO 2026 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇いただき5位に入賞した、wreath 下村 真代さんのプレゼンテーション動画【“わたしだけじゃなかった”と思える社会に。共通の生きづらさを抱える「セルフヘルプグループ」と人をつなぐ「wreath」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2027は、2027年3月1日〜3月4日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
▶【速報】行きたいを、行こう!に変える。インクルーシブデザインで障害児家族の声を形にする「IKOU」(Halu)がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2026)
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【登壇者情報】
2026年8月31日〜9月3日開催
ICC KYOTO 2026
Session 11A
SOCIALGOOD CATAPULT – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by EVeM
下村 真代
一般社団法人wreath
代表理事
公式HP | 公式X
大学卒業後、教育分野の公益財団法人にて子どもの発達支援に携わる。そこで社会的価値を広く届けることに関心をもち、総合広告会社に転職。マーケティング関連の部署に所属し、市場調査などの業務を行う。自身がセルフヘルプグループを必要とし助けられた経験から、孤独を抱えることがあったとしても「わたしだけじゃなかった」と思える社会の実現を目指し、2024年に一般社団法人wreathを設立。セルフヘルプグループの情報提供プラットフォームを運営するとともに、独自に実施した認知度調査や医療機関における情報提供の実態調査などに基づいた仕組みづくりを推進。2025年には、Forbes JAPAN「ソーシャルR&Dを実装するNPO50」に選出。
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下村 真代さん 「わたしだけじゃなかったと思える社会に」、wreath(リース)の下村です。

こんな時、「セルフヘルプグループ」が力になれるかも
突然ですが、皆さんは病気や障害を抱えて苦しんだことはありますか?

この先に希望が持てないと感じたことはないでしょうか。
あるいは、大切な人が病気や障害を抱えて苦しんだことはありますか?

何も力になれないと無力感を覚えたことはないでしょうか。
そんな時、「セルフヘルプグループ」が力になれるかもしれません。

国内ではまだ知られていないセルフヘルプグループ
「セルフヘルプグループ」は、病気や障害など、共通の悩みや生きづらさがある当事者が運営しているグループのことです。

「自助グループ」とも言われますが、よく知っている人はわずか2.9%です。

一方で、海外ドラマや映画では、当事者同士で体験を分かち合うセルフヘルプグループのミーティングのシーンが登場することがあります。

アメリカでは、10人に1人に参加経験があると言われるほど、とても身近な存在なのです。
そこでわたしたちは、セルフヘルプグループの情報提供プラットフォームを運営しています。

17年もの入院生活を送った母
事業の詳細の前に、なぜわたしたちがこのような取り組みを行っているのか、お話しさせてください。

きっかけは、わたし自身の子ども時代に遡ります。

わたしが生後6カ月の頃に、母は統合失調症と診断されました。
わたしが中学1年生の時には、母は精神科病院に入院し、17年もの入院生活を送りました。
わたしが中学3年生の時には父も病気を患い入院。3つ上の兄と2人で生活した時期もありました。
わたしには、いわゆるヤングケアラーという経験があります。

25歳の頃、抱いた深い後悔
幸い、周囲に恵まれ大人になることができましたが、25歳の頃、わたしは深い後悔を抱くことになりました。

ある本を読んだことをきっかけに、精神科医療の実態を知ったのです。

本人の意思に関わらず入院させられる強制入院、自分では外に出ることができない閉鎖病棟、自由に身動きが取れない身体拘束、これら全てを母は経験していました。



わたしは、子どもの頃から続く母の入院生活にこうした現状は当たり前のことなのだと思い込み、母の人権が侵害されていることに気づくことができませんでした。
言葉がなく、誰にも相談できなかった
現在、こうした精神科医療の問題について、日本政府は国連から勧告を受けていますが、わたしが問題に気づいた時には、母が入院してから10年以上もの時間が経っていました。

▶強制入院や分離教育など禁止勧告 国連が日本の障害者差別巡り初審査 2022年9月13日(朝日新聞有料記事)

わたしは、取り返しのつかないことをしてしまったと、ひどい罪悪感を覚えました。

差別や偏見が根強い精神障害について誰かに相談することも難しく、私にはとても言葉がありませんでした。
母の面会に行くことしかできない無力な自分に、何度涙したか分かりません。

セルフヘルプグループへの参加で少しずつ話せるように
そうした中で、わたしは病院の待合室で、精神障害者の家族の会の広報誌を見つけました。

それが、セルフヘルプグループとの出会いでした。
わたしは、思い切って足を運びました。
そこには、わたしと同じような体験をした人たちがいました。

そこでわたしは初めて、わたしだけじゃなかったのだと気づくことができました。
誰にも話せず、長く孤独でしたが、同じような体験をした皆さんの話を聞く中で、わたしも少しずつ自分のことを話せるようになりました。


セルフヘルプグループの情報提供プラットフォームを開始
こうして言葉を取り戻せたことは、人と、社会とのつながりを取り戻すことにもつながっていきました。

孤独を抱えることがあったとしても、「わたしだけじゃなかった」と思える社会をつくりたい。そうした思いから、2024年にwreathを設立。

まずは、セルフヘルプグループを必要とする人とグループをつなぐ情報提供プラットフォームを始めました。

ご登録いただいたグループからミーティング情報をご投稿いただき、グループを必要とする人にその情報を提供しています。

ご利用いただくグループ、ユーザーは全て無料。ご寄付を中心に運営を行っています。
これまで700のミーティング情報を掲載
これまでにご投稿いただいたミーティング情報は700件(2026年9月の登壇時点)。生きづらさ、依存症、精神障害など、さまざまなテーマのミーティング情報をご投稿いただいてきました。

ユーザーの方々からは「wreathは信頼できる自助グループが見つかるすばらしい場所」など、少しずつありがたいお声を頂いています。

最近では、医療関係者の方への情報発信にも注力しています。

セルフヘルプグループを知るきっかけとして、医療機関も重要な役割を担っているためです。
学会へのブース出展など、当事者を支えるソーシャルワーカーや医療関係者と連携することで、セルフヘルプグループという選択肢が当たり前になることを目指しています。

グループ運営の難しさ
しかし、活動を続ける中で、グループを運営する方々から、活動場所がない、相談先がないなどのお声を聞かせて頂きました。

これまで行ってきたセルフヘルプグループの情報提供だけでは不十分。セルフヘルプグループを安定して運営するための社会基盤づくりが必要だったのです。


情報提供とグループが安定運営できる社会基盤づくりが必要
わたしたちは今、この2つの取り組みを通じて、「わたしだけじゃなかった」と思える社会に向けて歩みを進めています。

まずは、各地でどのような運営支援がなされているのか、調査の準備を始めています。

調査結果をもとに支援モデルを構築。全国にサポート環境を広げていくことで、誰もがどこでもグループを安定して運営できる社会基盤をつくっていきます。

セルフヘルプグループという選択肢を知ってほしい
セルフヘルプグループは、誰もが必要とする可能性があります。

いつか必要とするかもしれない、その時のために、皆様のお力を貸していただけないでしょうか。
まずは、ご家族やご友人、会社の同僚など身近な人に、セルフヘルプグループの存在をお伝えいただけますと幸いです。

生きづらさを抱えた時、セルフヘルプグループという選択肢があることを知ってもらいたいのです。
会社の集まりなどにお呼びいただけましたら、わたしからも喜んでお話しさせていただきます。
あるいは、ご寄付でwreathの活動を支えていただけないでしょうか。

頂いたご寄付は、情報提供プラットフォームの運営、安定的なグループ運営に向けた社会基盤づくりに活用させていただきます。
「わたしだけじゃなかった」と思える社会に
どうか、「わたしだけかもしれない」と孤独を抱える社会から、「わたしだけじゃなかった」と思える社会に向けて、お力を貸していただけませんか。

「わたしだけじゃなかったと思える社会に」
ご清聴ありがとうございました。

▶寄付・支援についての情報ページはこちらをご覧ください。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成


