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ミライセルフ表孝憲さんのプレゼンテーションを2回シリーズでお届けします。(その2)は、求職者と企業のミスマッチを防ぐ「mitsucari」の強みや実績、事例についてお話し頂きました。
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017「カタパルト・グランプリ」プレゼンテーションの書き起こし記事です。是非ご覧ください。
スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。
本記事で特集しております8分間のプレゼンテーションを行う「CATAPULT(カタパルト)」のプレゼンターを募集しております。「スタートアップ」「IoT/ハードウエア」「リアルテック」「カタパルト・グランプリ」の4カテゴリーで募集しております。ぜひ募集ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
CATAPULT GRANDPRIX (カタパルト・グランプリ)
Supported by IBM BlueHub
表 孝憲
株式会社ミライセルフ
代表取締役CEO
京都大学・法学部卒業。新卒でモルガン・スタンレー証券株式会社の債券部に入社。
営業として勤務する傍ら入社後半年から週末は面接官として従事し採用リーダーとして毎年1,000人以上の学生と面接。2015年6月に退職しUCバークレーハースビジネススクールに留学。経営学修士(MBA)を取得。2015年5月に人と組織のカルチャーを可視化して自分や自社に合った人や組織を見つけるサービスmitsucariをスタート。2016年2月に本格的にビジネス向けのサービスとして提供を開始し2017年1月現在で260社、17,000人が登録。面接数が30%削減や、新卒の定着に効果があった企業が現れている。2016年12月に京都大学イノベーションキャピタルより2回目目の資金調達を実施。
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【前の記事】
【本編】
▼Part1のハイライト▼
表 活躍している人とそうでない人を明確にして、更にその違いを明確にできるのが我々の「mitsucari」というサービスです。
面接に行く応募者の方と企業の方どちらにも同じテストを解いてもらい、その適正度合いを見ながら活躍するかどうかということを判断できるような仕組みです。
とはいえ、企業によって活躍する要素や個人の持っている要素というものは多々あり、我々でも14個の軸を使っているのですが、7段階ですから14の7乗というとてつもない数になります。
しかし、それは全てマッチ度で計算できるので、複雑な人と組織のマッチをテクノロジーによって分かりやすくしようというのが我々のトライです。
どんなことするのかということで、中心になるのがこの「mitsucari適性検査(下のスライドでは”mitsucariテスト”と表記していますが、現在は適性検査に変更しています)」という問題です。
この問題を解くことで、外向的・内向的、楽観的・心配性など適性検査で出るような様々な結果が出てきます。
▲part1のハイライト終わり▲
導入事例の紹介
表 ここで1つケーススタディという形で、事例を紹介させてください。
人事の状況ですので社名は出せませんが、Web・ITサービスで社員約1000名の会社です。
まず、どのようなことをしたかというと、社員約200人にテストを受けてもらい、このような形で評価をタグ付けしていきました。
A、B、Cのように3段階ほどで評価を付けていき、評価が高い人の持っている要素を見ると、競争的、人と闘いながら自分の感情を高めていくようなタイプの人というのが活躍しているということが分かります。
もう1つ分かったのが結果重視という、結果を求めるタイプの人が活躍しているということが分かりました。
次に、面接でどういう人が通っているのかということをタグ付けて、どういう状況かということを分析しました。
調べた結果、競争的な人は面接を通っていました。ですが、この会社では、プロセスを重視して正確に物事を進めていくタイプの方が面接では通っているということが分かりました。結果を求めるタイプの人が活躍しているという点と反しています。
採用は、面接の場面でも求めるものが違い、即戦力なのか将来のリーダーとなる人をポテンシャルで取るのか、スクリーニングでテストのようなものを使うのか、又は最終面接の前にテストを使うのかなど様々なパターンがあります。
この会社は即戦力を採用したくて、スクリーニングでこれを使うということを明確に持っていたので、それによって見るポイントが明確になり、結果的に約25%の面接数を削減することができています。
ここまでのハイパフォーマー分析のようなものというのは、今までの適性検査でもできるのですが、このテストを使って、面接をして、配属をして、評価をして、その評価というものをタグ付けていくことだけで、機械学習の技術で益々システム自体が勉強していってくれます。
この仕組みが我々の特徴であると思っています。
「mitsucari」の3つの強み
更に、我々の3つの強みを説明します。
まず「チーム」です。基本的に我々のチームは、過半数はエンジニアとデザイナーで構成されています。
そして、「使いやすさ」ですが一般的にこういうテストを申し込んでから使うまでには数日かかってしまいます。
mitsucariはオープンして登録した瞬間から使えますし、また結果を集める作業やテストを受けてもらうために送る作業という手間がほぼありません。
時間を計測すると約1/10の手間でテストを受けてもらうことができます。
そして最後に「拡張性」です。
下の画像はmixiとの業務提携のリリースなのですが、様々な転職や就職のサービスと連携するような仕組みというのを既に想起してシステムを作っています。
「mitsucari」の実績
こうした努力のお陰で前回ICCカンファレンスのスタートアップ・コンテスト「カタパルト」に登壇させていただいた時から、登録企業は2倍で約300社、回答者も2.5倍で既に数万単位のデータが集まっています。(2017年7月現在で登録企業は450社を超えて、回答者もさらに2月から約2倍になっています)。
「mitsucari」のビジネスモデル
我々のビジネスモデルは、まず適性検査と分析ツールをSaaS(利用料課金)として貸し出していき(現在は応募者のテスト利用1回800円の課金、社員は基本無料)、次にデータを活用したナレッジシェアということをやっていきたいと思います。
既に我々が持っているデータで分かってきたことを今日は3つ共有したいと思います。
まず、ミッションとバリューの大切さなのですが、とある会社に行きましたら「結果主義」「専門家」「挑戦的」の要素がこのテストでとても出ていました。
その会社に行き壁に貼られている会社のミッションステイトメントを見ると、ミッションとして「結果を求めろ」「プロフェッショナリズム」など書いてありました。
ミッションとバリューを明確に定義されている会社で、その基準が面接の基準にも反映されているということがmitsucari上は証明された瞬間でした。
あと、我々のデータはSaaSという形で大企業の方にもベンチャーの方にも様々な業種の方に受けていただいているので、どういう人がベンチャーにいて、どういう人が大企業にいるのかということも分かってきています。
データを活用したナレッジシェアでデータをためていくことで、どういう会社でどういう部署で誰が活躍しているのかということが分かるので、その人の持っている性格や価値観を生かしたマッチングということができるようになってきます。
なんとなく会社に合わないとか馴染めないというのは、あまり大きな問題ではないように感じるのですが、様々なアンケートを見ていくと、離職理由の半分以上、5割から7割程度というのは「なんとなく社風に合わない」ということで人は会社を辞めてしまうのです。
労働生産性の議論というのは、今日のピッチの中でも多数ありましたが、人が合う会社を見つけるということは、日本の労働生産性を高めることに繋がっていくと思っています。
人と組織のミスマッチを減らして、いきいきと働ける世の中をつくるために、mitsucariは頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/ウォング 理佳
【編集部コメント】
「何となく社風が合わない/馴染めない」というのは、離職理由の半分以上なのですね。
自分の人生を振り返るに、少年の頃は自分の性格は変幻自在というか、所属するコミュニティを楽しめるよう自分を変えられました。が、成長して自我が強くなるにつれて自分の方は変えらなくなり、自分に合った環境を求めるようになるのかもしれません。(横井)
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