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「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザインの考え方はどのように変わるのか?」【F17-2B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!11回シリーズ(その7)は、洗濯機のIoT化を皮切りに、機能性をもたせた衣服「ファッションテック」などについて議論しました。スマートヘルメットの議論に行き着きました。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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【登壇者情報】
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
2017年2月21日〜23日開催
Session 2B
「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザインの考え方はどのように変わるのか?」
(スピーカー)
青木 俊介
ユカイ工学株式会社
代表
小野 直紀
株式会社 博報堂
プロダクトデザイナー
田川 欣哉
Takram
代表取締役
村上 臣
ヤフー株式会社
執行役員CMO
(モデレーター)
林 信行
ジャーナリスト/コンサルタント
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▶「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザイン」の配信済み記事一覧
【前の記事】
【本編】
林 私のIoTにおける今年の注目株で、ビジネスとしても伸びていくのではないかと思っているのは、コインランドリー・ビジネスです。
今、コインランドリー・ビジネスが非常に熱いのですが、ご存知でしょうか。
洗濯機でスニーカーが洗えたり、布団を洗えたり、日本から「ランドロイド」という洗濯物をたたむロボットが出てきたりしています。
洗濯機が上手くIoT化されたら、仕事先で洗濯物を預けて、仕事帰りに受け取るというような、ライフスタイルにも大きな変化をもたらすサービスが出てくるでしょうし、洗濯機は結構、熱い領域だと思います。
デザイン・エンジニアの田川さんがそういった洗濯機を作るとしたら、どういった感じで操作ができるようになるでしょうか。
田川さんを中心に、もちろん他の皆さんもぜひ議論に加わってください。
洗濯機をIoT化するなら?
田川 洗濯機ですか。
面白い話があって、物がより便利になることで果たして人は楽になるのかという、究極の問いを追求した学者がいます。
洗濯機が登場して、主婦の仕事は本当に楽になったのだろうかということを、真面目に統計的に調べた人がいるのですが、どうも洗濯機の登場によって主婦は倍くらい忙しくなったという話です。
なぜかというと、昔の人は服をそんなに持っていなかったし、そもそも洗濯しなかったらしいんですね。
これだけ洗濯できるようになって本当に嬉しかったのは誰かというと、実はユーザーではなく、衣料品メーカーであったと。
これは冷蔵庫なども同じで、冷蔵庫の登場によって、例えば冷凍食品の市場が1兆円になったり、チルド市場が5,000億円になったりしたということなのですが、それで主婦が楽になったかというと、全く楽になっていません。
我々がデザイン視点という時に気を付けなくてはならないことは、インダストリーを作ろうとしているのか、ユーザーのベネフィットに直結するものなのかということを、明確に分けて考えておかないと、作った結果、ユーザーは楽になっていない可能性があるということです。
洗濯機についてはよく言われる話ですが、洗濯物をたためない限りは使えないとか、乾燥機は縮むからという理由で、既存の洗濯機に完全に取って代わるところまで至っていません。
先ほどNobiさん(林さん)がおっしゃっていたような、ボックスに入れて送ると、洗濯物が届くサービスなどがありますよね。
でも、明日着たいんだ!というような要望には応えられないですし、そもそも送るのが面倒くさいということもあり、まだそこまで普及していませんよね。
そもそも服を水で洗うことは必要なのか?
村上 そもそも洗濯がいらない服を作ればいいという話もありますよね。
田川 そういう話もありますね。
村上 今、IoTでは、繊維系も結構熱いですし。
林 ファッション・テックですね。
村上 伝導性の糸であったり、着ているだけで心拍数が計れる服であったりと、IoTとファッションが融合してきているので、今のハイテク繊維を活用して、洗濯不要の服が出てきたら、洗濯機は要りませんよね。
田川 その関連で面白い製品があり、確か韓国系のメーカーからドライクリーニングのボックスを家庭に設置するタイプのものが出ていて、ほぼクローゼットのようなんです。
洗濯機ではなくて、吊るしておくと洗濯が終わるという。
小野 揺らすタイプですか?
田川 いわゆるドライクリーニングのような感じなんです。
村上 溶液のようなものを使って、スチームをかけたり、ドライクリーニングをやってくれたりするんですよね。
田川 そうそう。
ネスプレッソのようなカートリッジを入れて、スイッチをオンにしておくと、そこでクリーニングのプロセスが起こると。
小野 P&Gが作っていましたよね。
▶P&GとWhirlpool による「Swash」
田川 ですから、水でバシャバシャ洗うという発想から一度離脱しないと、先に進めないのかもしれませんね。
小野 紙でできた使い捨ての服などもありますからね。
田川 その方向でいくと、そうですね、例えばTシャツが送られてきて、着たら、そのまま返すなど、いろいろ考えられますね。
デザインも毎回違うものが送られてくるとか。
そうなると、毎日服を自由に着るという大きなループの中から洗濯が消え去る、というようなモデルでひっくり返さないと、洗濯機のままで何かをやろうとしても、大きな変革は恐らく実現できないんじゃないですかね。
人はVRヘルメットをかぶって生活するようになる
村上 そうですよね。
もしくは、全員がVRを付ければいいんですよね。
もう服を着る必要さえないじゃないかと(笑)。
田川 「今日はカラフルな服を着てますねぇ」みたいな(笑)。
村上 全員それを着ていたら捕まらないし、基本的にバーチャルの世界の中で服を着ればいいんですよね、課金もできますし…バーチャルじゃないですか。
田川 自分が見たいものしか見なくていいと。
村上 未来の話をする時に、我々の中にはヘルメット派というのがいて、人はいつかヘルメットをかぶって生活するようになるよねと言っています。
VRで、そこがメインの生活になると。
田川 それは弊社ではもう、「おもてなしヘルメット」という名前がついています。
村上 アウトカム(カメラ)を付けていれば、外でも安全に歩けますよね。
田川 それで、マルチ言語で話せると。
村上 頭が守られているから、何かあっても安全 (笑)。
田川 その他に何派がいるんですか?
村上 え?
(会場笑)
田川 ヘルメット派と?
村上 ヘルメット派と、既存のファシリティを変えていく派と、両方がいます。
今一番の最有力はヘルメット派です。
(続)
続きは 人間の「空気を読むコンピューティング」とは? をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/鈴木ファストアーベント 理恵
【編集部コメント】
数年前、カンファレンスでヤフーの小澤さんが「スマートヘルメット」、略してスマヘルについて熱く語っていたのを聴講させていただいたことがあり、今回の村上さんのお話しを読んで、ヘルメット派の重鎮を推測できた気がしました(榎戸)
続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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