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ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・カタパルトに登壇いただいた、Zenport 加世田敏宏さんのプレゼンテーション【「Zenport」は複雑な輸入調整をヴィジュアル化し、貿易業務のクラウド一元管理を可能にする!】の文字起こし記事をぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プレミアム・スポンサーのラクスル様、プラチナ・スポンサーのIBM BlueHub様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 1B
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ラクスル & IBM BlueHub
(プレゼンター)
加世田 敏宏
株式会社Zenport
代表取締役CEO
公式HP|LinkedInページ
2015年に株式会社Zenport(旧Sendee)創業後、ビットコイン上に資産情報を載せて資産の真贋情報をトラッキングする“Chainfy”など複数のブロックチェーンサービスを提供する。またエンジニアとしても大手金融機関のブロックチェーンを用いた証券取引所構築の実証試験に参加した経験を有する。2016年11月に、国境の無い経済を作るというビジョンのもと、貿易業務のクラウドソフトZenportを構想、その後事業化。東京大学工学部卒。
著書:「スマートコントラクト本格入門―FinTechとブロックチェーンが作り出す近未来がわかる」。
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▶「ICC FUKUOKA 2019 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧
加世田 敏宏氏 株式会社Zenportの加世田 敏宏です。
本日は貿易業務を楽にするサービス「Zenport」をご紹介します。
皆さん、海外ブランドのアパレル製品や北欧家具など、海外から商品を輸入して販売したいと思ったことはありますか?
もし考えたことがあれば、本日はそうした取引を実際に行うことを想像しながら、私の話を聞いていただけると幸いです。
輸入販売にあたり、まず初めに皆さんは「貿易業務」を行う必要があります。
発注や生産、船積みや販売、在庫管理などのプロセスをうまく調整しながら、販売の最大化および過剰在庫の抑制を実現する必要があります。
これは国内取引でも同じであり、サプライチェーン管理の難しさについては、実際に商品を売買されている方であればイメージが湧くかと思います。
しかし貿易の場合、国内取引に比べコントロールできない事象が多数発生します。
これが、貿易におけるサプライチェーン管理を大幅に難しくしています。
貿易は煩雑なエクセル管理と膨大な書類対応を要する
たとえば「生産」について、皆さんが中国やインドのサプライヤとコミュニケーションする場面をイメージしてみてください。
言語も異なり距離も離れている、時差もある、こういった状況を管理するのは実はとても大変なことです。
実際には、製品が納期通りに作られていないといったことが多発しています。
また「船積み」についても、船のスケジュールは気候によって頻繁に変更されるため、こういった状況に対応し、全体のスケジュールを調整する必要が生じてしまいます。
では実際の現場ではどのように対応しているのでしょうか?
何と、いまだに7割のお客様がエクセルでプロセス全体を管理し、何かあった場合の調整作業を行っているのです。
たとえば、船が遅れる・生産が遅れるとなった場合、これらすべてをエクセルで変更しながら情報をアップデートしていきます。
これは大変労力のかかる作業だと思いませんか?
さらに、貿易業務では大量の書類が発生します。
貿易は商品や相手国によって必要な規制が異なるため、たくさんの書類を作る必要があります。
また、これらの書類を社内外の多くのプレイヤーとやりとりする必要があるため、貿易は大量の書類との格闘を強いられてしまうのです。
貿易業務のコラボレーションツール 「Zenport」とは?
このような面倒な作業から皆さんを救うため、私たちは貿易業務のコラボレーションツール 「Zenport」を開発しました。
Zenportを用いれば貿易業務の各プロセスを別々の画面で管理することが可能です。
発注管理や船積管理、コンテナ管理などの状況を個別に把握することができます。
全体像を把握したい場合は、このようにダッシュボード画面で見ることができます。
発注から船積みまでの関係性をマップ形式で判断するため、全体像を一目で把握できます。
エクセルであれば、複数の書類を見比べながら行っていた全体の把握や調整業務も、Zenportを使えばこの画面1つで行うことができるのです。
生産が遅れた場合の荷物の積替えなども、Zenport上で、たった数クリックで実現することが可能です。
また書類についてはどうでしょうか。
大量に発生する書類もこの上で簡単に作成可能です。
たとえば発注書は、Zenport上で商品の情報をフォームに入力し製品を選択します。
価格や数量を入力すればすぐに発注書が完成します。
外部で作成された書類も各プロセスごとにアップロードしておけば、Zenportに関係者全員がアクセスし管理することが可能です。
Zenportはいわば、貿易書類における“Dropbox”としての役割も担っているのです。
Zenportを使うことによって、お客様はエクセル作成や書類作成、連絡のコストを合計70%も削減できたという実績が出てています。
「エクセルよりも大幅に楽になった」
「業務を分担できるため社内で時間を効率良く使えるようになった」
このような嬉しいお声をいただいています。
経営支援ツールへの拡張・決済機能搭載を目指す
トラクションについてご説明します。
現在このように、課金ユーザーを含むリード数が順調に増加しています。
我々が狙うマーケットは、国内の貿易会社8万社、そのうち中小企業以上の3万社を最初のターゲットとして拡大していきます。
さらに今後、Zenportは「業務管理ツール」から「経営支援ツール」へと拡張していきます。
Zenport上に蓄積したフロー情報をもとに経営サポートを可能にする、このようなデータを蓄積していきます。
蓄積データをもとに経営指標を改善するサポートをしていきます。
また、今後Zenportはこのプロセスに決済機能までを実装することを考えています。
国内外のユーザーとの決済機能をZenport上で実装し、貿易業務を一気通貫で決済までカバーできるようにしていきます。
この決済機能に関しては、従来の法定通貨のやりとりではなく、最近話題になっている仮想通貨を用いた取引も試みようとしています。
その際には法定通貨と価格の変動がないステーブルコインを実際に使って実装していく予定です。
経済の国境を失くし、世界を一つのマーケットに
今後、Zenportまたは決済で蓄積されたお客様の信用スコアがたまっていきます。
これらの情報をもとにして、運転資金の融資や海上保険といった貿易金融のマーケットに参入していきます。
この貿易金融のマーケットは国内だけでも2,400億円という大変大きなマーケットになっています。
最後にチームをご紹介します。
わたくし加世田は、以前ブロックチェーンで大手金融機関の実証試験に参加した経験のあるエンジニアです。
COOの太田は三菱商事やBCG、ミスミで豊富な経験を積んでいます。
世界6ヶ国から集まったメンバーでプロダクト開発を行っています。
このメンバーで、最初から世界で使われる、日本にとどまらないプロダクトを開発していきます。
我々Zenportは、経済から国境という概念を失くし、世界を一つのマーケットにしていきます。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/三木 茉莉子/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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